2003年2月27日、日立サーフィン連盟(会長:井上凡時さん、会員数220名)は、樫村千秋日立市長に対して、「日立市河原子北浜駐車場の整備に対する要望書」を提出し、茨城を代表するサーフスポットである河原子海岸北浜に、駐車場や更衣室、シャワーなどの施設整備を求めました。日立市の活性化のために、サーフィンでのまちおこしを提案したものです。
この要望書を受けて、3月10日市議会一般質問で、八幡正次市議会議員(公明党日立支部長)は、日立市が河原子海岸北浜地域で進める「河原子海岸北浜一帯整備事業」の中で、サーフスポット整備を市長に質しました。
樫村市長は、「河原子海岸北浜駐車場舗装整備や、トイレ・シャワーの設置、ゴミ箱、ルール・マナーに関する看板等の設置につきましては、「河原子海岸北浜一帯整備事業」の中に取り込みたいと考えております。また、北浜駐車場以北の砂浜へのアクセスでありますが、サーファー等が自由に砂浜へいけるようなアクセス道などの整備につきまして、今後、当事業の基本設計、実施設計の中で、検討してまいりたいと考えております」と、答えました。
日立市河原子北浜駐車場の整備に対する要望書
日立市市長 樫村 千秋 殿私たち、日立サーフィン連盟(以下、HSA)は、20年以上の歴史を持ち、河原子北浜海岸をずっと守りつづけてきました。
現在、全国的に海岸開発など様々な問題により、サーフスポットの減少がつづいております。これは茨城県県北地区でも例外ではありません。阿字ヶ浦海岸、日立黒潮海岸なども開発の結果、ほぼサーフィンが不可能な状態となってしまいました。
サーフィンはマリンスポーツの代表でもあり、若者に支持されております。
現在、日本サーフィン連盟は全国に18,701名の会員、日立市には220名の会員が在籍しており、未登録者を含めれば日立市のサーファーだけでも、その人数は未知数です。また、茨城県には県内だけでなく東京、埼玉、栃木、群馬、など、海の無い近県からも多数のサーファーが訪れます。
今後サーフスポットの減少に伴い、訪れるサーファーの数は更に増加することが予想されます。サーファーの数は増加し、サーフスポットが減っていく。この状況は、自然を愛する私たちにとって重要な問題であります。
河原子北浜海岸は過去、全日本サーフィン選手権、東日本サーフィン選手権などの、国内最大級のサーフィン大会が開催された場所でもあり、現在でも我々HSAが主催、運営する大会が年間約6戦行われており、茨城県を代表するサーフスポットとなりつつあります。
大会への参加人数は1試合あたり平均150名ほどです。
また、現在私たちHSAでは、4月、7月、9月、11月の年4回に分けて、河原子北浜海岸の清掃を実施しております。ゴミ問題、ルールやマナーなど、地元の皆様と協力し、海岸を守っていくため、活動を続けております。
以上のような状況をかえりみ、私たちHSAは今後、更なるサーファーの増加に対応するためにも、サーファーの為の宿泊状況窓口の開設(インターネットホームページを使う)、サーファーの為の宿泊施設の完備(地元の民宿等の活用)や河原子北浜海岸の清掃に力を入れていきたいと考えております。市当局としましても、地元の活性化の為、以下の事を実施していただけるよう要望致します。要望事項
以上の内容を要望いたします。
- 河原子北浜駐車場をアスファルトに!(舗装工事を希望いたします)
- 河原子北浜にトイレ・シャワーの設置を希望いたします。
- 河原子北浜にゴミ箱(数箇所)設置、及びゴミ問題、ルール・マナーに関する看板の設置(HSA合同)を希望します。
- 北浜駐車場脇のテトラポットに代えて、防波堤の整備を希望します。
- これ以上のテトラポットの海中への設置をやめていただくよう希望します。
- 河原子海岸北浜駐車場を整備するにあたり、HSAの意見を反映していただけるよう、話し合いの場を設けていただくよう希望します。
なお、以上の設備が設置された際には、私たちHSAが責任を持って、定期的な清掃などをすることをお約束いたします。
日立サーフィン連盟(日本サーフィン連盟茨城県北支部)
会長 井上凡時
他会員 220名
日立市議会における八幡正次市議の質問と樫村千秋市長の答弁の概要 質問の概要:八幡市議 (1)サーフスポット周辺整備について
全国的な海岸開発などにより、サーフスポットが減少している中、河原子海岸北浜は、サーフスポットとして最適な場所である。
今後、更なるサーファーの増加に対応することや、地域の括性化のためにも河原子海岸北浜周辺の整備が必要と考える。
そこで、2点質問をする。
1.河原子海岸北浜駐車場舗装整備、トイレ・シャワーの設置、ゴミ箱、ルール・マナーに関する看板などを設置してはどうか
2.河原子北浜駐車場以北が、テトラポットなどにより砂浜へのアクセスが不自由な状況である。今後、サーファーが自由に砂浜へいけるようなアクセス道などの整備してはどうか(2)アクションスポーツパークについて
近年、「アクションスポーツ(インラインスケート、スケートボード、BMX(バイシクル・モトクロス))」の愛好者が増えているが、練習する場所がなく、道路や公共の広場で行っているが、地域から苦情を寄せられている。
このような現状の中、若者が集まる環境を作ることは、大変有意義なことと考えるので、1点質問をする。
1.子供から大人まで、自由にのぴのぴとスケートボード、BMX、インラインスケートなどのアクションスポーツの練習できる場所を、河原子海岸北浜一帯整備事業の中に設置してはどうか。答弁の概要:樫村市長
河原子海岸北浜一帯整備事業は、本市有数の観光資源であります河原子海岸北浜に連担する約73,000m3の未利用地について、多様な観点から通年型の利活用を図ろうとするものでございます。
事業推進に当たりましては、「河原子北浜一帯土地利用計画策定委員会」からの「括性化策調査報告書」を基本とし、健康・スポーツ・レクリエーションや癒しの場・そしてユニバーサルをコンセプトとした海辺の活用方策のモデル事業としての展開を考えています。
きらには、海辺を活用した体験型事業の展開、ニュースポーツイベントの開催や河原子地区の宿泊機能との連携方策についても検討することとし、地域資源を特用した観光交流事業の展開による地域経済の括性化を図るものであります。
このようなことから、河原子海岸北浜駐車場舗装整備や、トイレ・シャワーの設置、ゴミ箱、ルール・マナーに関する看板等の設置につきましては、「河原子海岸北浜一帯整備事業」の中に取り込みたいと考えております。
また、北浜駐車場以北の砂浜へのアクセスでありますが、サーファー等が自由に砂浜へいけるようなアクセス道などの整備につきまして、今後、当事業の基本設計、実施設計の中で、検討してまいりたいと考えております。
次に、アクションスポーツパーク整備の件でございます。河原子海岸北浜一帯整備事業は、先ほど説明いたしましたように、「海辺の利活用」をテーマとし、交流人口の拡大による地域経済の特性化を囲るものであります。
したがいまして、ご提案のアクションスポーツバークの整備につきましては、若者層をターゲットとした交流人口の拡大策として、有効な手段の1つと考えられますので、今後の基本設計、実施設計の中で、充分検討していきたいと考えております。
河原子海岸北浜のパノラマ写真