11月1日、寒冷前線の南下とともに寒気が入り気温が下がる

 1日の日中、寒冷前線が本州上を南下しました。昼過ぎにかけて、寒冷前線の南側に入った関東地方では晴れて暖かい南西の風が入ったため気温が上がり、関東地方南部を中心に最高気温が25℃を超えた所が多くありました。日立市役所でも、14時38分に日最高気温23.4℃を記録しました。これは、平年よりも5℃近く高く、9月下旬並みの気温でした。また、日立市役所では0時頃から西寄りの風が吹いていた影響で気温が下がらず、朝にかけて15℃前後で推移しました。これに対して、同じ日立市内でも本山と南部支所では西風の影響がなく、朝は12℃近くまで気温が下がりました。

 寒冷前線の北側には真冬並みの寒気があり、寒冷前線の南下に伴って群馬県から北寄りの風に変わるとともに気温も下がり始めました。日立市役所でも、19時に西南西の風から北東の風へ変わるとともに気温が下がり始め、21時にかけての2時間に7℃近く気温が低くなりました。今回の寒気は茨城県では北の方から入ってきたため、10分ごとの気温変化グラフで見るとおり水戸では日立市役所よりも60分ほど遅れて気温が下がり始めました。

 つくばにおける高層観測の結果を見ると、1日09時には高さ1500m付近(850hPa面)の気温は15.8℃まで上がりましたが、21時には12.0℃、寒冷前線が南海上へ南下した2日09時には2.4℃まで下がりました。なお、高さ5500m付近(500hPa面)の気温は、1日09時から2日09時にかけてほとんど変わっていません。これは、上層の気圧の谷が南西に寝た形になっているため、寒気が下層から先に南下していることによります。上層の気圧の谷が本州付近を通過する3日朝には上層の気温も下がり、地上の気温は一段と低くなります。

 ●11月1日の各地の気温(℃)の記録

地点 日平均気温 最高気温 最低気温
平均気温 平年値 気温 時刻 平年値 気温 時刻 平年値
日立市役所 17.6 14.2 23.4 14:38 18.5 12.0 24:00 10.3
本山 15.0 - 19.9 12:50 - 10.3 23:59 -
南部支所 16.8 - 23.4 14:08 - 12.2 23:58 -
水戸 17.2 12.9 24.5 15:01 18.3 11.1 07:02 7.9

 ●参考:つくばにおける高層観測の気温(℃)

高さ(気圧) 30日
09時
30日
21時
31日
09時
31日
21時
01日
09時
01日
21時
02日
09時
5500m(500hPa) -16.3 -16.3 -15.1 -10.5 -10.5 -9.7 -11.3
1500m(850hPa) 9.2 10.0 8.4 7.8 15.8 12.0 2.4

 ●1日の各地の気温の変化(1時間値)及び日立市役所と水戸における気温の変化(10分値)

 ●1日の日立市役所における風向と風速の変化(10分値)

 ●11月01日15時の地上天気図と21時の500hPa高層天気図

Amagai Daizo


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作成日:2009/11/02
日立市役所 天気相談所