地域と企業が一体となった日本初のゴミリサイクル計画
茨城県南部の海岸地帯、鹿島地域で地域とコンビナート企業が一体となったゴミのリサイクル計画が進んでいます。
鹿嶋市、神栖町、波崎町の1市2町は、現在のゴミ焼却炉を順次RDF化プラントに立て替えを行っています。
県、および1市2町とコンビナート企業(鹿島臨海工業地帯企業連絡会:鹿工連)は共同で再資源化センターを建設し、1市2町のRDF化プラント(鹿嶋市と波崎町に建設)で製造されたRDFと企業からの産業廃棄物を焼却し、発電や温水、スチームに活用しようとする計画です。
鹿島共同再資源化センター(株)
所在地 茨城県鹿島郡神栖町東部東地区工業団地内
(旧砂山公園)
- 半分は産廃を燃やすので工業団地内に立地
- 回収した蒸気を効率的に利用できる
- 1市2町の中心地にあるためRDFの輸送に便利
- 住宅地から一定の距離が保てる
- 土地の確保が比較的容易
設 立 1998年12月1日 資本金出資
茨城県 5億円 鹿嶋市・神栖町・波崎町 5億円 日本政策投資銀行 5億円 三菱化学(株) 5億円 住友金属工業(株) 5億円 鹿島石油(株) 1億3000万 JSR(株) 1億 エーザイ(株) 5250万 鹿島コンビナート企業72社 5億2550万 資本金合計 33億800万円 2000年9月26日、井手県議ら県議会環境商工委員会のメンバーは、鹿島共同再資源化センターの工事進捗状況を現地調査しました。 今後の予定 平成11年9月〜12年12月 建設工事
平成13年1月〜3月 試運転
平成13年3月〜 営業開始
敷地面積 3ha 施設規模 全連続式焼却施設 24時間連続して焼却処理が可能 焼却炉 ロータリーキルン・ストーカー炉
100t/1日×2基一日の処理量200トン 排ガス ダイオキシン:0.008マイクログラム/h
硫黄酸化物(SOx):3.5Nm3/h
窒素酸化物(NOx):3.5Nm3/h現状の地域内の排ガスの合計
ダイオキシン:0.776マイクログラム/h
硫黄酸化物(SOx):15.0Nm3/h
窒素酸化物(NOx):10.7Nm3/h煙突 高さ59m 発電設備 3000kw 1000kwは自社供給、2000kwは東電へ売電されます 飛灰処理 セメント固化 ダイオキシンは、塩化ビニールなどの低温での燃焼で発生します。このために、ダイオキシンを削減するためには、次のような対策が必要です。
このため、国は、24時間連続運転の出来ない焼却炉や、100t/日未満の小規模焼却炉には、国庫補助を行わない方針です。
- ゴミの排出抑制、リサイクルの徹底。
- ゴミの焼却は、全連続炉によって高温で、24時間連続して焼却する。
- 焼却によって得られた熱は、発電や、熱供給など無駄なく再活用する。
- 灰を適正に処理する。
- 全連続炉が整備困難な小規模な市町村は、広域処理を行う。
こうした現状の中、鹿島再資源化センター計画は次のようなメリットがあります。
- 1市2町では、国庫補助でRDFプラントを整備できる。
- 鹿島再資源化センターは第3セクターとして設立し、国(日本政策投資銀行)、県、1市2町、地元企業(鹿工連)からの出資、無利子融資を受けることが出来る。
- 地域企業の小規模焼却炉を10ヶ所以上廃止することが出来、ダイオキシンを含む大気汚染を大幅に改善することが出来る。
- 電力や蒸気が効率的に利用できる(3000KWの発電、その内2000kwを東電に売却する)
- 1市2町が単独処理をするより、ランニングコストを抑えることが出来る。
参考