2000/10/23update

第3回公明党全国大会 重点政策(案)

21世紀「健康日本」の構築

―― “活力と安心の生活大国”をめざして ――


はじめに

20世紀から21世紀へ〜中道政治が光り輝く世紀に〜

 いよいよ21世紀が開幕いたします。
 過ぎようとするこの20世紀は、二度の大戦に象徴されるとおり、「戦争の世紀」でありました。また、大量生産、大量消費を加速させる産業優先、経済至上主義の時代でもありました。
 私たちは、20世紀の歴史を真摯に見つめ直し、総括すべきは総括するとともに、来る21世紀を、人間主義を基調とする「平和・人権・共生」の世紀に、そしてわが国社会を、生活者を重視した「活力と安心の生活大国」にしていかなければならないと考えます。
 公明党が掲げる中道主義の政治、すなわち「<生命・生活・生存>を最大に尊重する人間主義の政治」こそが、21世紀の世界の平和と繁栄、そして新生・日本の構築にとって、確かなる“みちしるべ”となって光り輝く理念になるものと強く確信いたします。
 なお、憲法については、わが国の平和憲法の象徴である憲法9条は堅持し、国民主権主義、恒久平和主義、基本的人権の保障の三原則は不変のものと確認したうえで、衆参両院での憲法調査会での5年をめどにした論議の結果の方向を踏まえ、次の5年で第一段階としての結論を出すべきであると考えます。

21世紀「健康日本」へ
    〜「不安」を一掃し、安心・安全の世紀に〜


 しかしながら、21世紀を目前にして、わが国には乗り越えなければならない課題が山積しております。また、国民の間には、わが国の将来の行方に対しての複合的な不安が渦巻いています。例えば、
○ かつてない長期不況からの危機は脱しつつありますが、リストラなどによる雇用不安は深刻であり、また、景気は確かな回復軌道に乗ったとは言えません。一方、国・地方合わせ645兆円(平成12年度末見込み)という膨大な長期債務を負っていますが、わが国経済をどう再生し、財政をいかに健全化してゆくのか。
○ 世界に類例を見ないスピードで高齢化が進展するなか、年金、介護、国民医療など安心できる社会保障をどう構築していくのか。
○ 学級崩壊や不登校など教育の荒廃が叫ばれる今日、21世紀を担い、生きゆく子どもたちのため、教育のあるべき改革の方向性は何か。
○ さらには、地球温暖化やダイオキシン汚染など深刻な環境問題から、かけがえのない生命と地球をどう守ってゆくのか。
○ そして、21世紀の私たちの生活と社会を一変させる可能性をはらんでいるIT(情報技術)革命の進展のなかで、デジタルデバイド(情報格差)などITの影の部分を防止し、IT革命による果実をすべての国民が享受するためにはどうすればよいのか。

 こうした課題の克服なくして21世紀の希望ある未来は開けません。また、いずれの課題も、構造的な改革なしには解決できないという意味では、従来の制度や既得権に思い切ったメスを入れなければなりません。もちろん、その際、公平・公正・透明のルールに基づくことや安心・安全のためのセーフティネットを構築することが重視される必要があります。
 このように、わが国の経済・社会・教育・環境そして政治も残念ながら「健康体」と言えません。人間の身体にたとえれば、戦後のあらゆるシステムが陳腐化していくなかで、贅肉がつきすぎたもの、機能そのものが不全に陥ったもの、身体だけでなく「心の病」によるものなど対処療法だけではすまない事態になっているのが、21世紀を目前にしたわが国の状況ではないでしょうか。
 今こそ政治が、安心・安全の社会実現に向けた明確なビジョンを提示することにより国民の不安を払拭するとともに、断固として構造改革を実行してゆかねばなりません。
 公明党は、21世紀における、あらゆるシステムを「健康体」へと変えていく「健康日本」をめざし、多少の痛みを伴うものであったとしても、国民の皆様と協力し合いながら、構造改革に向かって全力で取り組んでいきます。

 こうした認識の下、2000年党大会の重点政策第一部として、次の5つのテーマについて政策を提示いたします。

一 「IT革命の果実をすべての国民に」〜21世紀IT社会への基本戦略〜

二 「経済新生と行財政改革の断行による健全な財政の構築」〜持続可能な財政をめざして〜

三 「安定した社会保障制度の確立」〜確かなセーフティネットを求めて〜

四 「生涯学習社会における教育の再構築」〜社会全体の教育力再興をめざして〜

五 「21世紀日本に循環型社会を築く」〜生命と地球を守る共生社会をめざして〜


 また重点政策第二部として、次の13の個別分野について政策を示します。
<1>新産業育成・雇用<2>都市再生<3>災害の危機管理体制<4>少子高齢社会<5>男女共同参画社会<6>環境<7>科学技術<8>エネルギー<9>農林漁業<10>人権<11>政治改革<12>外交<13>安全保障


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