井手県議ら茨城県議会総務企画委員会のメンバーは、2001年6月26日、茨城県伊奈町にある「ワープステーション江戸」を現地調査しました。 ワープステーション江戸は、2000年4月21日にオープンしましたが、初年度で4億7300万円の当期損失を出し、経営の見直しが急務となっています。 |
「ワープステーション江戸」オープン一年で赤字4億7300万円
県が筆頭株主を務める株式会社メディアパークつくばの、平成12年度決算が公告されました。
以下に、その貸借対照表と損益計算書の要旨を掲載します。
参考:「ワープステーション江戸」のHP貸借対照表の要旨
(平成13年3月31日現在)一株当たりの当期損失7,858円20銭
科 目 金 額 科 目 金 額 流動資産 1億8300万円 流動負債 2億2100万円 固定資産 29億3900万円 固定負債 6億4500万円 内訳(有形固定資産) 27億6700万円 資本金 30億1000万円 (無形固定資産) 1億4700万円 欠損金 7億5400万円 (投資等) 2500万円 (うち当期損失) 4億7300万円 資産の部合計 31億2200万円 負債・資本の部合計 31億2200万円 損益計算書の要旨
(平成12年4月1日から平成13年3月31日)
科 目 金 額 営業収益 8億1500万円 営業費用 12億6300万円 営業損失 4億4800万円 営業外収益 100万円 営業外費用 2400万円 経常損失 4億7100万円 税引き前当期損失 4億7100万円 公租公課 200万円 当期損失 4億7300万円 当期未処理損失 7億5400万円 「株式会社メディアパークつくば」は、伊奈町南太田の歴史公園「ワープステーション江戸」の経営主体であり、資本金は30億1000万円。県は筆頭株主で5億円、伊奈町が2億円を出資し、ほかに民間60社が資本参加しています。
歴史公園「ワープステーション江戸」は借入金を加え約37億円で整備され、2000年4月21日にオープンしました。約5ヘクタールの敷地に江戸時代の町並みを再現し、時代劇のロケを立体映像で楽しむ「3Dドラマシアター」などが売り物です。これまでにNHK大河ドラマなど9作品のロケ地として使用されました。
しかし、当初、70万人を見込んだ昨年度の年間入場者は、53%の37万1000人と採算ラインの40万人を一年目から割り込みました。一人の客が使う「客単価」も2100円と予想を1100円下回り、売上高は約8億1500万円と低迷しました。
今年も4月が約23,100人と、開園日が10日間だけだった昨年(約26,500人)を下回り、このままでは「開園後13年程度」としていた投資の回収は、困難な状況です。
不人気の原因について、同社と県は、知名度が低いことや幼児が遊ぶ場所がないこと、入場料金(大人1400円など)が高いことなどを挙げており、専門家を交えた委員会を設け、9月までに報告をまとめる方針です。
また、6月25日に開催された株主総会では、集客力のあるイベントの開催や社員13人程度の削減、1億円分の新株発行などの計画を決定しました。ワープステーション江戸の入場者数
平成12年度 平成13年度 対前年比 備 考 4月 26,534 23,141 87.2% 平成12年は10日間の営業 5月 78,814 35,300 44.8% 6月 36,308 7月 27,914 8月 50,703 9月 24,009 10月 34,400 11月 25,251 12月 7,964 1月 15,236 2月 16,317 3月 27,517 370,967