Copyright Yoshihiro IDE  LastUpdate 2003.FEB.9

特別養護老人ホームの入所基準変更

 介護保険サービスの中でも「高齢者のついのすみか」として要望の多い特別養護老人ホームの入所基準が変更されます。
 特養ホームの入所は、これまで原則的に申し込み順に行っていました。茨城県では、平成14年3月末現在で、5122名の入所希望者がおり、入所の必要な人が入れないという問題が顕在化してきました。全国的にも同様の問題が発生しており、2002年8月、厚生労働省は入所基準を必要度順にするよう省令を改正しました。
 これをもとに、茨城県では、県・市町村・県老人福祉施設協議会の三者で構成する『茨城県特別養護老人ホーム入所指針策定委員会』を設立し、新たな入所基準の指針を策定しました。
 今後各施設では、この指針を元に入所基準を策定し、公正な入所に努めることになります。
 県高齢福祉課によると2002年3月31日現在、県内の特養ホームは110カ所計6253床が整備されているが、5122人が入所を待っています。しかし、この待機者中には、直ちに入所する必要はないが、とりあえず申し込んでおく“予約待機者”も含まれており、一年以内に入所を希望する実質的な待機者は3567人となっています。

入所評価基準(総点数200点)

1.要介護度
要介護度20点
35点
50点
60点
70点

2.介護者の状況
入所希望者単身家族身寄りがなく介護者がいない65点
定期的(週3日程度)な介護可能者が希望者の居住地と同一市町村及び隣接市町村に住んでいる50点
定期的(週3日程度)な介護可能者が希望者の居住地と同一市町村及び隣接市町村に住んでいる40点
入所希望者と配偶者及び
高齢者のみの世帯
主な介護者が病院等に長期入院中であり、事実上介護が不可能60点
主な介護者が、要介護状態、病気療養中、障害を有するなど、十分な介護が困難50点
主な介護者が、要支援状態、高齢などの状況にあり、十分な介護が困難40点
入所希望者と子世帯及び
親族世帯との同居
主な介護者が、複数の介護や育児、または就業しているために十分な介護が困難45点

3.在宅サービスの利用率(直近3ヶ月の在宅サービス利用率)
介護保険サービスの支給限度基準と
実際のサービス利用額の割合
8割以上25点
6割以上8割未満20点
4割以上6割未満15点
2割以上4割未満10点
在宅生活が困難なため特別養護老人ホーム以外の施設に入所している20点

4.近住性
施設所在地と入所希望者または家族の居住地が同一市町村40点
施設所在地と入所希望者または家族の居住地が同一老人保健福祉圏域または県内隣接市町村30点
施設所在地と入所希望者または家族の居住地が茨城県内20点

ランク付けと入所希望者名簿作成

入所評価基準の評点ごとにランク付けを行い、ランク別に入所希望者名簿を作成する。
Aランク150点以上
Bランク110点以上
Cランク 80点以上
Dランク 80点未満

入所検討委員会による入所順位の決定

入所検討委員会
委員会の構成施設長、生活相談委員、介護職員、ケアマネージャー等で構成する。委員会には、第三者委員として所在地市町村の担当課職員を加える。あわせて当該社会福祉法人の評議員、苦情解決に関する外部委員なども加えることが望ましい。
委員会の開催施設長が招集し、原則として月1回以上開催するものとする

下記の諸事情を考慮した上で、各施設の最上位ランクより、入所検討委員会の合議制で入所順位を決定する。
居室の状況居室の特性居室の男女別や痴呆入所が多居室かなどを考慮
ベットの特性
入所希望者の諸事情痴呆症状による問題行動
家屋等の環境的要因
待機期間
経済的事由
介護者の介護に対する理解及び精神的負担

特別な事由による優先入所

次の場合は、入所検討委員会の合議によらず、施設長の判断で優先入所を決定できる。
市町村からの入所依頼老人福祉法第11条第1項第2号による措置委託
家庭における虐待や介護法規、事故や災害発生等の事情により、市町村が緊急性を認め入所依頼があった場合
長期入院で退院後の再受け入れ入所者が3ヶ月以上の入院後、再度入院を希望し、居宅における介護が引き続き困難であると認められる場合
緊急性が認められる場合入所希望者や介護者の心身の状態が急変するなど、直ちに施設入所を必要とすると判断された場合

新入所指針の施行と運用

新入所指針の施行2003年1月16日より
新入所指針による入所決定2003年4月1日より


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