◇晴れて乾燥した天気が続く

　冬型の気圧配置は北日本が中心で、東日本から西日本は高気圧におおわれやすく、晴れる日が多くなりました。また、日本付近の上層では西北西からの流れが続いたことから、低気圧は関東地方から離れて通過することが多く、雨や雪の降る日がほとんどありませんでした。このため、月の降水量は6.0mm（平年比12％）と、平年よりかなり少なくなりました。反対に、月の日照時間は237.0時間（平年比124％）と、平年よりかなり多くなりました。一方、北からの寒気は上層の流れに沿って日本の東へ南下することが多く、気温は平年並みに推移しました。月平均気温は4.9℃と平年より0.3℃高くなりました。

1月の気象観測値 観測要素 観測値 平年値 月平均気温（℃） 4.9 4.6 月降水量（mm） 6.0 49.6 月日照時間（時間） 237.0 191.3

旬平均気温(℃) 旬 観測値 平年値 上旬 4.5 5.1 中旬 5.8 4.5 下旬 4.4 4.3

旬日照時間(時間) 旬 観測値 平年値 上旬 73.9 61.2 中旬 72.4 59.1 下旬 90.7 71.2

　●1月の日立市役所における日平均気温とつくばにおける500hPaと850hPa気温の推移

　●1月の日立市役所における日最低気温と日照時間の推移

　昨年（2018年）1月は下旬を中心に強い寒気が入ったため、日立市役所の月平均気温は3.9℃と平年より0.7℃低くなり、2013年1月の平均気温3.6℃以来5年ぶりに平年を下回りました。また、月最低気温も1月25日に-5.6℃まで下がり、2014年2月5日に記録した-5.4℃以来の低い気温となりました。一方、　今年の1月の平均気温は4.9℃と平年より0.3℃高くなり、月最低気温も-1.8℃までしか下がりませんでした。しかし、日最低気温0℃未満の冬日の日数は、2018年1月が17日、今年の1月が18日と変わりがありませんでした。

　なお、日立市内のその他の地点も市役所と同じ傾向でした。ただし、昨年と比べて月平均気温の上がり方は日立市役所よりも大きく、今年の1月の日立市役所との気温の差は小さくなっています。

　●気温と冬日の日数の昨年との比較

1月平均気温（℃） 観測地点 2018年 2019年 日立市役所 3.9 4.9 十王交流センター 3.1 4.5 北部消防署 2.4 4.5 本山（中学校跡） -0.3 1.2 西部支所 -0.5 1.3 諏訪広場 1.6 3.8 南部支所 2.2 3.9 日立会瀬 3.9 4.8 水戸（金町） 2.8 3.4

1月最低気温（℃） 観測地点 2018年 2019年 日立市役所 -5.6 -1.8 十王交流センター -6.3 -2.6 北部消防署 -7.2 -2.3 本山（中学校跡） -10.5 -5.3 西部支所 -10.7 -7.5 諏訪広場 -7.5 -2.8 南部支所 -8.5 -5.2 日立会瀬 -6.2 -2.6 水戸（金町） -7.9 -5.8

1月の冬日の日数 観測地点 2018年 2019年 日立市役所 17 18 十王交流センター 21 22 北部消防署 22 18 本山（中学校跡） 30 30 西部支所 31 31 諏訪広場 25 23 南部支所 26 23 日立会瀬 19 21 水戸（金町） 25 29

◇1月の日立市内の気温と降水量

　1月の日立市内の気温の観測結果を比較すると、平均気温は引き続き日立市役所が最も高く、市内平均より1.5℃高くなりました。次いで気温が高かったのは北に位置する十王交流センターと北部消防署で、市役所より0.4℃低くなりました。一方、山間部にある西部支所と本山は気温が低い方になっています。市内7地点の平均気温は3.4℃で、12月より3.0℃低くなりました。また、水戸の月平均気温は3.4℃と日立市の平均と同じになりました。なお、昨年1月の日立市内の平均気温は1.8℃、水戸の平均気温は2..8℃で、水戸に比べて日立市は昨年よりも気温がより高くなっています。

　一方、月の降水量の市内平均は3.4mmで、12月の平均降水量13.1mmより10mm近く少なくなりました。最も降水量の多かったのは南部支所の6.5mmで、反対に最も少なかったのは西部支所は0.5mmでした。また、市内7地点の平均降水量3.4mmに対して、水戸の月降水量は9.0mmでした。なお、これは31日に記録したもので、1日から30日までの降水量は0.0mmとなっています。

