2日の朝、オホーツク海へ進んだ低気圧から南西へのびる寒冷前線が関東地方を通過して東海上へ抜けました。しかし、上層の気圧の谷が西側に残り寒気の進入が遅れていたことから、関東地方南部では南西の風が吹き続けました。昼になると、関東地方北部から北西の風が強まり始めるとともに気温が下がっていきました。
2日の島しょ部を除く関東地方における最大瞬間風速は、千葉県勝浦で南南西の風26.2m/s(07時32分)、神奈川県三浦で南西の風23.8m/s(05時43分)、千葉県館山で南西の風23.4m/s(07時12分)などでした。関東地方の南部では、寒冷前線の南側に入った朝に最大瞬間風速を記録しました。一方、北部では寒気が入ってきた夕方から夜の初めにかけて風が強まりました。また、茨城県内の最大瞬間風速は、北茨城で北の風18.4m/s(16時07分)、日立会瀬で北の風16.m/s(17時58分)、笠間で北の風16.m/s(17時58分)など、半数以上の地点で夕方に最大瞬間風速を記録しました。
日立市役所における2日の風速の推移をみると、1日の夜から2日の朝にかけて瞬間風速8m/s前後の南西の風が吹き続けました。その後、風向が南から南東に変わるとともに風は弱まりました。昼前になると、風向が西北西に変わるとともに、瞬間風速も7m/s前後になりました。15時30分になると寒気が流れ込んで来て気温が下がり始めるとともに北西の風が強まり、瞬間風速が15m/sを超えるようになりました。16時過ぎからは一段と風が強まり、16時452分には最大瞬間風速22.4m/sの北西の風を記録しました。その後、18時過ぎにかけて瞬間風速20m/s前後のやや強い風が吹き続けました。19時頃から、風向が北から北東へ変わるとともに風は急速に弱まりました。一方、水戸やつくばでは15時から19時頃にかけて瞬間風速10m/s前後の北寄りの風が吹いたものの、日立市役所のように風が強くなることはありませんでした。
日立市内の各観測地点における風速の推移をみると、すべての地点で日立市役所と同じような変化をしました。ただ、いずれの地点も日立市役所よりも風は強くなりませんでした。日立市役所以外で最も風が強かったのは北部消防署で、17時17分に北西の風16.3m/sを記録しました。日立市役所は宮田川が作り出した谷が海岸段丘の平坦地に突き出す先端部にあるため、西側にある山から北西の風が吹き降りてくるときには、他の地点よりも風が強く吹く傾向があります。
地点 | 最大風速(m/s) | 最大瞬間風速(m/s) | ||||
風速 | 同風向 | 同時刻 | 風速 | 同風向 | 同時刻 | |
日立市役所 | 14.4 | 北西 | 17時16分 | 22.4 | 北西 | 16時52分 |
十王交流センター | 5.2 | 西北西 | 16時55分 | 11.9 | 西北西 | 17時13分 |
北部消防署 | 7.2 | 北西 | 17時08分 | 16.3 | 北西 | 17時17分 |
西部出張所 | 4.0 | 西北西 | 15時20分 | 10.0 | 西北西 | 15時12分 |
諏訪広場 | 5.5 | 北西 | 17時18分 | 12.9 | l北北西 | 17時37分 |
南部支所 | 7.7 | 北西 | 17時54分 | 14.9 | 北西 | 17時25分 |
日立会瀬 | 7.6 | 北西 | 17時49分 | 16.6 | 北 | 17時58分 |
水戸(金町) | 6.2 | 北 | 15時48分 | 12.8 | 北 | 15時40分 |
※日立会瀬と水戸(金町)は気象庁の観測地点
●2月1日から2日の風速の推移(10分値)
●2月1日から2日の日立市内の風速の推移(10分値)
●参考:2月2日15時と17時のアメダスによる風の分布
●参考:2月2日15時の地上天気図と09時の500hPa面高層天気図
Amagai Daizo