◇上旬と下旬後半は暖かくなる

　月の上旬と下旬後半は冬型の気圧配置が続かず、寒気の南下が弱かったため、気温が平年より高くなりました。一方、中旬から下旬前半にかけては日本付近に強い寒気が南下し、冬型の気圧 配置が強まり気温が低くなりました。この結果、月平均気温は4.9℃（平年比+0.3℃）と、ほぼ平年並みになりました。冬型の気圧配置が崩れた期間も高気圧におおわれて晴れる日が多かったことから、月の日照時間は207.7時間（平年比109％）と平年より多くなりました。反対に、月の降水量は37.5mm（平年比76％）と平年よりやや少なくなりました。

1月の気象観測値 観測要素 観測値 平年値 月平均気温（℃） 4.9 4.6 月降水量（mm） 37.5 49.6 月日照時間（時間） 207.7 191.3

旬平均気温(℃) 旬 観測値 平年値 上旬 6.0 5.1 中旬 3.7 4.5 下旬 5.0 4.3

旬日照時間(時間) 旬 観測値 平年値 上旬 60.5 61.2 中旬 68.4 59.1 下旬 78.8 71.2

　●1月の日立市役所における日平均気温とつくばにおける500hPaと850hPa気温の推移

　●1月の日立市役所における日最低気温と日照時間の推移

　日立市役所における1月の平均気温は、2011年の2.9℃以降、2014年にかけて平年より低い年が続きました。しかし、その後は2015年4.9℃、2016年5.1℃、今年が4.9℃と平年を上回るようになっています。ただ、今年の1月は中旬から下旬前半に一時的に強い寒気が入ったため、月最低気温は2015年、2016年よりも低くなりました。日立市役所では、2015年1月の最低気温-2.4℃、2016年1月の最低気温-2.7℃に対して、今年は25日に-3.5℃を記録しました。また、日立市内で最も気温が低くなる西部支所では、2016年1月の-7.7℃に対して今年は-8.3℃まで下がりました。日最低気温0℃未満の冬日の日数も、全地点で昨年よりも多くなりました。特に、沿岸部の日立市役所、北部消防署、十王交流センター及び南部支所で日数が多くなりました。

　●気温と冬日の日数の昨年との比較

1月平均気温（℃） 観測地点 2017年 2016年 日立市役所 4.9 5.1 十王交流センター 4.1 4.4 北部消防署 3.5 3.7 本山（中学校跡） 0.5 1.1 西部支所 0.3 0.7 諏訪広場 2.4 2.4 南部支所 3.0 3.6 日立会瀬 4.9 5.1 水戸（金町） 3.6 4.0

1月最低気温（℃） 観測地点 2017年 2016年 日立市役所 -3.5 -2.7 十王交流センター -5.4 -3.7 北部消防署 -4.8 -3.5 本山（中学校跡） -7.3 -6.7 西部支所 -8.3 -7.7 諏訪広場 -5.7 -4.6 南部支所 -6.7 -5.5 日立会瀬 -4.3 -3.2 水戸（金町） -6.2 -4.8

1月の冬日の日数 観測地点 2017年 2016年 日立市役所 14 10 十王交流センター 21 12 北部消防署 22 17 本山（中学校跡） 30 29 西部支所 31 31 諏訪広場 27 23 南部支所 25 23 日立会瀬 17 12 水戸（金町） 25 20

◇1月の日立市内の気温と降水量

　1月の日立市内の気温の観測結果を比較すると、平均気温は引き続き日立市役所が最も高く、市内平均より2.2℃高くなりました。次いで気温が高かったのは最も北に位置する十王交流センターで、市役所より0.8℃低くなりました。一方、山間部にある西部支所と本山は気温の低い方になっています。市内7地点の平均気温は2.7℃で、12月より3.6℃低くなりました。また、水戸の月平均気温は3.6℃と日立市の平均よりも0.9℃高く、12月に引き続いて水戸の気温は日立市内平均よりも高くなっています。なお、日立市内で水戸よりも平均気温が高かったのは、日立市役所と十王交流センターの2か所だけでした。

　一方、月の降水量の市内平均は30.0mmで、12月の平均降水量71.5mmよりも40mm近く少なくなりました。観測地点の間の差は12月よりも大きくなり、最も降水量の多かった日立市役所の37.5mmに対して、最も少なかった南部支所は19.5mmと1.9倍の差でした。また、市内7地点の平均降水量30.0mmに対して、水戸の月降水量は17.5mmとほぼ半分でした。

