取手市では、市議会議員選挙が告示され選挙戦まっただ中です。
今回の選挙は、藤代町との合併が大きな争点となっています。その議論の中で、浮上してきたのが「職員の調整手当」の問題です。
調整手当とは、民間における賃金・物価、生計費が特に高い地域で勤める職員に支給される手当です。その地域における職員の給与水準と民間の賃金水準との均衡を図ることにより、要因の確保を容易にすると共に、物価や生計費の事情を考慮して、勤務地域間の給与の不均衡を調整することを目的としている給与です。
例えば茨城県職員の場合、つくば市に勤務する職員に3%、東京都内に勤務する職員に13%が加算されています。
一方、県内市町村においては、83ある市町村で、取手市とつくば市だけが、一律に3%の調整手当を加算しています。
具体的にいえば、毎月の給料(基本給)が30万円であるとすれば、その3%にあたる9000円が上乗せされ、30万9000円が支給されているということです。
取手市の給与水準をマクロ的に観てみると、取手市の人件比率は36.6%と県内で6番目に高く、平均給料は379万円あまりで県内2番目の高額となっています。明らかに、調整手当が人件費全体を引き上げています。
合併相手である藤代町は、人件費比率が38.1%と5番目に高く、反面平均給料は、342万円であり51番目となっています。藤代町の人件費が高い要因は、職員数そのものが多いことにあるようです。
この両市町の合併に際して、取手市の調整手当の取り扱いが一つの課題となっているわけです。藤代町には調整手当がありませんから、今後どちらかの給与体系に合わせて行かなくてはなりません。
取手市が周辺の藤代や守谷、牛久などと比べて物価が著しく高かったり、生計費が多くかかるという実態はないと思われます。
合併協議の中で、取手市の調整手当は撤廃しされるべきだと強く主張します。
●茨城県内の市町村の職員給料(基本給)比較
人件費率 順位 職員数 平均給料 順位 単位:人 単位:千円 市町村計 (83) 30.3% 16,434 3,743 市 計 (22) 29.8% 8,663 3,631 町 村 計 (61) 30.5% 7,771 3,868 1水戸市 29.3% 45 990 3,642 14 2日立市 30.9% 33 755 3,697 6 3土浦市 28.2% 55 559 3,590 20 4古河市 28.0% 58 322 3,734 5 5石岡市 30.2% 37 267 3,463 39 6下館市 28.1% 57 342 3,766 3 7結城市 27.1% 66 305 3,551 24 8龍ヶ崎市 27.1% 67 367 3,508 31 9下妻市 22.0% 83 206 3,372 61 10水海道市 28.5% 53 266 3,641 15 11常陸太田市 34.5% 14 217 3,463 40 12高萩市 26.8% 68 214 3,461 41 13北茨城市 38.5% 4 317 3,686 8 14笠間市 28.7% 52 189 3,539 25 15取手市 36.6% 6 413 3,798 2 16岩井市 29.3% 44 253 3,528 26 17牛久市 27.6% 64 331 3,592 19 18つくば市 35.4% 10 938 3,697 7 19ひたちなか市 30.0% 38 715 3,664 9 20鹿嶋市 31.4% 30 366 3,816 1 21潮来市 33.1% 21 228 3,494 35 22守谷市 23.9% 79 260 3,347 64 23茨城町 33.0% 22 197 3,623 16 24小川町 34.2% 15 165 3,310 71 25美野里町 22.7% 81 122 3,397 56 26内原町 25.2% 73 94 3,248 75 27常北町 26.0% 70 75 3,593 18 28桂村 25.9% 71 68 3,329 68 29御前山村 33.4% 19 57 3,510 29 30大洗町 40.0% 3 148 3,568 21 31友部町 24.8% 77 168 3,439 48 32岩間町 28.3% 54 110 3,442 46 33七会村 42.1% 2 45 3,458 43 34岩瀬町 27.9% 61 146 3,419 52 35東海村 29.2% 46 219 3,505 32 36那珂町 25.2% 74 235 3,364 62 37瓜連町 29.9% 39 75 3,099 80 38大宮町 25.1% 75 157 3,505 33 39山方町 33.4% 20 82 3,515 27 40美和村 34.7% 12 58 3,328 69 41緒川村 32.0% 25 54 3,385 59 42金砂郷町 24.8% 76 80 3,257 74 43水府村 31.9% 27 69 3,510 30 44里美村 31.0% 32 62 3,422 50 45大子町 45.6% 1 200 3,736 4 46十王町 28.2% 56 82 3,340 66 47旭村 32.0% 26 81 3,347 65 48鉾田町 35.2% 11 168 3,478 37 49大洋村 33.6% 18 82 3,391 57 50神栖町 22.5% 82 288 3,660 11 51波崎町 32.3% 24 220 3,389 58 52麻生町 29.7% 41 113 3,325 70 53北浦町 36.0% 9 95 3,492 36 54玉造町 29.1% 48 102 3,283 73 55江戸崎町 23.8% 80 91 3,183 77 56美浦村 30.7% 34 98 3,402 55 57阿見町 29.1% 47 210 3,565 22 58新利根町 28.0% 60 75 3,515 28 59河内町 30.6% 35 92 3,213 76 60桜川村 29.0% 49 62 3,128 79 61東町 29.8% 40 89 3,499 34 62霞ヶ浦町 27.5% 65 137 3,419 53 63玉里村 29.6% 43 67 2,980 82 64八郷町 29.6% 42 190 3,658 12 65千代田町 27.9% 62 159 3,352 63 66新治村 31.9% 28 84 3,559 23 67伊奈町 30.4% 36 118 3,096 81 68谷和原村 25.8% 72 90 3,332 67 69関城町 31.0% 31 105 3,457 44 70明野町 34.1% 16 140 3,467 38 71真壁町 36.5% 7 141 3,662 10 72大和村 36.3% 8 73 3,615 17 73協和町 34.6% 13 124 3,459 42 74八千代町 24.5% 78 165 3,155 78 75千代川村 28.9% 50 76 3,429 49 76石下町 31.8% 29 173 3,448 45 77総和町 28.0% 59 273 3,381 60 78五霞町 27.9% 63 94 2,950 83 79三和町 26.6% 69 192 3,404 54 80猿島町 28.7% 51 105 3,298 72 81境町 34.1% 17 186 3,645 13 82藤代町 38.1% 5 164 3,421 51 83利根町 32.7% 23 124 3,442 47
出典は、茨城県市町村概況(平成15年度版)。
公表されている数値は平成14年4月1日現在。
つくば市は、茎崎町と合併したため、管理者が再計算しました。
なお、2004/1/22の掲載時に「茨城県内の市町村の職員給与比較」との見出しを付けて掲載いたしましたが、この表は、給与の内の「基本給」を示す「給料」表であると、読者の方からご指摘を頂きました。このご指摘を受け、2007/9/9付けで、表題を「茨城県内の市町村の職員給料(基本給)比較」に訂正いたしました。ご指摘に深く感謝いたします。