【環境基本計画】

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Y 環境配慮指針

・ 環境配慮指針は、環境に影響を及ぼす可能性のある社会経済活動について、環境に配慮すべき事項を整理し、市は率先してこれの実行に努めるとともに、市民及び事業者にも各々の活動における環境への自主的な配慮を要請するものである。

・ 環境配慮指針は、多様な社会経済活動をもれなく対象とするために、@主体別環境配慮指針、A事業別配慮指針、B地域別環境配慮指針から構成することとする。

1.主体別環境配慮指針

主体別環境配慮指針は、市、事業者及び市民が各々の立場において環境に配慮すべき事項を示すものである。

(1) 市の環境配慮指針

・ 市は、環境関連施策を実施する行政機関であるとともに、環境に少なからぬ影響を及ぼしている公共事業を行う事業者であり、かつ市民でもある。したがって市は、事業者や市民の環境配慮指針に沿う行動に努めることはもとより、具体的な行動計画を定め率先してこの実践に努める。

・ 特に日立市は、住宅・都市整備校舎土地開発公社をつうじて土地の造成や住宅の建設を進めており、事業者としても環境に配慮する必要性が高い。

市としての役割 「率先実行計画」の策定と率先実行
事業者としての役割 「事業者の環境配慮指針」に沿う行動
市民としての役割 市職員の「市民の環境配慮指針」に沿う行動

日立市は、環境にやさしい行政事務の率先実行を目的に「エコオフィスプラン」を策定作業中であるが、今後、この対象範囲を教育現場等を含めた市の行政全体に拡大していくよう努める。

(2) 事業者の環境配慮指針

・ 事業者は、環境問題の高まりのなかで社会の一員として環境保全に自発的に取組むことが責務となっている。
・ 事業者は、環境に関する社会的な責務を認識し、地域環境や地球環境等の環境の種々の側面に関する環境配慮事項について、業種や規模に応じた自らの行動指針を作成し、この実践に努める。(表Y―1参照)

表Y―1 事業者に望まれる環境配慮指針

事業者の環境配慮項目

○社会的責務の認識
○具体的な行動指針の作成と実践
○環境問題担当者・組織の設置
○従業員教育の推進

◆生活環境系環境配慮事項(公害の防止)

○各種排出、排水基準の遵守
○低公害・公害防止機器の積極的導入
○自動車の利用は適正な範囲に留める
○最新の規制的豪奢、利用用途に応じた低公害車の導入
○化学物質の適正使用
○ごみの分別・適正処理

◆自然環境系環境配慮事項

○水の効率的利用と節水
○雨水利用システム、中水道システム、雨水浸透施設等設置
○周辺環境との調和、緑化

◆快適環境系環境配慮事項

○周辺環境との調和と魅力ある都市景観等の創出
○高齢者、障害者にもやさしい空間形成

◆地球環境系環境配慮事項(循環型都市づくり)

○節水・節電等による省資源・省エネルギー
○環境への負荷の少ない製品の開発・設計
○省エネルギー型施設の導入
○新エネルギー利用施設導入
○廃棄物の分別、再利用、減量化に努める
○輸送の合理化による自動車利用の抑制

◆環境学習、パートナーシップに関する配慮事項

○環境の保全と創造に資する地域の取組への積極的参加・協力
○企業活動が環境に及ぼす事項に関する情報公開
○関連企業などに対して、環境保全に向けた協力・誘導・支援
○広告・宣伝における環境への配慮

(3) 市民の環境配慮指針

・ 市民は、大量生産、大量消費、大量廃棄の社会構造の中に生活し、それに起因する種々の環境問題に社会の構成員として、責務を負っている。
・ 市民は、環境に関する社会的な責務を認識し、地域環境や地球環境等に関する環境配慮事項を踏まえ、環境を守るライフスタイルを築いていくよう努める。(表Y―2参照)

表Y―2 市民に望まれる環境配慮項目

市民の環境配慮項目

○社会的責務の認識
○具体的な目標の設定
○実践・記録・反省の反復による向上

◆生活環境に関する配慮事項

○公共交通機関や自転車の活用等によるマイカー利用の抑制
○近隣騒音を発生させない努力
○責任あるペットの飼育
○生活排水への油や化学物質等の混入の回避
○低公害車の購入
○ごみのポイ捨てはしない

