13日から16日にかけて、上層の低気圧が本州上をゆっくりと西へ進みました。17日には上層の低気圧は東シナ海へ進み、かわって上層の高気圧が東日本に中心を移して本州付近を広くおおいました。背の高い高気圧におおわれたことから、下降流に伴って下層の気温が上がりました。つくばにおける高層観測の結果を見ると、高さ1500m付近(850hPa面)の気温は15日09時の15.6℃から17日21時には19.6℃まで上がりました。このため、北海道から近畿地方にかけて気温が高くなりました。
17日の関東地方では、南の風が吹いて晴れたため、内陸部を中心に最高気温が30℃を超えました。関東地方各地の最高気温は、栃木県佐野と群馬県桐生で35.1℃、埼玉県鳩山で35.0℃など、86観測地点中66地点で最高気温が30℃以上となりました。茨城県内でも、大子で最高気気温34.4℃、古河で34.1℃、下館で32.7℃を記録するなど、14観測点のうち北茨城と日立会瀬を除く12地点で最高気温が30℃を超えました。また、6地点で今年の最高気温となりました。
日立市役所における気温の推移を見ると、17日は7時頃から気温が急速に上昇し。09時35分には最高気温30.0℃を記録しました。これは、今年に入って初めての真夏日(最高気温30℃以上の日)で、真夏日初日の記録としては、昨年よりも37日、平年よりも18日遅くなっています。最高気温を記録した後、風向が南南東に変わったことから気温は2℃近く下がり、夕方にかけて横ばいで推移しました。なお、翌日18日は、風向が南南西から南へ変わったのが12時過ぎと遅かったため、最高気温は32.0℃(11時56分)まで上がり、今年一番の高い気温となりました。
日立市内の気温を見ると、最高気温が30℃以上となったのは日立市役所の他には本山と西部支所の2か所で、沿岸部の4地点では気温が30℃を超えませんでした。なお、本山では真夏日初日でしたが、西部支所における真夏日初日は7月11日でした。沿岸部に比べて、山間部では日中の気温が高くなる傾向が見られます。
●今年の最高気温(℃)の記録 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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※赤色の塗りつぶしは、真夏日初日を表す。西部支所の真夏日初日は、7月11日(最高気温30.4℃)。
●真夏日初日の記録(日立市役所)
年 | 月日 | 最高気温 | 時刻 |
2015 | 07/12 | 30.2 | 11:52 |
2016 | 06/18 | 30.4 | 11:15 |
2017 | 07/02 | 31.5 | 13:52 |
2018 | 06/27 | 32.7 | 14:54 |
2019 | 07/19 | 32.1 | 11:49 |
2020 | 06/10 | 32.7 | 13:32 |
2021 | 07/17 | 30.0 | 09:35 |
平年 | 06/29 | - | - |
●参考:つくばにおける高層観測の気温(℃)
高さ(気圧) | 15日 09時 |
15日 21時 |
16日 09時 |
16日 21時 |
17日 09時 |
17日 21時 |
18日 09時 |
18日 21時 |
19日 09時 |
5500m(500hPa) | -6.9 | -7.0 | -7.1 | -5.0 | -5.1 | -4.4 | -5.1 | -5.7 | -5.1 |
1500m(850hPa) | 15.6 | 16.8 | 17.2 | 18.8 | 19.0 | 19.6 | 20.0 | 20.6 | 20.4 |
●7月17日から18日の気温の推移(10分値)
●7月17日12時のアメダスによる気温と風の分布
●参考:7月17日09時の地上天気図と500hPa面高層天気図
Amagai Daizo