◇気温が高かった3月

　高気圧と低気圧が交互に通過し、天気は周期的に変わりました。ただ、上旬と下旬後半には頻繁に通過した南岸低気圧や前線の影響で天気のぐずつく時がありました。11日に南岸を北東へ進んだ低気圧を除いて低気圧が発達することがなかったため、月降水量は87.0mm（平年比81％）と平年より少なくなりました。一方、月の日照時間は185.5時間（平年比104％）とほぼ平年並みになりました。中旬と下旬に一時的に寒気の南下してきた時期がありましたが、それ以外の日は南から暖かい空気におおわれれ気温が高くなりました。このため、月平均気温は8.9℃と平年より1.7℃高くなりました。

3月の気象観測値 観測要素 観測値 平年値 月平均気温（℃） 8.9 7.2 月降水量（mm） 87.0 107.5 月日照時間（時間） 185.5 178.8

旬平均気温(℃) 旬 観測値 平年値 上旬 8.5 5.9 中旬 9.2 7.3 下旬 9.1 8.2

旬日照時間(時間) 旬 観測値 平年値 上旬 52.1 57.2 中旬 81.9 60.9 下旬 51.5 60.7

　●3月の日立市役所における日平均気温の推移とつくばにおける500hPaと850hPa気温の推移

　●3月の日立市役所における日最低気温と日照時間の推移

◇3月の日立市内の気温と降水量

　3月の日立市内の気温の観測結果を比較すると、平均気温は引き続き日立市役所が最も高くなっています。次いで、最も南に位置する南部支所が2番目に高くなっています。一方、山間部にある本山と西部支所は気温の低い方になっています。市内7地点の平均気温は7.9℃で、水戸の月平均気温8.7℃よりも0.8℃低くなりました。2月と比較すると、日立市の平均気温は2.7℃高くなりました。一方、水戸の平均気温は3.3℃高くなり、暖候期に向けて水戸の方が気温の上がり方が大きくなっています。なお、日立市内7か所の観測地点の内、本山、西部支所、諏訪広場の3か所は、水戸よりも平均気温が低くなりました（2018年3月は、全地点とも水戸より平均気温が低くなりました）。

　一方、月の降水量の市内平均は80.4mmで、2月の平均降水量30.7mmよりも50mm近く多くなりました。観測地点の間の差は2月と同じで、最も降水量の多かった西部支所の93.5mmに対して、最も少なかった南部支所は59.0mmと1.6倍の差でした。また、市内7地点の平均降水量80.4mmに対して、水戸の月降水量は90.0mmと10mm程多くなりました。

　●3月の日立市内と水戸の気温、降水量の観測結果

3月の気温（℃）の記録 観測地点 平均 気温 最高気温 最低気温 気温 日時 気温 日時 日立市役所 8.9 22.3 22 10:24 -0.8 24 03:27 十王交流センター 8.7 21.7 21 15:20 -0.9 24 02:31 北部消防署 8.7 21.1 22 11:16 -1.0 24 02:28 本山（中学校跡） 5.9 18.8 22 12:10 -3.9 24 04:37 西部支所 6.6 20.8 21 15:17 -4.7 24 04:40 諏訪広場 7.9 20.5 22 11:52 -1.9 24 04:32 南部支所 8.8 21.1 21 15:19 -2.4 24 05:59 上記7地点の平均 7.9 - - - - 日立会瀬 9.0 21.3 22 12:32 -1.0 24 04:18 水戸（金町） 8.7 22.5 22 12:03 -2.4 24 06:13

3月の降水量（mm）の記録 観測地点 月降水量 日最大降水量 1時間最大降水量 降水量 日 降水量 日時 日立市役所 87.0 46.0 11 10.0 11 07:09 十王交流センター 77.0 40.5 11 10.0 11 07:07 北部消防署 79.0 41.0 11 12.0 11 07:13 本山（中学校跡） 89.5 52.0 11 9.5 11 07:00 西部支所 93.5 59.5 11 12.5 11 06:58 諏訪広場 78.0 43.0 11 10.0 11 07:10 南部支所 59.0 35.5 11 10.5 11 07:05 上記7地点の平均 80.4 - - - - 日立会瀬 87.5 44.5 11 10.0 11 07:27 水戸（金町） 90.0 41.0 11 10.0 11 06:42

　※日立会瀬と水戸（金町）は気象庁の観測地点。

◇22日から23日にかけて気温が大きく変化する

　日立市を含む関東地方では、22日から23日かけて気温が大きく変化しました。22日は、日本海低気圧に伴う残留暖気と北西の風によるフェーン現象の影響で気温が上がり、日立市役所では最高気温22.3℃を記録して6月中旬並みの陽気となりました。その後、夕方から下層へ寒気が入り気温は下がっていきました。23日は、冷たい北東の風が入って天気がぐずつき、日中も気温は上がりませんでした。日立市役所の最高気温は00時01分に記録した7.8℃で、日中は6℃前後の気温で推移し、真冬並みの寒さとなりました。この寒さで、日立市役所では9時前から10時前にかけてみぞれが降りました。

　気圧系の動きをみると、21日は低気圧が発達しながら日本海を東北東へ進み、南から暖かい空気が入ったことから東北地方以南で気温が高くなりました。22日の朝には、低気圧から南西へ延びる寒冷前線が南海上まで南下し、寒気が入ってきて全国的に気温が低くなりました。しかし、関東地方だけは下層に暖気が残り、北西の風によるフェーン現象も起きて、21日より気温の高くなったところが多くなりました。

　22日の関東地方の最高気温は、栃木県小山で24.9℃、茨城県下館で24.6℃、つくばで24.2℃などでした。22日の夕方になると、関東地方の下層にも寒気が流れ込み始めて気温が下がり始め、24時には10℃を下回りました。23日の日中はほとんど気温が上がらず、7℃前後で推移しました。その後、夜になると気温は再び下がり始め、南部の沿岸部を除いて3℃を下回りました。

　茨城県内の22日の最高気温は、上記の下館とつくばの他、土浦で23.6℃を記録するなど、北茨城と鹿嶋を除く13地点で最高気温が20℃以上となりました。それに対して、23日の最高気温は鹿嶋で9.8℃、つくばと龍ヶ崎で9.4℃など、すべての地点で10℃を下回りました。また、北茨城、大子、常陸大宮を除いて最高気温は0時から1時の間に観測しており、日中の気温は6℃前後で推移しました。

　日立市内の気温を見ると、22日から23日にかけての気温の変化は日立市役所と同じでした。22日の最高気温は、すべての地点で20℃以上となり、最も気温が高かったのは日立市役所の22.3℃でした。23日の最高気温は、西部支所を除いて0時過ぎに観測し、明け方にかけて気温は下がっていきました。日中の気温は、本山で4℃前後だった他は6〜7℃で推移しました。夜に入ってさらに気温が下がったことから、23日の最低気温は全地点で24時前に観測しました。また、十王交流センター、本山、西部支所の3地点では、気温が0℃未満となりました。

　●3月22日と23日の気温（℃）の記録

　※日立会瀬と水戸（金町）は気象庁の観測地点。

　●2019年3月22日〜24日の気温の推移

　●2019年3月22日と23日13時のアメダスによる気温と風の分布

　日立市役所における3月22日13時の気温は20.6℃、23日13時の気温は6.0℃と、14.6℃低くなっています。

　●2019年5月22日、23日及び24日09時の地上天気図と500hPa面高層天気図

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作成日 2019/04/09
名前 日立市天気相談所