予定価格の事前公開を拡大:土木部長が明言
指名停止など罰則の厳罰化には慎重姿勢12日(2002/2/12)開かれた県議会決算特別委員会(潮田龍雄委員長)で、石岡市と下妻市の競売入札妨害事件に関連して、委員から一般競争入札の拡大や談合が発覚した時の業者への罰則強化など、県の入札制度改革の意見が相次いだ。しかし、県は具体的な方針は示さなかった。
井手義弘氏(公明)は、10億円以上の県発注工事で採用されている一般競争入札制度の拡大を求めた。しかし、島田健一・県土木部長は、「不良業者が入ってくるのをどう防ぐかという大きな問題があり、今後検討する」という答弁にとどまった。橋本昌知事が表明した入札予定価格の事前公表拡大については、具体的には示さなかったが「できれば新年度から実施したい」と述べた。
委員からはこのほか、談合にかかわった業者に罰金や賠償を請求する制度を設けたらどうかという意見も出された。
2002/2/13朝日新聞<地方版>:右画像->
入札改革に対する井手県議の見解民主党を離党した鹿野道彦代議士の元秘書による競売入札妨害事件で、石岡市の木村芳城市長と下妻市の山中博市長が相次いで逮捕されました。いずれも政界での人脈を利用し公共事業という国民の血税を食い物にする言語道断の行為です。竹内藤男元知事、北茨城の豊田稔・松崎竜夫元市長などなど市町村長の逮捕劇が続き、汚職天国・茨城との風評が全国に広がっています。
こうした公共事業に関わる汚職を根絶するためには、入札制度の改革と汚職を厳しく罰する法整備が必要です。
現在、公共工事の多くは指名競争入札という制度で行われています。行政側が業者を数社指名した上で、入札により請負金額を競わせる方式です。この方式では、行政側の意志で様々なさじ加減が可能になります。入札に参加する業者が少ないので、業者間の談合が可能となります。
これを撤廃し、誰でも入札できるようにした入札方法が「一般競争入札」です。
工事の予定価格も事前に公表してしまえば、今回の石岡や下妻の市長のように、事前に予定価格を特定の業者だけに教えるようなことは意味がなくなってしまいます。
しかし、「一般競争入札」では行政の事務量が多くなり、今までの入札の仕組みでは対応ができなくなります。そこで、インターネットの仕組みを活用した電子入札制度の導入が必要になります。
いち早く電子入札制度を導入した神奈川県の横須賀市では、入札制度改革に着手した98年は95.7%だった落札率が、2000年度には87.3%に低下しました。その結果、行政側が予定していた発注額である設計価格と、実際の請負価格との差額は13億2000万円から41億8000万円と増えました。このように、「電子入札制度」によって、入札の透明化とともに、税金の効率的な運用もできるようになります。
一方、腐敗防止のための法整備を急ぐ必要があります。
公明党の提案で一昨年「あっせん利得処罰法」が成立しました。この「あっせん利得処罰法」の適用対象を、私設秘書や親族にまで拡大すべきです。
また、公共事業を発注する際に公務員が業者と事前に入札価格を調整することなどを取り締まる「官製談合防止法」の早急制定を強く主張します。
更に、談合を行った業者の処分が軽すぎることも問題だと思います。
アメリカでは談合した場合は、談合利益の2倍の罰金と12ケ月程度の実刑になり、司法省は必ず談合業者に損害賠償請求(3倍賠償)をします。また、談合による入札資格剥奪期間は3年であり、談合すると経営自体が難しくなります。
これに対し、日本では談合が公正取引委員会に摘発されても課徴金は3%ないし6%、指名停止期間も2ケ月ないし12ケ月と短期間です。
業者にとって、「談合はやり得」という実態を、直ちに改善すべきだと思います。