数字 |
180°pulse (180°パルス:180-degree pulse)
磁化ベクトルの方向をちょうど180°回転させるのに等しいRFパルス。ある均一静磁場中に置かれた核スピンの巨視的磁化ベクトルの向きを、z軸のプラス方向からマイナス方向に180°倒したり、x−y平面上の横磁化成分を180°反転させるRFパルス。
[←先頭へ]19F-NMR (19F-NMR:19F-NMR)
19フッ素は1Hと同様に天然存在率がほぼ100%のNMR核種である。生体内には存在しないので、標識化合物を体外から投与して、その生体内での代謝動態を画像化することに応用されているが、現在まだ動物実験の段階である。
[←先頭へ]2D (2D:two dimensions)
2次元。
[←先頭へ]2D Fourier transformation, 2DFT (2Dフーリエへんかんほう:2D Fourier transformation:2DFT)
生画像データを再構成して、対応したプロトンのMR信号に比例したピクセル輝度値の2次元画像を作成する方法。薄いスライスを励起した後、周波数・位相エンコードによって2次元画像を作成する。
[←先頭へ]2Dフーリエ変換法 (2Dフーリエへんかんほう:2D Fourier transformation:2DFT)
生画像データを再構成して、対応したプロトンのMR信号に比例したピクセル輝度値の2次元画像を作成する方法。薄いスライスを励起した後、周波数・位相エンコードによって2次元画像を作成する。
→FT、 FT
[←先頭へ]31P-NMR Imaging (31P-NMRイメージング:31P-NMR Imaging)
化学シフトイメージングの一種で、生体の形態的な情報に加え、エネルギー代謝に関する情報を得ることができ、各種疾患に対する診断・治療に役立つ可能性があるが、現在まだ研究段階である。
[←先頭へ]3D (3D:three dimensions)
3次元。
[←先頭へ]3D chemical shift imaging (3D−CSI:3D chemical shift imaging)
3次元の関心ボリュームに含まれる各ボクセルからスペクトル情報を得るために、直交する3軸に位相エンコーディングしてデータを収集する方法。各エコーデータが大きなボリュームに由来するので大幅なS/Nの向上が期待できるが、撮像時間も延長する。
[←先頭へ]3D CSI (3D 化学シフトイメージング:3D chemical shift imaging)
3次元の関心ボリュームに含まれる各ボクセルからスペクトル情報を得るために、直交する3軸に位相エンコーディングしてデータを収集する方法。各エコーデータが大きなボリュームに由来するので大幅なS/Nの向上が期待できるが、撮像時間も延長する。
[←先頭へ]3D fast gradient echo (3D−FGRE:3D fast gradient echo)
3DファストGRE/SPGRシーケンス。最小のTRとTEが選択され、コラップスイメージとプロジェクションイメージが作成できる。
[←先頭へ]3D FGRE (3D FGRE:3D fast gradient echo)
3DファストGRE/SPGRシーケンス。最小のTRとTEが選択され、コラップスイメージとプロジェクションイメージが作成できる。
[←先頭へ]3D Fourier transformation:3DFT (3Dフーリエへんかんほう:3D Fourier transformation:3DFT)
3D Fourier transformation:3DFT 厚いスライスまたはスラブを励起した後、位相・周波数エンコーディングによってスライス面内の空間分解能を決定する収集技法。スライス厚は、スライス選択方向に沿った位相エンコーディングによって分解されるため、薄い隣接スライスの収集が可能になる。信号はスラブ全体から繰り返しサンプリングされるため、従来の2D撮影と比較してSN比が改善される。
[←先頭へ]3D imaging (3Dイメージング:3D imaging)
MR撮像法のうち、選択励起によるスライス励起を行わず、三次元的な分布を一挙に復元する方法。通常3Dフーリエ変換法が用いられる。一般に関心ボリュームをスラブ(slab)とよび、それをn個のスライスに分ける位相エンコードの数をパーティション(partition)という。ボリュームからの信号を観測するため、同じ撮像パラメータ・同じスキャン時間の2D法に比べてS/N比がスライス方向の位相エンコードNzのroot・Nz倍高い(例えば分割数が64のときはSN比が8倍向上する)が撮影時間はNz倍になる。位置情報の連続性が高く、高分解能の画像が得られる。撮像時間が若干長くなるのが欠点であったが、3D−EPIによって、例えば心臓の3Dデータが一回の息止め下で収集できるようになってきている。
→3Dイメージング
[←先頭へ]3D projection reconstruction method (3Dとうえいさいこうせい:3D projection reconstruction method)
3Dイメージングにおける画像形成法のひとつ。被写体をめぐるすべての方向の投影に対応したデータをNMR信号として得て、これをもとに原像を再構成する方法。
[←先頭へ]3D TOF SPGR (3D time-of-flight spoiled gradient echo)
efgre3dを参照。(GE)
[←先頭へ]3D TSE (3D TSE:3D Turbo Spin Echo)
TSEを利用した3Dデータ収集法。スライス方向への位相エンコーディングを行い、3DFTにより高S/Nで高分解能の画像が得られる。
[←先頭へ]3D Turbo Spin Echo (3D−TSE:3D Turbo Spin Echo)
TSEを利用した3Dデータ収集法。スライス方向への位相エンコーディングを行い、3DFTにより高S/Nで高分解能の画像が得られる。
[←先頭へ]3Dフーリエ変換法 (3Dフーリエへんかんほう:3D Fourier transformation:3DFT)
3D Fourier transformation:3DFT 厚いスライスまたはスラブを励起した後、位相・周波数エンコーディングによってスライス面内の空間分解能を決定する収集技法。スライス厚は、スライス選択方向に沿った位相エンコーディングによって分解されるため、薄い隣接スライスの収集が可能になる。信号はスラブ全体から繰り返しサンプリングされるため、従来の2D撮影と比較してSN比が改善される。
→FT、 FT
[←先頭へ]3D投影再構成 (3Dとうえいさいこうせい:3D projection reconstruction method)
3Dイメージングにおける画像形成法のひとつ。被写体をめぐるすべての方向の投影に対応したデータをNMR信号として得て、これをもとに原像を再構成する方法。
[←先頭へ]1次オーダ位相補正 (いちじおーだーいそうほせい:first order phase correction)
フェーズコントラスト画像の位相誤差は、X−Y方向の線形シェーディング(影)として現れる。1次オーダ位相補正では、X−Yシェーディングの勾配を判定して、シェーディングを軽減する。
[←先頭へ]90°pulse (90°パルス:90-degree pulse)
磁化ベクトルの方向をちょうど90°回転させるのに等しいRFパルス。ある均一磁場中に置かれた核スピンの巨視的磁化ベクトルの向きを、z軸方向からx-y平面上に90°倒すためのRFパルス。
[←先頭へ]A |
AAS (AAS:auto active shimming)
患者が磁石架台内に入ったときに生じる静磁場の乱れを自動的に補正する機能。
[←先頭へ]acquisition (しゅうしゅう:acquisition)
1回のデータ収集パス。指定したパラメータによっては、1回の収集で完了するスキャンもあれば、数回かかる場合もある。
[←先頭へ]acquisition matrix (しゅうしゅうまとりっくす:acquisition matrix)
2DFT撮像で、周波数−位相エンコーディングの方向における収集データポイントの数(例:256×192)。
[←先頭へ]active shield (アクティブシールド:active shield)
磁気シールドの一方式。主マグネットのすぐ外側に逆極性のキャンセルコイルを同心状に配置し、直列に結線している。単位重量あたりの磁気シールド効果に優れ、静磁場の均一性を高く保持することができる。
[←先頭へ]active shield gradient coil (ASGC:active shield gradient coil)
アクティブ型シールドグラジェントコイル。
[←先頭へ]active shimming (アクティブシム:active shimming)
MR装置に特別なコイルを設け、最大限に静磁場の均一性が得られるように、それらを作動させ調整することによってなされるシミングのこと。
[←先頭へ]ADC (ADC:analog to digital converter)
アナログ−デジタル変換回路。
[←先頭へ]advanced MRCP (advanced MRCP:advanced MRCP)
FastASEを利用したMRCP
。呼気停止下でスキャン可能。
algorithm (アルゴリズム:algorithm)
問題を解決するときの演算方法およびその流れ。
[←先頭へ]aliasing (エイリアジング:aliasing)
通常の撮影で、FOVが撮像部位より小さいときに発生するアーチファクト現象。FOV外にある部位は、画像内に折り返される(折り返し現象)。ラップアラウンドアーチファクト、領域外アーチファクトともよばれる。対策としては、FOVを大きくする、NPWの利用などがある。
[←先頭へ]aliasing (エイリアジング:aliasing)
2D画像において、励起断面のスピンの位置情報を得るために、互いに直交する軸に沿って位相エンコーディングと周波数エンコーディングが行われる。位相エンコーディングにおいては、核スピンの位相角度±180°を撮像領域の一軸に割り当てるのだが、±180°を越える位相角度を持つ撮像領域外の核スピンの位置情報は、その位相角度から360°引いた位相角度に相当する撮像領域内の位置として観測されてしまう。こうして位相エンコード方向の撮像領域外の像が領域内に折り返したようなアーチファクト(いわゆる折り返し)が生じる。周波数エンコード方向にも同様なことが起こるが、これはA/D変換以前のローパスフィルターで撮像領域外の信号を減弱できるので、一般には目立たない。wrap-around artifactも同義。
[←先頭へ]alignment light (アライメントライト:alignment light)
ガントリーの開口部に設置されている、患者の位置決め用ライトのこと。
[←先頭へ]analog to digital converter (ADC:analog to digital converter)
アナログ−デジタル変換回路。
[←先頭へ]anatomic reference (かいぼうがくてききじゅんてん:anatomic reference)
患者のスキャン位置を設定するときに、参考点として使用する外耳孔などの基準点。
[←先頭へ]angular frequency:ω (かくしゅうはすう:angular frequency:ω)
振動または回転運動の周波数。ω=2πf(f:周波数)。
[←先頭へ]annotation (アノテーション:annotation)
画面上に表示される注訳のこと。システムが自動的に表示する画像のデータ収集方法、作成者、作成対象、使用パラメータなど。オペレータが追加したテキストやグラフィック、マーキングもアノテーションによって表示することができる。
[←先頭へ]anterior-posterior (AP:anterior-posterior)
前/後。
[←先頭へ]AP (AP:array processor)
アレイプロセッサ。フーリエ変換など画像処理専用の演算装置。
[←先頭へ]AP (AP:anterior-posterior)
前/後。
[←先頭へ]aquisition time (アクイジションタイム:aquisition time)
スキャン時間。
[←先頭へ]archival storage (アーカイバルストッレッジ:archival storage)
光磁気ディスクなどの記憶媒体に、長期的に情報を記録し保存すること。その記録領域。
[←先頭へ]archive (アーカイブ:archive)
一時的なオンライン記憶媒体(ハードディスクなど)から、オフラインの長期的保存媒体(光磁気ディスク、テープドライブなど)に画像データを移す操作のこと。保存媒体に移された画像データの保存ロケーションを指すこともある。
[←先頭へ]array processor (array processor)
アレイプロセッサ。フーリエ変換など画像処理専用の演算装置。
[←先頭へ]arteriovenous malformation:AVM (どうじょうみゃくきけい:arteriovenous malformation:AVM)
膨張した動脈と静脈が絡み合って生じる動静脈の形成異常。通常、動静脈の短絡路(shunt)を伴う。一般的に血管壁は脆弱なため、クモ膜下出血などの原因となる。
[←先頭へ]artifact (アーチファクト:artifact)
画像診断上では本来存在しないものが、人工的に画像上に描出されたものをいう。原因としては体動によるもの、血液・脳脊髄液の脈動(フロー)によるもの、強磁性体によるもの、化学シフト(ケミカルシフト)によるものなど様々なものがあり、幾何学的な歪み、信号強度の不均一、疑似信号による画質低下を引き起こす。
[←先頭へ]ASGC (ASGC:active shield gradient coil)
アクティブ型シールドグラジェントコイル。
[←先頭へ]ASSET (ASSET:Array Spatial Sensitivity Encoding Techniques )
SENSEを参照(GE)
[←先頭へ]asymmetric echo (ひたいしょうエコー:asymmetric echo)
TEにおけるピーク値がサンプリングウィンドウの中央にこないエコーのことで、小数エコーまたは部分エコーともよばれる。
[←先頭へ]asymmetric Fourier imaging (AFI:asymmetric Fourier imaging)
位相共役対称を利用したデータ採取法で、HFIとほぼ同じ。
[←先頭へ]auto active shimming (AAS:auto active shimming)
患者が磁石架台内に入ったときに生じる静磁場の乱れを自動的に補正する機能。
[←先頭へ]auto broadcast (じどうそうしん:auto broadcast)
インディペンデントコンソール(IC)のメモリに画像を自動的にロードし、次いでシステムディスクに保存し、本体システムで再構成されたものと同様に表示する機能。
[←先頭へ]auto display (じどうひょうじ:auto display)
再構成終了と同時にシステムに自動的に画像を表示させるよう指示する機能。
[←先頭へ]auto prescan (オートプリスキャン:auto prescan)
[←先頭へ]
auto remove (じどうさくじょ:auto remove)
画像がPAN(primary archive node)に転送されたりアーカイブされたことをシステムが確認したあと、画像データを自動的に削除するソフトウェア機能。
[←先頭へ]auto store (じどうほぞん:auto store)
画像データを自動的に保存できるアーカイブ機能。
[←先頭へ]auto tuning (オートチューニング:auto tuning)
システムが送信するRFパワーと、患者の各スキャン面が受信するパワーの調整を自動的に実行する機能。患者の体重などRFコイルへの負荷に応じたRFパワーを自動的に計測し、スキャン条件を自動的に決定する。
[←先頭へ]auto window and level (じどうウィンドウレベル:auto window and level)
あるパルスおよびエコー数を用いて撮影した1枚の画像上で設定したウィンドウ幅とレベルの値を、同じ条件で他の画像にも自動的に設定して表示させる機能。
[←先頭へ]auto window and level (オートウィンドウレベル:auto window and level)
ウィンドウ幅とレベルの値を自動的に設定して表示させる機能。
[←先頭へ]avaraging (へいきんか:avaraging)
同一帯域のMR信号出力を、合計して収集された信号の数で割る、SN比改善技法。
→AVE
[←先頭へ]AVE (AVE:averaging)
積算回数。
[←先頭へ]average flow (へいきんりゅうりょう:average flow)
フロー解析の測定値。特定の心臓位相または周期において、所定のフロー領域を1分間に通過したフローの体積を、その領域を構成するボクセル体積の和(ml/min)で表したもの。
[←先頭へ]average specific absorption rate:average SAR (へいきんひきゅうしゅう:average specific absorption rate:average SAR)
[←先頭へ]
average velocity (へいきんりゅうそく:average velocity)
フロー解析の測定値。流量Q(cm3/sec)を血管の断面積A(cm2)で割ったもので、V=Q/A(cm/sec)。1/2Vmax(1/2×Vの最大値)を層流という。
[←先頭へ]averaging (AVE:averaging)
積算回数。(Hitachi)
[←先頭へ]axial plane (アキシャルめん:axial plane)
人体を上部(頭)と下部(足)に分割する面のこと。
[←先頭へ]Axis Swap (Axis Swap:Axis Swap)
位相エンコーディング方向と周波数エンコード方向を交換する機能。ゴーストを避けるために用いられる。(島津)
[←先頭へ]AFI (AFI:asymmetric Fourier imaging)
位相共役対称を利用したデータ採取法で、HFIとほぼ同じ。
→AFI
[←先頭へ]B |
B1 inhomogenity (B1不均一性:B1 inhomogenity)
RF磁場不均一性ともいう。RFパルスは波長が短いほど生体内で減衰するため、共鳴周波数の高い高磁場装置では生体内のRF磁場の不均一度が増し、部位によるフリップ角の違いが増大し、信号はより不均一となる。体部の撮像時や表面コイルの使用時、フリップ角が大きい場合に目立ちやすい。
[←先頭へ]background ROI (バックグラウンドROI:background ROI)
フロー解析において、フローROI中の位相の不一致を調整するのに使用する、フローを含まない領域のこと。通常は、観察するフロー領域の近くに設定されたフローを含まない領域を指し、対応するフロー領域よりも約2−5倍大きい。
[←先頭へ]backup (バックアップ:backup)
データの破損、消滅など不測の事態に備えて、コピーを作成すること。
[←先頭へ]balanced FFE (balanced FFE:balanced fast field echo)
true FISPを参照。(Philops)
[←先頭へ]band width (バンドはば:band width)
画像化において、位置情報は読みとり傾斜磁場勾配によって、エコー信号の共鳴周波数の違いとして認識されることから、収集されるエコー信号は広い周波数帯域の成分をもつことになる。このときの周波数帯域がバンド幅とよばれる。ホワイトノイズが全周波数帯域に均等に存在するとき、狭いバンド幅で信号を収集すれば画像のS/Nはよくなるが、スライス数が制限され、ケミカルアーチファクトやモーションアーチファクトが顕著になる。バンド幅の上限は使用する傾斜磁場システムの最大出力に依存する。
[←先頭へ]banding artifact (banding artifact)
磁場不均一や渦電流の影響で、SEとFIDを同時に収集できない時に生ずる、黒白縞状のアーチファクト。撮影対象が磁場の中心からずれていたり、シミングが不充分な場合に発生しやすい。
[←先頭へ]batch filming (バッチフィルム処理:batch filming)
複数の画像を並べ、自動フィルム化する機能のこと。
[←先頭へ]beats per minutes: BPM (しんぱくすう:beats per minutes:BPM)
心電図で示される心臓の平均心拍数。
[←先頭へ]bellows (ベローズ:bellows)
患者に装着して呼吸信号をとらえる装置。レスピレトリーコンペンセーションを選択したスキャンで用いる。
[←先頭へ]BFAST (BFAST:blood flow artifacts suppression technique)
血流アーチファクトの抑制法。
[←先頭へ]binominal pulse (2項パルス:binominal pulse)
水選択励起で使用されるコンポーネントパルス。1-1、1-2-1、1-3-3-1という割合で分割して励起する。
[←先頭へ]bipolar flow-encoding gradient (バイポーラフローエンコーディンググラジェント:bipolar flow-encoding gradient)
同じ形をした極性の異なる2つのグラジェントパルスのこと。PCアンギオで、フロー流速を位相の変化としてエンコードするのに使用される。
[←先頭へ]birdcage coil (バードケージがたコイル:birdcage coil)
「鳥かご」型のコイル。ヘッドコイル、ボディコイルはたいていこの形である。
[←先頭へ]blood flow artifacts suppression technique (BFAST:blood flow artifacts suppression technique)
血流アーチファクトの抑制法。
[←先頭へ]blood oxygenation level dependent contrast (BOLDコントラスト:blood oxygenation level dependent contrast)
脳機能画像作成の代表的な手法。
[←先頭へ]blurring (ボケ:blurring)
ランダムな動きで現れる、モーションアーチファクト。びまん性の画像ノイズを位相エンコード方向に発生させる。
[←先頭へ]Bo (Bo:static magnetic field)
静磁場、静磁場強度。
[←先頭へ]BOLDコントラスト法 (BOLDコントラスト:blood oxygenation level dependent contrast)
脳機能画像作成の代表的な手法。
[←先頭へ]bolus tracking (ボーラストラッキング:bolus tracking)
MRIでの血流測定法のひとつで、TOF法を用いて行う。
[←先頭へ]boot (ブート:boot)
コンピュータを起動するときに用いる最初の手続きで、システム初期設定に必要最小限のプログラム(IPL:initial program loader)を磁気ディスクから読み込むこと。
[←先頭へ]bound water (すいわすい:bound water)
→自由水
[←先頭へ]bound water (けつごうすい:bound water)
→自由水
[←先頭へ]brightness (きど:brightness)
露光操作で設定された光の量を定義するカメラのコントロール機能。輝度を大きくすると撮像された画像密度は減る。
[←先頭へ]broadcast (どうほうつうしん:broadcast)
ネットワーク上で、オペレータコンソールから同じスイート内の複数ワークステーションに同時に画像データを転送すること。
[←先頭へ]BW(bandwidth) (BW(bandwidth):bandwidth)
送受信する周波数の帯域。
[←先頭へ]C |
cardiac magnetic resonance imaging (しんMRI:cardiac magnetic resonance imaging)
MRを利用して心臓の任意の断面の画像や血流情報を得る検査。形態診断、心筋の性状診断、心機能診断のためには主にスピンエコー法が用いられ、血流信号を得るためにはグラジェントエコー法が利用される。代謝の面では13Cや31PによるMRSへの応用も研究されている。
[←先頭へ]cardiac phase images (しんぱくいそうがぞう:cardiac phase images)
1つの心拍サイクル内の異なった時間、または異なった位相での表示画像。
[←先頭へ]Carr-Purcell Meiboom-Gill sequence (CPMG:Carr-Purcell Meiboom-Gill sequence)
SE法において、RFパルスの位相を変えて信号を収集する方法。RFによる位相誤差を抑えることができ、現在でもSE法ではこの手法が用いられる。
[←先頭へ]Carr-Purcell sequence (CP:Carr-Purcell sequence)
SE法における多重エコーシーケンス。
[←先頭へ]CCVO (conventional centric view ordering)
k-spaceの中心から線状に位相エンコーディングしてデータ取得する方法。
[←先頭へ]CE (CE:contrast enhanced)
コントラストを強調した、あるいは造影した。
[←先頭へ]CE-FAST (CE-FAST:contrast enhanced FAST)
信号のFID部分をリフォーカスした定常状態GRE法。PSIFと同じ。
[←先頭へ]CE-FFE-T1 (CE-FFE-T1:contrast enhanced fast field echo with T1 weighting)
→SPGR、 SPGR
[←先頭へ]CE-FFE-T2 (CE-FFE-T2:contrast enhanced fast field echo with T2 weighting)
→SSFP、 SSFP
[←先頭へ]center frequency (CF:center frequency)
(MR信号の)中心周波数。
[←先頭へ]center frequency adjustment (センターフリケンシーちょうせい:center frequency adjustment)
送受信周波数と撮影するプロトンの減衰周波数とを一致させること。
[←先頭へ]center frequency adjustment (ちゅうしんしゅうはすうちょうせい:center frequency adjustment)
[←先頭へ]
CENTRA (CENTRA)
ECVOと類似。脂肪抑制が可能。(Philips)
→ECVO
[←先頭へ]cerebrospinal fluid (CSF:cerebrospinal fluid)
脳脊髄液。フローアーチファクトの原因となることがある。
[←先頭へ]CF (CF:center frequency)
(MR信号の)中心周波数。
[←先頭へ]CFAST (CFAST:CSF flow artifacts suppression technique)
フローアーチファクト補正。
[←先頭へ]chemical shift (かがくシフト:chemical shift)
磁気共鳴現象において、ある原子が化学結合している場合、相手原子との共有電子による遮蔽効果のために共鳴周波数の値はわずかに低い値にずれている。これを化学シフトといい、その大きさを周波数で表す。また、シフト量を静磁場強度に対する本来のラーモア周波数で割って100万分の1(ppm)で表すこともある。水の中の水素原子と脂肪族分子の中の炭素に結合した水素原子では1〜5ppmのシフトがある。
[←先頭へ]chemical shift artifact (ケミカルシフトアーチファクト:chemical shift artifact)
[←先頭へ]
chemical shift artifact (かがくシフトアーチファクト:chemical shift artifact)
化学シフトによる周波数成分の違いが、周波数エンコード方向の位置の変化として現れたものを、化学シフトアーチファクトとよぶ。自由水を大量に含む組織と脂肪組織の境界面に帯状の信号欠損もしくは高信号域として認められる。これは静磁場強度に比例、周波数エンコード方向の傾斜磁場強度に反比例して顕著となる。位相軸と周波数軸を入れ替える、あるいは周波数エンコードの磁場勾配を逆方向にすることによって、アーチファクトの発生する方向を変えて重なり障害を防ぐことができる。
[←先頭へ]chemical shift image (かがくシフトイメージング:chemical shift image)
[←先頭へ]
chemical shift image (かがくシフトがぞう:chemical shift image)
ある物質中の特定元素のNMRスペクトル強度分布から、化学シフト量に応じた画素値を与えることにより得られる画像。これにより、水・脂肪分離画像を得ることも可能である。
[←先頭へ]chemical shift imaging (ケミカルシフトイメージング:chemical shift imaging)
[←先頭へ]
chemical shift imaging (CSI:chemical shift imaging)
[←先頭へ]
chemical shift selective (CHESS:chemical shift selective)
ケミカルシフト選択。
[←先頭へ]ChemSat (ChemSat:ChemSat)
ケミカルシフトを利用した、脂肪または水分の信号強度抑制。
[←先頭へ]ChemSat (ChemSat:ChemSat)
ケミカルシフトを利用した、脂肪または水分の信号強度抑制。
[←先頭へ]CHESS (CHESS:chemical shift selective)
ケミカルシフト選択。
[←先頭へ]cine MRI (シネMRI:cine MRI)
MRIにおいて、同期(心拍同期など)内で関心部位を経時的・連続的に撮像し、その経時的変化を動画上で表示すること。心疾患や動脈瘤などの血管病変の血行動態を把握するのに非常に有効である。最近ではパルスシーケンスを直接ゲーティングせずに、心臓周期の異なる時期で複数の画像を収集する方法(レトロスペクティブゲーティング)が可能である。
[←先頭へ]cine plus (シネプラス:cine plus)
シネモードで動画のように画像を出力するソフト。心臓などの部位を動的に表示する時に使う。レトロスペクティブゲーティング技術と傾斜磁場エコーパルスシーケンスを使用する。
[←先頭へ]cine scan (シネスキャン:cine scan)
[←先頭へ]
circle of Willis (ウィリスりん:circle of Willis)
脳底部の動脈が吻合して形成する輪(5角形に近い)。
[←先頭へ]circular polalization coil (CP coil:circular polalization coil)
QDコイルの一種。
[←先頭へ]CISS (CISS:constructive interference in the steady state)
DESS+フローコンペンセーション
[←先頭へ]classic (クラシック:classic)
スピンエコーのスキャンにおいて、筋肉と脂肪の信号間に、より大きなコントラストをつけるために使用される機能。(GE)
[←先頭へ]CNR (CNR:contrast to noise ratio)
コントラストノイズ比。
[←先頭へ]coil (コイル:coil)
MRIで使用される装置で、プロトンを励起させるために必要なRFパルスを送信したり、組織から発生した信号を受信するために用いる。
[←先頭へ]collapsed (コラップス:collapsed)
マキシマムピクセルプロジェクション(MPP)ともよばれる最大輝度プロジェクションイメージ(MIP)で、TOFプロジェクションイメージまたはPCイメージから生成する。
[←先頭へ]complex difference (ふくそさぶん:complex difference)
PC−MRAを対象にしたフロー再構成の1つで、スラブをディフェーズさせる傾斜磁場および位相補正を制御する。複合差分再構成では、ディフェーズ用傾斜磁場がオフ、位相補正がオンになる。
[←先頭へ]constructive interference in the steady state (CISS:constructive interference in the steady state)
DESS+フローコンペンセーション
[←先頭へ]contiguous (りんせつ:contiguous)
隣接、すき間なしに隣りどうし接触していること。
[←先頭へ]contrast (コントラスト:contrast)
フィルム化された画像の暗い部分の濃度を増減して、明るい部分の濃度と対比させるカメラ機能。
[←先頭へ]contrast agent (コントラストエージェント:contrast agent)
造影剤。
[←先頭へ]contrast agent (ぞうえいざい:contrast agent)
