平成11年1月県議会臨時会の開会に当たり、提出いたしました議案等の説明と報告を申し上げます。
緊急経済対策 |
最近の県内経済情勢は、一部に明るい材料が見られますものの、個人消費や住宅投資は依然低調に推移しているはか、雇用情勢も一段と厳しさを増すなど、全体として、景気は引き続き後退局面にあります。
こうした状況を踏まえ、国の第3次補正予算に速やかに対応し、県内経済を一日も早い回復軌道に乗せるため、先の9月補正の700億円を超える経済対策に続き、今回、社会資本の整備や中小企業対策等を中心に、特別会計、企業会計を含め総額573億円に及ぶ補正予算措置を講じることといたしました。
その概要を申し上げますと、まず社会資本の整備につきましては、防災、環境、福祉・医療・教育、物流効率化など幅広い分野にわたって積極的に推進することとし、合わせて538億円を措置いたしたところであります。
このうち、公共事業につきましては、昨年の水害に関連する那珂川改修に係る国直轄工事分担金をはじめ、下水道や農業集落排水施設、生活道路など身近な生活関連社会資本の整備を中心に466億円を、また、公共事業以外のものといたしましては、社会福祉施設や教育施設の整備などで72億円をそれぞれ追加計上いたしております。
次に、中小企業対策といたしましては、貸し渋り対策として国が創設した中小企業金融安定化特別保証制度の利用の促進と円滑な運用を図るため、県信用保証協会が新たに設置する「金融安定化特別基金」に対し、35億円の出えんを行うことといたしました。
また、今回の国の経済対策に基づき、個人消費の喚起などを目的として地域振興券が交付されることとなりましたが、本県における交付対象者は約82万人、交付総額約164億円と見込まれております。現在実施主体である市町村において交付に向けた準備作業が進められておりますが、今回の補正予算において、その市町村に対する助言、指導等に要する経費を計上いたしました。
また、今回の補正予算の円滑な執行を含め、景気回復に向けた各般の経済対策に係る施策をより総合的かつ機動的に実施するため、先般、「茨城県緊急経済対策本部」を設置したところであります。
今後とも、景気の動向や国の対応に十分留意しつつ、全庁挙げて適切かつ効果的な施策の推進に努め、県内景気の一日も早い回復に向けて全力で取り組んでまいりたいと存じます。
提出議案 |
今回の提出議案は、予算の補正に関するもの6件、条例その他1件、認定1件であります。
第1号議案乃至第6号議案は、予算の補正についてであります。まず、一般会計の補正予算についてでありますが、今回の補正は、ただ今申し上げました経済対策に関連する経費を計上することとし、その財源といたしましては、国庫支出金や県債を活用するとともに、所要の一般財源23億7,400万円につきましては、経済対策分として増額された地方交付税11億円及び平成9年度からの繰越金の一部12億7,400万円を充当することといたしました。
次に、公共事業以外の歳出の主なものについて申し上げます。
保育所、老人ホーム等社会福祉施設の整備に対する助成:31億500万円
療養型病床群の整備に対する助成:1億3、500万円
市町村保健センターの整備に対する助成:9、000万円
信用保証協会が設置する「金融安定化特別基金」出えん金:35億円
広域観光案内板の設置に要する経費:1億5、300万円
農産物直売所、加工施設等の整備に対する助成:4億6、100万円
県立高校セミナーハウスの整備事業費:2億600万円
県立高校産業教育施設の整備事業費:1億4、900万円
地域振興券交付に係る市町村指導等に要する経費:400万円
などを計上いたしました。
これらによる今回の補正予算の総額は、511億300万円となり、この結果、補正後の一般会計の予算総額は、1兆2、502億8、500万円となります。
次に、特別会計及び企業会計の補正予算についてであります。
特別会計は、経済対策関連の流域下水道事業の補正など2会計の補正が総額44億6、500万円、債務負担行為が変更2件となっており、また、企業会計は、同じく経済対策に係る水道事業の補正など3会計の補正で、総額17億5、200万円であります。
次に、第7号議案は、工事請負契約の締結であり、認定第1号は、平成9年度茨城県一般会計及び同特別会計歳入歳出決算の認定であります。
以上で、提出議案等の説明を終わりますが、なお、詳細につきましては、お手元の議案書等によりご審議の上、適切なご議決を賜りますようお願い申し上げます。