◇暖かかった大寒と発達した低気圧による強風
強い寒気の南下は一時的で、冬型の気圧配置は長続きしませんでした。また、下旬に入ると、日本の南海上から本州付近を低気圧が頻繁に通り、南から暖かい空気が入りやすくなりました。このため、、1年の内で最も気温が低くなる下旬に入って気温の高い日が続くようになり、下旬の平均気温は平年よりも3℃近く高くなりました。この結果、月平均気温は6.5℃と平年より2.0℃高くなりました。これは、観測開始以来1989年の6.5℃に次いで高く、1月の平均気温としては高い方からの日立市役所観測記録順位第4位でした。
また、今年の特徴は、明け方の冷え込みが弱かったことです。そのため、1日の最低気温が0℃未満になった日(冬日)は5日と、平年(16.6日)に比べて非常に少なく、観測開始以来最も少ない記録となりました。さらに、月最低気温は15日に記録した-1.3℃と、2002年と1993年に記録した-1.7℃を抜いて、1月の最低気温としてはこれまでで最も高い記録になりました。
6日から7日にかけて、低気圧が発達しながら関東地方を通過した影響で、6日に61.5mmのまとまった降水量があったため、月降水量は62.5mmと平年の135%になりました。一方、月日照時間は200.1時間とほぼ平年並になりました。
1月の気象観測値 観測要素 観測値 平年値 月平均気温(℃) 6.5 4.5 月降水量(mm) 62.5 46.3 月日照時間(時間) 200.1 195.0
気温の旬変化(℃) 旬 平均気温 旬平年値 上旬 6.3 5.3 中旬 5.8 4.4 下旬 7.2 4.0 ●1月の気温に関する記録
月平均気温(℃) 順位 年 気温 1 1972 6.6 2 2000 6.6 3 1989 6.5 4 2007 6.5 5 2002 6.4
冬日の日数 順位 年 日数 1 2007 5 2 1972 6 3 2000 7 4 1973 7 5 1989 8 ※順位は、1953年から2007年の統計で、値の多い方または少ない方からの順位
●1月の日立市役所における日平均気温と日最高気温の推移
6日の午後、関東地方を通過した低気圧は、発達しながら東北地方の太平洋岸を北上し、7日9時には北海道付近に進み、中心気圧が964hPaまで下がりました。低気圧は、関東地方を通過する時点ではそれほど発達していなかったため、6日の内は風は強く吹きませんでした。
しかし、低気圧が非常に発達して気圧傾度が大きくなったため、7日の朝から西よりの風が強く吹き始めました。特に、中国大陸から進んできた上層の気圧の谷が、本州付近を通過して東へ抜けた昼過ぎから一段と風が強まり、16時06分には西の風33.1m/sの最大瞬間風速を観測しました。これは、最大瞬間風速の記録としては、日立市役所観測開始以来第3位の値でした。なお、最大風速についても16時08分に西の風18.1m/sを記録し、同じように日立市役所観測開始以来第3位の値となっています。
強い風は、夕方にはいったん収まりましたが、夜に入って再び強くなり、その後も弱くなったり強くなったりを繰り返しながら、8日の昼過ぎまで吹き続きました。
●強風の記録
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※最大風速は1961年1月1日から、最大瞬間風速は1959年9月1日から2007年までの統計
●6日から7日にかけての風速と海面気圧の推移(日立市役所)
●参考:1月6日と7日の地上天気図と高層(500hPa面)天気図
2007年1月6日15時の地上天気図 | 2007年1月7日09時の地上天気図 |
2007年1月6日21時の500hPa高層天気図 | 2007年1月7日09時の500hPa高層天気図 |
※高層天気図において、実線は等高度線を、点線は等温線を表しています。また、観測地点における上段の数値は、その地点の500hPaの高さにおける気温を、下段の数値は、同じ高さにおける気温と露点温度の差を表しています。
作成日:2007/01/16
訂補日:2013/01/29
名前 日立市天気相談所