組織の緩和時間を短縮させて、画像コントラストを増強するために投与する薬剤。現在利用されているMRI造影剤には、マグネビスト(シェーリング)、オムニスキャン(第一製薬)、などがあり、通常はT1短縮効果を目的とする。
[←先頭へ]contrast enhanced (CE:contrast enhanced)
コントラストを強調した、あるいは造影した。
[←先頭へ]contrast enhanced FAST (CE-FAST:contrast enhanced FAST)
信号のFID部分をリフォーカスした定常状態GRE法。PSIFと同じ。
[←先頭へ]contrast enhanced fast field echo with T1 weighting (CE-FFE-T1:contrast enhanced fast field echo with T1 weighting)
[←先頭へ]
contrast enhanced fast field echo with T2 weighting (CE-FFE-T2:contrast enhanced fast field echo with T2 weighting)
[←先頭へ]
contrast enhancement: CE (コントラストぞうきょうほう:contrast enhancement: CE)
CTやMRIにおいて造影剤を投与することにより、病変部と正常部とのコントラストを明瞭にする方法。
[←先頭へ]contrast resolusion (コントラストぶんかいのう:contrast resolusion)
関心ある解剖学的部位と周囲組織間を濃淡で表示区別する能力。
[←先頭へ]contrast resolution (のうどぶんかいのう:contrast resolution)
MRIではスピン密度、T1緩和時間、T2緩和時間の3つのNMR指数の組織間差を画像化する。この組織濃度差の解像度を濃度分解能という。濃度分解能はNMR測定条件であるパルス系列種、パルス間隔、パルス繰り返し時間により決定されるが、コンピュータシュミレーションによって最良の測定条件を設定することも可能である。
[←先頭へ]contrast to noise ratio (CNR:contrast to noise ratio)
コントラストノイズ比。
[←先頭へ]contrast-enhanced MRI (ぞうえいMRI:contrast-enhanced MRI)
高コントラスト分解能を有するMRIに造影剤を使用することにより、腫瘍や炎症巣などの病変部検出においてMRIの診断能はさらに高まる。現在、臨床で使用されているMRI用造影剤は経静脈性に投与するGd−DTPAであるが、他に臨床応用の段階に入りつつあるものにFe3+の超磁性体酸化物がある。
[←先頭へ]conventional spin echo (CSE:conventional spin echo)
通常のSE法。ファストSEと区別するために使われる用語。
[←先頭へ]coronal (コロナル:coronal)
身体を前部(正面)と後部(背面)に分割する、長軸方向に沿った面。
[←先頭へ]correlation (そうかん:correlation)
二つの独立した事象が起こる確率がどのように関係しあってるのかを示す概念。二つのスピンがあったとき、ひとつのスピンが反転したことによって他方のスピンがすぐ影響されるとすれば、二つのスピンの相関が強いという。また、ひとつのスピンの状態がたとえば上向きであったとき、時間的に後の状態が元の状態と強く関係している(影響が強く残っている)ときにも、二つの状態は相関が強いという(時間相関または自己相関)。磁気緩和はスピンの状態がどのように継続し、伝わっていくのかの速さを示すものであり、この相関を用いて説明される。
[←先頭へ]CP (CP:Carr-Purcell sequence)
SE法における多重エコーシーケンス。
[←先頭へ]CP coil (CP coil:circular polalization coil)
QDコイルの一種。
[←先頭へ]CPMG (CPMG:Carr-Purcell Meiboom-Gill sequence)
SE法において、RFパルスの位相を変えて信号を収集する方法。RFによる位相誤差を抑えることができ、現在でもSE法ではこの手法が用いられる。
[←先頭へ]cradle (クレードル:cradle)
患者をマグネット内に運ぶ、患者移動テーブルの一部。
[←先頭へ]cross R-R imaging (クロスR-Rイメージング:cross R-R imaging)
複数のR−R間隔でデータの収集を行う心拍ゲーティング法。スライス厚を最大限に得ることができる。
[←先頭へ]cross reference (クロスリファレンス:cross reference)
ロカライザ画像上で複数の交差する画像を設定する機能。
[←先頭へ]cross relaxation (こうさかんわ:cross relaxation)
ある分子中のプロトンが化学的交換(chemical change)なしで、そのスピンを他の分子中のプロトンに移行する双極子−双極子相互作用の特殊な形。
[←先頭へ]cross-talk artifact (クロストークアーチファクト:cross-talk artifact)
MRIにおいて、隣り合うスライス間で起こる干渉のこと。クロストークは、RFパルスが時間的制限のため本質的に完全矩形波ではなく、スライスも矩形とならないために生ずる。そのためスライス間隔が狭いときは、ひとつのスライスを励起するためのRFパルスによって、隣のスライスのプロトンも励起されるので、その辺縁が重なることになる。実際のMRIではスライス間隔を十分に取ることによって、SNRを増加させ、クロストークによるアーチファクトを軽減できる。
[←先頭へ]cryogen (れいきゃくようかんざい:cryogen)
超電導マグネットの冷却に必要な物質。ほとんどの場合ヘリウム、時として窒素が用いられる。一般に冷却用寒剤は、平常ではガス状であるものが極低温下で液体であるものをいう。
[←先頭へ]cryostat (まほうびん:cryostat)
[←先頭へ]
cryostat (クライオスタット:cryostat)
一般には、恒温保持用の容器のこと。MRIにおいては超電導磁石の超電導状態を維持するために、コイルを液体ヘリウム温度に保つための容器。超電導コイルを収納した液体ヘリウム容器、それを取り囲む液体窒素容器、複数の熱輻射シールド板などが真空容器の中に収められている。気化蒸散するヘリウムを再利用しない開放型のものと、ヘリウムの消費を抑制するための液体ヘリウム再冷凍システムを備えたものとがある。
[←先頭へ]CSE (CSE:conventional spin echo)
通常のSE法。ファストSEと区別するために使われる用語。
[←先頭へ]CSF (CSF:cerebrospinal fluid)
脳脊髄液。フローアーチファクトの原因となることがある。
[←先頭へ]CSF flow artifacts suppression technique (CFAST:CSF flow artifacts suppression technique)
フローアーチファクト補正。
[←先頭へ]CSI (CSI:chemical shift imaging)
[←先頭へ]
D |
data point (データポイント:data point)
エコーを収集する心臓周期のポイント。シネ収集では、TRごとにデータポイントを収集する。
[←先頭へ]DE preparation (DEプリパレーション:DE preparation)
90°−180°−90°の連続したRFプリパレーションパルスを印加して、T2強調を高める方法。まず90°のプリパレーションパルスを印加して、プロトンの位相を水平方向に合わせ、磁気を帯びたスピンがばらけ始めた時(位相変化が始まった時)に180°パルスを印加してリフェーズさせ、さらに90°パルスを与えて磁界を縦方向に合わせる。180°パルスと90°パルスとの間隔(プリパレーション時間)が長いほど位相変化が大きくなり、T2強調画像になる。
[←先頭へ]dead time (まちじかん:dead time)
[←先頭へ]
dead time (デッドタイム:dead time)
エコー収集終了後から次の励起までの時間。
[←先頭へ]default value (デフォルトち:default value)
コンピュータまたはオペレータによりあらかじめ設定された初期設定値のこと。
[←先頭へ]delated enhancement (ディレイドエンハンス:delated enhancement)
造影剤が十分注入され、一定時間が経過した後に撮影されるCTまたはMRIのこと。
[←先頭へ]delay time (ちえんじかん:delay time)
1.心拍ゲーティングで、トリガパルスが発生してから実際の撮影が始まるまでの時間。
[←先頭へ]dephasing (ディフェージング:dephasing)
核スピンのx−y平面上への投影成分の向き、すなわち位相が次第にバラバラになること。
[←先頭へ]DESS (DESS:double echo steady state)
FISPとPSIFの信号を組み合わせた技術。
[←先頭へ]DESS, DECCS (DESS, DECCS:digital eddy current canceler (sequence))
オープンマグネットタイプのMR装置に構造上発生する渦電流によるアーチファクトを抑制(0.5%以下に抑制)するテクニック。傾斜磁場を出力した際の波形の乱れをデジタル的に補正する。
[←先頭へ]destination (そうしんさき:destination)
画像データを転送する際の送り先、宛先。
[←先頭へ]DEプリパレーション (DEプリパレーション:DE preparation)
90°−180°−90°の連続したRFプリパレーションパルスを印加して、T2強調を高める方法。まず90°のプリパレーションパルスを印加して、プロトンの位相を水平方向に合わせ、磁気を帯びたスピンがばらけ始めた時(位相変化が始まった時)に180°パルスを印加してリフェーズさせ、さらに90°パルスを与えて磁界を縦方向に合わせる。180°パルスと90°パルスとの間隔(プリパレーション時間)が長いほど位相変化が大きくなり、T2強調画像になる。
[←先頭へ]diamagnetism (はんじせい:diamagnetism)
磁場にさらされると磁場と反対方向に(きわめて弱く)磁化される性質を反磁性、そのような物質を反磁性体とよぶ。加えた磁界の強さを弱める性質を持ち、反磁性物質が誘発する磁力の極性は、周辺組織の極性と逆になる。反磁性はそもそもすべての物質に備わった性質で、常磁性や強磁性などのような強い磁性がない物質(紙、木、銀、銅など)はすべて反磁性を示す。反磁性体はMRIに特に影響を与えない。
[←先頭へ]diastole (しんぞうかくちょうき:diastole)
心臓周期での、T波の終わりからR波の始まりまでの周期。心室拡充(ventricular filling)ともよばれる。
[←先頭へ]DICOM (DICOM:digital imaging and communication in medicine)
1985年にACR−NEMA(American college of radiology - National electrical manufactures association)標準化委員会で制定された、医用画像ネットワーク転送のための統一規格。最近の画像診断装置はこの規格に対応しているため、DICOM3.0を採用している装置に関しては、異なったメーカーの装置間でも容易に画像のやりとりが可能となると言われている。
[←先頭へ]diffusion (weighted) image (かくさん(きょうちょう)がぞう:diffusion (weighted) image)
通常用いられるSE法のパルス系列では拡散による信号の減衰は無視できるが、大きな傾斜磁場が長時間にわたって印加されると、その間の各磁化ベクトルの移動によって生じる位相のずれが無視できなくなり、拡散が活発な領域ほど低信号として現れる。こうして得られた画像を拡散強調画像とよぶことがある。また、SE法のパルス系列において、傾斜磁場の強さや印加時間を変えることによりディフェージングの効果を付けて得られた複数の画像から、見かけ上の拡散係数を求めて画像化することができ、これを拡散(係数)画像とよぶ。
[←先頭へ]diffusion coefficient (かくさんけいすう:diffusion coefficient)
拡散(diffusion)の大きさを表す値。Dを拡散係数、xを拡散によって分子がt時間内に移動する平均距離とすると、X=root D・t となる。生体内においてはperfusionを考慮する必要があり、この場合には見かけの拡散係数は増大する。
[←先頭へ]diffusion weighted imaging (DWI:diffusion weighted imaging)
[←先頭へ]
diffusion/perfusion (かくさん:diffusion/perfusion)
分子同士のランダムな熱運動(ブラウン運動)により物質が溶媒中に広がっていく過程を分子拡散(diffusion)といい、一方 perfusionは毛細血管内血流を意味する。両者は物理現象としては全く異なるものであるが、どちらも分子の微視的運動であり、生体内においては末梢領域の微小動態として同一視できる。
[←先頭へ]digital eddy current canceler (sequence) (DECC, DECCS:digital eddy current canceler (sequence))
オープンマグネットタイプのMR装置に構造上発生する渦電流によるアーチファクトを抑制(0.5%以下に抑制)するテクニック。傾斜磁場を出力した際の波形の乱れをデジタル的に補正する。
[←先頭へ]digital imaging and communication in medicine (DICOM:digital imaging and communication in medicine)
1985年にACR−NEMA(American college of radiology - National electrical manufactures association)標準化委員会で制定された、医用画像ネットワーク転送のための統一規格。現在(1997年)のバージョンは3.0。最近の画像診断装置はこの規格に対応しているため、DICOM3.0を採用している装置に関しては、異なったメーカーの装置間でも容易に画像のやりとりが可能となると言われている。
[←先頭へ]dipole-dipole interaction (そうきょくし−そうきょくしそうごさよう:dipole-dipole interaction)
2つのプロトン、またはプロトン−電子間の磁気相互作用。関連する2個のスピンの距離、角度、相対的な運動に依存し、組織中のT1、T2緩和において重要なメカニズムを構成する。
[←先頭へ]disk (ディスク:disk)
画像データ、ソフトウェアを格納する磁気記録装置。一般には単に「ディスク」というときは、フロッピーディスク、ハードディスクを指すが、MR装置では通常システムディスク(ハードディスク)を意味する。
[←先頭へ]diskdrive (ディスクドライブ:diskdrive)
ディスクを読み書きする装置。
[←先頭へ]display matrix (ひょうじマトリックス:display matrix)
表示画像のピクセル数をXY軸方向の数で表したもの(例:256×256)。
[←先頭へ]distance factor (ディスタンスファクター:distance factor)
[←先頭へ]
DIXON法 (DIXON)
[←先頭へ]
double echo steady state (DESS:double echo steady state)
FISPとPSIFの信号を組み合わせた技術。
[←先頭へ]DR (DR:dynamic range)
ダイナミックレンジ。
[←先頭へ]DRIVE (DRIVE)
FRFSEの類似機能。(Philips)
[←先頭へ]DSV (diameter spherical volume)
マグネットの磁場均一性を表す時に使われる単位。中心点と半径(cm)の球体表面上の磁場強度の誤差をppmで示す。この値が小さいほど磁場均一性が高い。(例)50cmDSVで±3.5ppm。
[←先頭へ]dual contrast FSE (デュアルコントラストFSE:dual contrast FSE)
FSE法でエコートレインを前半のエコー群と後半のエコー群の2つに分け、T2強調画像とプロトン密度像を同時に得る方法。バリアブルエコー法。
[←先頭へ]dual slice (imaging) (デュアルスライス(イメージング):dual slice (imaging))
励起パルスを変化させることにより、同一の撮影時間で2倍のスライスを得る方法。
[←先頭へ]Dual-Echo FE (dual echo field echo)
SINOPと類似。(Toshiba)
[←先頭へ]Dual-Echo SPGR (dual-echo spoiled GRASS)
SINOPと類似。(GE)
[←先頭へ]DWI (DWI:diffusion weighted imaging)
[←先頭へ]
dynamic range (DR:dynamic range)
ダイナミックレンジ。
[←先頭へ]dynamic-range compression (ダイナミックレンジコンプレッション:dynamic-range compression)
投影ディフェージンググラジェントを印加して静止組織の信号を抑制する、PC撮影の画質改善方法。
[←先頭へ]E |
ECG-gated MRI (しんでんずどうきMRI:ECG-gated MRI)
心電図と同期させて、R波の頂点から一定時間後に信号を収集する方法。通常、スピンエコー法により、拡張終期あるいは収縮終期の画像を作成する。心房細動や期外収縮が多発する例では画質が劣化し、信号強度やT2値の誤差も大きくなる。グラジェントエコー法を用いて心臓壁および血流のシネ画像を得ることもできる。
[←先頭へ]echo (エコー:echo)
90°パルスにより励起されたスピンが緩和していく過程で、T2緩和時間と同等かそれ以下の時間内に、180°パルスの印加や、静磁場の磁場勾配の反転によりFIDが消失した後に再び現れるMR信号のこと。前者の場合をスピンエコー、後者の場合をグラジェントエコー(フィールドエコー)とよぶ。
[←先頭へ]echo planar imaging (エコープラナーイメージング:echo planar imaging)
超高速MRIのひとつ。90°パルスのあとx−y平面内の磁化は横緩和により減衰するが、消滅しないうちに位相エンコードのステップにより連続的なグラジエントエコーを発生させ、画像再構成に必要なすべてのデータを集めてしまう方法。位相エンコードをデータ収集の間も連続的に行う方法と、各データ収集の間に行うフリップ法がある。FID信号を用いる方法(FID−EPI、GRE−EPI)では、90°パルスの後エコー信号を収集し、スピンエコーを用いる方法(SE−EPI)では90°−180°パルスの後に生ずるスピンエコー信号を収集する。いずれの場合も信号の継続時間はT2*であり、画像データをT2*の間に収集することが必要で、傾斜磁場の反転を高速に行うための強い傾斜磁場システムが必要となる。1回の励起パルスのみで画像を構成するシングルショット(ワンショット)EPIに対し、マルチショットEPIは、何回かのRFパルスによるエコートレインのデータを合わせて1枚の画像を作ることにより、高い空間分解能を保つことができる。1回の90°パルスの後いくつかの180°パルスを印加し、マルチエコーを発生させ、その間に傾斜磁場エコー を発生させて全画像データを集める方法をハイブリッドEPIとよぶ。これはシングルショットのGRASE法(TGSE法)である。EPI法の応用としては、3次元スキャンをEPIによって超高速に行うことや、分子の動きをfreezeできることを用いた拡散の測定(拡散強調画像)などがある。
[←先頭へ]echo planar imaging (EPI:echo planar imaging)
一回の励起パルスで画像再構成のためのすべてのデータを取得する超高速スキャン。
[←先頭へ]echo rephasing (エコーリフェージング:echo rephasing)
180°パルスを印可するか傾斜磁場の切り替えによって、スピンの位相コヒーレンス(位相間における一定の関係)を回復すること。
[←先頭へ]echo space (ESP:echo space)
[←先頭へ]
echo space:ESP (エコースペース:echo space:ESP)
FSE法における、1つのTR内の連結したエコーの間隔。ESPはETL(エコートレインレングス)に逆比例する。ESPを長く設定すれば、より長い実効TEの設定が可能になるが、画質の点からは主としてマイナス要因として働くので、多くの場合、設定可能な最短のESPを使用するのが望ましい。
[←先頭へ]echo time (TE:echo time)
エコー時間。励起パルスの中心からエコーのピークまでの時間。1/T2*=1/T2+gΔBo (ΔBoは磁界の不均一、γはジャイロ磁気係数)
[←先頭へ]echo time: TE (エコーじかん:echo time: TE)
90°パルスからスピンエコー信号もしくはグラジェントエコー信号が生じるまでの時間。原理的には、90°パルスから180°パルスもしくは磁場勾配の反転時間の2倍に等しい。
[←先頭へ]echo train length (ETL:echo train length)
[←先頭へ]
echo train length (エコートレインレングス:echo train length)
FSE法で、1つのTR内に180°パルスを繰り返し印加して得られるエコー数のこと。FSE法のスキャン時間は、従来のSE法の1/ETLに短縮される。またETLと撮影可能なスライス枚数は相反関係にある。
[←先頭へ]ECVO (elliptical centric view ordering)
従来efgre3dで用いられているCCVO法をより進化させた高速3D撮影用のデータ収集法。高速にk-spaceの低周波成分をyz平面上を楕円状に(elliptical)位相エンコーディングを行いデータを取得するため、長時間撮影でも選択的動脈撮影が可能となる。現状では脂肪抑制との併用ができないため、動かない部位でのサブトラクションが基本となる。(GE)
→swirl sampling、 CENTRA、 paradoxical enhancement artifact
[←先頭へ]eddy current (うずでんりゅう:eddy current)
MR装置は、位置情報や信号収集のために用いられる傾斜磁場のスイッチング時に、傾斜磁場コイルの外側に位置する主磁石などの金属部分のいたるところに複雑な誘起電流を生ずる。これらの電流はそれぞれ独自の磁場を形成し、異なる速度で消失していく。渦電流が形成するこれらの磁場の影響で、傾斜磁場パルスは立ち上がり・立ち下がり部分でタイムラグを生じ、設計通りの傾斜磁場が印加されないことになり、画像の歪みなどの悪影響をもたらす。対策としては、渦電流の影響を相殺するようにあらかじめ傾斜磁場コイルから外側の磁束の漏出を防止するためのシールド型傾斜磁場コイル(SGC)の採用がある。
[←先頭へ]eddy current (かでんりゅう:eddy current)
患者や冷却器の金属ジャケットなど、導体における磁界の変化によって誘発される電流。除去または補正しないと画質劣化の原因になる(「うずでんりゅう」と読むほうが一般的)。
[←先頭へ]eddy current (エディカレント:eddy current)
[←先頭へ]
EDR (EDR:extended dynamic range)
拡張ダイナミックレンジ。
→extended DR
[←先頭へ]effective TE (じっこうTE:effective TE)
FSE法において、最も画像コントラストに寄与するエコーに相当するTE。画像コントラストは一般に、k空間の原点近く(低周波数成分)のエコーデータによって支配される。
[←先頭へ]effective TR (じっこうTR:effective TR)
MR心拍ゲーティングにおける繰り返し時間の平均値。特定のスライスロケーションでの連続励起数に対応するR−R間隔の数として測定される(例:RR、2xRR、3xRR)。患者の心拍数は制御できないので、真のTRをコントロールすることはできないが、システムに各心拍でトリガしないように設定し、実効TRを制御することはできる。
[←先頭へ]effective value (じっこうち:effective value)
一般的あるいは平均的な値(実効TR、実効TEなど)。
[←先頭へ]efgre3d (enhanced fast gradient echo 3d)
3D fast SPGRをより高速にする撮影法で、主に造影MRIやdynamic MRIで使用される。3D fast SPGRシーケンスと比較して、よりTRとTEを短縮、息止め可能な時間で付加される脂肪抑制(spec IR)、(見かけ上の)空間分解能を向上させるための補間(ZIP)を使用する。(GE)
→spec IR、 ZIP、 3D TOF SPGR
[←先頭へ]eject (イジェクト:eject)
磁気ディスクなどを装置から取り出すこと。
[←先頭へ]electromagnetic induction (ファラデーのでんじゆうどう:electromagnetic induction)
電気回路(コイル)を含む部分の磁場が変化すると、回路には磁場の変化を打ち消す方向に起電力が発生する。これを電磁誘導という。磁束をφ、誘導起電力をEとするとE=−dφ/dtで表される。NMR信号は、共鳴する原子核磁気モーメントによって受信コイルに誘導された起電力である。
[←先頭へ]emergency call button (エマージェンシーコールボタン:emergency call button)
MR検査中に患者が気分が悪くなったときなどに、オペレータにブザーやアラームでその旨を通知するためのボタン。あらかじめ検査開始前に患者にスイッチを持たせておく必要がある。
[←先頭へ]emergency stop button (きんきゅうシステムていしボタン:emergency stop button)
検査室内の全システムの電源を切断するボタン。磁場や酸素モニタの電源は切断されない。
[←先頭へ]encode change (エンコードチェンジ:encode change)
[←先頭へ]
encoding (エンコード:encoding)
静磁場に線形の傾斜磁場を印加すると、核スピンの周波数は傾斜磁場の印加方向に規則的にずれてくる。また、角速度が異なってくるために、傾斜磁場の印加時間に依存して位相がずれていく。したがって、ある選択励起した平面において、直交する2方向に傾斜磁場を印加すれば位置に応じて周波数と位相が規定し得る。この傾斜磁場を用いて位置情報を与えることを、MRIにおいて一般にエンコードするといい、それぞれ周波数エンコード・位相エンコードとよばれている。
[←先頭へ]EPI (EPI:echo planar imaging)
一回の励起パルスで画像再構成のためのすべてのデータを取得する超高速スキャン。
[←先頭へ]EPI-signal tagging with alternating RF (EPISTAR:EPI-signal tagging with alternating RF)
STAR法は血流などの動きを画像化する方法のひとつで、流れの上流部に180°パルスを加えた後に、画像を作ることによりRFパルスを受けたスピンがどこまで流れたかを画像化する。バックグラウンド信号を消すために、90°パルスの位相を変えて印加し画像の加算を行う。180°パルスによる反転とバックグラウンド消去によるS/N(信号雑音比)の向上から微小な血管についての描出能力が優れている。EPI法を用いることにより血管内の血流のみならず脳組織中の血液でもその動きを観測でき、脳機能画像にも用いられることが報告されている。
[←先頭へ]EPISTAR (EPISTAR:EPI-signal tagging with alternating RF)
STAR法は血流などの動きを画像化する方法のひとつで、流れの上流部に180°パルスを加えた後に、画像を作ることによりRFパルスを受けたスピンがどこまで流れたかを画像化する。バックグラウンド信号を消すために、90°パルスの位相を変えて印加し画像の加算を行う。180°パルスによる反転とバックグラウンド消去によるS/N(信号雑音比)の向上から微小な血管についての描出能力が優れている。EPI法を用いることにより血管内の血流のみならず脳組織中の血液でもその動きを観測でき、脳機能画像にも用いられることが報告されている。
→STAR
[←先頭へ]equilibrium magnetization (へいこうじか:equilibrium magnetization)
物体を静磁場に置いてから励起パルスを印加するまでの間に存在する磁気の状態。
[←先頭へ]Ernst's angle (エルンスト角:Ernst's angle)
最適フリップ角。グラジエントエコー法において、MR信号を最大にするためのフリップ角のことをエルンスト角とよぶ。これは組織のT1値と繰り返し時間TRに依存し、 αmax=cos−1[exp(−TR/T1)] で与えられる。ただし、実際の撮影に当たっては組織間及び病変部のT1値に差があるために、画像のコントラストも考慮しながらフリップ角を設定する必要がある。
[←先頭へ]ESP (ESP:echo space)
[←先頭へ]
ethernet (イーサネット:ethernet)
バス構造(並列接続型)のLAN。伝送レートは10Mbps、ノード間の最長距離は2.5km、最大1024局までのノードを接続できる。
[←先頭へ]ethernet address (イーサネットアドレス:ethernet address)
イーサネット接続されているワークステーションに固有のアドレス番号。
[←先頭へ]ETL (ETL:echo train length)
[←先頭へ]
even echo rephasing (ぐうすうエコーリフェージング:even echo rephasing)
多重エコーのSE法(マルチエコーシーケンス)において、定速で移動する核スピンの偶数番目(2,4,6など)のエコー信号は、傾斜磁場によるディフェーズの影響を受けることなく、信号強度が低下しない。これを偶数エコーリフェージングという。
[←先頭へ]examination (イグザム:examination)
患者の検査あたりに割り当てられた番号で、対応するすべてのシリーズとスキャン画像を含む一回分の検査のこと。
[←先頭へ]excitation (れいき:excitation)
均一静磁場中の核スピンに対して、ラーモア方程式で定義される周波数と同一周波数のRF波が照射されると、核スピンはそのエネルギーを吸収し、エネルギーレベルの高い状態へと遷移する。これが磁気共鳴現象における励起であり、その状態を励起状態という。つづいて外部から均一静磁場中の核スピンに対して、ラーモア方程式で定義される周波数と同一周波数のRF波が照射されると、核スピンはそのエネルギーを吸収し、エネルギーレベルの高い状態へと遷移する。これが磁気共鳴現象における励起であり、その状態を励起状態という。つづいて外部からのRF波の印加終了後は緩和の過程を経て、元のエネルギーレベルの低い状態(定常状態)へと戻ってゆく。
[←先頭へ]EXOCIST (EXOCIST)
エクソシスト。呼吸性モーションアーチファクト補正。(GE)
[←先頭へ]explicit prescripsion (すうちにゅうりょくほうしき:explicit prescripsion)
オペレータにより数値入力された画像の設定。
[←先頭へ]extended DR[dynamic range]:EDR (かくちょうダイナミックレンジ:extended DR[dynamic range]:EDR)
通常の16ビットデータの代わりに32ビットデータを使ってS/N比を改善させる方法。通常撮影の2倍のメモリーを必要とするため、枚数が制限されることがある。
[←先頭へ]extended dynamic range (EDR:extended dynamic range)
拡張ダイナミックレンジ。
→extended DR[dynamic range]:EDR
[←先頭へ]external acoustic[auditory] meatus (がいぶちょうしんけいかん(がいじこう):external acoustic[auditory] meatus)
ランドマークのひとつ。CTにおいて外耳孔はロカライズ画像上で容易に確認できるが、MRではサジタルロカライズ画面上に外耳孔は存在しないので、間接的に橋(pons)下端を基準点とすることが多い。
[←先頭へ]extremity coil (ししコイル:extremity coil)
四肢の画像に用いる送受信コイル。
[←先頭へ]F |
