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茨城県議会議員 井手よしひろ (e-mail:master@y-ide.com)

乳幼児医療費の完全無料化を目指す運動に10320人の署名

 井手よしひろ県議ら公明党日立支部(支部長・八幡正次市議)は、乳幼児医療費の自己負担の軽減を求める署名運動を行い、1万人を越える署名をいただきました。
 署名運動は、2001年3月に1ヶ月間行い、10320人のご協力をいただきました。
 井手県議らは、この署名簿を4月3日に樫村千秋日立市長に提出し、一刻も早い乳幼児医療費無料化を強く要望しました。
 樫村市長は、「来年度の予算編成に向けて、具体的な検討を行う」と、回答しました。

乳幼児・母子家庭・父子家庭の医療費一部自己負担の撤廃を求める要望書

 現在、茨城県においては、3歳未満の乳幼児・母子家庭・父子家庭の医療費を一部の自己負担(1回の外来につき500円、月1000円を限度)を除いて無料化しております。

 この医療福祉制度は、他県に比べても先進的な制度であり、その一層の充実が望まれています。特に、一部自己負担の撤廃は、子を持つ若い保護者にとっては切実な願いであります。

 こうした声を受け県内では、すでに20の市町村が、自己負担分を市町村が肩代わりをして、完全無料化を実現しています。さらに、水戸市では平成13年度より、完全無料化導入を表明しております。

 このように完全無料化の動きは、確実に県内に広がっており、私どもは、多くの市民の賛同の声を添えて、日立市でも乳幼児・母子家庭・父子家庭が安心して病院にかかれるように左記の要望をいたします。

 貴職におかれましては、要望の主旨をご理解いただき、適切なご対応をよろしくお願い申しあげます。

要 望 事 項

一、3歳未満の乳幼児・母子家庭・父子家庭の医療費の一部自己負担をなくしてください。

日立市長 樫村 千秋 殿

 茨城県においては、乳幼児(0歳〜2歳)、妊産婦、母子家庭、父子家庭、重度の心身障害者を対象に、健康保険の規定による患者負担分(自己負担)分を公費で助成することによって、病院の受診による経済的負担を軽減し、住民の健康と生活の安定を図る目的で医療福祉制度を導入しています。

 現在、この医療福祉制度の対象になっているのは以下の通りです。

対象者対象者の範囲実施時期給付方法所得制限
乳児・幼児0歳児、1歳児、2歳児入院はH6/10〜
外来はH9/1
一部自己負担適用H10/11
現物給付扶養家族1名の場合423万円未満
妊産婦妊娠届けのあった月の初日から出産の翌月末日までH10/11自動償還払い扶養家族1名の場合423万円未満
母子家庭18歳未満の児童とその母
20歳未満の一定の障害児とその母
父母のいない児童
S52/1現物給付基礎年金準用
父子家庭18歳未満の児童とその父
20歳未満の一定の障害児とその父
H10/11現物給付基礎年金準用
重度心身障害児等身体障害障害者手帳1・2級
IQ35以下
身体障害障害者手帳3級かつIQ50以下
身体障害障害者手帳3級の内部障害者
S48/4現物給付1000万円未満

 茨城県の医療福祉制度の特長は、@妊産婦や母子家庭・父子家庭までが対象となっていること、A給付が現物支給制度であり、窓口で現金を支払う必要がないことです。他県では、償還払い(窓口では自己負担分を払い、事後助成金が支払われる)が多いようです。

参考:乳幼児医療費無料化の全国の状況

 平成10年11月に、妊産婦や父子家庭にまで制度が拡大された際に、乳幼児、母子家庭家族に対して、一部自己負担が導入されました。(重度心身障害者の自己負担はありません)

 一医療機関毎に外来のみ、一回500円、月1000円を限度に自己負担が課せられています。

 今回の署名運動は、この一部自己負担の完全撤廃を呼びかけるものです。

 平成13年1月現在、茨城県内では20市町村が、自己負担分を自治体が肩代わりする手法で、医療費を完全無料化しています。

 また、水戸市では平成13年度から無料化実施を明言しています。

自己負担分を市町村が肩代わりして無料化を実現している24市町村(4月1日現在で実施予定の市町村も含む)
水戸市、土浦市、古河市、下館市、下妻市、結城市、取手市、高萩市、つくば市、茨城町、御前山村、東海村、大子町、茎崎町、千代田町、関城町、明野町、協和町、藤代町、三和町、五霞町、八千代町、守谷町、利根町

 平成10年度と11年度の医療福祉制度の実績を以下に掲げると、毎年50億円程度(事務費を含む)の予算が必要となっており、外来自己負担金額の合計は、平成11年度分で4億3344万円となる。費用負担は、県が50%、市町村が50%であるから、県の必要経費は2億1672万円となります。

 本来私は、国が制度として福祉医療制度を導入すべきであると思いますし、県が自己負担を撤廃して、市町村と協力して完全無料化を実現すべきだと考えます。しかし、その動きが鈍い現状では、各市町村が自らの努力で無料化を実現し、県や国を動かすことも次善の策といえると思います。

 その意味で、日立での医療費無料化を強く求めて、署名運動を行うものです。

医療福祉制度の実績(単位は千円)
  平成10年度 平成11年度
乳幼児 1,286,633 1,081,768
妊産婦 46,448 294,238
母子 446,884 407,027
父子 5,804 23,418
重度障害者 2,955,665 3,091,622
合計 4,741,434 4,898,073

 また、茨城県のように現物支給で医療費を助成している市町村に対して、国は国保の療養給付負担金の国庫補助金にペナルティーを課しています。県合計で10億円強の国から本来補充されるべき金額が減額され、市町村の国保会計にとって深刻な影響を与えています。

 井手県議らは、自己負担の撤廃を求めるとともに、国に対しては、このペナルティーの撤廃を働きかけてまいります。


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