JCO東海事業所の臨界事故で、東海村内の農家約398戸が総額約6億8600万円の損害賠償を、10月19日にJCOに請求しました。 賠償を求めたのは、サツマイモを乾燥させた干しイモ(乾燥いも)などを生産する農家397戸と干しイモ出荷業者1社。請求額は、JCOが提示した「被害等申出書」で、各農家が申請した損害の額をまとめて算出し、村内の農家で作る「東海村農産物損害賠償対策協議会」が18日、同事業所に賠償を求める文書を提出した。 村内の農家は約1025戸で、農産物の粗生産額は年間約27億円あまり。干しイモの出荷額は年間約9億円で、米を上回る(年間7億円)東海村の代表的農産物です。同協議会によると、出荷の最盛期を迎えていたサツマイモを中心に事故の影響を被り、価格が低落したほか、風評被害で十二月以降の干しイモの出荷の見通しが立たない状態に陥っているということです。(資料は東海村経済課提供)
参考:JCOの被害等申出書 |
平成11年10月18日
農産物損害賠償請求書
ジェー・シー・オー株式会社東海事業所長殿
東海村農産物損害賠償対策協議会
会長 永井 一郎
副会長 須藤 一也
副会長 川崎 肇
副会長 根本 清志
外32名
農産物損害賠償について 今回の、ジェー・シー・オー東海事業所における臨界事故は村民を震撼させました。永年にわたり村民とともに歩んできた貴社が、このような大事故を起こし社会に大きな打撃を与えたことは、誠に遺憾であります。
私達は、本村内において農業を営む農家でありますが、本事故発生以来様々な形で多種多用な損害を受けております。特に本村の特産品である干しいもについては、年間約9億円の売上を確保してきましたが、今のところ全く見通しが立っておりません。また、野菜の販売でも大幅な低落傾向を脱しきれない状況にあります。
本村では、農業委員会・集落転作実践委員会が共同で、「東海村農産物損害賠償対策協議会」を発足させ、貴社に対する損害賠償に関する交渉に当たることになりました。つきましては、ここに損害賠償請求書を提出いたします。
(なお、事務局は役場経済課内に置きますので、連絡をお願いいたします。)
記 1.農家分請求金額 397戸 一金、505,409,345円
法人分請求金額 1戸 一金、180,750,000円
2.補償交渉による解決は、なるべく年内に処理したい。
3.未提出の農家より追加請求があった場合は、請求金額が変更となります。