f-MRI (f-MRI:functional MRI)
(脳)機能画像、ファンクショナルMRI。
[←先頭へ]FA (FA:flip angle)
フリップ角。
[←先頭へ]FAIR (flow-sensitive alternating inversion recovery)
血流描出目的に開発されたIR系のシーケンス。脳還流の評価が可能との報告もある。
[←先頭へ]FAME (fast-acquisition multiecho)
ファストSE法と類似。(Picker)
[←先頭へ]FAST (FAST:Fourier acquired steady state)
GRASSと類似。(PICKER)
[←先頭へ]fast advanced spin echo (fast ASE:fast advanced spin echo)
FSEにおいてETLを最大270まで拡張させ、AFI(asymmetric Fourier image)法を組み合わせた手法。時間短縮率は最大512分の1(VISART)。T2強調のSE画像が秒単位のスキャン時間で得られる。(Toshiba)
[←先頭へ]fast ASE (fast ASE:fast advanced spin echo)
FSEにおいてETLを最大270まで拡張させ、AFI(asymmetric Fourier image)法を組み合わせた手法。時間短縮率は最大512分の1(VISART)。T2強調のSE画像が秒単位のスキャン時間で得られる。(Toshiba)
[←先頭へ]fast field echo (Fast FE:fast field echo)
高速FE(GRE)法。(Philips)
[←先頭へ]fast Fourier transformation (こうそくフーリエへんかんほう:fast Fourier transformation)
離散的フーリエ変換を算出できるアルゴリズムの1つで、計算順序を変えて高速に演算できるようにしたもの。標本数がNのとき、直接計算した場合には加算や乗算の回数がNの2次式で表されるが、高速フーリエ変換ではNlog2N(底が2)に比例した回数ですむ。
[←先頭へ]fast gradient echo (Fast GRE:fast gradient echo)
プリパレーションパルスを印加し、1回の励起パルスで撮像する高速GRE法。
[←先頭へ]fast GRASS (FGR:fast GRASS)
高速GREシーケンス。
[←先頭へ]fast GRE (fast GRE:fast gradient echo)
プリパレーションパルスを印加し、1回の励起パルスで撮像する高速GRE法。
[←先頭へ]fast imaging with steady precession (FISP:fast imaging with steady precession)
SSFPを利用した高速スキャンシーケンス。
[←先頭へ]fast low-angle shot (FLASH:fast low-angle shot)
高速撮像法のひとつで、現在広く使用されているスピンエコー法との違いは、信号の受信にグラジェントエコーが利用されていることで、それによりTRとTEの短縮を可能にしている。また、この撮像法は、スポイラーグラジェントにより横磁化を消失させた縦磁化のみの定常状態に基づいたものである。さらにTRをT2*より十分に長くした場合、使用するフリップ角によりT1への依存度が決定される。
[←先頭へ]fast SPGR (FSPGR:fast SPGR)
ファストSPGR法。一回の励起パルスで撮影可能な高速グラジェントエコー法。コントラスト低下を補うためのプリパレーションパルスが用いられる。(GE)
[←先頭へ]fast spin echo (ファストSE:fast spin echo)
最初の90°パルスの後に180°パルスを繰り返し印加してエコーをたくさん作り、それぞれのエコーで独立した位相エンコードを行う方法。ETL(エコートレイン長)の設定によりスキャン時間が従来のSE法の1/ETLに短縮され、強度のT2強調画像や高分解画像が短時間で得られる。ファストスピンエコー法のスキャン時間は次のように算出される。 スキャン時間=TR×位相エンコード数×NEX/ETL
[←先頭へ]fast spoiled GRASS (fast SPGR:fast spoiled GRASS)
プリパレーションパルスを印加し、1回の励起パルスで撮像する高速SPGR法。
[←先頭へ]fast-acquisition multiecho (FAME:fast-acquisition multiecho)
高速SE法の一手法。(Picker)
[←先頭へ]fat image (しぼうがぞう:fat image)
[←先頭へ]
fat SAT (fat SAT)
(周波数選択による)脂肪抑制法。(GE)
[←先頭へ]fat/water suppression (ファット/ウォーターサプレッション:fat/water suppression)
指定周波数の飽和パルスを印加して、脂肪・水いずれかの信号を抑制する方法。
[←先頭へ]FBI (flesh blood imaging)
3DFASE法を用いた非造影MRA。心電図同期下で収縮期と拡張期の画像を収集後、サブトラクションで血流画像を作成する。大血管など流速の速い血管の描出に適し、短時間で広範囲の撮像を簡便に行えるが、流速に依存した動静脈分離であり、選択的描出の確実性が低いなどの欠点がある。
[←先頭へ]FBSE (FBSE:flip back spin echo)
フリップ角90°以上の励起によるスピンエコー信号を用いた高速スキャン。(Shimadzu)
[←先頭へ]FC (FC:flow compensation)
フローアーチファクト補正。(GE)
[←先頭へ]FE (FE:frequency encoding)
周波数エンコーディング。
[←先頭へ]FE (FE:field echo)
フィールドエコー法。(Philips, Toshiba)
[←先頭へ]FEDIF (FEDIF:field echo difference)
水と脂肪の信号を逆位相にしたGREシーケンス。(Picker)
[←先頭へ]FEER (FEER:field even echo by reversal)
SSEPを利用した高速スキャンシーケンス。(Picker)
[←先頭へ]ferrite (フェライト:ferrite)
MOFe2O3あるいはMO6Fe2O3 の組成をもつ。Mは2価の金属原子で、亜鉛(Zn)ならZnOFe2O3となり、亜鉛フェライトとよばれる。Mが第一鉄の場合(FeOFe2O3)が磁鉄鉱(magnetite)である。これらフェライトは、2種類の原子核磁気モーメントが反対方向を向き、その大きさに差があるために自発磁化を有し、フェリ磁性体とよばれる。永久磁石の材料としても重要である。フェライトを細かく粒子化するとフェリ磁性を失い、大きな正の磁化率をもった常磁性体(超常磁性体)となる。このようなフェライト粒子はMRIの造影剤として利用されている。
[←先頭へ]ferromagnetic artifact (じせいたいアーチファクト:ferromagnetic artifact)
磁性体物質は局所的に静磁場強度を乱し、周辺プロトンはRF波に対して磁気共鳴を起こさなくなる。このために強い信号欠損域が生じ、辺縁には周波数エンコード方向に線状の高信号域を伴うことが多い。このアーチファクトの強さ及び範囲は、磁性体の大きさよりは磁性の強さに影響される。義歯、金冠、ヘアピン、脳室シャント、各種クリップ、整形外科用インプラント、血管塞栓用コイル、特殊なものとして手術器具の刃こぼれや骨用カッターの細粉などの体内磁性体がこのアーチファクトの発生源となる。
[←先頭へ]ferromagnetism (きょうじせい:ferromagnetism)
強磁性体は磁場と同じ方向に強く磁化され、磁場を取り除いても磁化は残る。これを残留磁化という。このため、強磁性体は磁石として利用される。広義の強磁性を、鉄・ニッケル・コバルト(いずれも金属状態の時)のようなフェロ磁性とフェライトなどのフェリ磁性と区別することがある。
[←先頭へ]FESUM (FESUM:field echo summation)
水と脂肪の信号を同位相にしたGREシーケンス。(Picker)
[←先頭へ]FFE (FFE:fast field echo)
フィールドエコー法。(Philips)
[←先頭へ]FFT (FFT:fast Fourier transform)
高速フーリエ変換。
[←先頭へ]FGR (FGR:fast GRASS)
高速GREシーケンス。(GE)
[←先頭へ]FID (FID:free induction decay)
自由誘導減衰。
[←先頭へ]field echo (フィールドエコー:field echo)
グラジエントエコー法。
[←先頭へ]field echo difference (FEDIF:field echo difference)
水と脂肪の信号を逆位相にしたGREシーケンス。
[←先頭へ]field echo summation (FESUM:field echo summation)
水と脂肪の信号を同位相にしたGREシーケンス。
[←先頭へ]field even echo by reversal (FEER:field even echo by reversal)
SSEPを利用した高速スキャンシーケンス。
[←先頭へ]field of view:FOV (ゆうこうしや:field of view:FOV)
撮像するスライスの大きさ(幅または高さを通常cmで表したもの)で、収集マトリックスとピクセルサイズの積の関数になる。
[←先頭へ]field strengths (じばきょうど:field strengths)
[←先頭へ]
FIESTA (FIESTA:Fast Imaging Employing STeadystate Acquisition)
true FISPを参照。(GE)
[←先頭へ]first order phase correction (いちじおーだーいそうほせい:first order phase correction)
フェーズコントラスト画像の位相誤差は、X−Y方向の線形シェーディング(影)として現れる。1次オーダ位相補正では、X−Yシェーディングの勾配を判定して、シェーディングを軽減する。
[←先頭へ]first-order gradient moment nulling (ファーストオーダグラジェントモーメントナリング:first-order gradient moment nulling)
[←先頭へ]
first-pass myocardial perfusion (first-pass myocardial perfusion)
虚血性心疾患に対する心筋perfusionの一手法。造影剤の急速静注下で心筋(左室短軸のマルチスライス)の短時間撮影を、呼吸停止下で繰り返し連続で行い、造影剤の心筋への還流画像を得る。心筋虚血病巣診断能が心筋タリウムシンチに匹敵する精度があるという報告もあるが、まだ慎重な意見が多い。
[←先頭へ]FISP (FISP:fast imaging with steady precession)
SSFPを利用した高速スキャンシーケンス。(Siemens)
[←先頭へ]FLAG (FLAG:flow adjusted gradient)
フローアーチファクトの除去。(Philips)
[←先頭へ]FLAIR (FLAIR:fluid attenuated IR)
フレアー法は、IR法における反転時間(TI)をCSFの磁化がゼロ点を通る時間(2000ミリ秒程度)に設定してCSF信号を抑制する撮像法である。TRを長く取る必要があるため(撮影時間が長くなるので)通常のIR法では用いられなかったが、FastSE法を採用したTurbo−FLAIRにより実用化した。繰り返し時間(5000ミリ秒程度)に比べて反転時間が長いが、シーケンスデザインの工夫により十分なマルチスライスが得られるようになった。T2強調像においてCSFと区別しにくい高信号病変や、病変と脳室との境界の判別に有効であるとされている。
[←先頭へ]FLASE (fluid attenuated spin echo)
ファストSE法のエコートレインの直後に180度ぱるすと90度パルスを付加することで、エコートレイン終了時の横磁化を負の縦磁化に転換することで、強制的に磁化の回復を遅らせる方法。水抑制画像と非抑制画像を同時収集可能な"iFLASE"では、得られた画像をサブトラクションすることにより、通常のファストSEと同等のTRで、FLAIRに似た脳脊髄液抑制画像を得ることができる。(Shimadzu)
[←先頭へ]FLASH (FLASH:fast low-angle shot)
高速撮像法のひとつで、現在広く使用されているスピンエコー法との違いは、信号の受信にグラジェントエコーが利用されていることで、それによりTRとTEの短縮を可能にしている。また、この撮像法は、スポイラーグラジェントにより横磁化を消失させた縦磁化のみの定常状態に基づいたものである。さらにTRをT2*より十分に長くした場合、使用するフリップ角によりT1への依存度が決定される。
→SPGR、 radiofrequency spoiled FAST、 SPGR、 T1-FFE
[←先頭へ]flexible coil (フレキシブルコイル:flexible coil)
患者の検査部位、体型に応じて変形可能なサーフェイスコイル。
[←先頭へ]flip angle (フリップアングル、フリップ:flip angle)
均一静磁場中の核磁化ベクトルがRFパルスの印加によって静磁場の方向(z軸のプラス方向)から倒れた角度。RFパルスの振幅および印加時間に比例して変化する。高速撮像法においては、90°以下の励起パルスが使用される。
→FA
[←先頭へ]flip back spin echo (FBSE:flip back spin echo)
フリップ角90°以上の励起によるスピンエコー信号を用いた高速スキャン。
[←先頭へ]flow (フロー:flow)
流体が単位時間当たりに移動する容積(cm3/sec)。
[←先頭へ]flow adjusted gradient (FLAG:flow adjusted gradient)
フローアーチファクトの除去。
[←先頭へ]flow analysis (フローかいせき:flow analysis)
シネPCと2DPCを対象としたフロー再構成の1つで、スラブをディフェーズさせる傾斜磁場および位相補正を制御する。フロー解析では、ディフェーズ用傾斜磁場と位相補正の両方がオフになる。
[←先頭へ]flow and respiratory artifact obliteration with directed orthogonalpulse (FRADO:flow and respiratory artifact obliteration with directed orthogonalpulse)
血流アーチファクト抑制。プリサチュレーションの一手法。
[←先頭へ]flow compensation (フローコンペンセーション:flow compensation)
フローアーチファクトを最小限に抑える画質改善方法で、リフォーカスグラジェントパルスを使って位相のコヒーレントを回復する。ファーストオーダグラジェントモーメントナリング(first-order gradient moment nulling)ともよばれる。
→GMN
[←先頭へ]flow encode gradient (けつりゅうエンコードじばこうばい:flow encode gradient)
位相コントラストMRAを行う際に、静止した組織のスピンを0にして血流の信号のみを得るために使用する磁場勾配のこと。一回の撮影で上下・左右・前後のうち一方向の血流成分が描出される。
[←先頭へ]flow encoding (フローエンコーディング:flow encoding)
血流のような組織内の動きを測定、または表示するMR技法。
[←先頭へ]flow image set (フローイメージセット:flow image set)
PC撮影で作成される画像のタイプ。フロー画像には、マグニチュードを強調した位相画像と、そうでない位相画像がある。マグニチュードを強調する場合は、ノイズを抑制する重積マグニチュードマスクをかけた位相画像になる。また、流速エンコーディングに位相補正とスケーリング(サイズ調整)を適用することもできる。
[←先頭へ]flow patterns (フローパターン:flow patterns)
脈管系における血液の流れ方。MRAでは層流、逆流、反転、らせん、低速、剥離などのパターンが観察される。
[←先頭へ]flow ROI (フローROI:flow ROI)
フロー画像のフロー部分を囲んだ領域。
[←先頭へ]flow separation (フローセパレーション:flow separation)
フローの流れの中心が組織の壁から分離し、外壁近くに低速または逆向きの流れを生じること。境界層剥離ともいう。
[←先頭へ]flow void (フローボイド:flow void)
たとえばスピンエコー法の場合、90°パルスと180°パルスを経験したスピンのみがエコー信号の生成に寄与することができる。しかし、流体では90°パルスを経験した後にスライス外に出て180°パルスを経験できないスピンや、180°パルス印加後にスライス外に出てしまい信号収集に寄与しないスピンが存在するため、流体の信号強度が低下する。
[←先頭へ]flow-related enhancement (フローリレートエンハンス:flow-related enhancement)
TRが、液体の縦緩和が十分起こるには短い場合、前回の90°パルスの後に流入した流体のスピンの縦磁化が、前回の90°パルスを受けたスライス内に残存している流体の縦磁化より有意に大きく、スライス内の流体全体の縦磁化としては、スライス内の静体の縦磁化より大きくなる。したがってスライス内の流体から得られる信号は、静体のそれより強くなる。
[←先頭へ]fluid attenuated IR (FLAIR:fluid attenuated IR)
フレアー法は、IR法における反転時間(TI)をCSFの磁化がゼロ点を通る時間(2000ミリ秒程度)に設定してCSF信号を抑制する撮像法である。TRを長く取る必要があるため(撮影時間が長くなるので)通常のIR法では用いられなかったが、FastSE法を採用したTurbo−FLAIRにより実用化した。繰り返し時間(5000ミリ秒程度)に比べて反転時間が長いが、シーケンスデザインの工夫により十分なマルチスライスが得られるようになった。T2強調像においてCSFと区別しにくい高信号病変や、病変と脳室との境界の判別に有効であるとされている。
[←先頭へ]Fourier acquired steady state (FAST:Fourier acquired steady state)
[←先頭へ]
Fourier transformaton: FT (フーリエへんかんほう:Fourier transformaton: FT)
MR信号を、多数の異なった周波数、位相、振幅の正弦曲線に分解する数学的手法。
[←先頭へ]FOV (FOV:field of view)
撮影視野。
→有効視野
[←先頭へ]FOV center (FOVセンタ:FOV center)
画像の中心。MRにおいては、FOVセンタがマグネットの中心にくることが望ましい。
[←先頭へ]FOVz (FOVz)
slabと同義。
→slab
[←先頭へ]FP (FP:free precession)
自由歳差運動。
[←先頭へ]FP switch (FP switch:frequency-phase switch)
周波数−位相エンコード方向の交換。
→SWAP
[←先頭へ]fractional echo (フラクショナルエコー:fractional echo)
読み出しグラジェントGxの印加時間を短くし、エコー時間を短縮する方法。リフェーズしたデータの一部しか読み出されないので、SN比は低下するが、磁化率の違いやフローによるアーチファクトが低減し、T1が強調され、シングルエコースキャンのスライス数が多くなる。
[←先頭へ]fractional NEX (フラクショナルNEX:fractional NEX)
スキャン時間の短縮目的で、位相エンコードの約半分、またはちょうど4分の3だけを使用してスキャンする機能。位相エンコードステップ数をN倍にしたとき、S/Nはroot・N倍になるため、ある程度の画質を保つためには4分の3の設定が望ましい(87%のS/N)。
[←先頭へ]FRADO (FRADO:flow and respiratory artifact obliteration with directed orthogonalpulse)
血流アーチファクト抑制。プリサチュレーションの一手法。(Siemens)
[←先頭へ]free induction decay (じゆうゆうどうげんすい:free induction decay)
外部静磁場方向(z方向)を向いている磁化ベクトルを90°パルスによりx−y平面上へ倒したあと、この磁化ベクトルのx−y平面上への投影成分(横磁化)が受信コイルに誘起するMR信号を測定すると、急速に減衰していく。これが自由運動減衰である。このような急激な減衰は外部静磁場の不均一、各核スピンの微視的な磁場環境の違いにより各核スピンの位相がずれるために起こると考えられている。この減衰の時定数はT2*とよばれ、スピンエコー法によるT2と区別される。
[←先頭へ]free precession (FP:free precession)
自由歳差運動。
[←先頭へ]free precession:FP (じゆうさいさうんどう:free precession:FP)
[←先頭へ]
free water (じどうほぞん:free water)
生体組織中の水は、まず高分子の影響を受けていない自由水と、高分子の影響を受けている水和水(結合水)に分類される。さらに、水和水は高分子と結合している結合水と、それ以外の構造水に分けることができる。これらの中で、生体組織の緩和時間に大きく影響するのは自由水である(純粋の緩和時間が他の有機物に比べてかなり長いためと考えられている)。緩和の速度は、溶液中において対象原子核を持つ分子の運動状態に強く影響される。自由水の場合は活発に分子運動しており、緩和の速度は緩やかであるが、結合水は周囲の高分子の影響で運動が制限され、緩和は促進される。生体内において、水分子は上述の状態を極めて高い頻度で交換しあっており、観測される組織の緩和時間は自由水と結合水の存在比に強く依存している。
[←先頭へ]frequency coordinate axis (しゅうはすうざひょうじく:frequency coordinate axis)
周波数方向に傾斜磁場をかけたときのスキャン方向。
[←先頭へ]frequency encoding (しゅうはすうエンコード:frequency encoding)
2次元MR画像はスライス面内の核スピンのMR信号で構成されるが、各核スピンの位置や信号強度の情報は、エコー信号が生じる時点で、スライス面内の一軸(X軸とする)に沿って磁場勾配Gxを印加しながら信号データを取得することで得られる(信号の読み出し)。Gxを印加すると、これに平行なスピンはその位置に応じたラーモア周波数を有し、撮像視野の一辺がLであれば撮像視野内の核スピンはγ・Gx・Lの周波数帯域内に存在することになる。これらの周波数成分を含むMR信号をフーリエ変換すれば、x軸方向の位置に応じた信号情報を得られる。これが周波数エンコーディングである。通常は画像の長軸に対応する。
[←先頭へ]frequency-phase switch (FP switch:frequency-phase switch)
周波数−位相エンコード方向の交換。
[←先頭へ]FRFSE (ファストリカバリFSE:fast recovery fast spin echo)
通常のFSE法のacquisition後に残留横磁化成分を強制的に縦磁化に戻し(FRパルスの付加)、短いTRによる飽和効果を抑制する方法。T2コントラストを保持したままTRを短縮、同一TRでT2コントラストを上昇、T2シネ撮影の高速化などの利点がある。頭部T2強調や腰椎T2強調のルーチン検査として普及しつつあるが、FRパルスを印可するため最大スライス数が制限される、motionやflowの影響を受けやすい部位(頸椎など)にはあまり向いていない。(GE)
[←先頭へ]FSE (FSE:fast spin echo)
[←先頭へ]
FSPGR (FSPGR:fast SPGR)
ファストSPGR法。極端に短いTRで撮影が可能。コントラスト低下を補うためのプリパレーションパルスが用いられる。
[←先頭へ]FT (FT:Fourier transform)
フーリエ変換。
→フーリエ変換法、 2Dフーリエ変換法、 3Dフーリエ変換法
[←先頭へ]functional image (のうきのうがぞう:functional image)
外部からの刺激やタスクによって脳の特定部位が賦活される様子を画像化しようとする試み。脳の賦活領域において、血液中の酸素濃度の変化が局所磁場の乱れを生じ、信号強度の大きさの違いに反映されることからBOLD(blood oxygenation level dependent)コントラスト法ともよばれる。これは脳の賦活による血液量の増加と脱酸素(デオキシ化)とのアンバランスによって起こると説明されている。脳血流量の増加による血管の信号の増強との明確な区別を行い、賦活領域を特定することが課題となっている。
[←先頭へ]functional MRI (ファンクショナルMRI:functional MRI)
脳機能画像、functional imageを参照。
[←先頭へ]G |
G (G:gauss)
ガウス(磁場の単位で、1G=0.0001T)。
[←先頭へ]gadolinium diethylenetriamine pentaacetic acid (Gd-DTPA:gadolinium diethylenetriamine pentaacetic acid)
ガドリニウム(Gd)とジエチレントリアミン5酢酸(DTPA)のキレート化合物で、生体内での安定性が高い。尿路血管用ヨード造影剤と同様に、静注後速やかに細胞外に分布し、腎から排泄される。常磁性体イオンであるGd3+の緩和時間短縮作用によって、T1およびT2が短縮するが、臨床使用ではT1短縮効果を利用している。高濃度ではT2短縮効果が強く現れ、造影剤が濃縮される尿路系ではしばしばその現象がみられる。
[←先頭へ]gated image (どうきイメージ:gated image)
時相の指標となる外部信号に連動させて画像データの収集を行い、それをもとに作成した特定の時相ごとの画像。心電図同期法や呼吸同期法などがよく用いられる。
[←先頭へ]gating (ゲーティング:gating)
心電図や光電気パルスセンサを使い、画像データの収集をトリガして、動きによるアーチファクトを最小限にする技法。データ収集を生体の動きと同期させる。
[←先頭へ]gauss (ガウス:gauss)
磁場強度の測定に使われる旧単位で、現在はテスラ(T)が用いられる(1T=10000G)。地球の磁場はほぼ0.3G。
[←先頭へ]Gd-DTPA (Gd-DTPA:gadolinium diethylenetriamine pentaacetic acid)
ガドリニウム(Gd)とジエチレントリアミン5酢酸(DTPA)のキレート化合物で、生体内での安定性が高い。尿路血管用ヨード造影剤と同様に、静注後速やかに細胞外に分布し、腎から排泄される。常磁性体イオンであるGd3+の緩和時間短縮作用によって、T1およびT2が短縮するが、臨床使用ではT1短縮効果を利用している。高濃度ではT2短縮効果が強く現れ、造影剤が濃縮される尿路系ではしばしばその現象がみられる。
[←先頭へ]GFE (GFE:gradient field echo)
フィールドエコー法。(Hitachi)
[←先頭へ]ghost (artifact) (ゴースト(アーチファクト):ghost (artifact))
動脈血やCSFの拍動、心拍動、呼吸運動などの周期的な動きによって、位相エンコード方向に多数現れるアーチファクト(モーションアーチファクトの1種)。
[←先頭へ]Gibbs artifact (ギブズアーチファクト:Gibbs artifact)
[←先頭へ]
GMN (GMN:gradient motion nulling)
→gradient moment nulling、 flow compensation
[←先頭へ]GMR (GMR:gradient motion rephasing)
フローアーチファクトの抑制。
[←先頭へ]gradient and spin echo (GRASE:gradient and spin echo)
ファストSEとEPIの中間的性質をもつ撮影法。
[←先頭へ]gradient and spin echo (GRSE:gradient and spin echo)
(Shimadzu)
[←先頭へ]gradient echo (グラジエントエコー:gradient echo)
スピンの磁化を観測するための一方法。スピンエコー法における180°パルスに変えて、磁場勾配を反転(傾斜磁場反転)させることによりエコー信号を発生させる。TR、TEの短縮が可能となり、高速スキャンや3Dボリュームスキャンに応用されている。しかし、180°パルスを用いないので外部静磁場の不均一性の影響を受けやすく、スピンエコー法よりも画質が劣化する。エコー信号収集後に残存横磁化成分を強制的に消滅させるためにスポイラーパルスを付加するタイプ(FLASH、SPGRなど)と完全なSSEP状態を意図したタイプ(FISP、GRASSなど)に分けることができる。TR、TE、フリップ角の調整で画像のコントラストを変化させる。
[←先頭へ]gradient field echo (GFE:gradient field echo)
フィールドエコー法。(Hitachi)
[←先頭へ]gradient magnetic field (けいしゃじば:gradient magnetic field)
磁場勾配、勾配磁場ともいう。MRIにおいてMR信号の画像化のためには、均一の静磁場に対して、ある方向に関して小さく(線形に)変化する磁場を重ね合わせて磁場強度に勾配をかけて、MR信号に位置の情報を付加している。このとき用いる磁場を(線形)傾斜磁場という。この強さによりスライス厚・FOVの大きさなどが決定される。実際は、パルス状に傾斜磁場が印加され、その波形の精度や励起される渦電流が画質に影響する。スライスの選択・位相エンコード・信号の読み出しに用いる傾斜磁場をそれぞれ、スライス選択磁場勾配・位相エンコード磁場勾配・読み出し磁場勾配とよぶことがある。単位は、単位長さあたりの磁場強度の変化量(mT/m)である。
[←先頭へ]gradient magnetic field coil (けいしゃじばコイル:gradient magnetic field coil)
傾斜磁場を発生するためのコイル。主磁石の内側にx・y・zの3方向に対応する3対のコイルを配置し、パルス状の線形傾斜磁場を作っている。
[←先頭へ]gradient moment (グラジエントモーメント:gradient moment)
MRアンギオでは、定速スピンの位相に対するグラジエントの効果を第1モーメント、加速スピンに対する効果を第2モーメント、ジャーク(加速変化)を呈するスピンに対する効果を第3モーメントと呼ぶ。
[←先頭へ]gradient moment nulling (グラジエントモーメントナリング:gradient moment nulling)
流速、加速、その他の運動によって生じる位相ずれを修正するためにグラジエントを印加すること。第1水準グラジエントナリングは、フローコンペンセーションと同じ。
[←先頭へ]gradient motion rephasing (GMR:gradient motion rephasing)
フローアーチファクトの抑制。
[←先頭へ]gradient recalled acquisition in the steady state (GRASS:gradient recalled acquisition in the steady state)
SSFPを利用した高速スキャンシーケンス。MRIの高速撮像法の一種でスピンエコー法で使用する180°パルスの代わりに磁場勾配を反転させてエコー信号を得る。TR、TE、フリップ角を変えることにより画像のコントラストを変えることができる。利点として、短時間で撮影が可能なほか、血流の評価、腹など動きの多い部位での息止め撮影、MRアンギオグラフィー、3D撮影などへの応用が可能である。
[←先頭へ]gradient-recalled echo:GRECHO (グラジェントリコールドエコー:gradient-recalled echo:GRECHO)
[←先頭へ]
gradient-refocused echo (グラジエントリフォーカスエコー:gradient-refocused echo)
グラジエントエコー法において、スピンの位相をディフェーズ、リフェーズするために用いられるグラジエントパルスのこと。RFパルスの代わりに使用されるエコー。
