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茨城県大洋村の健康づくりプロジェクト鹿島灘に面する茨城県大洋村では、平成8年から筑波大学久野講師(大学発のベンチャー企業である株式会社つくばウェルネスリサーチ社長:TWR社と略称)の提唱する科学的根拠に基づいた新たな健康支援システムを導入し、大きな成果を出しています。このシステムは、介護や援助を必要としない高齢者層の健康増進に着目し、科学的に確認された健康度のガイドラインい基づき個人別の評価を行い、安全性と運動の効果が上がる個別の運動プログラムを提供するものです。 太股と背骨をつなぐ大腰筋を中心に強化することで、転倒が減るなどの効果が顕著に現われました。久野先生が指導した健康教室の参加者の医療費が、2年間で23,449円増であったのに対して、非参加者は95,614円増と約72,000円の差が生じました。 こうした実績が高く評価されTWRは、全国各地の地方自治体と健康増進コンサルタント契約を結ぶなど活動の広がりを見せています。 介護や援助が必要になった高齢者の支援に重点が置かれた現在の介護保険制度の見直しの中で、そうした状況にならないような予防にも力を入れるべきとの議論が起きています。 また、福祉や介護を「健康サービス産業」と位置づけ、地域の活性化や雇用の創出の視点から、積極的に行政も支援して行くとの方向性が確認されています。 大洋村発の健康増進プロジェクトは、全国に向けて新たな展開を初めています。
参考:大洋村の健康づくりプロジェクトのHP |
茨城県/健康サービス産業の起業・育成をめざす茨城県は、平成16年度より本格的に健康サービス産業の育成を図ることになりました。地域住民の健康づくりの支援実験などを通じて、医療、健康、スポーツ関連のベンチャー企業の創出を促す方針です。経済産業省が16年度から始める健康サービスのモデル都市事業を通じ、つくば市を中心とした企業や大学などによる共同研究と事業化を支援することになりました。県や県内自治体、民間企業、学者らを集めて「いばらき健康サービス産業推進委員会」(仮称)を5月に設置します。3月24日には、つくば市で「サービス産業シンポジウム」を開き、島田晴雄慶応大学教授(内閣府特命顧問)らが公開討論しました。経産省の健康サービス産業創造研究会でも座長を務めた島田教授は「根拠に基づいた健康増進」(EBH)の概念を提唱している。科学的な根拠に基づいて国民の健康づくりを進め、医療費を削減したり、そのデータを再度研究に役立てたりする構想です。 茨城県の大洋村では1996年以降、筑波大学の協力で高齢者の筋肉トレーニングなど健康増進プログラムを実施。医療費の削減につなげ、つくばウエルネスリサーチ(久野譜也社長)が生まれました。これを成功事例に、住民参加型の健康づくり実験や健康データベースの電子化・共有化を通じて、関連する産業の育成を狙う計画です。
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