動燃東海爆発事故アーカイブ

 Copyright Yoshihiro IDE (e-mail:y_ide@jsdi.or.jp) 最終更新日:1997/MAR/21


動燃事故の影響

     動燃事故が、観光客の減少など、周辺地域に具体的に影響を及ぼし始めている。

 また、市民の不安を解消するため地元自治体では、広報誌の号外等を発行し、広報活動に努めている。

 周辺の観光地の状況と日立市の市報の号外を掲載します。

 

動燃の情報の乱れに、予約キャンセル180名に及ぶ

 爆発事故のあった動燃東海事業所(茨城県東海村)から5キロほど南にある観光地、茨城県ひたちなか市阿字ケ浦町の旅館街でキャンセルが出ている。この時期は、水戸の偕楽園の観梅客が宿泊することも多く、突然のキャンセル騒ぎに旅館経営者は「この大打撃の怒りをどこにぶつけたらいいのか」と落胆している。

 阿字ケ浦の「つるやホテル」(65人収容)では、明治大学の陸上競技部員約50人が、爆発があった11日から4泊の予定で合宿していたが、3泊分をキャンセルして12日に帰京した。

 練習グラウンドが東海村にあることを心配したホテルの社長が12日朝、村役場に問い合わせ、「全く影響はない」と確認した。ところが、その後、放射能が漏れ、被ばく者も出たことなど、刻々と状況が変わるのをテレビで見た学生たちは「情報がくるくる変わって信用できない」と帰京してしまったという。

 同じく、阿字ケ浦クラブでは、3月20日より24日まで合宿を予定していた東京:麻布高校の110名の団体と、3月25日〜29日まで予約の慶応大学生30名が予約を取り消した。

 近くの民宿でも、15日に泊まる予定だった常連の家族客一組(8名)が「今回は見合わせる」と、キャンセルしてきた。

 

日立市からのお知らせ

動燃事故による

周辺環境への影響は心配ありません

  • このたび、動力炉・核燃料開発事業団(動燃)東海事業所で、アスファルト固化処理施設の事故が発生し、市民の皆様に、たいへんご心配をおかけしております。
  • 事故原因の究明は、今後の徹底した調査に待つことになりますが、事故のあと、一時的に大気中に放射性物質が滞れたものの、その後は通常の値に戻っており、周辺環境や人体への心配される影響はありません。
  • 日立市内の5カ所(留町・神田町・大和田町・南高野町・東成沢町)で調査した結果でも、大気や土壌の中、野菜等について、放射性物質の異常は検出されておりません。
  • ご家庭で、洗濯物を干しても、お子さんが外で遊んでも、問題はありませんので、ご安心ください。

○なお、国では、科学技術庁水戸原子力事務所が、このたびの事故に関する 相談窓口として、「東海地区タスクフォース」を設けました。お聞きになりたいことがありましたら、お問い合せください。問い合わせの時間は、午前8時30分から午後6時までです。
東海地区タスクフォース
《029−287−3040 または 029−287−3044》

○日立市への照会は、次へお願いいたします。
日立市役所環境保全部環境保全課
《22−3111 内線296 または 298》


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