[←先頭へ]graphic prescription (ずしきせってい:graphic prescription)
ロカライザイメージ上でカーソルを用いてスライス位置を描く方法。
[←先頭へ]GRASE (GRASE:gradient and spin echo)
ファストSEとEPIの中間的性質をもつ撮影法。
→GRSE
[←先頭へ]GRASS (GRASS:gradient recalled acquisition in the steady state)
SSFPを利用した高速スキャンシーケンス。MRIの高速撮像法の一種でスピンエコー法で使用する180°パルスの代わりに磁場勾配を反転させてエコー信号を得る。TR、TE、フリップ角を変えることにより画像のコントラストを変えることができる。利点として、短時間で撮影が可能なほか、血流の評価、腹など動きの多い部位での息止め撮影、MRアンギオグラフィー、3D撮影などへの応用が可能である。
→FAST
[←先頭へ]gray scale (グレイスケール:gray scale)
白黒階調のこと。
[←先頭へ]GRE (GRE:gradient echo)
[←先頭へ]
GRSE (GRSE:gradient and spin echo)
(shimadzu)
[←先頭へ]Gx, Gy, Gz (Gx, Gy, Gz:symbol for gradient magnetic field)
傾斜磁場の軸を表す記号。下添字は、グラジェントの空間的方向を示す。
[←先頭へ]gyromagnetic ratio (じきかいてんひ:gyromagnetic ratio)
粒子の持つ磁気モーメントの大きさの角運動量の大きさに対する比。ラーモア方程式ω=γ・B のγを磁気回転比とよび、核種固有の定数である。プロトンの磁気回転比はγ=42.5759MHz/T である。
[←先頭へ]H |
half Fourier imaging (HFI:half Fourier imaging)
ハーフフーリエイメージング。k空間の一部のみのデータを採取して、残りは位相共役対称によって埋める方法。
[←先頭へ]half Fourier single-shot Turbo spin echo (HASTE:half Fourier single-shot Turbo spin echo)
ヘイスト法は、ターボSE法にハーフフーリエ法を組み合わせることでT2強調像をシングルショットで撮像することができる方法である。256×256マトリックスのT2画像を数百ミリ秒のスキャン時間で撮像できる。EPI固有の磁化率アーチファクトや化学シフトアーチファクトが問題にならないという利点がある。単位時間当たりのRFパルスが大きくなるためSAR値が大きくなる。
[←先頭へ]hardware (ハードウェア:hardware)
MRシステムを構成する機械部分のことで、ソフトウェアに対比した用語。
[←先頭へ]HASTE (HASTE:half Fourier single-shot Turbo spin echo)
ヘイスト法は、ターボSE法にハーフフーリエ法を組み合わせることでT2強調像をシングルショットで撮像することができる方法である。256×256マトリックスのT2画像を数百ミリ秒のスキャン時間で撮像できる。EPI固有の磁化率アーチファクトや化学シフトアーチファクトが問題にならないという利点がある。単位時間当たりのRFパルスが大きくなるためSAR値が大きくなる。
[←先頭へ]helium (ヘリウム:helium)
原子番号2の希ガス元素。ほとんどの超電導装置は、マグネットを極低温に保持するための冷却用寒剤として液体ヘリウムを使用する。
[←先頭へ]Helmholtz type coil (ヘルムホルツがたコイル:Helmholtz type coil)
対向する2個の表面コイルによって構成されるMRI用受信コイル。一般の表面コイルと異なり、コイルからの距離が少ない均一な画像を得ることができる。関節などの撮像に用いられる。
[←先頭へ]help switch (ヘルプスイッチ:help switch)
スキャン中に、患者が気分が悪くなったり、助けを必要とするときに使うスイッチ。あらかじめ患者にスイッチを持たせておく必要があり、スイッチを押すとコントロールルームのアラームやブザーが鳴るため、オペレータに異変を知らせることができる。
[←先頭へ]Hermite symmetry (エルミートシンメトリー:Hermite symmetry)
位相共役対称。k空間の1側のデータ値は鏡面対象(点対称)の位置のデータ値から計算できる、という理論。ハーフフーリエイメージング(HFI)で用いられる。
[←先頭へ]Hertz (Hz:Hertz)
周波数の単位(サイクル/秒)。
[←先頭へ]heteronuclear coupling (いかくしゅカップリング:heteronuclear coupling)
プロトンとのスピン交換による緩和。13C、19Fなどにみられる。
[←先頭へ]HFI (HFI:half Fourier imaging)
ハーフフーリエイメージング。k空間の一部のみのデータを採取して、残りは位相共役対称によって埋める方法。
[←先頭へ]high intensity area (こうしんごういき:high intensity area)
MRI上で他よりも白く見える部分。高信号域では通常、T2時間が長いか、またはT1時間が短い。T2時間が長いものとしては自由水があり、T1時間の短いものとしては脂肪や、ある時期の出血などがある。
[←先頭へ]high intensity reduction (HIRE:high intensity reduction)
T2強調像とヘビーT2強調像をサブトラクションする手法。
[←先頭へ]HIRE (HIRE:high intensity reduction)
T2強調像とヘビーT2強調像をサブトラクションする手法。
[←先頭へ]homogeneity (きんいつせい:homogeneity)
[←先頭へ]
homogeneity of static magnetic field (せいじばきんいつせい:homogeneity of static magnetic field)
静磁場強度の空間的な均一の程度。一般には、一定容積内(直径20cm球体など)の静磁場強度の最大値と最小値の差、もしくは標準偏差値を基準磁場強度で割ってppm単位で表す(ppm on 20cm DSV:半径20cmの球体内)。均一度が低いと共鳴周波数に幅ができ、分解能が低下したり、画像に歪みを生じる原因となる。特に、GRE法の場合は撮像領域内の広い範囲にわたって高い均一性が求められる。主マグネットのタイプ別に静磁場均一性をみると、超電導磁石が最も優れており数ppm以下、永久磁石と常電導磁石は数10ppm程度である。
[←先頭へ]hybrid echo planer imaging (hybrid EPI:hybrid echo planer imaging)
[←先頭へ]
hybrid EPI (hybrid EPI:hybrid echo planer imaging)
→GRASE
[←先頭へ]hybrid shield (ハイブリッドシールド:hybrid shield)
磁気シールドの一方式。セルフシールドとアクティブシールドを併用したもので、小型で軽量、高いシールド効果を有する。
[←先頭へ]hybrid shield EPI (ハイブリッドEPI:hybrid shield EPI)
[←先頭へ]
hyper auto active shimming (ハイパーAAS:hyper auto active shimming)
人体挿入時の静磁場の乱れを自動補正する機能。アクティブシムの1種。
[←先頭へ]Hz (Hz:Hertz)
周波数の単位(サイクル/秒)。
[←先頭へ]I |
IC (IC:iliac crest)
腸骨稜(解剖学的基準線、ランドマーク)
[←先頭へ]IC (IC:independent console)
[←先頭へ]
identify (アイデンティファイ:identify)
オペレータコンソール上の操作で、数値や指定するレベル値を点滅させるもの。選択したピクセル値を白色に変えて、特定濃度の部分をハイライトする。
[←先頭へ]iDrive (iDrive)
高速GRE法を用いたMR透視撮影。test injectionや造影剤の動態観察、動きを有する部位への位置決めに応用される。"i"はinteractiveの意。(GE)
→realtime interactive imaging interactive scan、 interactive scan、 visual prep、 VP
[←先頭へ]iFLASE (interactive FLASE)
(Shimadzu)
[←先頭へ]iliac crest (IC:iliac crest)
腸骨稜(解剖学的基準線、ランドマーク)
[←先頭へ]image area (イメージエリア:image area)
画像を表示するのに使うスクリーン領域。
[←先頭へ]image mat (イメージマット:image mat)
画像上の不要な情報を消去する表示機能のひとつ。
[←先頭へ]image processor (IP:image processor)
画像プロセッサ(画像処理用の高速演算装置)。デジタル画像データからビデオ信号を生成するサブシステム。
[←先頭へ]image reconstrustion (がぞうさいこうせい:image reconstrustion)
MRやCTのローデータを2次元画像に変換すること。
[←先頭へ]image scroll (イメージスクロール:image scroll)
1枚の画像データ中の一部または全部を移動させる表示機能。
[←先頭へ]imaginary image (かぞうがぞう:imaginary image)
[←先頭へ]
imaginary images (きょぞう(かそうがぞう):imaginary images)
レシーバまたはデモジュレータ(復調期)の基準信号より90°位相をずらしたフーリエ成分から生成される画像。
[←先頭へ]in-phase imaging (in-phaseがぞう:in-phase imaging)
脂肪と水を構成するプロトンには共鳴周波数にわずかなずれ(ケミカルシフト)があり、MRIではこのずれを利用して脂肪沈着部と非沈着部の識別が可能で、その画像を化学シフトイメージングとよぶ。脂肪と水の共鳴周波数の違いは脂肪と水のプロトンの位相のずれとして反映され、両者が揃っている状態の画像をin-phase画像、ずれている状態の画像をout-of-phase画像とよぶ。
[←先頭へ]in-phase画像 (in-phaseがぞう:in-phase imaging)
脂肪と水を構成するプロトンには共鳴周波数にわずかなずれ(ケミカルシフト)があり、MRIではこのずれを利用して脂肪沈着部と非沈着部の識別が可能で、その画像を化学シフトイメージングとよぶ。脂肪と水の共鳴周波数の違いは脂肪と水のプロトンの位相のずれとして反映され、両者が揃っている状態の画像をin-phase画像、ずれている状態の画像をout-of-phase画像とよぶ。
[←先頭へ]inclined slab for contrast enhancement (ISCE:inclined slab for contrast enhancement)
(Toshiba)
[←先頭へ]independent console (インディペンデントコンソール:independent console)
スキャンを除くすべての機能が実行できる独立型コンソール。通常は、オペレータコンソールから少し離れた場所に設置される。
[←先頭へ]inflow effect (インフローこうか:inflow effect)
[←先頭へ]
inflow MRA (インフローMRA:inflow MRA)
インフロー効果を利用したMRA(TOF−MRA)。
→time-of-flight method: TOF、 time-of-flight angiography:TOF angiography、 time of flight
[←先頭へ]inhomogeneity (インホモジェニティ:inhomogeneity)
静磁場の不均一性。
[←先頭へ]Insite (インサイト:Insite)
画像診断装置とカストマーサポートセンターをモデムと電話回線で直接接続し、故障部位を診断することもできる、オンラインサポートシステム。(GE)
[←先頭へ]integrated pulse generator (IPG:integrated pulse generator)
内蔵型パルス発生器。RFアンプなどのシステム機能を制御する。
[←先頭へ]interactive scan (interactive scan)
iDriveと類似。(Siemens)
[←先頭へ]intercom (インターコム:intercom)
MR検査中に患者とオペレータが交信できるインターホン。
[←先頭へ]interleaving (インターリービング:interleaving)
最初のデータ収集中に1枚おきのスライスからデータを収集し、次に残りを収集するスキャン方式。クロストークアーチファクトを最小限に抑えるが、スキャン時間が2倍になる。マルチショットEPIでは、この方法によってk−スペースを充填させる(ESP(実効エコー間隔)を短縮する)。
[←先頭へ]internet address (インターネットアドレス:internet address)
コンピュータネットワークにおいて、特定の1ステーションを区別し、相互通信を可能にする12ビットの番号。IP(internet protocol)アドレスともいう。
[←先頭へ]internet protocol address (IPアドレス:internet protocol address)
[←先頭へ]
interpulse time (インターパルスタイム:interpulse time)
パルスシーケンス印加時の連続するRFパルス間の時間。IR法特にで重要なのは、反転時間(TI)と繰り返し時間(TR)である。スピンエコー法において、最初の90°パルスから次の180°パルスを照射するまでの時間は、ほぼエコータイム(TE)の半分になる。
[←先頭へ]intersequence decay (インターシーケンスディケイ:intersequence decay)
心拍サイクルの各画像の時間間隔。
[←先頭へ]interval time (インターバルタイム:interval time)
心拍サイクルの各画像の間の時間。
[←先頭へ]Interventional MRI (Interventional MRI)
オープン型MR装置を利用して、リアルタイムまたはそれに準ずる撮影下での手術。椎間板ヘルニアのレーザー治療が代表的。
[←先頭へ]intravoxel coherent motion, intravoxel incoherent motion (IVCM, IVIM:intravoxel coherent motion, intravoxel incoherent motion)
生体内における水分子の微少な運動の総称。
[←先頭へ]intravoxel spin-phase dispersion (ボクセルないスピンいそうぶんさん:intravoxel spin-phase dispersion)
フロー流速に大きなばらつきがあったり、加速などの高位運動が存在する場合、もしくは磁場の均一性に小さな変動がある場合に、位相コヒーレントが失われ、信号強度が損失すること。
[←先頭へ]inverse video (はんてんひょうじ:inverse video)
表示画像の白と黒を反転させること。いわゆるネガポジ反転。MRAやSASで使われる。
[←先頭へ]inversion recovery (IR:inversion recovery)
反転回復法。磁化を反転させて、スピンがもとの状態に戻るまでの回復速度を測定するパルスシーケンスで、回復速度はTIによって左右される。
[←先頭へ]inversion recovery with turbo spin echo (IR-TSE:inversion recovery with turbo spin echo)
ファストSE法とIR法を組み合わせた手法。(Philips)
[←先頭へ]inversion recovery: IR (はんてんかいふくほう:inversion recovery: IR)
MRIにおけるパルス系列のひとつ。90°パルスの印加の前に、まず180°パルスを印加することにより、z軸方向の縦磁化成分を反転させておく。縦緩和により縦磁化が回復してくる過程で90°パルスを印加して、FID信号もしくはスピンエコー法によるエコー信号を測定する。反転状態からの回復の速度は、T1にのみ依存するので、T1強調度の強い画像を得ることができ、180°パルスから90°パルスまでの時間(反転時間)の調節によりT1強調度を変えることができる。
[←先頭へ]inversion recovery:IR (インバージョンリカバリ:inversion recovery:IR)
[←先頭へ]
inversion time (TI:inversion time)
反転時間。IR法で180°パルスから90°パルスまでの時間。
[←先頭へ]inversion time (はんてんじかん:inversion time)
反転回復法(IR法)のパルス系列において、はじめの180°パルスから、次に印加される90°パルスまでの時間間隔。
[←先頭へ]inversion time:IT (インバージョンタイム:inversion time:IT)
[←先頭へ]
IP (IP:image processor)
画像プロセッサ(画像処理用の高速演算装置)。デジタル画像データからビデオ信号を生成するサブシステム。
[←先頭へ]IPA (integrated panoramic array)
高感度CP型アレイコイルを多数組み合わせて、広範囲を一度に撮像する機能。
[←先頭へ]IPG (IPG:integrated pulse generator)
内蔵型パルス発生器。RFアンプなどのシステム機能を制御する。
[←先頭へ]IPP (integrated panoramic position)
テーブル移動で広範囲を撮像する機能。体部〜下肢のMRAや上下腹部などに利用できる。
[←先頭へ]IPアドレス (IPアドレス:internet protocol address)
[←先頭へ]
IR (IR:inversion recovery)
反転回復法。磁化を反転させて、スピンがもとの状態に戻るまでの回復速度を測定するパルスシーケンスで、回復速度はTIによって左右される。
[←先頭へ]IR preparation (IRプリパレーション:IR preparation)
180°のRFプリパレーションパルスを印加して組織をあらかじめ磁化し、T1強調を高める方法。(GE)
[←先頭へ]IR-TSE (IR-TSE:inversion recovery with turbo spin echo)
ファストSE法とIR法を組み合わせた手法。(Philips)
[←先頭へ]IRプリパレーション (IRプリパレーション:IR preparation)
180°のRFプリパレーションパルスを印加して組織をあらかじめ磁化し、T1強調を高める方法。(GE)
[←先頭へ]ISCE (ISCE:inclined slab for contrast enhancement)
TONEと類似。(Toshiba)
[←先頭へ]isocenter (アイソセンタ:isocenter)
3軸の傾斜磁場が交差する位置。
[←先頭へ]isochromats (アイソクロマット:isochromats)
任意の時点で位相と周波数が同じになるスピン。同重体ともいう。
[←先頭へ]isometric contraction (アイソメトリックコントラクション:isometric contraction)
心臓が収縮の準備をするが、体積は変わらない状態のR波直後の時間。
[←先頭へ]IVCM, IVIM (IVCM, IVIM:intravoxel coherent motion,intravoxel incoherent motion)
生体内における水分子の微少な運動の総称。
[←先頭へ]J |
J-coupling, scalar coupling (J-カップリング:J-coupling, scalar coupling)
スカラーカップリング。1つの分子内における、電子雲の歪みによる相互作用。
[←先頭へ]J-カップリング (J-カップリング:J-coupling, scalar coupling)
1つの分子内における、電子雲の歪みによる相互作用。
[←先頭へ]jerk (ジャーク:jerk)
加速変化。時間とともに加速流が変化すること。Δ加速流/Δ時間で表す。MRAにおける位相ずれの原因になる。
[←先頭へ]K |
k-space (k空間, k-Space:k-space)
実空間の画像データのフーリエ変換である空間をk空間とよぶ。すなわちk空間と実空間は互いにフーリエ変換の関係にある。実空間の座標軸は位置座標(x,y)であり、k空間(kx,ky)での軸は空間周波数である。MRIでは、信号読みとりの間に傾斜磁場を印加し位置のエンコードを行い、時間軸をk軸に対応させており、ローデータ(raw data:画像生データ)の集合がk空間を構成する。k空間の低周波部分(中央部)は信号強度あるいは画像コントラストを決定し、外側の高周波成分は画像の分解能を決めている。
[←先頭へ]k-space filtering (k空間フィルタリング:k-space filtering)
FSE法で得られる画像が、通常のSE法の画像と比べて異なったT2値をもつ組織間コントラストに微妙な違いがみられる現象。
[←先頭へ]k-space trajectory (k空間トラジェクトリー:k-space trajectory)
EPIの高速化の目的で考案された、k空間を充填する軌跡(ジグザグ、長方形、螺旋形)のパターンのこと。
[←先頭へ]kinematic study (kinematic study)
HASTE(SSFSE)やtrueFISPを用いた、動態観察目的の撮像。
[←先頭へ]k空間 (kくうかん, k-Space:k-space)
実空間の画像データのフーリエ変換である空間をk空間とよぶ。すなわちk空間と実空間は互いにフーリエ変換の関係にある。実空間の座標軸は位置座標(x,y)であり、k空間(kx,ky)での軸は空間周波数である。MRIでは、信号読みとりの間に傾斜磁場を印加し位置のエンコードを行い、時間軸をk軸に対応させており、ローデータ(raw data:画像生データ)の集合がk空間を構成する。k空間の低周波部分(中央部)は信号強度あるいは画像コントラストを決定し、外側の高周波成分は画像の分解能を決めている。
[←先頭へ]k空間トラジェクトリー (kくうかんトラジェクトリー:k-space trajectory)
EPIの高速化の目的で考案された、k空間を充填する軌跡(ジグザグ、長方形、螺旋形)のパターンのこと。
[←先頭へ]k空間フィルタリング (kくうかんフィルタリング:k-space filtering)
FSE法で得られる画像が、通常のSE法の画像と比べて異なったT2値をもつ組織間コントラストに微妙な違いがみられる現象。
[←先頭へ]L |
ladder coil (はしごがたコイル:ladder coil)
フェーズドアレイコイルに表面的に類似したコイル。本物に比べると機能は劣るが、かなり安価に制作できる。
[←先頭へ]laminar flow (そうりゅう:laminar flow)
最大流速のフローが組織の中央に流れ、最低流速のフローが組織の壁沿いに流れるような層状の流れのこと。血流の理想的な形とされている。
[←先頭へ]LAN (LAN:local area network)
同一建物内でコンピュータを高速高帯域回線で結合したネットワーク。
[←先頭へ]landmark (ランドマーク:landmark)
スキャンの位置決めの際に用いる患者の部位。
[←先頭へ]large angle spin echo (LASE:large angle spin echo)
大きなフリップ角を用いたSE法。(Philips)
[←先頭へ]Larmor eduation (ラーモアほうていしき:Larmor eduation)
静磁場強度Boの環境下にある核スピンの歳差運動の周波数ω と静磁場強度Boの関係を表す式。ω=γ・Bo(γ:磁気回転比)
[←先頭へ]Larmor frequency (ラーモアしゅうはすう:Larmor frequency)
物質の共鳴周波数。一定磁場強度の外部静磁場中に置かれた核スピンは、歳差運動とよばれる回転運動をしている。その歳差運動の周波数ωは、静磁場強度Boと原子核自身の持つ物理定数である磁気回転比γの積として定義され、ラーモア周波数とよばれる。例えばプロトンの共鳴周波数は、静磁場が1.5Tのとき次式で表される。 fo=42.58(MHz/T)×1.5T=63.9(MHz) wo=2πfo=4.0×106 (rad/sec) MRシステムでは、この等式を使ってプロトンの空間的ロケーションを判定する。高精度に制御された傾斜磁場によって磁場の強さを変化させると、撮像されるプロトンのラーモア周波数も変化する。
[←先頭へ]LASE (LASE:low angle spin echo)
ローアングル励起によるSE法。(Philips)
[←先頭へ]LASE (LASE:large angle spin echo)
大きなフリップ角を用いたSE法。
[←先頭へ]lead wire (リードせん:lead wire)
患者の電極と心拍ゲーティング送信ボックスとを接続する配線。胴体につけられた2カ所の電圧を計測するためのECG導線。
[←先頭へ]level (レベル:level)
グレイスケール中央部の数値。白黒強度に関連する実際の数値はレベルコントロールによって決定される。
[←先頭へ]LHe, LiHe (LHe, LiHe:liquid helium)
液体(液化)ヘリウム。
[←先頭へ]line plot (ラインプロット:line plot)
引いた線を平行四辺形に変換し、この中のピクセルの濃度を計算する機能。平行四辺形の中にあるピクセルの列を一直線と見なして、その濃度を示す機能。
[←先頭へ]linear gradient magnetic field (せんけいじばこうばい:linear gradient magnetic field)
[←先頭へ]
liquid helium (LHe, LiHe:liquid helium)
液体(液化)ヘリウム。沸点は4.2K。
[←先頭へ]liquid nitrogen (えきたいちっそ:liquid nitrogen)
沸点が77Kの液化した窒素。超電導磁石の超電導状態を保持するために超電導コイルは液体ヘリウムの中に浸されているが、高価なヘリウムの蒸散を抑制するために、液体窒素を満たした容器で液体ヘリウム容器を包み込んでいる。
[←先頭へ]LN2, LiN2 (LN2, LiN2:liquid nitrogen)
液体(液化)窒素
[←先頭へ]local area network (local area network:local area network)
同一建物内でコンピュータを高速高帯域回線で結合したネットワーク。
[←先頭へ]local area network (LAN:local area network)
同一建物内でコンピュータを高速高帯域回線で結合したネットワーク。
[←先頭へ]local area network:LAN (ローカルエリアネットワーク:local area network:LAN)
リンクされた複数のコンピュータのネットワークを構成するための接続形式。
[←先頭へ]localizer (ロカライザ:localizer)
これからスキャンしたいスライスを設定する際に必要な画像。例えば通常の脳スキャンでは、正中線上のサジタル画像がよく使われる。
[←先頭へ]location (ロケーション:location)
[←先頭へ]
longitudinal magnetization (たてじか:longitudinal magnetization)
巨視的磁化ベクトルMの、静磁場Boに対して平行方向であるz軸への投影成分。
[←先頭へ]longitudinal relaxation (time) (たてかんわ(じかん):longitudinal relaxation (time))
RFパルスの照射により励起した核スピンは、吸収したエネルギーを周囲の分子(格子)に熱振動のエネルギーとして放出する。これを縦緩和、スピン−格子緩和、熱緩和、T1緩和という。この緩和は指数関数的に元の定常状態に戻り、その時定数が縦緩和時間(T1値)である。
[←先頭へ]low angle spin echo (LASE:low angle spin echo)
ローアングル励起によるSE法。(Philips)
[←先頭へ]low signal area (ていしんごういき:low signal area)
MRIにおいて、周囲よりも信号強度の低い領域(あるいは病変)をさす。画像がT1強調であるかT2強調であるかによって、低信号域に見える部分の意味が異なる。一般的には、前者ではT1の長いものが、後者ではT2の短いものが低信号域として認められる。
[←先頭へ]M |
macroscopic magnetic moment (きょしてきじきモーメント:macroscopic magnetic moment)
巨視的磁化ベクトルの大きさ。
[←先頭へ]macroscopic magnetization vector (きょしてきじかべくとる:macroscopic magnetization vector)
微視的な各核スピンにより発生する磁気モーメントベクトルの、ある空間内での総和(ベクトル的加算)。実際のMRIにおいては単位ボクセル内の巨視的磁化ベクトルにより生ずる信号を観測の対象としている。
[←先頭へ]magazine (マガジン:magazine)
フィルム撮影において、一時的に現像前のフィルムをストックしておくケース。
[←先頭へ]magnetic contrast agents (じせいぞうえいざい:magnetic contrast agents)
[←先頭へ]
magnetic dipole (じきそうきょくし:magnetic dipole)
量子力学において、電荷を持った素粒子のスピンにより発生する微視的な棒磁石としての性質。個々の分子、原子、原子以下の大きさの物質(イオン、陽子、電子)からの局所的磁場を模型化するための物理学的概念。
[←先頭へ]magnetic dipole moment:μ (じきそうきょくしモーメント:magnetic dipole moment:μ)
磁気双極子を起点とする、磁場のベクトル量のこと。
[←先頭へ]magnetic field (じば:magnetic field)
磁場が存在する領域。磁場(H、磁界ともいう)は、単位磁極にどのくらいの力が働くかという量で表される。単位はN/WbあるいはA/m。
[←先頭へ]magnetic field (じかい:magnetic field)
[←先頭へ]
magnetic field emergency (じばのきんきゅうじたい:magnetic field emergency)
酸素ボンベのような鉄製物質で、誰かが磁場に引き込まれるような緊急事態。早急に磁場を消磁(クエンチ)する必要がある。
[←先頭へ]magnetic field gradient (じばグラジエント:magnetic field gradient)
異なる空間的ロケーションで静磁場の強さを変化させる装置。スライスの選択と、撮像するプロトンの空間的ロケーションを判定するのに使用する。また、流速エンコーディング、フローコンプに使用するほか、グラジエントエコー収集でRFパルスの代わりに使用して、スピンの位相合わせを行う。
[←先頭へ]magnetic field homogeneity (じばきんいつど:magnetic field homogeneity)
[←先頭へ]
magnetic flux density (じそくみつど:magnetic flux density)
磁束密度(B、磁気誘導ともいう)は、磁極から出て単位面積を通過する磁束を表し、その単位はWb/m2である。磁場を電圧とすると磁束密度は電流に相当する。両者は B=μ0(1+χ)H つまり B=μ0(H+M) の関係にある。ここでMは磁化、μ0 は真空の透磁率である。同じ磁場(電圧)をかけても、実際には物質によって磁化のされかた(電気抵抗)が異なるため、磁束密度(電流)も異なると考えることができる。MRIでは静磁場の強さを、空気中の磁束密度で表すことが多い。
[←先頭へ]magnetic moment (じきモーメント:magnetic moment)
磁石としての強さを示す量。電荷を持った素粒子が回転運動すると、そのスピン軸と同一方向の磁気モーメントが発生する。これはN極とS極をもつ一個の棒磁石と同等であり、分離することができない磁気双極子を形成する。電子・陽子・中性子はいずれも磁気双極子である。強さmと−mの磁極が距離lm離れている磁気双極子の磁気モーメントは、大きさがmlで負極から正極に向かうベクトル(μ)で表される。磁気モーメントの単位はWb・mである。単位体積あたりの磁気モーメントのベクトル和が磁化(単位はWb/m2:磁束密度と同じ)である。原子核の場合は、核磁気モーメントといい、この強さは原子核の種類によって固有の値を持ち、プロトンが最も強い値を示す。
