県政情報ロゴ
Copyright Yoshihiro IDE (e-mail:master@y-ide.com)
掲載日:2003/5/2、最終更新日:2007/7/22

神栖町木崎の飲用井戸で高濃度ヒ素検出
井手県議ら公明党県本部 住民の不安解消のため迅速に行動

神栖町木崎の地図:クリックすると大きな地図を表示します。 神栖町木崎地区の井戸水を利用していた住民から、手足の痺れなどの体調不良の訴えがあり、県が調査したところ、基準値の450倍もの高濃度ヒ素が検出されました。
 さらに詳細な分析を行ったところ、毒ガス化学物質の分解生成物とされる「ジフェニルアルシン酸」が検出されました。この物質は自然界には存在せず、旧日本軍が製造した嘔吐剤(くしゃみ剤)であるジフェニルシアノアルシン又はジフェニルクロロアルシンの分解生成物と見られます。この井戸水に、旧日本軍の毒ガス成分が混入したことが推定されます。

 神栖町には、第二次大戦当時、旧日本軍関係の施設が存在していました。中央航空研究所ならびに神の池(ごうのいけ)飛行場があり、人間爆弾(桜花)の実験・訓練が行われていました。神栖町町史などの史料によると、今回ヒ素が検出された井戸は、旧神の池飛行場の境界地域並びに敷地内に位置しています。

 この地域は、地盤が砂礫層であり、地下水にも恵まれていたことから地下水の利用が続き、神栖町の水道普及率は67.3%と低く、多くの家庭が井戸水または、井戸水と水道とを併用しています。

ヒ素が検出された井戸付近を調査する井手県議ら 公明党県本部では、問題が表面化した当初から県並びに町当局から状況の報告を受けると共に、住民の健康を最優先にした対応を進めてきました。
 2003年4月21日には、石井啓一県本部代表(衆議院議員)、足立寛作代表代行(県議)、鈴木孝治副代表(県議)、井手よしひろ幹事長(県議)、柳堀弘・小笠原美智子神栖町議、栗林進鹿嶋市議らが、現地を訪れ実地調査を行いました。
 さらに、石井代表らは、現地で県生活環境部の担当者から土壌調査の経過などについて詳しく事情を聞いた後、「原因の徹底究明と、万全な住民の健康対策が必要だ」として、橋本昌県知事と岡野敬四郎町長あてに、それぞれ要望書を提出しました。

(更新日:2007/7/22)
 2007年6月25日、環境省は「国内における毒ガス弾等に関する総合調査検討会」を開催し、神栖市で地下水が有機ヒ素で汚染された問題で、汚染の原因は旧日本軍の毒ガス兵器ではないという調査報告を発表しました。
 高濃度の井戸水汚染が確認された2か所とも、A地区内に投棄された有機ヒ素を含むコンクリートのような塊が汚染源とほぼ断定した最終報告書を取りまとめました。

詳細記事:神栖ヒ素汚染の原因を不法投棄物と断定

高濃度のヒ素が検出された神栖町木崎付近の地図
高濃度のヒ素が検出された神栖町木崎付近の地図

神栖町木崎地区の井戸水ヒ素汚染問題の経緯
県の資料を基に井手よしひろがまとめまたものです

3月17日 筑波大学附属病院から潮来保健所に「神栖町の住民が手足のしびれ、ふるえ等の症状を訴えているので、井戸水の検査をしてほしい」との依頼があった。
※当該井戸使用世帯(住民数)は、転居者も含め、12世帯(33人)と判明(うち体調不良者18人)
3月20日 県衛生研究所で当該井戸水の水質検査を実施した結果、基準値を超える高濃度のヒ素が検出された。
ヒ素の値:4.5mg/リットル(基準値の450倍)
公明党県議会として関係部門より第1回ヒアリングを実施
3月21日 高濃度ヒ素の検出等を踏まえ対応策等を実施(県、町)
@井戸の使用禁止及び周辺井戸の使用自粛指導
A水道への転換の呼びかけ
B行政水質調査の実施及び自主的水質検査の呼びかけ
C毛髪のヒ素分析
D健康影響調査の実施
E健康相談窓口設置
F土壌調査
G仮給水所の設置等による給水
H住民説明会の開催
4月2日 高濃度のヒ素についての分析を(財)化学物質評価研究機構に依頼
4月3日 半径500m圏外の6世帯より新たに、基準値を超える比較的高濃度のヒ素が検出されたことが判明。
●場所:基準値の約450倍の井戸から約1キロメートル離れた地点
●検出井戸数:6ヵ所(約50メートルの範囲に集中)
●ヒ素の値:0.18〜0.43mg/リットル
4月5日 新たな比較的高濃度のヒ素検出に伴う対応策の実施
@行政水質検査の実施
A周辺井戸の使用自粛指導
B給水施設の設置、給水車による給水の実施
4月7日 4月3日に高濃度のヒ素検出が判明した地点を中心に半径
の世帯を対象とした行政検査を開始
4月11日 新たな半径500メートル圏内の井戸水の検査から基準値を超える比較的高濃度のヒ素が検出されたことが判明
●場所:自主検査で判明した6ヵ所とほぼ同一地区
●検出井戸数:5ヵ所
●ヒ素の値:0.14〜0.30mg/リットル
4月14日 (財)化学物質評価研究機構から、高濃度ヒ素に係る有機ヒ素の成分分析結果が報告される。
ジフェニルアルシン化合物を検出
4月16日 知事が環境大臣など関係大臣に対し、原因究明等を要望
健康相談窓口の設置
4月17日 県、町及び専門家による住民説明会の開催(亀の甲、木崎、田畑行政区を対象)
4月18日 金県町及び専門家による住民説明会の開催
(大野原行政区を対象)
4月19日 健康診断の実施(27名受診)
県、町及び専門家による住民説明会の開催(新港行政区を対象)
4月21日 国(環境省等)による現地調査
公明党茨城県本部が現地調査
県並びに町に要望書提出
4月22日 専門機関から、比較的高濃度のヒ素(0.13〜0.43mg/リットル)が検出された7井戸のヒ素の成分分析結果が報告される。
ジフェニルアルシン化合物を検出
4月24日 県が、井戸周辺の土を調べた結果を公表。
調査は、高濃度のヒ素が検出された二つの井戸の周辺で行われ、0〜60cmの深さで土を採取する「表層土壌調査」を10か所で、15〜18メートルの深さまで掘り進む「ボーリング調査」を6か所で、それぞれ実施した。その結果、検出されたヒ素の量は、土壌汚染対策法施行規則に定められた基準値を大幅に下回った。
5月1日 付近のコメにヒ素含有異常なし。
木崎地区と大野原地区の4地点で行ったコメの含有ヒ素量の検査結果について、県は「異常な汚染は認められない」と発表した。
検査は、いずれも高濃度のヒ素が検出された2か所の井戸のから半径500mの4地点で実施された。検出量は1kg当たり0.09〜0.12mgで、同時に分析を行った他産地(17地点)のコメからの検出量(1kg当たり0.06〜0.17mg)とほぼ同水準か、それ以下だった。




神栖町木崎地区の飲用井戸ヒ素汚染について茨城県のホームページより
木崎地区の一部の井戸から高濃度ヒ素化合物神栖町のホームページより
中国における旧日本軍遺棄化学兵器処理事業の概要
検出された毒ガス化学物質についての説明が掲載されています。
内閣府遺棄化学兵器処理担当室
神之池飛行場:旧日本海軍神雷部隊について愛国顕彰ホームページ「祖国日本」より


Webメニュー選択画像