マウンテンバイク・マガジン(MTBマガジン)Vol.021に、井手よしひろ県議らの日立市にアクションスポーツパークを作る取り組みが紹介されました。走る環境を作りために−−常設MTBフィールドはどうすれば増えるのか?との特集で、「走る環境を整えるために活動する地方議員たち」とのテーマで掲載されたものです。
「まだまだ数は少ないものの、地方議員がアクションスポーツ愛好家の意見を取り入れて、環境作りのために活動している地域も国内には存在している。そこで、今回は、BMXやスケートボードなどのアクションスポーツ作りを推進されている茨城県議会議員、井手よしひろ氏と、BMXたMTBのためのショートトラックを作るために活動されている神奈川県の県議会議員の北井宏昭氏に登場していただいて、どのような活動をしているのか聞いてみた」(MTVマガジンP093)と掲載の主旨が説明されています。
記事のなかでは、アクションスポーツパークを作る活動を始めたきっかけ、具体的な運動の進み具合、パークが出来た際の社会的メリット、MTBやBMX、インラインスケートなどの新しいスポーツに対する地方自治体の認識などのインタビューに、具体的に答えています。
参考:MTBマガジンのホームページ
アクションスポーツパークを作るための活動を始めたきっかけについて教えてください。 昨年12月の選挙に際して、有権者の方にいろいろとお願いをしたり、またお話を聞いたりということがあったんです。その中で昨年9月ごろに私のサポートをしてくださっている、若い方からインラインスケートやスケートボード、BMXなどのアクションスポーツが日立でも盛り上がりを見せているとお聞きしたんです。しかしながら、そのスポーツを楽しむ場所が無いということも同時に伺いました。今までアクションスポーツの愛好者たちにはなかなか意見を言える場所が少なかった、そこでぜひ一度、話を一度聞いてくれないかということになったんです。そういった経緯でBMXやスケートボードなどのストリート系スポーツの愛好者の方たちの集まる場所に出向いて要望をお聞きしたのがきっかけです。彼らの話を聞いて、若い方のスポーツを振興することは街の活性化にもつながると考え、アクションスポーツパークを整備する手助けを行いたいと思いました。現在日立市は人口19万人ほどの街なんですが一番多いときは20万人以上の人が暮らしていたんです。しかし時代の流れとともに、この町のメインである産業が元気が無くなるにつれて人口も少なくなってしまったんです。そういった状況で若い方が集まるアクションスポーツパークを作ることは、活気溢れる街づくりのために有意義な活動なんです。
現在まで、どのようなアプローチで活動されてきたのでしょうか?
パークを作ることに対してご苦労されたことや問題点などはありましたか?
また、今後の展開についてはいかがでしょうか。最初に皆さんのお話を聞いてから地域の活性化と健康増進に大変効果があるという観点で行政の方に働きかけを行いました。そして最初に私がお会いしてから1ヵ月後の昨年11月に市の担当者の方にも参加していただいて愛好者たちの集まる体育館の前で夜会懇談会というかたちで彼らの意見を行政に直接伝える場所を設けました。
そこで愛好者の方たちも何か自分たちでも活動を起こそうということになって、「日立市にアクションスポーツパークを作る会」を立ち上げインターネットも利用しながら署名運動を行いました。その活動に実に6093名もの署名が日本全国はもとより海外からも集まりました。そして日立市長にその署名を提出しアクションスポーツパークの整備を要望したわけです。全国から寄せられた大きな反響は市長にとっても予想を超えるものあったと同時に、アクションスポーツで街が賑わうことに対する高い可能性を感じられるものであったようです。
その後、市会議員さんたちに働きかけたこともあって、日立市議会でアクションスポーツパーク作りが具体的な質問として取り上げられました。その結果、市が推進していた日立市の海岸を整備し市民のための憩いの場を作る計画(河原子海岸北浜一帯整備事業)の中にアクションスポーツパーク建設案が盛り込まれるにいたりました。残念ながらこの案だと海岸のすぐ前にパークが整備されるということで、コンクリートの上に砂が浮いてしまうことが懸念されBMXやスケートボードには潮風の影響も含めて難しい点があるということで見送らせていただくことで話が進んでいます。そこで現在は、今まで彼らが乗っていた市営体育館の前などの場所を舗装しなおしたり照明設備をととのえるなどの方向で整備するなど他の場所でのパーク整備を検討中です。
もしパークが出来た際は社会的にどのようなメリットがあるとお考えですか? 人口が以前のように増えることが難しい現状の中で、日立を交流の拠点として若い方々が集まってくれることが大きなメリットであると考えています。こういった形で訪れてくれる方を含めた町の人口を交流人口と呼んでいるんですが、多くの若い方が日立市を訪れて交流人口が増えることで活気溢れる街づくりが出来ると考えています。
また、もう一点としては、日立にはバブル崩壊の影響を受けて遊んでいる土地がたくさんありますから、その土地を有効利用することにもつながると思います。
MTBやBMX、スケートボードやインラインスケートなど、
新しいスポーツに対して議会や地方自治体はどのような認識を持っているのですか?実は地方自治体もBMXやMTB、スケートボードなどのアクションスポーツに対していろいろと考えてはいるんです。私が最初に愛好者の方から意見を聞いて市の担当者に働きかけを行ったときも、彼らのほうから歓迎する意思表示も見受けられました。行政がいろいろと考えていながらもなかなか身にならない原因は、アクションスポーツの愛好者たちが、その地域に積極的なショップでもないかぎり組織立って行動しているということが少ないことが理由のひとつです。そのため行政もどこの誰を窓口に話をしていいのかがわからない状況にあるのです。だから行政がパークなどを作ろうと考えても「本当に利用者がいるのかどうか?またどういったものを作ればいいのか?」そういったことが愛好者たちの総合的な意見がわからないため見えてこないのが実情です。
この日立市でパークの計画がある程度進みつつあるのは、BMXやスケートボードの愛好者の意見を集約できる方と行政とをリンクさせられたことが大きいですね。例えば河原子海岸北浜一帯整備事業の中にも盛り込まれている同じアクションスポーツであるサーフィンはある程度、検討委員会などに入って活動されているのですが、その理由として、日立には日本サーフィン連盟日立支部というのがあり、若い方を中心にしながらもこの地域にあるサーフショップのオーナーさんや年配の愛好者が自治体にコネクションを持って、砂浜の美化など地域と連携した活動にも積極的であることがあげられます。もちろんBMXやスケートボードの愛好者たちもいろいろと考えているのですが、まだまだ若い方が多く形になっていないのが現状です。私たち議員はそういった意味で愛好者と自治体とをつなぐきっかけになれればいいと考えています。