[←先頭へ]magnetic resonance angiography (MRA:magnetic resonance angiography)
磁気共鳴血管撮影法。
[←先頭へ]magnetic resonance cholangiopancreatography (MRCP:magnetic resonance cholangiopancreatography)
MR膵胆管撮影法。HASTEなどの高速スキャンシーケンスにより、1回の息止めで高画質が得られるようになった。最近ではEPIのMRCPへの応用が検討されている。
[←先頭へ]magnetic resonance imaging (MRI:magnetic resonance imaging)
磁気共鳴映像法。
[←先頭へ]magnetic resonance imaging:MRI (じききょうめいさつえい:magnetic resonance imaging:MRI)
磁気共鳴現象を用いた画像構成法。体内水素(プロトン)の分布を画像化する方法が主流である。画像の明るさは、通常その部位のスピン密度と緩和時間に関連して定まるが、血流のような動きにも影響される。
[←先頭へ]magnetic resonance signal (じききょうめいしんごう:magnetic resonance signal)
スピンが横磁化から減衰する際に発生する(高周波領域の)電磁気信号。スピンが横磁化から縦磁化へ移動する際に、コイル内に電圧を生じる。この電圧が、受信機によって増幅される。
[←先頭へ]magnetic resonance spectroscopic imaging (MRSI:magnetic resonance spectroscopic imaging)
MRスペクトロスコピー。
[←先頭へ]magnetic resonance spectroscopy (MRS:magnetic resonance spectroscopy)
MRスペクトロスコピー。
[←先頭へ]magnetic resonance:MR (じききょうめい:magnetic resonance:MR)
ある強度の均一静磁場中の核スピンは、ラーモア方程式で求められる周波数(ラーモア周波数)で歳差運動を行っている。この核スピンの持つ磁気モーメントにラーモア周波数と同じ周波数の高周波磁場(RFパルス)を印加すると共鳴的にエネルギーを吸収する。さらに高周波磁場が切られると励起状態の核スピンは印加された高周波磁場と同一周波数の電磁波を出してエネルギーを放出する。この一連の過程を核磁気共鳴(NMR)といい、このときのラーモア周波数のことを共鳴周波数とよぶ。対象が電子を持つスピンの場合は電子スピン共鳴(ESR)とよぶ。
[←先頭へ]magnetic shield (じばしーるど:magnetic shield)
[←先頭へ]
magnetic shield (じきシールド:magnetic shield)
一般にMR装置は静磁場強度が高いほどS/N比が向上する。しかし高磁場であればあるほど問題も生じてくる。第一に、マグネット本体からの洩れ磁場が周辺環境に与える影響である。磁気に影響されやすい医療用機器・装置や心臓ペースメーカー装着者を漏れ磁場から保護する必要がある。第二に、撮影室周辺の磁性体からの撮影用静磁場への影響である。高画質を得るためにMR装置の静磁場には高い均一性が要求されるが、撮影室周辺に可動性の強磁性体による重量物(例えば自動車やエレベーターなど)があると静磁場を歪める原因となる。これらの影響の対策として、次のような磁気シールドがある。1.撮影室全体を鉄プレートなどで囲うルームシールド、2.マグネット本体周囲をヨークとよばれる鉄材で覆うセルフシールド、3.撮影室の中に鳥かご状の磁性材構造物を設け、その中に装置本体を配置するケージシールド、4.主マグネットのすぐ外側に主マグネットの磁場を相殺するようにコイルを配したアクティブシールド、5.セルフシールドとアクティブシールドの両者を組み合わせたハイブリッドシールド。
[←先頭へ]magnetic susceptibility (マグネティックサセプタビリティ:magnetic susceptibility)
磁化率。物質が磁化される能力、または磁界に歪みを与える能力。反磁性、常磁性、強磁性の物質は磁気感度が高い。
[←先頭へ]magnetic susceptibility (じかりつ:magnetic susceptibility)
ある物質が磁化される程度を表す物質固有の物理定数。物質は磁場の中で磁化され、それ自身が一時的に磁石の性質を持ち、周辺に磁場を作る。この磁化されやすさを磁化率という。
[←先頭へ]magnetic susceptibility artifact (じかりつアーチファクト:magnetic susceptibility artifact)
磁化率は物質により異なるため、極端に磁化率の異なる組織が隣接する部位(脳底部の含気構造と脳実質など)では、磁場に傾きを生じ、核スピンの回転位相が大きく変化し信号が低下する。これを磁化率アーチファクトという。特にGRE法においては、SE法のような180°パルスによる補正がなく、アーチファクトが顕著になる。
[←先頭へ]magnetic susceptibility gradient (じかりつこうばい:magnetic susceptibility gradient)
生体組織には、しばしば磁化率の異なる物質が含まれており、これらの物質は解剖学的に並列している。例えば空気や骨、脳脊髄液の磁化率は大きく異なる。また例えば、脳と蝶形骨洞あるいは脳脊髄液と椎体の間のような境界面ではχの値(すなわちB)が急激に変化する。これらの局所的な磁化率の変化を磁化率勾配とよび、これらはMRI撮影においてアーチファクトや信号低下の原因となる。
[←先頭へ]magnetic vector (じきベクトル:magnetic vector)
[←先頭へ]
magnetization (Mz:magnetization)
縦磁化を表示する記号。
[←先頭へ]magnetization (じか:magnetization)
ある物質に磁場を作用することによって磁石の性質が現れること。大きさは単位体積あたりのモーメントにより表される。
[←先頭へ]magnetization prepared rapid gradient echo (MP-RAGE:magnetization prepared rapid gradient echo)
3D超高速スキャンシーケンス。
[←先頭へ]magnetization transfer (MT:magnetization transfer)
結合水のプロトンの磁化を飽和させ、実質臓器の信号を抑制することにより、MRAにおける微細血管のコントラストを改善する方法。蛋白質などの高分子を含んでいる水の磁気緩和は、水それ自身の緩和以外に高分子およびその周囲の水との磁化の移動を通しても起こる(cross relaxation ともいう)。高分子の中の水素原子のスペクトルの幅は非常に広く(〜100kHz)、共鳴周波数が異なるRFパルスによっても磁化が変化する(off-resonance effect)。このことにより、非共鳴的なRFが印加されていると緩和時間が変化し、画像コントラストが変わる(MT−contrast)。また、MRAにおいて血流信号のバックグラウンド信号を抑制(MT−suppression)するのにも用いられている。
[←先頭へ]magnetization transfer contrast (MTC:magnetization transfer contrast)
[←先頭へ]
magnetization transfer imaging (じかいどうがぞう:magnetization transfer imaging)
§MT
[←先頭へ]magnetization transfer ratio (MTR:magnetization transfer ratio)
MTパルス印加前後の信号強度比。
[←先頭へ]magnetization transfer saturation (MTS:magnetization transfer saturation)
[←先頭へ]
magnetization transfer:MT (マグネタイゼーショントランスファ:magnetization transfer:MT)
灰白質や骨格筋のようなT2が短い組織を抑制してコントラストを改善する、3D−TOFで用いられる撮影技法。高分子と水の相互作用を利用している。
[←先頭へ]magnetogyric ratio (かいてんじきひ:magnetogyric ratio)
[←先頭へ]
Magnevist (マグネビスト:Magnevist)
MRI用造影剤の一種で、シェーリング社の商品名。化学名はガドペンテト酸ジメグルミン >(Gd−DTPA)
[←先頭へ]magnitude image (マグニチュードイメージ:magnitude image)
[←先頭へ]
magnitude reconstrustion (マグニチュードリコンストラクション:magnitude reconstrustion)
位相と関係なく、ボクセル内における磁気の実際の規模を示すモジュラス画像を生成する再構成法。
[←先頭へ]main field magnet (せいじばようじしゃく:main field magnet)
電磁石(超電導、常電導)あるいは永久磁石が用いられる。常電導磁石では通常4個の大きな空芯コイルを球状に配する構造となっているが、使用電力の大半が熱になってしまうため、コイルの内腔に水を流して冷却する。常電動磁石は最大0.2T程度の静磁場を得ることができる。超電導磁石では数Tまでの高均一磁場が得られるため、明瞭な画像が得られ、MRSやMTC、拡散画像などでも有利である。電力消費は通電時のみでよいが、超電導状態を維持するために、常に液体ヘリウムによる冷却が欠かせない。永久磁石は最大0.3T程度の静磁場を供給する。電力も液体ヘリウムも必要としないので経済的である。超電導磁石や常電導磁石を利用したMRI装置のほとんどは、静磁場方向(一般に、BoあるいはZ方向とされる)が患者の長軸方向と一致する。これに対し、永久磁石や一部の常電導磁石を利用したMRI装置(また最近発売され始めたオープン型の超電導装置)では静磁場方向は患者の長軸と直交する。
[←先頭へ]MAST (MAST:motion artifact suppression technique)
モーションアーチファクトの抑制法。(Toshiba, Picker)
[←先頭へ]matched bandwidth (MBW:matched bandwidth)
サンプリング時間を長くとり、S/N比を向上させる方法。
[←先頭へ]matrix (マトリックス:matrix)
2DFTにおいて周波数−位相エンコーディング方向の収集データポイントの数。256×256のように表示する。一般的にFOVサイズが同じであれば、マトリックスが大きい方ほど空間分解能が向上するが、撮影時間は長くなる。
[←先頭へ]maximum intensity projection (MIP:maximum intensity projection)
最大値投影法。3次元ボリュームデータを2次元平面に投影する画像処理法のひとつで、投影方向に沿って3次元的なスライスデータの重なりを考えたときに、その中で最大信号値を持つデータを投影面上での値とする。例えば、血流が高信号となるように撮像したデータにMIP処理を加えれば、血流の投影像が得られる。MIP法では画像化対象以外の高信号領域が画質を劣化させるが、このような不要データを排除するためにMIP処理領域を限定する方法(target MIP,partial MIP)が有効である。スパイラル方式によって得られるCT画像から、MIP処理によってCTアンギオグラフィーが得られている。
[←先頭へ]maximum intensity projection (マキシマムインテンシティプロジェクション:maximum intensity projection)
一定量の画像データ(3Dボリューム、複数の2Dスライス)から、複数のプロジェクションイメージを生成する方法。画像データは、選択された角度に沿って処理され、最大の信号強度を持つピクセルが2次元画像に投影される。
[←先頭へ]maximum pixel projection (MPP:maximum pixel projection)
コラップスイメージング。マキシマムピクセルプロジェクション(MPP)ともよばれる最大輝度プロジェクションイメージ(MIP)で、TOFプロジェクションイメージまたはPCイメージから生成する。
→MPP
[←先頭へ]MBW (MBW:matched bandwidth)
サンプリング時間を長くとり、S/N比を向上させる方法。(Toshiba)
[←先頭へ]metal artifact (メタルアーチファクト:metal artifact)
患者が装着している強磁性体(ヘアピン、義歯など)によるアーチファクト。
[←先頭へ]mid-axis (ミッドアクシス:mid-axis)
体を真二つ(前後・左右・上下)に分ける架空の軸のこと。
[←先頭へ]minimum TE (さいしょうTE:minimum TE)
所定の指定における最小許容TE。フローの位相ずれとT2の影響を抑えるために使用する。
[←先頭へ]minimun TE (ミニマムTE:minimun TE)
所定の指定における最小TEで、フローの位相ずれとT2の影響を抑えるために使用される。
[←先頭へ]MIP (MIP:maximum intensity projection)
最大値投影法。3次元ボリュームデータを2次元平面に投影する画像処理法のひとつで、投影方向に沿って3次元的なスライスデータの重なりを考えたときに、その中で最大信号値を持つデータを投影面上での値とする。例えば、血流が高信号となるように撮像したデータにMIP処理を加えれば、血流の投影像が得られる。MIP法では画像化対象以外の高信号領域が画質を劣化させるが、このような不要データを排除するためにMIP処理領域を限定する方法(target MIP,partial MIP)が有効である。スパイラル方式によって得られるCT画像から、MIP処理によってCTアンギオグラフィーが得られている。
[←先頭へ]mirrored FISP (PSIF:mirrored FISP)
FISPの時間軸を逆にした高速スキャンシーケンス。T2強調度が強い。
[←先頭へ]misregistration (ミスレジストレーション:misregistration)
記録ミス。収集された信号の空間的ロケーションを間違ってマッピングしたために生じるアーチファクトで、組織の動きやエイリアジングによって起こる。
[←先頭へ]mixed SE-IR (mixed SE-IR:mixed spin echo-inversion recovery)
IRとSEを交互にスキャンして、T1、T2、スピン密度画像を作成する方法。(Philips)
[←先頭へ]Mo (Mo:Mo)
磁場の平衡値。
[←先頭へ]modulus image (モジュラスイメージ:modulus image)
各ボクセルにおける磁気の実際の規模を示す画像で、真の画像および虚像(仮想画像)から作成される。
[←先頭へ]morphographic filter (モーフォグラフィックフィルタ:morphographic filter)
画像の見せかけ上のSN比を改善するフィルタ。形態の境界を保持したままその他の部分を選択的にスムージング処理し、画像ノイズを除去する。
[←先頭へ]motion artifact (モーションアーチファクト:motion artifact)
患者の体動が原因である、最も一般的なアーチファクト。
[←先頭へ]motion artifact suppression technique (MAST:motion artifact suppression technique)
モーションアーチファクトの抑制法。
[←先頭へ]MOTS (MOTS:multiple overlapping thin slice acquisition)
3D撮影において、複数の重複スラブをMIP処理して、広範囲のMRA画像を作成する方法。(Hitachi)
[←先頭へ]MOTSA (MOTSA:multiple overlapping thinslab acquisition)
3DTOFMRAにおいて、スラブ内の飽和効果を最小限にするために用いられる手法。複数のスラブを領域がそれぞれ重複するように撮影し、スラブの両端部分をカットして合成する。マルチスラブ法。
[←先頭へ]movable table (ムーバブルテーブル:movable table)
単独で移動可能なテーブル。患者のセッティングを検査室外で行える。
[←先頭へ]movie loop display (ムービーループ:movie loop display)
連続した画像をページングして、動きをシミュレートしたり奥行きを感じさせる表示機能。
[←先頭へ]MP coil (MP coil:multi polarization coil)
QD(クワドラチャ)コイルの一種。(Shimadzu)
[←先頭へ]MP-RAGE (MP-RAGE:magnetization prepared rapid gradient echo)
3D超高速スキャンシーケンス。(Siemens)
[←先頭へ]MPP (MPP:maximum pixel projection)
[←先頭へ]
MPR (MPR:multi planar reconstructions)
3Dイメージデータによる断面再構成法。複数画像から任意の断面像を作成する。
[←先頭へ]MR amniofetography (MR amniofetography)
胎児・羊水腔に、2Dシングルスライス法のMR hydrographyを応用したもの。
→MRAF
[←先頭へ]MR angiography (MRアンギオグラフィ:MR angiography)
造影剤を用いずに血管像を描出する方法で、大きく分けてtime-of-flight (TOF)法とphase contrast(PC)法に大別される。両者ともに2D−FT法と3D−FT法がある。現在、3D−TOF法が簡便で撮像時間も短く空間分解能が高いことから広く使われている。
[←先頭へ]MR cisternography (MR cisternography)
MR脳槽撮影。脳槽(脳幹周囲の髄液腔)のhydrographyにより、脳槽内を走行する脳神経や血管を描出する。聴神経腫瘍など脳神経由来の腫瘍、三叉神経痛などの原因となる神経血管圧迫(neurovascular compression)、PTA(persistant trigeminal artery:遺残三叉動脈)などの描出に適する。細い脳神経や血管を対象とするため、1mm前後の薄いスライス厚で3D撮影する必要がある。3DFASEや3DCISS、3DFRFSEなどのシーケンスが代表的で、フィルミング時に白黒反転表示する施設も多い。
[←先頭へ]MR fluoroscopy (MRフルオロスコピー:MR fluoroscopy)
スキャン、画像再構成、画像表示、撮影条件変更の4つの処理を高速に連続並行処理する撮影法。関節の動態検査、ダイナミックスキャンなどへの応用が期待されている。
[←先頭へ]MR hydrography (MR hydrography)
生体内に存在する液体成分を天然の造影剤として使用する撮影法。MRCPやMR urographyが代表的。
[←先頭へ]MR myelography (MRミエログラフィー:MR myelography)
脊椎のMRIでは、T2強調画像で脊髄液は脊髄や周囲の硬膜外組織と比較して高信号となり、くも膜下腔に造影剤を注入してコントラストをつけるミエログラフィーと似た効果を呈する。
[←先頭へ]MR peritoneography (MR peritoneography)
MR腹腔撮影。腹腔内にリザーバーを挿入した症例が対象で、リザーバーからの薬剤分布や合併症(癒着性変化、リザーバーカテーテルの位置異常、消化管への穿通など)の評価に適する。リザーバーポート表面をイソジン消毒、ヒュ―バー針をポートに穿刺し、接続した注射器で吸引して逆流を確かめ、へパリンを混入した生理食塩水(600ml程度)を腹腔内に注入、経時的に横隔膜下腔からダグラス窩が含まれる冠状断面をSSFSE法で撮像する。
[←先頭へ]MR signal (MRしんごう:MR signal)
FID信号(free induction decay)信号と、スピンエコー信号とがある。FID信号は90°パルスによりy軸に倒されたスピン成分から出た信号であるが、この信号をとらえ画像を作成するのは難しい。スピンエコー信号は90°パルスのあとに180°パルスをかけ、90°パルスからに180°パルス間での時間と同じ時間が経過してから信号をとらえ画像を作成するものである。
[←先頭へ]MR spectroscopy (MRスペクトロスコピー:MR spectroscopy)
ある分子中の原子核の磁場は、付近に存在する原子核によって作られる磁場の影響を受け、同じ原子核であっても周囲の環境によりわずかに共鳴周波数の違いが生じる(化学シフト、chemical shift)。そのシフトの大きさと信号強度から生体内の分子の種類・成分などを調べることができ、原子核の中でプロトン1Hを利用したものを1H−NMRスペクトロスコピー、31Pを利用したものを31P−NMRスペクトロスコピーという。
[←先頭へ]MR tractgraphy (MR tractgraphy)
拡散テンソル画像を元に、錐体路を描出する画像法。錐体路近傍の脳梗塞や脳腫瘍の予後判定や術前評価に有用とされる。
[←先頭へ]MR urography (MR urography)
MR尿路撮影。尿路の精査の他、ヨード過敏症例における排泄性尿路造影の代役となり得る。
[←先頭へ]MRA (MRA:magnetic resonance angiography)
磁気共鳴血管撮影法。
[←先頭へ]MRAF (MR amniofetography)
MR amniofetographyの略称。
[←先頭へ]MRCP (MRCP:magnetic resonance cholangiopancreatography)
MR膵胆管撮影法。HASTEなどの高速スキャンシーケンスにより、1回の息止めで高画質が得られるようになった。最近ではEPIのMRCPへの応用が検討されている。
[←先頭へ]MRI (MRI:magnetic resonance imaging)
磁気共鳴映像法。
[←先頭へ]MRI contrast media (MRIぞうえいざい:MRI contrast media)
経静脈性造影剤では、現在市販されているGd−DTPA、Gd−HP−DO3Aのほかに臓器、組織、腫瘍特異性造影剤や高分子造影剤が臨床治験や開発段階にある。ほかに経口消化管造影剤などもある。
→gadolinium diethylenetriamine pentaacetic acid
[←先頭へ]MRI造影剤 (MRIぞうえいざい:MRI contrast media)
経静脈性造影剤では、現在市販されているGd−DTPA、Gd−HP−DO3Aのほかに臓器、組織、腫瘍特異性造影剤や高分子造影剤が臨床治験や開発段階にある。ほかに経口消化管造影剤などもある。
→gadolinium diethylenetriamine pentaacetic acid
[←先頭へ]MRS (MRS:magnetic resonance spectroscopy)
[←先頭へ]
MRSI (MRSI:magnetic resonance spectroscopic imaging)
[←先頭へ]
MRアンギオグラフィ (MRアンギオグラフィ:MR angiography)
造影剤を用いずに血管像を描出する方法で、大きく分けてtime-of-flight (TOF)法とphase contrast(PC)法に大別される。両者ともに2D−FT法と3D−FT法がある。現在、3D−TOF法が簡便で撮像時間も短く空間分解能が高いことから広く使われている。
→MRA
[←先頭へ]MRスペクトロスコピー (MRスペクトロスコピー:MR spectroscopy:MRS)
ある分子中の原子核の磁場は、付近に存在する原子核によって作られる磁場の影響を受け、同じ原子核であっても周囲の環境によりわずかに共鳴周波数の違いが生じる(化学シフト、chemical shift)。そのシフトの大きさと信号強度から生体内の分子の種類・成分などを調べることができ、原子核の中でプロトン1Hを利用したものを1H−NMRスペクトロスコピー、31Pを利用したものを31P−NMRスペクトロスコピーという。
[←先頭へ]MRフルオロスコピー (MRフルオロスコピー:MR fluoroscopy)
スキャン、画像再構成、画像表示、撮影条件変更の4つの処理を高速に連続並行処理する撮影法。関節の動態検査、ダイナミックスキャンなどへの応用が期待されている。
[←先頭へ]MRミエログラフィー (MRミエログラフィー:MR myelography)
脊椎のMRIでは、T2強調画像で脊髄液は脊髄や周囲の硬膜外組織と比較して高信号となり、くも膜下腔に脊髄液を注入してコントラストをつけるミエログラフィーと似た効果を呈する。
[←先頭へ]MR信号 (MRしんごう:MR signal)
FID信号(free induction decay)信号と、スピンエコー信号とがある。FID信号は90°パルスによりy軸に倒されたスピン成分から出た信号であるが、この信号をとらえ画像を作成するのは難しい。スピンエコー信号は90°パルスのあとに180°パルスをかけ、90°パルスからに180°パルス間での時間と同じ時間が経過してから信号をとらえ画像を作成するものである。
[←先頭へ]MSMP (MSMP:multi-slice and multi-phase imaging)
カーディアックゲーティング撮影において、複数の心臓のロケーションと複数の異なる心拍位相を各ロケーションごとに撮影する方法。(GE)
[←先頭へ]MSOFT (MSOFT:multi off-resonance fat suppression technique)
シミングによりpre-pulseの周波数を変化させる脂肪抑制法の1手法。(Toshiba)
[←先頭へ]MT (MT:magnetization transfer)
結合水のプロトンの磁化を飽和させ、実質臓器の信号を抑制することにより、MRAにおける微細血管のコントラストを改善する方法。蛋白質などの高分子を含んでいる水の磁気緩和は、水それ自身の緩和以外に高分子およびその周囲の水との磁化の移動を通しても起こる(cross relaxation ともいう)。高分子の中の水素原子のスペクトルの幅は非常に広く(〜100kHz)、共鳴周波数が異なるRFパルスによっても磁化が変化する(off-resonance effect)。このことにより、非共鳴的なRFが印加されていると緩和時間が変化し、画像コントラストが変わる(MT−contrast)。また、MRAにおいて血流信号のバックグラウンド信号を抑制(MT−suppression)するのにも用いられている。
→MTS
[←先頭へ]MTC (MTC:magnetization transfer contrast)
[←先頭へ]
MTR (MTR:magnetization transfer ratio)
MTパルス印加前後の信号強度比。
[←先頭へ]MTS (MTS:magnetization transfer saturation)
→MT、 MT
[←先頭へ]multi off-resonance fat suppression technique (MSOFT:multi off-resonance fat suppression technique)
シミングによりpre-pulseの周波数を変化させる脂肪抑制法の1手法。(Toshiba)
[←先頭へ]multi planar reconstructions (MPR:multi planar reconstructions)
3Dイメージデータによる断面再構成法。複数画像から任意の断面像を作成する。
[←先頭へ]multi polarization coil (MP coil:multi polarization coil)
QD(クワドラチャ)コイルの一種。
[←先頭へ]multi shots echo planer imaging (マルチショットEPI:multi shots echo planer imaging)
複数回の励起パルスで画像データ収集を行うタイプのエコープラナー法。
[←先頭へ]multi-slice (マルチスライス:multi-slice)
ある断面のMR信号を観測した後、繰り返しの待ち時間(TR)の間に別の断面を選択してMR信号を観測して、同一スキャン中に複数枚の断面像を得る方法のこと。一般にTRが長く、TEが短いほど多くのスライスを得ることができる。
[←先頭へ]multi-slice and multi-phase imaging (MSMP:multi-slice and multi-phase imaging)
カーディアックゲーティング撮影において、複数の心臓のロケーションと複数の異なる心拍位相を各ロケーションごとに撮影する方法。
[←先頭へ]multi-slice and multi-phase imaging:MSMP (マルチスライス・マルチフェーズイメージング:multi-slice and multi-phase imaging:MSMP)
カーディアックゲーティングで、複数の心臓のロケーションと複数の異なる心拍位相を各ロケーションごとに撮影する機能。
[←先頭へ]multiple image display (ふくすうがぞうひょうじ:multiple image display)
通常は1枚の画像に割り当てられる空間に、2枚以上の画像を表示・操作・解析・フィルミングできる表示機能。
[←先頭へ]multiple overlapping thin slice acquisition (MOTS:multiple overlapping thin slice acquisition)
3D撮影において、複数の重複スラブをMIP処理して、広範囲のMRA画像を作成する方法。
[←先頭へ]multiple overlapping thinslab acquisition (MOTSA:multiple overlapping thinslab acquisition)
3DTOFMRAにおいて、スラブ内の飽和効果を最小限にするために用いられる手法。複数のスラブを領域がそれぞれ重複するように撮影し、スラブの両端部分をカットして合成する。
[←先頭へ]Mxy (Mxy:transverse magnetization)
横磁化を表示する記号。
[←先頭へ]Mz (Mz:magnetization)
縦磁化を表示する記号。
[←先頭へ]N |
NAQ (NAQ:number of acquisition)
加算回数または励起回数。(Toshiba)
[←先頭へ]NAV (NAV:number of averages)
加算回数または励磁回数。
[←先頭へ]navigator echo (ナビゲーターエコー:navigator echo)
画像作成に使用するエコー信号と同様に、位相エンコードを行っていないエコー信号(ナビゲーターエコー)をもうひとつ収集し、対象の動きによって生じた位相シフトを読みとり、画像用エコー信号の位相を補正する方法。腹部での呼吸によるアーチファクトや拡散強調画像での拍動の影響を取り除くために用いられることがあるが、撮像時間の延長を伴うという欠点を持つ。
[←先頭へ]negative flow (ふのフロー:negative flow)
フロー領域における血管の負の平均流量だけを加算したもの(ml/min)。
[←先頭へ]network (ネットワーク:network)
広義には、データなどを転送する通信網のことで、画像診断装置においては2つ以上のワークステーションにより構成されるイメージスイートの集合体を指す。ケーブルやモデムによりその場、または遠隔地を結ぶ。
[←先頭へ]NEX (NEX:number of excitations)
加算回数または励磁回数。NEXを2倍にするとSN比はroot・2倍になり、スキャン時間は2倍になる。
[←先頭へ]NFW (NFW:no frequency wrap)
周波数方向の折り返し防止機構。
[←先頭へ]NMR (NMR:nuclear marnetic resinance)
核磁気共鳴。
[←先頭へ]no frequency wrap (NFW:no frequency wrap)
周波数方向の折り返し防止機構。
[←先頭へ]no phase wrap (ノーフェーズラップ:no phase wrap)
位相方向の折り返しアーチファクト(エイリアジング)を最小限に抑える機能。位相エンコードステップ数を2倍にするため、撮影時間も2倍になる欠点がある。(GE)
