ダイオキシン対策とは何んであったか?
最近、我が国のダイオキシン対策について、疑問を投げかける主張を多く見るようになリました。 |
第1 「サリンの2倍」は筋ちがい
ダイオキシンに一番弱い動物(モルモットのオス)のLD50(半数致死量)を使って、人間の致死量を推計すると、300,000日(820年)分の食物を「イッキ食い」しない限り、ダイオキシン急性毒性で倒れることはない(P34)。 |
第2 どこでどれだけ生まれるか
ダイオキシン排出源
ダイオキシン排出量
ダイオキシンは天然には在存しない毒物−−という表現は根本のところでまちがっている。(P66) 長期にわたっての測定や土壌分折の結果によると、20世紀に入ってからゴミ焼却や農薬使用によってダイオキシン濃度は3倍程度になっているが、それ以前でも現在の1/3程度のダイオキシが、検出されていた思われる。ダイオキシ類も経年で、分解されることも考え合わせると、産業革命以前のダイオキシン濃度は現在のそれと同じくらいだった可能性がある。 ダイオキシンをつくる主犯人は「塩素を含むプラスチック(塩ビなど)の燃焼」だと決めつけられている。 しかし、無機塩(食塩)を燃してもダイオキシンは発生する。ヨーロッパでは、塩ビ主犯説は下火になっている。 そうした状況の中、ダイオキシンの発生源について「農薬ルート」が発見された。 特に1960年から70年代未に大量に使われた水田除草剤(PCP,CNP)は、ダイオキシンの主要な排出源となっている。 60年代にはPCPだけでも年に2万トンが使われ、TEQ値にして50kgものダイオキシンが環境中に放出された。使用が禁止されるまでに、600kgのダイオキンが出たと推定されている。 また、ダイオキシ騒ぎの中で、焼却炉などの発生源の周辺でダイオキシン濃度が高いと喧伝されていたが、環境省が2000年に詳しく測定した結果では、ほとんど差異がみられなかった。
こうしたことから、主なダイオキシン排出源は塩ビなど焼却によるという論は説得性に欠けるものである。 |
第3 人体のダイオキシン汚染
日本人のダイオキシン摂取量は、1970年代からどんどん減り、現在は、1日に1〜2pg/kg程度である。
さて、こうして摂取されたダイオキシンが体内にどれだけ蓄積されてるかを計算してみると、自然に分解されたり、排出される量との差し引きで、図3-4に年齢とともに変化すると推計される。 こうしたデータに若干の補正を加えると、ダイオキシンの体内濃度は10ng/Kgをまず超さない。 この数値は、さまざまな研究結果から判断して、一般市民が発がんを恐れる理由となるとは思えない。 |
第4 亡国の「ダイオキシン法」
ダイオキシン類特別措置法(ダイオキシン法)は、正確ではない情報を元に作られた法律である。 |
第5 ダイオキシン法の誕生秘話
1999年2月1日、テレビ朝日の「ニュースステーション」が「所沢産ホウレンソウに高濃度ダイオキシンを検出」と報じ、世間の大きな話題となった。そのわずか4日後、農水省と厚生省、環境庁が「ダイオキシン対策連絡会議」を作る。つい5日前の1月27日には、公明党が「ダイオキシン類対策特別措置法案」を国会に提出した。この後、堰を切ったように反ダイオキシン運動勢力が活動を起こす。2月17日には、民主党も「ダイオキシン類汚染緊急対策措置法」を提出し、超党派国会議員200名が議員連盟を結成する。こうして雪崩を打つように、5ヶ月後にはダイオキシン法が成立する。 |
第6 つくられたダイオキシン禍
ダイオキシン問題の中でとり上げられ、国民を惑わせた話の裏を暴いておきたい。 |