一層高くなる特養ホーム入所への壁 |
結論からいうと、待機者の解消にはならないと思われます。反対に、特養ホーム入所の壁は一層高くなります。茨城県内の特別養護老人ホームの待機者数は約1000名と言われています。
平成8年の特養ホームの入所者数は4776人、11年度の目標値が5780人ですから、今後の整備計画は最大1000名程度でとなります。
つまり、目標が完全に達成しても、現在の待機者を入所させるだけの入所数しかないことになります。
介護保険制度の基本的考え方は、在宅介護重点主義であり、施設介護者を積極的に家庭に戻すことに大きな力が入れられています。こうした、視点は、次のような全国介護保険担当課長会議資料の一節からも明確に読みとれます。
○老人保健福祉計画は、従来、特別養護老人ホーム等の整備の目標を設定するために作成されたものとして理解されるきらいがあった。このため、特別養護老人ホームへの入所を真に必要とする者か否かについての吟味が不十分なまま、いわゆる「待機者」の数ばかりが強調され、特別養護老人ホームの需要が適正な水準を超えて肥大化する傾向にあったのではないかと思われる。 |