[←先頭へ]NOE (NOE:nuclear overhausser effect)
[←先頭へ]
noise (ざつおん:noise)
信号成分に混入する信号妨害情報を雑音(ノイズ)という。検知装置でキャッチした妨害信号、またはサンプル誤差によって画像に生じる斑点状のもの。雑音があると、ピクセル値の近い部分がぼやけることがある。
[←先頭へ]non-selective FLAIR (NS-FLAIR:non-selective FLAIR)
CSFのフローによるアーチファクトを抑制するために、非選択的な反転パルスを用いるFLAIR法。(Shimadzu)
[←先頭へ]NPW (NPW:no phase wrap)
位相方向の折り返しアーチファクト防止機構。FOVの倍の長さをサンプリングする。(GE)
[←先頭へ]NS-FLAIR (NS-FLAIR:non-selective FLAIR)
CSFのフローによるアーチファクトを抑制するために、非選択的な反転パルスを用いるFLAIR法。(Shimadzu)
[←先頭へ]NSA (NSA:number of sample[signals] averaged)
加算回数または励磁回数。(Philips, Hitachi)
[←先頭へ]nuclear marnetic resinance (NMR:nuclear marnetic resinance)
核磁気共鳴。
[←先頭へ]nuclear marnetic resonance (imaging):NMR (かくじききょうめいがぞう:nuclear marnetic resonance (imaging):NMR)
昔はMRIのことをNMR−CTと称していたが、nuclearの「核」というイメージを避けるため、MRIとよばれるようになった。
[←先頭へ]nuclear overhausser effect (かくオーバーハウザーこうか:nuclear overhausser effect)
MRSの観測の際、測定目標以外の他の原子核の共鳴条件を満たすRF周波数を印加して、信号増強をはかったり、選択的に共鳴を起こさせる方法のひとつ。原子核スピンが他の原子核スピンと互いに影響しあっているとき、一方の原子核スピンに共鳴を起こさせるとそのスピン系は飽和し、その系のスピンの分布(+/−の数の割合)が変化し、これが他の原子核のスピン系のスピン分布に影響を与え、その磁気共鳴信号を強くしたり弱くしたりすることができる。31Pと1Hが結合しているとき、1Hの周波数のRFを照射しながら31Pを観測すると信号が増強する。
→NOE
[←先頭へ]nuclear spin (かくスピン:nuclear spin)
多くの原子核はある軸を中心として回転している。この自転運動のことをスピンとよび、軸の方向と大きさを持つベクトルとして表すことができる。
[←先頭へ]number of acquisition (NAQ:number of acquisition)
加算回数または励起回数。
[←先頭へ]number of averages (NAV:number of averages)
加算回数または励磁回数。
[←先頭へ]number of excitations (NEX:number of excitations)
加算回数または励磁回数。NEXを2倍にするとSN比はroot・2倍になり、スキャン時間は2倍になる。
[←先頭へ]number of exitations (NEX:number of exitations)
1回の収集で印加する励起パルスの数。(GE)
[←先頭へ]number of sample[signals] averaged (NSA:number of sample[signals] averaged)
加算回数または励磁回数。(Philips, Hitachi)
[←先頭へ]O |
oblique imaging (オブリークイメージング:oblique imaging)
傾斜、回転させた断面を収集する方法。ロカライザ画像から傾斜(チルト)または回転したスキャン面の撮影が可能。
[←先頭へ]OC (OC:operator console)
[←先頭へ]
off-center FOV (オフセンタFOV:off-center FOV)
1.磁場中心にない被験者の部位の画像をFOVの中心に移動させる機能。 2.FOVがマグネットセンタに来ない状態。
[←先頭へ]off-resonance effect (オフレゾナンスこうか:off-resonance effect)
磁化率の違いやケミカルシフトにより、画像にボケが発生する現象。
[←先頭へ]offset (オフセット:offset)
本来の中心位置からある方向に移動して画像を表示すること。
[←先頭へ]OM line (がんかじこうせん:orbito-meatal line)
解剖学的基準線のひとつ。脳ルーチン撮影で通常利用される。
[←先頭へ]one shot EPI (ワンショットEPI:one shot EPI)
ワンショットEPI、シングルショットEPI
[←先頭へ]operator console (オペレータコンソール:operator console)
スキャンの実行や画像表示の際に使用するコンソール。
[←先頭へ]orbito-meatal line (OMライン:orbito-meatal line)
眼窩耳孔線(解剖学的基準線)。脳の撮影で通常用いられる。
[←先頭へ]out-of-phase画像 (out-of-phaseがぞう:out of phase image)
[←先頭へ]
over sampling (オーバーサンプリング:over sampling)
[←先頭へ]
oxygen monitor (さんそモニタ:oxygen monitor)
MR検査室内の酸素濃度を監視する装置。ヘリウムガスの流出で、空気中の酸素量が安全値(18%以下)を下回ると警報が鳴るようにあらかじめセットされている。
[←先頭へ]P |
PACE (Prospective Acquisition CorrEction)
横隔膜の動きをモニターすることによる、呼吸同期法。撮影時間の延長や位置情報のずれなど、従来の息止め撮影での欠点を解消できる。(Siemens)
[←先頭へ]pacemaker (ペースメーカー:pacemaker)
電極を経静脈的に右心室へ挿入し、ミリボルトミリ秒単位で1分間70前後の頻度で、心臓を刺激する装置。埋め込み式と体外装着式のタイプがあり、不整脈患者の心拍の「歩調取り」に用いられる。ペースメーカーは精密な数多くの電子部品で構成されており、磁気的にも敏感であるため、装着者のMR検査と管理区域内への立ち入りは禁忌である。
[←先頭へ]PACS (PACS:picture archiving and communication system)
1980年代始め頃に提唱された病院内ネットワークの概念で、あらゆるデジタル画像データを院内各所でいつでも即時に利用できるようにするシステム。
[←先頭へ]PAN (PAN:primary archive node)
[←先頭へ]
pan/zoom (パン/ズーム:pan/zoom)
画像上の任意の表示視野を拡大する機能。
[←先頭へ]paradoxical enhancement artifact (paradoxical enhancement artifact)
ECVO法を用いた造影MRAにおいて撮像タイミングが早い場合、上流の太い血管が造影されないのに、下流の細い血管が造影されるという矛盾が起こること。smart prepやiDriveを用いたtest injectionで防止可能。
→ECVO
[←先頭へ]Parallel Imaging (Parallel Imaging)
SENSEを参照。
[←先頭へ]paramagnetic (じょうじせい:paramagnetic)
正の磁化率を持った物質(反磁性(diamagnetic)の反対)。常磁性の物質は、外部の磁界と方向が一致するため、その物質を含む組織の緩和時間に影響を与える。例えば、水に常磁性物質を加えると緩和時間が短くなる。
[←先頭へ]parameters (パラメータ:parameters)
スキャンに必要な設定値のこと。MRではCTなど他の画像診断装置と比較して、パラメータの種類が格段に多いため、装置や撮影部位に応じてパラメータを細かく設定する必要がある。
[←先頭へ]partial echo imaging (ぶぶんエコーイメージング:partial echo imaging)
[←先頭へ]
partial echo imaging (パーシャルエコーイメージング:partial echo imaging)
[←先頭へ]
partial flip angle method (パーシャルフリップアングル法:partial flip angle method)
[←先頭へ]
partial flip angle pulse (パーシャルフリップアングルパルス:partial flip angle pulse)
パーシャルフリップ角という言葉は、縦磁化を90°ではなく端数の角度(10°とか45°とか)に倒すRFパルスを使用する場合に用いる。パーシャルフリップ角は飽和効果による信号損失を最小にするために、GRE法では広く用いられている。
[←先頭へ]partial Fourier imaging (パーシャルフーリエイメージング:partial Fourier imaging)
[←先頭へ]
partial saturation (PS:partial saturation)
部分飽和。
[←先頭へ]partial saturation method (ぶぶんほうわほう:partial saturation method)
[←先頭へ]
partial saturation method (パーシャルサチュレーション法:partial saturation method)
MRIで頻用されるスピンエコー法では、撮像時間が長いという欠点があるが、TRをあまり短くすると信号強度が落ち画像が劣化する。そこで、用いている高周波パルスを短くして、ある角度(α)だけスピンを倒す(partial flip angle)と、TRを短くしてもスピンの回復は速く強い信号が得られる。この方法に傾斜磁場を反転させることによりエコーを得る方法(グラジエントエコー)を併用し、高速撮像を行うことができる。TR、TE,αを変えることによりT1及びT2強調画像を得ることができる。
[←先頭へ]partition (パーティション:partition)
[←先頭へ]
parts per million (ppm:parts per million)
100万分の1。
[←先頭へ]PAS (PAS:programmable anatomical scan)
スキャン前にあらかじめ目的部位毎の撮影条件などをプリセットする機能。(Toshiba)
[←先頭へ]passive shimming (じゅどうがたしみんぐ:passive shimming)
[←先頭へ]
passive simmming (パッシブシム:passive simmming)
磁石設置時に、シート状金属片を(一般には)MR装置の外側面のいくつかの部位に貼り付けることでなされるシミングの一方式。渦電流の影響を考慮する必要がない反面、調整が難しい。
[←先頭へ]PASTA (PASTA:polarity alterd spectral-selective acquisition)
binominal pulse(2項パルス)に分割した90°パルスで水を選択励起し、水強調画像を得る方法(相対的に脂肪抑制となる)。プリパルスを用いないため撮像時間の延長を伴わず、あらゆるシーケンスに応用できるが、磁場の不均一の影響を受けやすい。(Toshiba)
→ProSet、 WATS、 binominal pulse
[←先頭へ]PAT (PAT:Parallel Acquisition Technique)
SENSEを参照(Siemens)
[←先頭へ]PC (PC:phase contrast)
フェイズコントラスト法。血流の位相シフト特性に基づいたMRAの一手法。
[←先頭へ]PDU (PDU:power distribution unit)
MRシステム全体に電源を供給する装置。
[←先頭へ]PE (PE:phase encoding)
[←先頭へ]
peak specific absorption rate: peak SAR (ピークひきゅうしゅうりつ:peak specific absorption rate: peak SAR)
重量1gあたりの局所的な人体組織についての比吸収率のこと。単位は比吸収率と同じW/kg。比吸収率が全身に対する影響の安全基準を規定しているのに対して、ピーク比吸収は局所的な組織に対する影響が考慮されている。FDA(アメリカ食品医薬品局)とNRPB(英国放射線防護委員会)の勧告によるピーク比吸収率の安全基準値は、前者が2W/kg、後者が4W/kgである。
[←先頭へ]peak velocity (ピークりゅうそく:peak velocity)
組織の内腔中における最大流速で、層流においてはVmax=2×平均流速で表される。
[←先頭へ]perfusion weighted image (PWI:perfusion weighted image)
(毛細血管内血流を画像化する)拡散強調画像。DWIとは区別される。
[←先頭へ]peripheral gating (PG:peripheral gating)
脈波同期(法)。手足の指から心拍同期信号を検出する。
[←先頭へ]peripheral gating:PG (ペリフェーラルゲーティング:peripheral gating:PG)
中枢神経系の撮影に有用なMRゲーティング法。CSFフローによるアーチファクトを最小限に抑えることができる。通常は指先にパルスセンサを装着して血液の脈動をゲーティングする。
[←先頭へ]permanent current (えいきゅうでんりゅう:permanent current)
超電導状態で、Nb-Ti合金などが材料のコイルに、ほぼ永久的に流れ続ける電流のこと。
[←先頭へ]permanent magnet (えいきゅうじしゃく:permanent magnet)
残留磁気と保持力の大きな磁性材料。着磁されるとほぼ永久的に磁束を発生する。MR装置の主マグネットとしては、フェライトやNb-Fe-Bなどを材料とした永久磁石が使用される。特徴としては、洩れ磁場が少ないので設置面積を小さくできる、磁場維持のための電力・冷却が不要(維持費が安い)、磁場強度に技術的な限界がある(現状では0.4T)、磁場の均一性・安定性の点で超電導磁石にやや劣る。
[←先頭へ]permanent magnet (パーマネントマグネット:permanent magnet)
[←先頭へ]
PG (PG:peripheral gating)
脈波同期(法)。手足の指から心拍同期信号を検出する。
[←先頭へ]phantom (ファントム:phantom)
テスト撮像や実験で人体の代わりに使用する物体。MRではプラスチック容器に水を封入した水ファントムがよく使われる。
[←先頭へ]phase (いそう:phase)
周期的運動においてサイクル中の特定の位置を表す量。単位は回転の角度(ラジアンなど)。MRIにおいて、画像化される断層面内の各ボクセルは周波数に関する情報と位相に関する情報を持っている。90°パルスの後、静磁場に垂直な平面の磁化ベクトルは、はじめ同じ方向を向いて(つまり位相をそろえた状態で)ラーモア歳差運動をしている。しかし、各プロトンの受ける局所的な磁場強度が異なるために、それぞれの歳差運動の角速度も異なり、次第にそれぞれの核スピンの間の位相にずれが生じてくる。さらに血流や脳脊髄液のように傾斜磁場中を核スピンが動くことによっても位相がずれる。これを利用して位相ずれの大きさから流速を求めることができる。また、位相の変化や位相差を定量化して画像化(位相画像)することもできる。
[←先頭へ]phase angle (いそうかく:phase angle)
周期サイクルの固定した基準点に対するスピンの位置。
[←先頭へ]phase coherence (いそうコヒーレンス:phase coherence)
同一もしくは近似した周波数を持つ2つの信号の位相が揃っていること。ボクセル内のスピンが位相コヒーレンスを失うと、実質的な横磁化が減少するため、MR信号が弱くなる。
[←先頭へ]phase conjugate symmetry (いそうきょうやくたいしょう:phase conjugate symmetry)
[←先頭へ]
phase contrast (PC:phase contrast)
フェイズコントラスト法。血流の位相シフト特性に基づいたMRAの一手法。
[←先頭へ]phase contrast angiography:PC angiography (フェーズコントラストアンギオグラフィ:phase contrast angiography:PC angiography)
流速誘発位相シフトによって、流れている血液と静止組織を識別する2Dまたは3Dの撮影技法。PC−MRAは、バイポーラフローエンコーディンググラジェントの極性を反転させて、複数回収集したデータを互いに差し引いて画像を作成する。
[←先頭へ]phase contrast imaging (いそうコントラストイメージング:phase contrast imaging)
MRで各ピクセルの位相のずれを画像として表示するもの。傾斜磁場中をスピンが動くと、速度と方向に応じて位相の変異が生じる。この位相差を測定し、動きのある部分のみを画像化することができる。
[←先頭へ]phase contrast method:PC (いそうコントラストほう:phase contrast method:PC)
MRアンギオグラフィにおける撮影手技のひとつで、2DFT法、3DFT法の2種がある。頻用される3DFT法の利点としては、遅い血流の描出が良好で血流および撮像面の向きに影響を受けず、血流の流速ならびに方向に関する情報を定量的に得られることであるが、撮像時間が長く、高度の磁場均一性が必要である。
[←先頭へ]phase differencial (いそうさぶん:phase differencial)
PC−MRAでのフロー再構成法の1つで、スラブをディフェーズさせる傾斜磁場と位相補正を制御する。位相差分再構成では、ディフェーズ用傾斜磁場がオフ、位相補正がオンになる。
[←先頭へ]phase encoding (PE:phase encoding)
[←先頭へ]
phase encoding gradient (いそうエンコードじばこうばい:phase encoding gradient)
位相エンコーディングを行うためにかけられる磁場勾配。MRのスライス面で、周波数エンコーディング方向に対し垂直にかけられる。マトリックスはこの磁場勾配のステップ数に一致し、繰り返し時間、データ収集回数とともに撮影時間を規定する因子である。
[←先頭へ]phase encoding:PE (いそうエンコード:phase encoding:PE)
エコー信号の読み出し(read-out)に先だって、空間の特定の方向への傾斜磁場を作用させることによって、その方向への位置情報に対応する位相信号を与えること。静磁場と直交するx−y平面において、y軸に沿って磁場勾配Gyをτy時間だけ印加したあとでは、各核スピンの位相φyはy軸方向のそれぞれの位置yに応じてγ・Gy・y・τyだけ変化する(γ:磁気回転比)。励起の度にGyをある増分で変化させ、エンコード量の異なる信号を得る。これをフーリエ変換させることにより、最終的には各位相変化を通してそれぞれの核スピンのy軸上の位置情報を得ることができる。
[←先頭へ]phase offset multiplanar:POMP (ポンプ:phase offset multiplanar:POMP)
スキャン時間を延長させずに、指定したTRで収集可能なスライス数の3倍までの画像を収集する機能。
[←先頭へ]phase refocusing gradient magnetic field (いそうほしょうこうばいじば:phase refocusing gradient magnetic field)
スライス選択勾配磁場や読み出し勾配磁場のために生じる位相シフトを補償するために信号読みだし前に付加的に印加される勾配磁場。しかし、生体においては大血管での乱流のように、核スピンが加速度以上の高次の成分を有する場合があり、理想的な補償は難しい。
[←先頭へ]phase shift (いそうシフト:phase shift)
核スピンの位置情報を得るためには、スライス選択勾配磁場や読み出し勾配磁場が印加される。そのために静止系の核スピンの場合はその位置に応じて位相がずれてくる。さらに、この勾配磁場が印加されている際に、血流や脳脊髄液のように核スピンが移動すると、その位置での勾配磁場の強度に応じて核スピンの角速度は変化していき、位相はますますずれることとなる。これが位相シフトである。そのシフト量は勾配磁場の強度とその印加時間、核スピンの位置、速度、加速度さらに高次の成分などの関数として求められる。
[←先頭へ]phase shift method (PS法:phase shift method)
PC法とほぼ同じ。
[←先頭へ]phase-offset multiplaner (POMP:phase-offset multiplaner)
1つの合成された励起パルスで2つの異なる断層面を同時に励起する技術。(GE)
[←先頭へ]phased-array coil (フェーズドアレイコイル:phased-array coil)
フェーズドアレイコイルはいくつかの独立した小さな表面コイルからなり、おのおのの表面コイルは別の受信機に接続されている。各コイルは個別にプリアンプ、受信機、メモリー基盤を有している。このシステムでは、ひとつのコイルを単独で使用した場合のSNRに匹敵し、撮像時間を延長することなく大きい撮像野(例えば全脊椎)を得ることができるが、非常に高価である。
[←先頭へ]physiological acquisition controller:PAC (せいたいしゅうしゅうコントローラ:physiological acquisition controller:PAC)
システムが収集データをトリガするためにベローズ、ECGリード、フォトパルスセンサからのトリガ情報を収集してシステムに送信する装置。
[←先頭へ]PI (Parallel Imaging)
SENSEを参照。
[←先頭へ]Pianissimo (ピアニッシモ:pianissimo)
東芝が開発した、傾斜磁場コイルの周りを真空化(真空封入構造)、磁石から独立して支える(独立支持構造)構造により、MR装置が発生する騒音を最大90%減少させる技術。(Toshiba)
[←先頭へ]picture archiving and communication system (PACS:picture archiving and communication system)
1980年代始め頃に提唱された病院内ネットワークの概念で、あらゆるデジタル画像データを院内各所でいつでも即時に利用できるようにするシステム。
[←先頭へ]pixel (ピクセル:pixel)
画像マトリックスを構成している2次元の要素で、表示されたスキャン面のボクセル(体積要素)を2次元的に投影したもの。画素。
[←先頭へ]plasma touch display (プラズマタッチディスプレイ:plasma touch display)
画面上のパネルキーを、直接指で触れて操作できるディスプレイ。
[←先頭へ]plug flow (ていじょうは:plug flow)
全ての成分が同じ流速で動いている流れのこと。
[←先頭へ]polarity alterd spectral-selective acquisition (PASTA:polarity alterd spectral-selective acquisition)
90°パルスで水を選択励起させ、水強調画像を得る方法(相対的に脂肪抑制となる)。(Toshiba)
[←先頭へ]POMP (POMP:phase-offset multiplaner)
1つの合成された励起パルスで2つの異なる断層面を同時に励起する技術。(GE)
[←先頭へ]power distribution unit (PDU:power distribution unit)
MRシステム全体に電源を供給する装置。
[←先頭へ]ppm (ppm:parts per million)
100万分の1。
[←先頭へ]PrdxE (paradoxical enhancement artifact)
[←先頭へ]
preparation time (プリパレーションじかん:preparation time)
[←先頭へ]
presaturation (プリサチュレーション:presaturation)
通常のパルス系列の前に選択的に90°パルスを印加し、その部分の信号を抑制する方法。スライス面内に流入してくる血流や、スライス面内での動きによるアーチファクトの軽減などに用いられる。
[←先頭へ]presaturation (pre-SAT:presaturation)
SAT法。スピンの飽和を利用したフローアーチファクト対策。
[←先頭へ]presaturation pulse (プリサチュレーションパルス:presaturation pulse)
[←先頭へ]
prescan (プリスキャン:prescan)
MR装置は本格的に画像の撮像を始まる前に、撮像が正しく行われるようにいくつかの設定の較正を行わなければならない。この較正のことをプリスキャン(prescan)とよぶ。MR装置はこの間に4つの作業を実行する。1.コイルのチューニング2.中心周波数の設定3.送信電力減衰器の調整4.受信感度の調整。
[←先頭へ]primary archive device:PAD (プライマリアーカイブそうち:primary archive device:PAD)
収集データが最初に(自動的に)記憶されるアーカイブ装置のこと。
[←先頭へ]primary archive node (PAN:primary archive node)
[←先頭へ]
primary archive node (プライマリアーカイブノード:primary archive node)
ネットワーク上で、意図的にデータ記憶装置として定義されている1台のワークス
[←先頭へ]PROBE (PROBE:proton brain examination)
プロトンMRS自動化ソフトウェア。データ収集から処理までを自動で行う。(GE)
[←先頭へ]programmable anatomical scan (PAS:programmable anatomical scan)
スキャン前にあらかじめ目的部位毎の撮影条件などをプリセットする機能。(Toshiba)
[←先頭へ]projection-reconstruction imaging (プロジェクションリコンストラクションイメージング:projection-reconstruction imaging)
斜めの角度でスライスと平行に光線を当てて得た複数の投影プロフィールから、画像を作成する技法。
[←先頭へ]PROPELLER (Periodically Rotated Overlapping ParallEL Lines with Enhanced Reconstruction)
radial scanの一種で、bladeとよばれるデータ列がkspace内を回転しながらデータを収集する方法。体動補正効果や磁化率アーチファクトの低減などの利点を有する。従来の撮像法と比較すると、SNRは増加するが、空間分解能は低下する。また撮影時間の延長、エコートレインとバンド幅の変化によって実効TEが変化するためT2強調画像の収集以外には不向きという欠点がある。
[←先頭へ]ProSet (principle of selective excitation technique)
水選択励起による脂肪抑制法。PASTAを参照。
[←先頭へ]protocol (プロトコル:protocol)
ユーザーが独自に設定したパラメータプログラム。
[←先頭へ]proton brain examination (PROBE:proton brain examination)
プロトンMRS自動化ソフトウェア。データ収集から処理までを自動で行う。(GE)
[←先頭へ]proton decoupling (プロトンデカップリング:proton decoupling)
MRSの吸収線の幅を狭くし、共鳴信号を見やすく簡単にするための技術のひとつ。NMRの吸収線は、周囲の水素原子が作る磁場(双極子相互作用による磁場)によって分裂したり吸収線の幅が広くなっているため、スペクトルピークとして観測しにくいことがある。このとき、RFパルスを加えて水素原子の磁化を飽和させてやればこの結合を防ぐことができ、単純で解析しやすいスペクトルが得られる。この方法をプロトンデカップリングとよび、13Pや13C原子のMRSに用いられている。
[←先頭へ]proton density image:PDI (プロトンみつどぞう:proton density image:PDI)
撮像時にTRを長くしてTEを短くとると、T1・T2いずれの影響も少ない画像を得ることができる。この画像のコントラストは、主としてプロトンの量(密度)を反映している。スピン密度像(spin density image)とよぶこともある。
[←先頭へ]PS (PS:partial saturation)
部分飽和。
[←先頭へ]PS (PS:pubic symphysis)
恥骨結合。解剖学的ランドマークのひとつ。
[←先頭へ]PSIF (PSIF:mirrored FISP)
FISPの時間軸を逆にした高速スキャンシーケンス。T2強調度が強い。
→T2 weighting fast field echo、 T2-FFE
[←先頭へ]pubic symphysis (PS:pubic symphysis)
恥骨結合。解剖学的ランドマークのひとつ。
[←先頭へ]pulse length, pulse width (パルスちょう・パルスはば:pulse length, pulse width)
パルスの持続時間(msec)。
[←先頭へ]pulse sequence (パルスシーケンス:pulse sequence)
[←先頭へ]
pulse sequence (パルスけいれつ:pulse sequence)
MR信号の観測、画像化のためにはRF波や傾斜磁場パルスを組み合わせて用いなければならない。得られる信号は、各パルスのon/offのタイミングや振幅を、時間的にどのように組み合わせるかにより異なってくる。この各パルスに関する一連のタイムチャートのことをパルス系列という。
[←先頭へ]PWI (PWI:perfusion weighted image)
(毛細血管内血流を画像化する)拡散強調画像。DWIとは区別される。
[←先頭へ]Q |
quad scan (quad scan:quad scan)
RFパルスの波形、位相を制御して、4断面を同時に撮影する方法。T1強調画像が短時間で得られるので、腹部の息止め画像などに有用である。
[←先頭へ]quadrature detection coil (QDコイル:quadrature detection coil)
2対のリニア型RFコイルを互いに直交配置したコイル。各対で同時に得られるMR信号を90°位相差補正して足しあわせることにより、S/N比をroot・2倍に向上することができる。
[←先頭へ]quenching (クエンチング:quenching)
超電導磁石において、液体ヘリウムの基準量以下への低下やクライオスタットの真空度の低下など、何らかの理由により、コイルの一部で超電導状態の臨界点を超えて常電導状態へと移行して抵抗が生じると、発熱し常電導状態が全体に広がる。この時、急激な熱の発生により液体ヘリウムが爆発的に気化蒸散する。この現象をクエンチングという。
[←先頭へ]queue (キュー:queue)
イギリス英語で「待ち行列」のこと。アーカイブやバッチフイルム化で使用されるときは、処理されるのを待っている、一連の選択された画像のリストを指す。
[←先頭へ]Quiet Technology (quiet technology)
MR装置の静音化技術。pianissimoと類似。(GE)
[←先頭へ]QD coil (QDコイル:quadrature detection coil)
直角位相コイル。2対のリニア型RFコイルを互いに直交配置したコイル。各対で同時に得られるMR信号を90°位相差補正して足しあわせることにより、S/N比をroot・2倍に向上することができる。
[←先頭へ]R |
R to R(R-R) interval (R to R interval:R to R interval)
R−R間隔(心電波形のR波からR波まで)。
[←先頭へ]RACE (RACE:realtime acquisition and evaluation)
MRIによって血流信号をリアルタイムで測定する技術のひとつ。MR信号の位相は適当な傾斜磁場を印可することによって血流信号に比例させることができることので、血流速度を測定したり画像化することができる。画像化を行わない場合、ラインスキャン法を用いてデータを得ることにより血流計測をリアルタイムで行うことができる。選択されたスライス面に垂直な流れについては十分に定量性の良いデータが得られている。
