平成16年度「茨城県青年の船」に参加、青年らと上海を訪れる
井手よしひろ県議は、11月16日より10日間の日程で行われる平成16年度「茨城県青年の船」事業に指導員兼講師(顧問)として参加しました。
「青年の船」は、地域青年リーダー養成を目的に、昭和55年から3年に1度、チャーター船を利用して中国に青年を派遣する事業です。今回で9回目を迎え、日本チャータークルーズの「ふじ丸」に乗船し、上海と北京を訪れました。渡航費など30万円の半分を県が負担し、参加費用は15万円です。(北京訪問班は2万5000円を追加負担、井手県議ら指導員や講師も、渡航費用は自己負担で参加してます)
橋本昌県知事を総団長に、飯泉智弥団長(青年代表)以下一般団員328人、地域青年アドバイザー69人のほか、指導員兼顧問として井手よしひろ、小川一成、福地源一郎県議ら3人も参加。講師には松田哲水戸短大助教授ら9人、運営スタッフ32人など、通訳や旅行代理店関係者を除き442人が参加しました。
11月16日早朝、大洗港から出港した「青年の船」では、青年達が立案したカリキュラムにしたがって、活発な洋上研修が行われました。上海港への往路では、知事講話、県議ら有識者との卓談のほか、コミュニケーション能力や接遇、初級中国語など全9講座が開講されました。また、地域ごとに青年から見た茨城の魅力を掲載した冊子「i―map」の作成のためのワークショップなどが行われました。
また、ウェルカムパーティーや洋上慰霊祭、船内班対抗洋上祭など盛りだくさんのイベントも企画され、青年の船団員のコミュニケーションと友情の深化に大きな成果を収めました。
11月17日洋上研修の2日目、井手県議は、「有識者と語ろう」と銘打たれた個別研修で、講演を行いました。テーマを「情報=受け止め方と発信の仕方」とし、テレビやマスコミなどの報道が、事実をどのように伝えているか、様々な具体的な事例で検証しました。
さらに、今まで情報の受け手でしかなかった一般市民が、インターネット技術(ICT)によって、情報の発信者ともなれる状況の変化を、プロジェクターなどを活用して参加者と確認しあいました。
120分の講演時間でしたが、後半は質疑応答や個別の意見交換なども行い、有意義な研修となりました。
今回の「青年の船」では、初の試みとして船上からインターネットのホームページを更新して、船内の研修の模様などを発信しました。情報発信のツールとして、「BLOG」を取り上げ、いわゆるモブログ方式での更新を行いました。(
「青年の船」のブログ)
船上からの情報発信は、非常に制約が多いのも事実でした。船舶電話では、9600bpsの通信速度が限界で、中国に近づくとほとんど接続ができない状況になりました。一方、上海市内では、県の上海事務所や宿泊したホテル(ギャラクシーホテル)での通信環境は、快適そのものでした。日本のブロードバンド環境以上の高品位のサービスが受けられました。
上海では、橋本総団長(知事)らと同行し、上海市人民政府や上海市友好協会などの表敬訪問、上海日立電線有限公司、上海津村製薬など茨城県に関連する企業訪問、日本産農産物の販売状況やバイリンガルスクール、リニアモーターカー、自動車工業団地などを視察などを精力的に行いました。
更に、知事一行の帰国後、常陸那珂港や日立港振興のため、上海市郊外の外高橋のコンテナ専用埠頭を視察、港湾事業者より詳細な説明を受けました。
11月23日午後、井手県議は決算特別委員会などの予定もあり、「青年の船」一行と別れ、空路帰国しました。
今回の「青年の船」事業では、多くの青年と知り合い、語り合うことができました。交換した名刺やカードは、100枚を超えました。様々な職業、地域性、経験の差など多様な青年達が集まり、共に生活し、学び合った10日間。指導員や講師として参加した私達でしたが、学ぶべきものは非常に多くあったと実感しています。食事や一日の研修日程が終了した後の自由時間など、青年との対話の機会を極力もったつもりですが、まだまだ時間がほしかった等のが本音です。
「青年の船」はこの10日間限りのイベントではありません。この出会いを大切にしながら、これからも参加した青年達との連係を密にしていきたいと思います。
最後に、「青年の船」に対する一部マスコミ報道に疑問を感じています。「青年の船」は出港する直前に、中国の原子力潜水艦が日本の領海を侵犯するという、憂慮する事件が発生しました。中国側も日本政府の抗議に、異例の早さで「遺憾の意」を表しました。
こうした経緯をことさら強調して、S新聞は「青年の船がなぜ訪中するのか」との論調での報道を繰り返しました。帰国後の知事との記者会見では、「中国の原潜による領海侵犯問題で、上海市長から謝罪の言葉はあったのか」「知事のほうから何か言及されか」と知事に質問しました。「青年の船」の目的は、地域の青年リーダー養成です。日中両国の青年・民間レベルでの友好交流の拡大です。外交問題と「青年の船」の問題を同じ次元で捉える報道姿勢に違和感を覚えます。
「平成16年度茨城県青年の船」事業に関するブログ記事
「平成16年度茨城県青年の船」の写真集