7月25日と26日、茨城県中部から南部で激しい雷雨

 15日頃から上層の高気圧が本州付近をおおうようになり、先週初めから晴れて暑い日が続きました。先週末になると高気圧の勢力が弱まり、北から弱い寒気が本州上に入ってくるようになりました。つくばにおける高層観測の結果を見ると、高さ1500m付近(850hPa面)の気温は19℃から21℃前後で推移し、あまり変化はありませんでした。しかし、5000m付近(500hPa面)の気温は、23日21時の-4.7℃から24日09時には-6.1℃、26日に09時には-7.9℃まで下がりました。この寒気の影響で大気の状態が不安定となり、日立市でも24日、25日、26日と雷がなりました。

 24日の雷は、明け方から朝にかけて栃木県から茨城県の北部を東へ進んだ小さな雷雲によるもので、規模が小さかったため日立市役所では影響はありませんでした。しかし、雷雲の中心が通過した大みか町付近では5時から5時30分にかけて、一時的に強い雷がありました。

 25日は、茨城県北部で発生した雷雲が、夕方に茨城県と栃木県の境に沿って南下した後、笠間市付近から南東へ進み鹿島灘へ抜けました。南下する雷雲の先端で雷雲が発達し、桜川市から石岡市、行方市にかけて雷を伴った猛烈な雨が降りました。筑西市の門井では19時24分までの1時間に73.5mmの雨が、石岡市の柿岡では19時29分までの1時間に88.5mmの雨が降りました。また、鹿嶋市やつくば市、小美玉市などで約2万世帯が停電しました。日立市は雷雲の中心がかからなかったため総降水量は1.0mmと強い雨は降らず、落雷による停電等もありませんでした。

 26日も、昼頃から茨城県北部で雷雲が発生しました。この雷雲は15時頃から南下を始め、常陸大宮市から水戸市を通り、行方市から鹿嶋市へ進んで弱まりました。常陸大宮市では、16時10分までの1時間に55mmの激しい雨が降りました。また、水戸市を中心に約4万世帯が停電しました。一方、日立市は雷雲の中心がかからず、降水量も1.5mmと少なく落雷による停電等もありませんでした。

 ●7月の雷の発生状況(日立市役所、1日から26日まで)

時間 方向 雷の強度 降水量(mm)
02 18:59〜19:21 南西から西へ 雷電、1 0.0
19 15:40〜16:40 北西から西へ 雷電、0 0.0
22 20:00〜22:00 西から東へ 雷電、0 9.5
24 05:00〜05:50 西から南東へ 雷電、0 1.5
25 14:58〜15:07
16:20〜21:20
北西
西から南、南東へ
雷鳴、0
雷電、1
1.0
26 13:15〜13:30
15:16〜16:55

北西から南へ
雷鳴、0
雷電、1
1.5

 ※雷の強度:0(遠雷)、1(0と2の中間)、2(雷の中心近く)の3段階に分類

 ●参考:つくばにおける高層観測の気温(℃)

高さ(気圧) 23日
09時
23日
21時
24日
09時
24日
21時
25日
09時
25日
21時
26日
09時
26日
21時
27日
09時
5500m(500hPa) -4.3 -4.7 -6.1 -6.1 -6.1 -6.9 -7.9 -7.3 -6.9
1500m(850hPa) 20.4 20.4 21.0 19.2 20.0 20.2 19.6 19.0 21.0

 ●参考:7月25日と26日の落雷の状況

 25日、26日とも落雷地点は栃木県との県境を南下していきました。また、25日よりの26日の方が落雷数が多く、特に26日の水戸市付近で落雷が多くなりました。

 ●参考:7月25日15時から20時のレーダー図

 ●参考:7月26日13時から18時のレーダー図

 ●参考:7月25日と26日09時の地上天気図と500hPa面高層天気図

Amagai Daizo


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作成日:2010/07/28
日立市役所 天気相談所