◆自然環境系環境配慮事項

○身近な自然に親しみ、大切にする
○住宅づくりでは周辺の自然や景観との調和を図る

◆快適環境系環境配慮事項

○庭やベランダなどの緑化と適正管理(生け垣等)
○歴史的、文化的遺産の保全
○祭り、伝統芸能等の継承

◆地球環境系環境配慮事項

○無駄な容器・包装はなるべく避ける
 ・使い捨て商品の回避 ・過剰包装の回避 ・買い物袋の持参
○廃棄物の責任ある処理・分別収集への協力(ペットボトル、乾電池他)
○リサイクル活動への協力
○節電、節水、ごみの減量化を心がける
○省エネルギー機器の購入
○自然エネルギー利用機器の購入
○エコマーク商品等、環境に優しい商品の購入
○省エネルギー型住宅の建築

◆環境学習、パートナーシップに関する配慮事項

○自然と親しみこれを保全する地域活動に積極的に参加する
○地域の美化活動に積極的に参加する
○環境に関する学習機会や情報に興味をもち、活用する

2.事業別環境配慮事項

事業別環境配慮事項は、環境への広域的かつ複合的な影響が考えられる開発事業について、その事業の区分に応じて環境に配慮すべき事項を示すものである。事業者はこれを参考に自らの行動指針を作成しこれを実践することが望まれる。

(1) 対象とする開発事業

・市域で考えられる事業として、次の開発事業を対象とする。

表Y―3 事業別環境配慮指針の対象とする開発事業

事  業 主な対象事業
建築物建設事業 ・公共建築物(庁舎、文化・教育施設、病院等)の建設
・設定規模以上の民間建築物の建設
面整備事業
ターミナル整備事業
・住宅系開発事業 ・商業系開発事業
・流通ターミナル系開発事業 ・工業系開発事業 ・農業系開発事業
道路系事業 ・道路の建設
河川・用水・海岸保全事業 ・護岸整備 ・築堤 ・河川等改修等
レクリエーション系事業 ・公園、緑地、運動施設、自然観察施設等の建設
・その他の観光レクリエーション施設の建設
廃棄物処理系施設整備事業 ・ごみ処理施設、リサイクル施設、最終処分施設の建設
資源採取系事業 ・岩石、砂利、土等の採取

(2) 各種事業共通の環境配慮事項

・ 開発事業を行う者は、当該事業がその工事中など利用時において、生活環境、自然環境、快適環境などの地域環境、さらに地球環境に関する項目について、どのような影響を与えるのか事前に把握するとともに、その影響をなるべく少なくするよう配慮するものとする。また、市民や行政との良好な関係を維持できるよう、十分な説明や適正な情報公開に努めるものとする。

@ 生活環境に関する項目(大気汚染、水質汚濁、騒音、振動、悪臭、廃棄物汚染、地盤沈下、土壌汚染に
                  関する対策等)

A 自然環境に関する項目(身近な自然環境の保全対策等)

B 快適環境に関する項目(地域の景観、歴史、文化への配慮等)

C 地球環境に関する項目(省資源・省エネルギー対策、廃棄物・リサイクル対策)

D 環境学習、パートナーシップに関する項目(適正な情報公開等)

3. 地区別環境配慮事項

地区別環境配慮事項は、地区特性に応じた環境の保全と育成を図るため、地区毎に環境に配慮すべき事項を示すものである。

@本庁地区:

本市の中心であり都市施設、生産施設や交通が集中する上に、住宅の連続しているため、生活環境をはじめとして都市環境などに関する様々な配慮が望まれる。

A中部地区:

本庁地区についで市街地が連続し、山地の中腹まで宅地化が進み、国道6号や国道245号の交通も混雑しているため、生活環境をはじめとして都市環境などに関する配慮が望まれる。

B南部地区:

本庁地区、中部地区と同様に住宅や工場が立地している地区もあるが、本市でも数少ない田園地帯や重要港湾である日立港があるため、生活環境などの他に田園環境や港湾周辺の環境に関する配慮が必要である。

C日高・豊浦地区:

平地では本庁地区、中部地区と同様に工場が立地するものの、人口密度は比較的低く宅地と田畑や平地林が混在しており、山地では傾斜も緩やかでゴルフ場等も立地し、さらに海岸には景勝地もあって、生活環境等の他に自然環境への配慮も必要である。

D西部地区:

自然度の高い地域であり、自然環境や田園環境の保全と市民がこれらと親しめるような環境づくりに関する配慮が必要である。


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