　●1月の日立市内と水戸の気温、降水量の観測結果

1月の気温（℃）の記録 観測地点 平均 気温 最高気温 最低気温 気温 日時 気温 日時 日立市役所 4.9 13.6 20 14:21 -1.8 27 06:33 十王交流センター 4.5 13.8 20 14:46 -2.6 03 06:16 北部消防署 4.5 13.2 20 15:07 -2.3 25 04:24 本山（中学校跡） 1.2 12.5 05 12:48 -5.3 10 04:05 西部支所 1.3 13.8 05 12:52 -7.5 10 07:01 諏訪広場 3.8 13.3 05 11:01 -2.8 25 06:54 南部支所 3.9 13.6 05 12:36 -5.2 10 05:09 上記7地点の平均 3.4 - - - - 日立会瀬 4.8 13.6 05 10:23 -2.6 30 06:38 水戸（金町） 3.4 14.4 05 13:48 -5.8 10 04:24

1月の降水量（mm）の記録 観測地点 月降水量 日最大降水量 1時間最大降水量 降水量 日 降水量 日時 日立市役所 6.0 5.0 31 2.0 31 24:00 十王交流センター 1.0 1.0 26 1.0 26 03:32 北部消防署 3.0 1.5 26 1.5 26 03:28 本山（中学校跡） 2.0 2.0 31 1.5 31 22:36 西部支所 0.5 0.5 31 0.5 31 23:56 諏訪広場 4.5 4.0 31 2.0 31 22:36 南部支所 6.5 6.0 31 2.0 31 23:18 上記7地点の平均 3.4 - - - - 日立会瀬 6.5 5.5 31 2.0 31 23:01 水戸（金町） 9.0 9.0 31 2.5 31 23:30

　※日立会瀬と水戸（金町）は気象庁の観測地点。

◇乾燥した晴天が続き、降水量が少なくなる

　今年1月の上層の大気の流れを見ると、中国大陸東岸から西日本にかけて偏西風が北へ蛇行し、暖かい空気におおわれやすくなりました。反対に、日本の東で偏西風が南へ蛇行する東谷となったため、本州付近の上層は西北西からの流れとなり、気圧の谷や湿った空気の影響を受けにくくなりました。このため、北日本から東日本にかけての太平洋側と西日本の日本海側では、降水量がかなり少なくなりました。福島県小名浜（月降水量0.0mm）など6地点では、月降水量の少ない方から1位の値を更新しました。

　日立市でも、12月下旬から晴れて乾燥した天気が続きました。日立市役所における1月の降水量は6.0mmと、観測開始以来第7位の少ない記録でした。ただし、これは31日に南岸低気圧による雨で5.0mmの降水があったためで、1日から30日までの降水量は1.0mmと、この期間としては観測開始以来最も少なくなりました。反対に、1月の日照時間は237.0時間と観測開始以来第4位の多い記録でした。

　湿度も低い日が続きました。月平均湿度は45.2％で、観測開始以来第3位の小さい記録でした。また、日最小湿度20％未満の日数は7日と、2018年1月及び2月と並んで多い方から1位タイの記録となりました。

　●1月の降水量（mm）と日照時間（時間）の記録（日立市役所）

　※順位は降水量、日数の少ない方から、または日照時間の多い方からで、1953年1月から2019年1月までの統計。

　●累年の湿度の記録（日立市役所）

　　※順位は湿度の小さい方または日数の多い方からで、1953年1月から2019年1月までの統計。

　●12月〜1月にかけての日降水量の推移(2019年と2018年の比較）

　2018年12月24日から2019年1月25日まで、降水量は0.0mmであった。一方、2018年1月は平均すると5日毎に1mm以上の雨が降っている。

　●2019年1月の全国の降水量平年比分布

　※気象庁の「2019年1月の天候」から作成

　●参考：2019年と2018年1月の500hPa高度・偏差図

　2019年1月は、日本の東側が負偏差域で東谷となっており、低気圧は陸地に近づけなかった。2018年1月は、日本付近が気圧の谷となっており、寒気が入りやすかった。

　※実線は等高度線、破線は等偏差線で陰影域は負偏差を表す。

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作成日 2019/02/14
名前 日立市天気相談所