　●1月の日立市内と水戸の気温、降水量の観測結果

1月の気温（℃）の記録 観測地点 平均 気温 最高気温 最低気温 気温 日時 気温 日時 日立市役所 4.9 14.3 30 11:54 -3.5 25 05:20 十王交流センター 4.1 13.9 30 14:42 -5.4 25 03:34 北部消防署 3.5 12.6 30 11:15 -4.8 25 07:11 本山（中学校跡） 0.5 13.4 30 12:29 -7.3 25 06:38 西部支所 0.3 14.9 30 12:37 -8.3 25 06:39 諏訪広場 2.4 13.3 30 11:36 -5.7 25 06:32 南部支所 3.0 14.0 30 12:34 -6.7 25 06:51 上記7地点の平均 2.7 - - - - 日立会瀬 4.9 14.2 30 16:19 -4.3 25 05:35 水戸（金町） 3.6 16.1 30 12:53 -6.2 25 06:50

1月の降水量（mm）の記録 観測地点 月降水量 日最大降水量 1時間最大降水量 降水量 日 降水量 日時 日立市役所 37.5 16.5 08 6.0 08 22:28 十王交流センター 35.0 20.5 08 6.5 08 22:48 北部消防署 33.0 17.0 08 4.5 08 22:38 本山（中学校跡） 29.5 13.5 08 4.0 20 23:50 西部支所 28.0 13.0 08 6.5 20 23:17 諏訪広場 28.0 15.0 08 4.0 20 22:47 南部支所 19.5 9.5 08 2.5 09 03:12 上記7地点の平均 30.0 - - - - 日立会瀬 41.5 19.5 08 6.0 20 22:24 水戸（金町） 17.5 10.5 08 3.0 08 22:29

　※日立会瀬と水戸（金町）は気象庁の観測地点。

◇冷え込みの違い（14日〜17日）

　13日夜から15日夜にかけて、寒冷渦が北海道の西から東北地方北部を通って三陸沖へ進みました。この寒冷渦の西側を回る形で、14日から16日にかけて、日本付近へ強い寒気が流れ込みました。このため、関東地方では13日の夕方から気温が下がり始め、16日にかけて気温の低い日が続きました。気象庁の東京観測所では、14日から16日にかけて最低気温0℃未満の日が3日連続しました。

　日立市では、強い寒気の影響で14日は朝から積雲が広がり、昼過ぎにはにわか雪が降りました。雪を降らせた雲が東へ抜けた15時ころから気温は下がり始め、16日にかけて気温が平年より低くなりました。特に、15日の朝は晴れて風が弱まったことから冷え込みが強まり、市内の最低気温は-3〜-7℃まで下がりました。

　14日から17日にかけての日立市内の気温の推移をみると、沿岸部と山間部で気温の変化が大きく異なりました。沿岸部の日立市役所、北部消防署、十王交流センターの3地点は、下層の寒気が最も強かった15日が最も気温が低くなり、最低気温は-3〜-4℃まで下がりました。16日になると寒気が弱まり、最低気温は-1〜-2℃までしか下がりませんでした。さらに、寒気の抜けた17日の朝は気温が下がらず、最低気温は0℃以上でした（北部消防署と十王交流センターでは夜になって気温が下がり、日最低気温は夜に記録しています）。

　一方、山間部の本山と西部支所では、15日だけでなく16日も冷え込みが強く、気温は-7℃近くまで下がりました。また、寒気の抜けた17日も-4〜-6℃まで気温が下がりました。残りの諏訪広場と南部支所は、沿岸部と山間部の中間の気温変化を示しました。ただ、南部支所は気温の変動型の地点よりも大きく、風向が北寄り（北北西から北東）に変わると気温が上昇する傾向がみられました。

　このように、日立市内では沿岸部と山間部では冷え込み方に大きな違いがあります。沿岸部では上層の寒気の影響が大きく、強い寒気が入ると気温が低くなります。また、日立市役所は西寄りの風が強まりやすく、その際に気温が上がるため、日立市内では最も気温の下がりにくい地点となっています。一方、山間部では放射冷却の影響が強く、晴れて風が弱いと冷え込みが強まります。特に、西部支所は入四間川の谷間にあるため、冷え込みが強い地点となっています。

　●14日から17日の最低気温（℃）

　※日立会瀬、水戸（金町）及びつくばは気象庁の観測地点。

　●1月14日から17日の気温の推移（日立市役所、北部消防署、十王交流センター）

　●1月14日から17日の気温の推移（日立市役所、西部支所、本山）

　●1月14日から17日の気温の推移（日立市役所、諏訪広場、南部支所）

　●参考：1月14日から17日の09時の地上天気図と500hPa面高層天気図

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作成日 2017/02/09
名前 日立市天気相談所