Copyright Yoshihiro IDE  LastUpdate 2004.Aug.28

介護保険制度の見直しに関する意見

平成16年7月30日
厚生労働省・社会保障審議会介護保険部会

  • 社会保障審議会介護保険部会は、介護保険法附則第2条の規定を踏まえ、介護保険制度全般に関して検討を行うため、昨年5月以来16回にわたって審議を行った。はじめに介護保険制度の施行後の状況を検証し、その成果と課題について検討を加えた後、給付、負担、制度運営の各テーマごとに審議を重ねてきた。

  • 介護保険制度は、2000年(平成12年)4月の施行以来、4年4ヶ月を迎えている。この間介護サービスの利用者は、在宅・施設をあわせて約300万人へと2倍以上に増加し、制度に対する国民の評価は年々高まる状況にある。

  • 介護保険制度は、基本理念として高齢者の「自立支援」を掲げ、これを実現するために、@利用者本位のサービス改革、A在宅ケアの推進、B地方分権の推進を政策目標として掲げている。制度創設時の基本理念から見て、相当程度の成果はあがっているものの、今後さらに基本理念を徹底していくために取り組むべき課題も多い。
    また、今後我が国は高齢化が急速に進展し、高齢者をめぐる状況も大きく変化することが予測される。こうした将来展望を踏まえ、高齢者の「自立支援」と「尊厳の保持」を基本とし、制度の「持続可能性」を高めつつ、@介護予防の推進、A痴呆ケアの推進、B地域ケアへの展開という新たな課題に今から取り組んでいくことが求められる。

  • こうした「基本理念の徹底」と「新たな課題への対応」の観点から、介護保険制度の見直しに関する基本的な考え方及び具体的内容について、本部会としての意見をとりまとめたので、以下報告する。この報告を一つの契機として、国民の間で広範な議論が進められることを期待したい。

  • なお、制度創設時からの大きな課題の一つである「被保険者・受給者の範囲」の問題については、現時点では一定の結論を得るには至らなかった。このため、この問題については、国民的な論議をさらに深める観点から、今後、本部会において引き続き議論を進めていくこととする。

介護保険制度の見直しに関する意見の目次

はじめに

第1 制度見直しの基本的な考え方
T.見直しの基本的視点
1.3つの論点
2.見直しの基本的視点
U.基本理念の徹底
1.全般的な施行状況
2.基本理念から見た課題
V.新たな課題への対応
1.将来展望
2.新たな課題への対応

第2 制度見直しの具体的内容
T.給付の効率化・重点化
1.総合的な介護予防システムの確立
2.施設給付の見直し
3.その他のサービスの見直し
U.新たなサービス体系の確立
1.地域密着型サービスの創設
2.居住系サービスの体系的見直し
3.医療と介護の関係
4.その他のサービスの見直し
V.サービスの質の確保・向上
1.ケアマネジメントの体系的見直し
2.地域包括支援センター(仮称)の整備
3.情報開示の徹底と事後規制ルールの確立
4.専門性を重視した人材育成と資質の確保
5.公正・効率的な要介護認定
W.負担の在り方の見直し
1.1号保険料の在り方
2.2号保険料・納付金の在り方
3.財政調整
X.制度運営の見直し
1.保険者機能の強化
2.事業計画の見直し
3.基盤整備の在り方
Y.見直しの進め方

第3 被保険者・受給者の範囲について
1.これまでの経緯
2.問題の所在
3.本部会における審議状況

<資料>介護保険制度の見直しに関する意見・全文 (PDF:378KB)(しおり付きPDF:1348KB
<資料>介護保険部会の報告・概要版(1〜8ページ(PDF:379KB)、9〜21ページ(PDF:389KB))
<資料>介護保険制度の見直しに関するパンフレット(PDF:870KB)


Webメニュー選択画像