[←先頭へ]radial scan (radial scan)
spiral scanと同義。
[←先頭へ]radio frequency (RF:radio frequency)
ラジオ波。
[←先頭へ]radio wave shield (でんぱシールド:radio wave shield)
MRIで用いられる共鳴周波数(静磁場強度に応じて数MHz〜数十MHz)は、商用放送や各種無線通信が使用する周波数帯域と重なっている。生体から発する微弱なMR信号に対して、これら外部からのノイズをできる限り遮断する必要があり、また高出力のRFパルスの外部への漏出も防止しなくてはならない。このために、撮影室全体あるいは患者とRFコイルの外周を銅またはアルミニウムの網や箔で完全に囲い、電気的に遮蔽する必要がある。これが電波シールドである。 §磁気シールド
[←先頭へ]radiofrequency pulse (ラジオパルス:radiofrequency pulse)
ラジオ波コイルからのパルスのことで、ラーモア周波数が正しく制御された場合、パルスの振幅と持続時間によって、特定の角度だけ巨視的磁気ベクトルを急激なRFエネルギーによって回転させる。MRIでは90°パルス、180°パルス、任意のフリップ角をいろいろな組み合わせで数百回励起し、画像データを作成する。
[←先頭へ]radiofrequency spoiled FAST (RF-FAST:radiofrequency spoiled FAST)
(Picker)
[←先頭へ]radiofrequency wave (RF:radiofrequency wave)
ラジオ波領域(数MHz〜数十MHz)の電磁波。MRIにおいては装置ごとの静磁場領域に応じてラーモア方程式で求められる共鳴周波数と同じ周波数のRF波により核スピンの励起が行われる。励起磁場、高周波磁場、回転磁場ともいう。実際にはパルス状に印加されるのでRFパルスともいう。
[←先頭へ]radiofrequency wave (ラジオは:radiofrequency wave)
周波数が300MHz以下の電磁波。MRIのラーモア周波数もラジオ波である。温熱治療などにも用いられる。
[←先頭へ]radiofrequency:RF (ラジオしゅうはすう:radiofrequency:RF)
核を励起し共鳴させるために使用される電磁波。
[←先頭へ]RAM-FAST (RAM-FAST:reduced acquisition matrix FAST)
(Picker)
[←先頭へ]ramped RF (ランプパルス:ramped RF)
3Dスキャンのスラブ内において、血流の流入部と流出部のフリップ角を変化させることにより、流出部の血流描出能を改善させる機能。公称フリップ角を20°とした2:1のランプパルスは、パルス印加口スライスのフリップ角が約13°、出口スライスのフリップ角が約27°になる。
[←先頭へ]rapid acquisition with relaxation enhancement (RARE:rapid acquisition with relaxation enhancement)
FastSE法の基礎となったシーケンス。ターボスピンエコー法(TSE)、ファストスピンエコー法(FSE)ともいう。マルチスピンエコー法で発生させたエコー信号にそれぞれ異なる位相エンコードを行い、1枚の画像化に必要なエコー信号を1回のTRの中で複数個収集する方法。これによって、従来のスピンエコー法よりスキャン時間をマルチエコーの個数(エコートレイン数:ETL)倍だけ短縮できる。異なるエコー時間を持った複数の信号から画像を作るため、画像コントラストを判断する手がかりとして実効TEというパラメータが定義される。スピンエコー法より脂肪組織の信号が高くなることと、磁化率の違いが反映されにくいことなどの特徴がある。
[←先頭へ]rapid imaging with spin echo (RISE:rapid imaging with spin echo)
[←先頭へ]
rapid scan (rapid scan:rapid scan)
高速GRE法。
[←先頭へ]rapid spin echo (RASE:rapid spin echo)
高速スピンエコー法。
[←先頭へ]RARE法 (RARE:rapid acquisition with relaxation enhancement)
FastSE法の基礎となったシーケンス。ターボスピンエコー法(TSE)、ファストスピンエコー法(FSE)ともいう。マルチスピンエコー法で発生させたエコー信号にそれぞれ異なる位相エンコードを行い、1枚の画像化に必要なエコー信号を1回のTRの中で複数個収集する方法。これによって、従来のスピンエコー法よりスキャン時間をマルチエコーの個数(エコートレイン数:ETL)倍だけ短縮できる。異なるエコー時間を持った複数の信号から画像を作るため、画像コントラストを判断する手がかりとして実効TEというパラメータが定義される。スピンエコー法より脂肪組織の信号が高くなることと、磁化率の違いが反映されにくいことなどの特徴がある。(Siemens)
[←先頭へ]RASE (RASE:rapid spin echo)
高速スピンエコー法。
[←先頭へ]raw data (ローデータ:raw data)
画像再構成をする前のスキャン生データ。
[←先頭へ]RC (RC:respiratory compensation)
呼吸体動補正。
[←先頭へ]Re (レイノルズ数:Reynold's number)
[←先頭へ]
readout gradient (リードアウトグラジェント:readout gradient)
MR信号を収集するときに印加するグラジェントパルス。周波数エンコーディングに使用。
[←先頭へ]real image (しんのがぞう:real image)
基準信号と位相が合っているフーリエ成分から作成される画像。画像を生成する真の成分とは、基準信号の位相と合っている磁気成分を指す。
[←先頭へ]realtime acquisition and evaluation (RACE:realtime acquisition and evaluation)
MRIによって血流信号をリアルタイムで測定する技術のひとつ。MR信号の位相は適当な傾斜磁場を印可することによって血流信号に比例させることができることので、血流速度を測定したり画像化することができる。画像化を行わない場合、ラインスキャン法を用いてデータを得ることにより血流計測をリアルタイムで行うことができる。選択されたスライス面に垂直な流れについては十分に定量性の良いデータが得られている。
[←先頭へ]realtime interactive imaging interactive scan (realtime interactive imaging interactive scan)
iDriveと類似。(Philips)
[←先頭へ]receive (レシーブ:receive)
ネットワーク上で他のワークステーションからのデータを受信すること。
[←先頭へ]receiver coil, antenna (じゅしんようこいる:receiver coil, antenna)
微弱なNMR信号を効率よく受信するためのコイルで、高周波送信用コイルを共有してもよいが、撮像部位によって専用の受信コイルをも備えている。いずれの場合もコイルの軸方向は静磁場と直交していなければならない。このため、静磁場方向と患者の体軸方向が直交する場合には感度のよいソレノイド型コイルを使えるが、両者が一致する場合には鞍型コイルを使用する(感度は落ちる)。また、感度をよくするための工夫として、表面コイル、クワドラチャ(quadrature:QD)検波(90°位相のずれた信号を加算して信号雑音比を上げる)や、フェーズドアレイコイル(phasedarray coil)などがある。
[←先頭へ]reconstruction (さいこうせい:reconstruction)
スキャン生データを表示画像にするまでの過程。
[←先頭へ]reconstruction time (リコンストラクションタイム:reconstruction time)
画像再構成完了までにかかる時間。近年のハード性能の急速な進歩に伴い、リコンタイムは桁違いに早くなった(以前は1枚の再構成に1分以上かかることが普通だった)。
[←先頭へ]rectangular field of view (RT:rectangular field of view)
長方形撮影視野における撮影。
[←先頭へ]rectangular FOV (くけいしやけいそく:rectangular FOV)
[←先頭へ]
rectangular FOV (レクタンギュラFOV:rectangular FOV)
通常のスキャン時間で2倍の分解能を達成する機能。被写体が視野よりも小さいとき、自動的に位相エンコード数を減らし、撮影時間を短縮する。
[←先頭へ]rectangular pixel (レクタンギュラピクセル:rectangular pixel)
通常のスキャン時間で2倍の分解能を達成する機能。
[←先頭へ]reduced acquisition matrix FAST (RAM-FAST:reduced acquisition matrix FAST)
(Picker)
→TurboFLASH、 turbo FLASH
[←先頭へ]reference image (リファレンスイメージ:reference image)
現在操作している画像のスタディ内で有効なシリーズの中に含まれる画像。
[←先頭へ]refocusing (リフォーカシング:refocusing)
グラジェントパルスまたはRFパルスによって位相コヒーレンス(位相間における一定の間隔)を回復すること。
[←先頭へ]reformat,reformation (リフォーマット、リフォーメーション:reformat,reformation)
既存の画像データを使って、新しい画像を作成する機能。例えば複数のアキシャル画像からサジタル画像として再構成すること。3DボリュームデータからリフォーマットすることをMPR(multi planar reconstruction)とよぶ。
[←先頭へ]region of interest:ROI (ロイ:region of interest:ROI)
関心領域。そもそもは画像上で診断上重要な領域、という意味だが、指定した領域の平均信号強度(CTの場合はCT値)の意味で使われることもある。
[←先頭へ]regional saturation technique (REST:regional saturation technique)
SAT法。スピンの飽和を利用したフローアーチファクト対策。
[←先頭へ]relaxation velocity,relaxation rate (かんわそくど、かんわりつ:relaxation velocity,relaxation rate)
緩和時間の逆数。
[←先頭へ]relaxation,relaxation time (かんわ、かんわじかん:relaxation,relaxation time)
核スピンがRFパルスのエネルギーを吸収して励起された後に、そのエネルギーをラーモア周波数と同一周波数の電磁波として放出しながら、元の平衡(定常)状態に戻っていく過程を緩和という。そして、この緩和過程の時定数を緩和時間(核の63%がもとの状態に戻る時間)とよび、その逆数を緩和速度という。その過程には縦緩和と横緩和がある。このふたつの現象は同時に起きているが、互いに全く独立した現象である。
[←先頭へ]relaxivity (かんわど:relaxivity)
MRI用コントラスト増強剤が水溶液・組織のT1・T2を短縮する効果を評価する指標が緩和度である。緩和度Rは次式で示される。 1/T=1/To+R*C (Tは観測される緩和時間、Toは物質固有の緩和時間、Cはコントラスト増強剤の濃度)。水溶液あるいは組織におけるコントラスト増強剤の濃度1mol/lあたりに促進される緩和速度で定義される。
[←先頭へ]rematrix (リマトッリクス:rematrix)
斜めの角度でスライスと平行に光線を当てて得た複数の投影プロフィールから、画像を作成する方法。
[←先頭へ]remove (リムーブ:remove)
データを消去すること。
[←先頭へ]reordering (リオーダリング:reordering)
位相エンコード傾斜磁場(Gy)の順序を入れ替える技術。ターボFLASHに用いて、T1の短い組織のコントラストを本来の白から黒にするなど目的の組織の信号強度を変えたり、データを少しずつ小分けに収集して、都合の良いようにk空間を埋め(セグメントk−space法)、心電図同期下の撮像を可能にする。
[←先頭へ]repetition pulse:TR (くりかえしじかん:repetition pulse:TR)
パルス系列において、ひとつのRFパルスの組み合わせが繰り返される基本周期(時間間隔)のこと。スピンエコー法においては、90°パルスと次の90°パルスまでの時間。
[←先頭へ]repetition time (TR:repetition time)
繰り返し時間。励起パルスから次の励起パルスまでの時間。
[←先頭へ]rephasing (リフェージング:rephasing)
MRIでは、エコー信号採取時(TE)にプロトンの位相が0でなければ信号の低下を招く。信号採取時に、バラバラになっていた核スピンのx−y平面上の投影成分の向き、すなわち位相を再びそろえること、またはそのような状態にするための処理操作をリフェージングという。一般にスピンエコー法では、エコー信号採取時に使用する読み出し傾斜磁場(Gx)自体が位相のずれを招くために、90°パルスと180°パルスの間にあらかじめGxをかけて、位相をずらして補正している。さらに動体に対してのリフェージングは、補正磁場を増加することによって行う。
[←先頭へ]rephasing gradient (リフェージンググラジェント:rephasing gradient)
印加された特定の励起パルスと反対の方向に印加して、グラジェント誘発位相シフトを矯正するグラジェント。
[←先頭へ]report pixel (レポートピクセル:report pixel)
任意のピクセル領域(通常は10×10)の濃度をチャートで表示する機能。
[←先頭へ]resistive magnet (じょうでんどうじしゃく:resistive magnet)
常温下で、電線を何重にも輪状に巻いたコイルに電流を流すことで磁場を発生させる磁石。常電導磁石では、電線の抵抗が0でないため、電流が流れているときにだけ磁場が生じ、電流を切ると磁場は消滅する。大量の熱を発生するため冷却装置が必要である。常電導磁石を利用するメリットは現在ではほとんどないため、超電導磁石や永久磁石が主流になっている。
[←先頭へ]resistive magnetic substance (じょうじせいたい:resistive magnetic substance)
磁場の中に置かれた場合、磁場と同方向に磁化されるが、磁場を取り除くと磁化が消失する物質。スピン量子数が0でない核種(1H、31Pなど)や不対電子対をもつ遷移金属イオン(Cr3+,Mn2+,Fe2+,Fe3+,Gd3+など)が常磁性体に含まれる。遷移金属イオンは磁性造影剤として用いられる。常磁性体の中で特に強く磁化されるものを超常磁性体(superparamagnetic substance)とよぶ。常磁性や反磁性は可逆的な性質で、磁場を取り去ると磁性は失われる。
[←先頭へ]resolution (レゾリューション:resolution)
[←先頭へ]
resolution (ぶんかいのう:resolution)
異なる物理的変化を識別する能力のこと。画像診断では空間分解能とコントラスト分解能(濃度分解能)が問題となる。前者は異なる2点をそれぞれ別のものとして識別する能力であり、後者は質量の差などを画像の濃度差として識別する能力である。
[←先頭へ]resonance (きょうめい:resonance)
原子核の共鳴周波数と同じ周波数を与えることにより起こるエネルギー変化。MRでは、共鳴周波数と同じRFパルスを加えることにより核を共鳴させる。このRFパルスを印可することにより、核は低エネルギー状態から高エネルギー状態へ変化する。
[←先頭へ]respiratory compensation (レスピレトリコンペンセーション:respiratory compensation)
呼吸体動補正機能。患者の胸部にベローズを装着して、呼吸による体動で発生するゴーストを最小限に抑えることができる。
[←先頭へ]respiratory compensation (RC:respiratory compensation)
呼吸体動補正。
[←先頭へ]respiratory motion artifacts suppression technique (RMAST:respiratory motion artifacts suppression technique)
呼吸モーションアーチファクト補正。
[←先頭へ]REST (REST:regional saturation technique)
SAT法。スピンの飽和を利用したフローアーチファクト対策。(Philips)
[←先頭へ]restore (リストア:restore)
光磁気ディスクまたは磁気テープから、システムディスクにデータを移し直す機能。
[←先頭へ]retrieve (よみこみ:retrieve)
光磁気ディスクまたは磁気テープからシステムディスクにデータを移し直す機能。
[←先頭へ]retrospective gating (レトロスペクティブゲーティング:retrospective gating)
[←先頭へ]
Reynolds number (レイノルズすう:Reynolds number)
組織の乱流を予測するのに使用する数値で、フロー密度、流速、管組織の直径を動粘度で割った値。Re=ρdV/η(ρ:液体の密度、η:液体の粘調度、d:血管径、V:血流速度)。レイノルズ数が2000以下のときは層流、2500を超えると乱流を伴う血液を示す。
[←先頭へ]RF (RF:radio frequency)
ラジオ波。
[←先頭へ]RF magnetic field (こうしゅうはじば:RF magnetic field)
[←先頭へ]
RF shield (RFシールド:RF shield)
[←先頭へ]
RF-FAST (RF-FAST:radiofrequency spoiled FAST)
→SPGR、 SPGR
[←先頭へ]RFシールド (RFシールド:RF shield)
高周波遮蔽。
[←先頭へ]RF波 (RF wave:radiofrequency wave)
ラジオ波領域(数MHz〜数十MHz)の電磁波。MRIにおいては装置ごとの静磁場領域に応じてラーモア方程式で求められる共鳴周波数と同じ周波数のRF波により核スピンの励起が行われる。励起磁場、高周波磁場、回転磁場ともいう。実際にはパルス状に印加されるのでRFパルスともいう。
[←先頭へ]RISE (RISE:rapid imaging with spin echo)
[←先頭へ]
rise time (たちあがりじかん:rise time)
傾斜磁場が最大強度に達するまでの時間。この時間が短いほど高性能である。例えばEPIのような超高速撮影では非常に短い立ち上がり時間が要求される。
[←先頭へ]RMAST (RMAST:respiratory motion artifacts suppression technique)
呼吸モーションアーチファクト補正。(Toshiba)
[←先頭へ]ROI (ROI:region of interest)
関心領域。
[←先頭へ]room shield (ルームシールド:room shield)
磁気シールドの一方式。軟鉄などの磁性体プレートを撮影室の天井・壁・床の6面全部(場合によっては一部)に張り付ける。撮影室外への磁場漏洩がない、磁性材の荷重が一点に集中しないなどの特徴がある。しかし、重い磁性体のために建屋の補強が必要となったり、撮影室内での作業に注意を要するなどの欠点もある。
[←先頭へ]rotating frame (かいてんざひょうけい:rotating frame)
ある基本となる座標軸に対し、原点と回転軸を共通にして回転している座標系。静磁場Boの方向を向く座標軸の周りに磁化ベクトルのラーモア周波数と同一の周波数で回転する座標系を用いると、磁化ベクトルの緩和現象を単純化して説明できる。
[←先頭へ]rotating frame of reference (かいてんきじゅんフレーム:rotating frame of reference)
核の歳差(ラーモア)周波数でBo軸の周りを回転する基準フレーム。
[←先頭へ]RT (RT:rectangular field of view)
長方形撮影視野における撮影。
[←先頭へ]run down button (きんきゅうせいじばしょうじボタン:run down button)
超電導マグネットをクエンチさせて、強制的に静磁場を消滅させるボタン。緊急時(例えば患者が酸素ボンベとマグネットに挟まれた場合など)に緊急的に使用されるが、再び超電導状態に復旧するには多くの時間(2週間程度)と費用がかかる。
[←先頭へ]rundown (ランダウン:rundown)
システムが「落ちる」こと。クエンチングと同義に使われることもある。
[←先頭へ]RMC (RMC:Realtime Motion Correction)
アーチファクトの原因となる患者の体動を、リアルタイムに補正する技術。(Toshiba)
[←先頭へ]S |
sagittal plane (サジタルめん:sagittal plane)
身体を左右に分割するスキャン面。
[←先頭へ]SAR (SAR:specific absorption rate)
RF信号の人体への吸収エネルギー(W/kg)の大きさを示す数値。
[←先頭へ]SARGE (SARGE:steady-state acquisition with rewinded gradient echo)
SSFPの原理を利用した高速撮影法。(Hitachi)
[←先頭へ]SAT (SAT:presaturarion)
フローアーチファクト対策。MRで高速血流により生じるアーチファクトをスピンの飽和を利用して最小限に抑える。(GE)
[←先頭へ]saturarion (ほうわ:saturarion)
静磁場の方向(z軸のプラス方向)と、その反対方向(z軸のマイナス方向)を向く核スピンの数が同数存在して、磁化が完全に消失した状態。静磁場中の核スピンに強いRF波を印加し続けると、静磁場方向を向いた低いエネルギーレベルの核スピンは次々に励起され、これは静磁場方向とその反対方向の核スピンの数が等しくなるまで進行し、それ以降は見かけ上エネルギーの吸収は起こらなくなる。この状態が飽和である。通常のMRIにおいて90°パルスを印加した場合は、巨視的磁化ベクトルのz軸方向の成分(縦磁化)は0であるが、x−y平面上の成分(横磁化)は存在するので飽和とは異なる。
[←先頭へ]saturated protons (ほうわプロトン:saturated protons)
RFパルスによって励起されたため、後続の励起に対して横磁化を発生しないプロトン。例えば、1つのスライス内(飽和パルス)で励起された流動プロトンは、次のスライスに達するまでは完全には緩和しない。これらのプロトンからは、RFパルスをもう1度印加しても有意な信号は発生しない。
[←先頭へ]saturation (サチュレーション:saturation)
組織のT1より短い時間内で高周波(RF)パルスを繰り返し印加し、正味磁気と静磁場が不完全に整列する状態を作ること。
[←先頭へ]saturation pulse (サチュレーションパルス:saturation pulse)
スライスごとに印加するRFパルスで、通常はその後にディフェージンググラジエントを印加して、スピンを飽和させて信号を抑制する。スライス方向の流動血液やスライス面の脂肪からの信号を抑制するのに使用される。
[←先頭へ]saturation tagging (サチュレーションタッギング:saturation tagging)
[←先頭へ]
save (セーブ:save)
画像データを外部記憶装置に保存すること。ストアと同じ。
[←先頭へ]scalar coupling (スカラーカップリング:scalar coupling)
[←先頭へ]
scan (スキャン:scan)
画像データを収集すること。
[←先頭へ]scan data (スキャンデータ:scan data)
再構成前のローデータなどのデジタル信号のこと。
[←先頭へ]scan FOV (スキャンFOV:scan FOV)
有効視野。スキャンによるデータ収集領域のこと。
[←先頭へ]scan time (スキャンタイム:scan time)
データ収集時間。
[←先頭へ]screen save (スクリーンセーブ:screen save)
処理中の画像を保存する機能。WW、WLやコメントなどの画像情報もそのまま保存でき、後に読み出し可能である。
[←先頭へ]SE (SE:spin echo)
スピンエコー。
[←先頭へ]segment k-space method (セグメントk−spaceほう:segment k-space method)
画像のデータ収集の際、k空間でのデータをいくつかの領域に分割(セグメント化)し、セグメントごとに順次データを取り込んでいく方法。実際には、画像を作成するために必要なデータをいくつかのシリーズ(TRや心周期)に分割して収集する。FastSE、segmented Turbo−FLASHや Multishot EPIなどがこの分類に入る。この技術により息止め可能な時間内で心位相の時間分解能の高い画像を撮像し、冠動脈の描出が可能となっている。この方法により心臓のシネ撮像も可能である。
[←先頭へ]selective excitation (せんたくれいき:selective excitation)
均一静磁場内においた被写体に対して、z軸方向に線形傾斜磁場をかけた状態で周波数にある特定の幅を持たせたRFパルス(選択励起パルス)を印加すると、z軸方向で対応する位置にあるスライス面内の核スピンのみを選択的に励起することができる。励起されるスライスの厚さは傾斜磁場強度とRFパルスの周波数の幅により決まり、実際には周波数領域に関してフーリエ逆変換により求められるsinc関数で振幅変調した特殊な形状をしたRF波が印加される。この方法は、MRIにおけるスライス設定の方法として、現在一般的に用いられている方法である。これに対して、傾斜磁場を用いずに、静磁場強度に応じた単一周波数のRF波を印加すると、均一静磁場中の被写体全体の核スピンが励起される(非選択励起)。
[←先頭へ]selective excitation and dispersion (せんたくれいきぶんさんほう:selective excitation and dispersion)
化学シフト画像を得るための一手法。
[←先頭へ]selective excitation pulse (せんたくれいきパルス:selective excitation pulse)
ある一定の周波数で歳差運動をしているプロトンに対して、それらのみを選択的に励起させるためのラジオ波のことで、磁場の強さと核種によりその周波数が決定される(ラーモア周波数)。
[←先頭へ]selective irradiation (せんたくしょうしゃ:selective irradiation)
[←先頭へ]
selective saturation (せんたくほうわほう:selective saturation)
化学シフト画像を得るための一手法。
[←先頭へ]self shield (セルフシールド:self shield)
磁気シールドの一方式。ヨーク材とよばれる軟鉄などの磁性材をマグネット本体の外周に装着するヨーク型磁気シールドや、コイル全体を鉄で覆った直付型磁気シールドがある。撮影室の構造を簡素化でき、小さなスペースへのMRI装置の導入が可能となった。他にも装置周辺での作業が比較的安全である、などの利点があるが、装置の総重量が重くなり、床の一部に荷重が集中するといった問題点もある。
[←先頭へ]SENSE (SENSE:Sensitivity Encoding)
複数の受信コイル(フェイズドアレイコイル)を用いた高速撮影法。リファレンススキャンで得られた感度分布マッピングを用いて、間引いた位相エンコーディングステップ数で生じる折り返しアーチファクトを補償する。パルスシーケンスの変更が不要なため、あらゆるシーケンスへの応用が可能で、特に心臓や大血管、胸腹部対象の高速撮影をさらに短時間とする目的の他、表面コイル特有の信号不均一性の補償やETL減少、TR延長による画質改善、SARの低下というメリットもある。撮影時間の短縮率は「1/コイルの素子数」となるが、SNRもコイル数に応じて減少する。(Philips)
→ASSET、 PAT、 SPEEDER、 Parallel Imaging、 PI、 Syncra Scan
[←先頭へ]sequential IR (シーケンシャルIR:sequential IR)
180°−90°−180°のRFパルスをスライスごとに照射する方法。一般のIR法においては、はじめに全体積領域を一度に180°パルスで反転させ、その後それぞれの面に90°パルスを加えて信号を取り出している。
[←先頭へ]series binding (シリーズバインディング:series binding)
同一シリーズ内の画像のみではなく、同一スタディ内の全画像をページングする表示機能。
[←先頭へ]server (サーバー:server)
ネットワークを通じて他のコンピュータから要求を受け、処理するコンピュータ。
[←先頭へ]SGC (SGC:shielded gradient coil)
シールド型グラジエントコイル。
[←先頭へ]shared echo (シェアードエコー:shared echo)
一回のスキャンで2種類のコントラストの画像を得るために、同じエコー信号のデータを共有する撮像方法。
[←先頭へ]shear rate (せんだんレート:shear rate)
組織壁に垂直な流速グラジェントのこと。
[←先頭へ]shear stress (せんだんおうりょく:shear stress)
血液の分子間または分子と組織壁との間に発生する摩擦力。
[←先頭へ]shell (シェル:shell)
ユーザーが入力したコマンドを1行ずつ解釈して実行するプログラム。
[←先頭へ]shelter effect (しゃへいこうか:shelter effect)
分子中の原子は、一般に他の原子と価電子を共有して結合している。これがある静磁場B0中に置かれると原子核の周りを回る価電子の起動はB0に直交することとなり、原子核の周囲にはB0 と反対方向の微小磁場が誘導される。したがって、この原子核が実際に感じる磁場強度B0よりも若干小さくなる。これが価電子による遮蔽効果である。この効果の大きさは、価電子による共有結合の強さで決まる性質がある。
[←先頭へ]shielded gradient coil (SGC:shielded gradient coil)
シールド型グラジエントコイル。
[←先頭へ]shielded gradient coil:SGC (シールドがたけいしゃじばコイル:shielded gradient coil:SGC)
傾斜磁場のスイッチングのたびに誘起される渦電流の発生を抑制する目的で、傾斜磁場コイルと主マグネットの間に設けられるキャンセル用コイル。傾斜磁場コイルに流した電流と逆方向に電流を流し、クライオスタット側への漏洩電流を打ち消す。ノイズの低下、分解能の向上、画像歪みの抑制などの効果がある。
[←先頭へ]shim coil (シムコイル:shim coil)
静磁場の空間的な不均一を改善するために補正磁場を発生させる調整用コイル。このコイルに流す電流値の調整によりシミングを行う。通常、主磁石本体に独立した10〜20数個の多チャンネルシムコイルが配置されている。たいていのMRSの測定ではデータの採取に先立ち、さらに注意深いシミングがなされ、この処理は手動または自動で行われ、完了するのに3〜10分程度を要する。シムコイルには常電導コイルと超電導コイルあるいは両者が用いられる。
[←先頭へ]Shimadzu minimum angle shot (SMASH:Shimadzu minimum angle shot)
FastGRE法。
[←先頭へ]Shimadzu motion artifact rejection technique (SMART:Shimadzu motion artifact rejection technique)
フローアーチファクト補正。
[←先頭へ]shimming (シミング:shimming)
MR装置の主マグネットにより発生する静磁場の空間的な不均一を補正し、均一度を向上させるための調整操作をシミングという。一般には、シムコイルに流す電流値操作により補正適時場を変化させて、静磁場均一度を調整する。
[←先頭へ]short TI inversion recovery (STIR:short TI inversion recovery)
反転回復時間を脂肪の信号を抑制するように設定したIR法。
[←先頭へ]short TI-IR method: STIR (ショートTI−IR(STIR):short TI-IR method: STIR)
反転回復(IR)法は、スピンエコー(SE)法の前に180°パルスをかけてスピンエコーをz軸方向に反転させるもので、T1強調画像を得るためにTI(反転時間)を生体のT1値の範囲内に設定するが、TI−IR法ではTIを生体の多くのT1値より短く設定することによりT1およびT2の長い組織の信号強度を増加をさせ、多くの病変を高輝度に描出することができる。
[←先頭へ]shots, number of shots (ショット:(number of)shots)
マルチショットEPIで設定する値。スキャン時間はTR×shot数×NEXであるため、shot数が少ないほどスキャン時間が短くなる(ETLが長くなる)。このときのETLは総フェーズエンコーディング数/shot数で表され、shot数が増えると実効エコー間隔(ESP)は短くなる。
[←先頭へ]shutdown (シャットダウン:shutdown)
ソフトウェアを正規の手順で停止させ、ファイルを閉じてオフラインで保存すること。
[←先頭へ]signal intensity (しんごうきょうど:signal intensity)
MRIの信号強度は、X線CTにおけるCT値とは異なり、同一被写体であっても測定の条件のよって変わり得るので、画像上のピクセル値は、対象ボクセルからの信号強度値を元にした相対的な値でしかない。この信号強度値に影響を与える因子としては、生体組織に由来するもの、パルス系列の選択およびそのパラメータ、そして装置の調整状態に基づくものなどを挙げることができる。生体組織のプロトン密度・T1値・T2値、流れに関する情報、拡散係数などが生体組織固有の因子であり、パルス系列の種類とTE・フリップ角・FOV・スライス厚などがコントロール可能なスキャンパラメータである。さらに、静磁場強度およびその均一度、RFパルス送信の精度、コイルの感度、受信系の増幅度、チューニングの状態などが装置に依存するものである。
[←先頭へ]signal tagging with alternating RF (STAR:signal tagging with alternating RF)
[←先頭へ]
signal to noise ratio (SN比、SNR、S/N:signal to noise ratio)
信号雑音比。大きいほど画質が向上する。
[←先頭へ]signal to noise ratio:S/N ratio:SNR (しんごうざつおんひ:signal to noise ratio:S/N ratio:SNR)
真の信号量とそれに重なっているノイズ量との比(SN比、S/N)。真の信号強度を、患者のプロトンから発する信号強度を患者のノイズや、電子機器に内在する電子的ノイズの大きさで割ったもの。SNRを改善するには、サーフェイスコイルの使用、きめの粗いマトリックス(大きいボクセル)の選択、励起回数(NEX、NAQ)を増やす、などがある。
[←先頭へ]single shot echo planer imaging (シングルショットEPI:single shot echo planer imaging)
1回の励起パルスで画像構成に必要なすべてのデータを収集する超高速スキャン法。マルチショットタイプEPIよりSN比で劣るが、数10ミリ秒単位の撮影が可能である。
[←先頭へ]single shot FSE (SSFSE:single shot FSE)
1つのTR内で、k空間の全てのラインのデータ(位相エンコードステップ)を充填する、シングルショットのFSE法。数秒以内のスキャンが可能。
[←先頭へ]single shot TSE (SSTSE:single shot TSE)
SSFSEと類似。
[←先頭へ]SINOP (simultaneous acquisition of in-phase and opposed-phase images)
1回の励起でダブルエコーを収集するGREシーケンス(in-phase画像とopposed-phase画像を、同時に作成)。サブトラクション画像を作成することで、微少脂肪の検出に優れるが、脂肪量の推定は不可。(Siemens)
[←先頭へ]slab (スラブ:slab)
3D撮影におけるスライス方向傾斜磁場領域の長さ(厚さ)。
→3Dイメージング、 FOVz
[←先頭へ]slew rate (スリューレート:slew rate)
傾斜磁場強度をそれに要する立ち上がり時間で割った値(T/m/sec)。傾斜磁場システムの性能を示すひとつの量である。この値が高く、かつ最大傾斜磁場強度も大きい場合には、単位時間当たりの磁場変動(dB/dT)が大きくなり、SARの増大や末梢神経への刺激によって、患者の安全性が損なわれる可能性がある。
[←先頭へ]slice encoding (スライスエンコーディング:slice encoding)
3D撮影ではスライス方向にもエンコードが行われ、実行するスライスエンコーディングの回数により、1つのスラブ内に任意のスライス数を設定できる。この場合のスキャン時間は次のように設定される。 3Dscantime=TR×位相エンコーディング数×スライスエンコーディング数×NEX3Dで収集した画像は、スライス間のギャップがなくてもクロストークアーチファクトが発生せず、薄い隣接スライスを収集できる。
[←先頭へ]slice gap (スライスギャップ:slice gap)
隣り合うスライスの間隔。
[←先頭へ]slice interval (スライスインターバル:slice interval)
一般的には、スライス厚とスライスギャップの合計をインターバルと称するが、まれにスライスギャップのみを指すこともある。
[←先頭へ]slice selective (スライスせんたく:slice selective)
スライス選択傾斜磁場に沿ったスキャン方向。通常はスキャンレンジの方向に対応する。
[←先頭へ]slice selective gradient magnetic field (スライスせんたくけいしゃじば:slice selective gradient magnetic field)
断層面の垂直方向に線形勾配磁場を加えて静磁場に重畳すると、共鳴周波数は磁場勾配方向に変化する。この系にある周波数帯域のラジオ波を照射すると、共鳴周波数が一致した厚みの領域のみ(すなわちスライス)が励起される。
[←先頭へ]slice thickness (スライスあつ:slice thickness)
CTやMRIなど二次元断層像を得る画像診断法における断層像の厚さ。通常の画像では5〜10mm程度が一般的である。スライス厚を薄くすることによりスライス方向の空間分解能は向上するが、S/N比が下がるので一般的に画質は劣化する。
[←先頭へ]slice-selective off-resonance sinc pulse-saturation transfer contrast (SORS−STC:slice-selective off-resonance sinc pulse-saturation transfer contrast)
[←先頭へ]
sloped slab profile (SSP:sloped slab profile)
スラブ内のRF励起プロファイルを血流方向に依存した傾斜を持たせることによって、多重励起による血流信号の飽和を抑制する手法。末梢血管のコントラスト改善に効果がある。
[←先頭へ]small tip angle gradient echo (STAGE:small tip angle gradient echo)
ローアングル励起によるGRE法。T1コントラストが強調される。
[←先頭へ]SMART (SMART:Shimadzu motion artifact rejection technique)
フローアーチファクト補正。(Shimadzu)
[←先頭へ]SMASH (SMASH:Shimadzu minimum angle shot)
FastGRE法。(Shimadzu)
[←先頭へ]SMPTE pattern (SMPTEパターン:SMPTE (Society of Motion Picture and Television Engineers) pattern)
CRTの画質特性を簡便に検査するために用いる画像パターン。
[←先頭へ]SN (SN:sternal notch)
胸骨上端(鎖骨、胸骨の結合によるくぼみ)。解剖学的ランドマークのひとつ。
[←先頭へ]SN比 (SN比:signal to noise ratio)
SNR、S/N。信号雑音比。大きいほど画質が向上する。
[←先頭へ]software (ソフトウェア:software)
ハードウェアと対比した用語で、ディスクに格納されたコンピュータ言語によるプログラム。
[←先頭へ]solenoid type coil (ソレノイドがたコイル:solenoid type coil)
受信用のRFコイルは静磁場の方向に対して直角に置かなければならないため、縦磁場装置(永久磁石型、一部の超電導型)では、このタイプのコイルを使用する。水平磁場装置で使用されるサドル型コイルに比べ、SN比がroot・2倍である。
[←先頭へ]SORS-STC (SORS-STC:slice-selective off-resonance sinc pulse-saturation transfer contrast)
TONEと類似。3DTOFMRAの末梢描出能改善法。(Toshiba)
[←先頭へ]source (ソース:source)
ネットワーク上での、データ発信元。
[←先頭へ]spacing, inter scan spacing (スペーシング:spacing)
[←先頭へ]
SPAMM (SPAMM:spatial modulation of magnitization)
心機能解析の1手法。(GE)
[←先頭へ]spatial filter (くうかんフィルタ:spatial filter)
空間周波数の高域を強調するフィルタ(画像が鮮明になる)。
[←先頭へ]spatial modulation of magnitization (SPAMM:spatial modulation of magnitization)
心機能解析の1手法。
[←先頭へ]spatial resolution (くうかんぶんかいのう:spatial resolution)
コントラスト差が十分にある対象をスキャンあるいは撮影した際、どれだけ小さいものまで描出できるかを示す能力のこと。隣接している2つの点を個別かつ明瞭に識別できるときの2点間の距離で表す。この値が小さいとき「空間分解能が高い」という。
[←先頭へ]specific absorption rate (SAR:specific absorption rate)
RF信号の人体への吸収エネルギー(W/kg)の大きさを示す数値。
[←先頭へ]specific absorption rate: SAR (ひきゅうしゅうりつ:specific absorption rate: SAR)
生体組織に対して、単位質量・単位時間当たりに与えられる電磁エネルギーのこと。単位は、W/kgまたはJ/sec/kg。MRIにおいてはRFパルスの印加より、人体1kgが1secあたりに吸収する熱量(W/kg)。FDAとNRPBの勧告によるSARの安全基準値は、現在のところ両者ともに0.4W/kgである。
[←先頭へ]spectral editing (スペクトラルエディティング:spectral editing)
スペクトロスコピーの測定において、特定のピークが持つ位相情報をコントロールすることで必要とするピーク情報のみを抽出する方法。例えば、プロトンスペクトロスコピーでは測定シーケンスの時間パラメータを制御し、脂肪信号と同じ位置に現れる乳酸の位相を変えることができる。スピンエコー法ではエコー時間135msecと270msecの2つのデータを収集し、互いに引き算して乳酸の信号のみを得ることができる。
[←先頭へ]spectral pre-saturation with inversion recovery SPectrally selective Inversion Recovery (SPIR:spectral pre-saturation with inversion recovery SPectrally selective Inversion Recovery)
ケミカルシフトを利用した脂肪抑制法。脂肪に周波数が調整された周波数選択性のRFパルスを事前励起的に照射する。
[←先頭へ]spectroscopic image (スペクトロスコピックイメージ:spectroscopic image)
[←先頭へ]
spectroscopy (スペクトロスコピー:spectroscopy)
分子内での結合位置の違いにより原子核の共鳴周波数は、その原子核本来の共鳴周波数から少しだけずれるという化学シフトを観測し、その大きさと信号強度から生体中の分子の種類や成分を調べることができる。これがNMRスペクトロスコピーである。
[←先頭へ]SPEED (swap phase encode extended data)
FBI(flesh blood imaging)の応用技術で、1回の撮像で位相−周波数エンコード方向を交換した収集を行い、これを重ねて投影することによって、血管の走行に依存しない血管像を得る手法。(Toshiba)
→FBI
[←先頭へ]SPEEDER (SPEEDER:SPEEDER)
SENSEを参照(Toshiba)
[←先頭へ]SPGR (SPGR:spoiled GRASS)
スポイラーパルスを用いて強制的に残存横磁化をdephaseさせて、T1強調度を高めた高速スキャンシーケンス。
→CE-FFE-T1、 FLASH、 RF-FAST、 T1-FFE
[←先頭へ]SPGR cine (SPGRシネ:SPGR cine)
SPGRシーケンスにシネイメージングオプションを組み合わせて、肝臓、脳、心臓などのT1強調画像をシネ表示する機能。
[←先頭へ]spin (スピン:spin)
量子力学において、素粒子の自転する性質をスピン磁気モーメントまたは単にスピンとよぶ。MRIにおいては特に原子核の核スピンが重要であり、これが磁気共鳴現象の基礎となっている。電子の動きを原子核の周りの回転運動とするモデルを考えると、磁気量子数は原子の周りを回っている原子自身の自転(スピン)というモデルで考えられるため、スピンと名付けられている。原子核のスピンは原子のそれよりも約1/1000小さい。磁気モーメントの大きさと向きを考慮したモデルを考えるとき、これを磁気ベクトルとよぶ。
[←先頭へ]spin density (スピンみつど:spin density)
単位体積中の磁気共鳴を起こさせる対象各種の核スピンの数。MRIにおいてはプロトン密度に等しい。
[←先頭へ]spin density image (スピンみつどぞう:spin density image)
[←先頭へ]
spin echo (SE:spin echo)
[←先頭へ]
spin echo:SE (スピンエコー:spin echo:SE)
スピンの磁化を観測するための一方法。現在最も一般的に用いられるパルス系列で、90°パルス−180°パルスの組み合わせを一定間隔(TR)で連続的に印加する。均一静磁場中の核スピンに対して、まず90°パルスを印加し、巨視的磁化ベクトルをx−y平面上に倒す。90°パルス印加直後から、核スピンが定常状態に戻る緩和の過程で、巨視的磁化ベクトルはT2*の時定数で消失するFID信号を放出するが、この途中で、90°パルス印加からτ(TE/2)時間後に180°パルスを印加すると、各核スピンの角速度がキャンセルされ、τ時間後に、T2の時定数で求められる信号強度に該当するエコー信号が観測される。これがスピンエコーである。ShortTR・TEでT1強調画像を、LongTR・TEでT2強調画像を得ることができる。スピン−格子緩和(spin-lattice relaxation)ともいう
[←先頭へ]spin labeling (じきひょうしきほう:spin labeling)
[←先頭へ]
SPIN technology (スピンテクノロジー:SPIN technology)
SPEEDER,Pianissimo,Interactiveの3つの技術の総称。(Toshiba)
[←先頭へ]spin-spin relaxation (スピン−スピンかんわ:spin-spin relaxation)
[←先頭へ]
SPIO (super paramagnetic iron oxide)
肝特異性造影剤の一種。投与後、主として肝臓に存在する細網内皮系組織(Kupffer細胞)に特異的に取り込まれ、肝悪性腫瘍とKupffer細胞を有する周囲肝組織との間にコントラストを生じさせ、病巣検出能を向上させる。SPIO造影剤は強いT2、T2*短縮効果により画像信号を低下させるため、陰性造影剤としての作用が強いが、T1短縮効果(低磁場装置の方が短縮効果は大きい)もGd製剤と比べて強く、陽性造影剤としての使用も可能である。
[←先頭へ]SPIR (SPIR:spectral pre-saturation with inversion recovery SPectrally selective Inversion Recovery)
ケミカルシフトを利用した脂肪抑制法。脂肪に周波数が調整された周波数選択性のRFパルスを事前励起的に照射する。
[←先頭へ]SPIR-TSE (SPIR-TSE:SPIR-TSE)
脂肪抑制TSE法。脂肪に周波数が調整された周波数選択性のRFパルスを事前励起的に照射してTSE撮影を行う方法。(Philips)
[←先頭へ]spiral scan (スパイラルスキャン:spiral scan)
k空間にエコー信号を収集するときの軌跡が螺旋状である方法。k空間の中心部から外側に向かってデータを充填するため、低周波成分が高密度でサンプリングされ、データ積算効果によるモーションアーチファクトが目立ちにくいが、オフレゾナンス効果によって画像のボケが顕著になりやすいという欠点がある。
[←先頭へ]spoild GRASS (SPGR:spoild GRASS)
スポイラーパルスを用いて強制的に残存横磁化をdephaseさせて、T1強調度を高めた高速スキャンシーケンス。
[←先頭へ]spoiled SARGE (spoiled SARGE:spoiled SARGE)
(Hitachi)
[←先頭へ]spoiler gradient echo (スポイラーグラジェントエコー:spoiler gradient echo)
2Dまたは3DモードでT1強調画像を収集するときに使用されるグラジェントエコーパルスシーケンス。
[←先頭へ]spoiler pulse (スポイラーパルス:spoiler pulse)
スピンの位相をずらし、残留信号を低減または除去するために印加する傾斜磁場パルス。
[←先頭へ]square pixel (スクエアピクセル:square pixel)
位相方向を基準にFOVの周波数マトリックスと位相マトリックスの比率を設定する機能。
[←先頭へ]SR (飽和回復法:saturation recovery )
T1強調画像収集のシーケンス。90゜パルスを連続的に印加、もしくは最初の90゜パルスにより縦磁化をなくし、次に強い位相のずれを起こさせ横磁化をなくす。しかし回復してきた縦磁化(Mz’)がZ’軸を向いたままではNMR信号を得ることができないため、第2の90゜パルスを印加し、縦磁化をY’軸方向に倒したのちFID信号もしくはスピンエコーを得る。原理的にSE法と大差なく、現在は(MRI分野では)ほとんど利用されないシーケンス。(Hitachi)
SSFP (SSFP:steady state free precession)
横磁化も縦磁化も0でない定常状態を生じるすべてのGREシーケンスを指す名称。またはGRE法にSE法を組み合わせて、強度のT2画像を得るシーケンス。
[←先頭へ]SSFRFSE (シングルショットファストリカバリFSE:single shot fast recovery fast spin echo)
シングルショット型のFRFSE。(GE)
[←先頭へ]SSFSE (SSFSE:single shot FSE)
1つのTR内で、k空間の全てのラインのデータ(位相エンコードステップ)を充填する、シングルショットのFSE法。ハーフフーリエ法を併用し、数秒以内のスキャンが可能。(GE)
[←先頭へ]SSP (SSP:sloped slab profile)
スラブ内のRF励起プロファイルを血流方向に依存した傾斜を持たせることによって、多重励起による血流信号の飽和を抑制する手法。末梢血管のコントラスト改善に効果がある。
[←先頭へ]SSTSE (SSTSE:single shot TSE)
シングルショット型ファストSE法(Siemens)
[←先頭へ]stability of static magnetic field (せいじばあんていせい:stability of static magnetic field)
静磁場強度の時間的な変動の程度。単位時間当たりの変動率(ppm/h)で表す。超電導磁石が最も安定で、0.1ppm/h以下を示す。永久磁石は磁性材の温度依存性により、常電導磁石は電流値の変動により静磁場安定性の点ではやや劣る。
[←先頭へ]STAGE (STAGE:small tip angle gradient echo)
ローアングル励起によるGRE法。T1コントラストが強調される。(Shimadzu)
[←先頭へ]STAMD (sequential target MIP display)
3Dデータに対するMIP処理のひとつ。対象とする原画像のスライス枚数を漸増(または漸減)、または一定の少なめのスライス枚数を、位置をシフトさせながら連続的にMIP処理する。複雑な形態の解剖構造や病変を詳しく評価したり、MIP処理後の一連の画像をシネ表示することで形態情報の把握が容易となる
[←先頭へ]STAR (STAR:signal tagging with alternating RF)
[←先頭へ]
static magnetic field (Bo(= static magnetic field):static magnetic field)
静磁場、静磁場強度。
[←先頭へ]static magnetic field:Bo (せいじば:static magnetic field:Bo)
強度や方向が時間的に変化しない磁場のこと。MR装置においては、主磁石がこの静磁場を作り出している。磁気共鳴現象の対象原子核に対して人為的に与えられる外部磁場なので、外部磁場とよばれることもある。MRI装置の静磁場は永久磁石型で0.1〜0.3T、超電導磁石型で0.5〜1.5T程度である。一般的に静磁場強度が高いほどMR信号は強くなる。
[←先頭へ]status (ステータスメッセージ:status)
今後の操作に影響を与えたり、何らかの措置を必要とされるような状況を警告をするメッセージで、システムが現在おかれている立場を示すメッセージ(状態表示)。
[←先頭へ]STE (STE:stimulated echo)
励起エコー。90°−TE/2−90°−TM−90°−TE/2−echoのタイミングで発生するエコー信号。2番目と3番目の90°パルスの間(TM)ではT2緩和でなくT1緩和が進行する。スピンエコー法の90°−180°−echoに比べて信号強度は半分になる。SSFP現象でRFパルスの直前に観測される信号はこのエコーによる寄与が大きい。一般的にプロトンスペクトロスコピーでの測定領域の局在化に用いられている。
[←先頭へ]steady state (ていじょうじょうたい:steady state)
[←先頭へ]
steady state free precession (SSFP:steady state free precession)
横磁化も縦磁化も0でない定常状態を生じるすべてのGREシーケンスを指す名称。またはGRE法にSE法を組み合わせて、強度のT2画像を得るシーケンス。
[←先頭へ]steady state technique with refocused FID (STERF:steady state technique with refocused FID)
SSFPの変形(PSIFに類似)。T2コントラストが強調される。
[←先頭へ]steady-state acquisition with rewinded gradient echo (SARGE:steady-state acquisition with rewinded gradient echo)
SSFPの原理を利用した高速撮影法。
[←先頭へ]STEAM (STEAM:stimulated echo acquisition mode)
Stimulated echo(STE)シーケンスに用いられる3個の90°パルスを互いに直交する面で励起すれば、任意の位置・大きさの直方体領域からエコー信号を発生させることができる。この原理を利用してスペクトロスコピーにおける関心領域(ROI)の選択が行われる。同じ目的でスピンエコー法があり、こちらの方がS/Nが2倍高い。しかし、STEAM法はボクセルの選択精度が高く、短いエコー時間(20ミリ秒以下)の設定が可能である。
[←先頭へ]stedy state free precession: SSFP (ていじょうじゆうさいさうんどう:stedy state free precession: SSFP)
180°パルスを用いないグラジエントエコー法によれば、エコー時間を短くすることができ、さらにTRを非常に短くしても、SE法のような極端な信号強度の減衰が起こらない。この時、最初の90°パルスあるいはフリップ角α°のRFパルスにより倒された核スピンのx−y平面上の位相がT2* を時定数としてバラけていく途中で、−α°RFパルスを印加して逆方向に戻してやるという操作を繰り返せば、磁場の不均一性に影響されないスピンの定常状態を作り出すことができる。これを定常自由歳差運動(SSFP)という。FISPやGRASSは、このSSFPを利用した画像化のためのパルス系列である。また、FLASHやSPGRは−α°RFパルスの前に、横磁化成分を強制的に消失させるためのスポイラーパルスを印加するパルス系列である。FISPやGRASSは、T1とT2*の影響を含むのに対して、FLASHやSPGRはT1のみに依存する。
[←先頭へ]STERF (STERF:steady state technique with refocused FID)
SSFPの変形(PSIFに類似)。T2コントラストが強調される。(Shimadzu)
[←先頭へ]sternal notch (SN:sternal notch)
胸骨上端(鎖骨、胸骨の結合によるくぼみ)。解剖学的ランドマークのひとつ。
[←先頭へ]sternal notch:SN (スターナルノッチ:sternal notch:SN)
鎖骨、胸骨の結合によるくぼみ(胸骨上端)。解剖学的ランドマークのひとつ。
[←先頭へ]stimulated echo (STE:stimulated echo)
励起エコー。90°−TE/2−90°−TM−90°−TE/2−echoのタイミングで発生するエコー信号。2番目と3番目の90°パルスの間(TM)ではT2緩和でなくT1緩和が進行する。スピンエコー法の90°−180°−echoに比べて信号強度は半分になる。SSFP現象でRFパルスの直前に観測される信号はこのエコーによる寄与が大きい。一般的にプロトンスペクトロスコピーでの測定領域の局在化に用いられている。
[←先頭へ]stimulated echo acquisition mode (STEAM:stimulated echo acquisition mode)
Stimulated echo(STE)シーケンスに用いられる3個の90°パルスを互いに直交する面で励起すれば、任意の位置・大きさの直方体領域からエコー信号を発生させることができる。この原理を利用してスペクトロスコピーにおける関心領域(ROI)の選択が行われる。同じ目的でスピンエコー法があり、こちらの方がS/Nが2倍高い。しかし、STEAM法はボクセルの選択精度が高く、短いエコー時間(20ミリ秒以下)の設定が可能である。
[←先頭へ]STIR (STIR:short TI inversion recovery)
反転回復時間を脂肪の信号を抑制するように設定したIR法。
[←先頭へ]store (ストア:store)
イメージデータをシステムディスク(ハードディスク)から光磁気ディスク、磁気テープにコピーすること。保存したデータをもう一度呼び出すことは、リストア(restore)という。
[←先頭へ]strength of static magnetic field (せいじばきょうど:strength of static magnetic field)
静磁場の強さ。単位はTesla(T)、1T=10000gauss。臨床用MR装置の静磁場強度範囲では、信号のS/N比は静磁場強度の3/2乗に比例するといわれ、画質を決定する重要な要素である。
[←先頭へ]suite (スイート:suite)
ネットワーク用語でLAN(local area network)とも呼ばれるサブネットワーク。1つ以上のワークステーション(ICまたはOC付きICを指す)が同一ケーブル上で結ばれている。
[←先頭へ]suite number (スイートばんごう:suite number)
複数のコンソールを使用しているときに、各コンソールを識別する番号。ネットワーク上で画像データを送信するときに、送信元と送信先を識別するのに必要である。
[←先頭へ]superconducting magnet (ちょうでんどうじしゃく:superconducting magnet)
超電導現象により、超電導材料コイルに流れる永久電流により作られる磁場を用いた磁石。現在のMR装置用磁石の主流であり、特徴は次の通りである。1.安定した高磁場の発生が可能。2.磁場の均一度が極めて高い。3.磁場強度の安定性が良く、経時的な変動はごくわずかである。4.超電導状態維持のための液体ヘリウムや液体窒素の補充、または再利用のための冷凍設備の設置など、ランニングコストが大きい。
[←先頭へ]superconducting material (ちょうでんどうそざい:superconducting material)
超電導材料は、1911年に水銀を液体ヘリウムを用いて4Kに冷却して発見された。その後、臨界温度9Kのニオブチタン(NbTi)合金、臨界温度18Kのニオブ3スズ(Nb3Sn)などが超電導物質として発見された。現在、超電導材料としては特性、加工性の点からニオブチタン合金が一般的に利用されている。最近では、液体ヘリウムによる冷却を必要としない超電導材料を用いた装置も発売されるようになった。
[←先頭へ]superparamagnetic substance (ちょうじょうじせいたい:superparamagnetic substance)
[←先頭へ]
surface coil (ひょうめんコイル:surface coil)
微弱なエコー信号を効率よく検出するために用いられ、被験者の体表に接して使用する受信専用のコイル。信号発生源から近いため減衰の少ない信号を得ることができるが、視野の直径と深さが制限され、いずれもおよそコイルの直径の範囲となる。眼球・顎関節・肩関節・膝関節・腰椎など限られた範囲をより明瞭に描出するための専用コイルが作られている。さらに、特殊な表面コイルに体腔内コイルがある。これは、直腸などに挿入して利用するものである。表面コイルを用いて撮影すれば、高S/N比の良好なMR画像の撮影が得られるが、撮像領域には制限がある。
[←先頭へ]surface coil (サーフェスコイル:surface coil)
撮影したい部位の表面上、近くに置いて使うRFコイル。S/N比の高い画像が得られる。
[←先頭へ]susceptibility (サセプタビリティ:susceptibility)
物質が磁化される能力、または磁界に歪みを与える能力のこと。磁気感度の高いものとしては、反磁性、常磁性、強磁性の物質がある。
[←先頭へ]SWAP (SWAP:SWAP)
位相エンコーディングと周波数エンコーディングの方向を交換する技術。例えば頸椎の撮影時に、CSFによるフローアーチファクトを抑制するのに効果的である。(GE, Siemens, Toshiba)
[←先頭へ]swirl sampling (swirl sampling)
ECVOを参照。(swirl=「渦巻き」の意)(Toshiba)
→ECVO
[←先頭へ]switchable coil (きりかえかのうがたこいる:switchable coil)
フェーズドアレイコイルに表面的に類似したコイル。本物に比べると機能は劣るが、かなり安価である。
[←先頭へ]symbol for gradient magnetic field (Gx, GY, GZ:symbol for gradient magnetic field)
傾斜磁場の軸を表す記号。下添字は、グラジェントの空間的方向を示す。
[←先頭へ]Syncra Scan (Syncra Scan)
SENSEの商品名。(Philips)
[←先頭へ]systole (シストール:systole)
心電図のR波とT波間の周期。
[←先頭へ]T |
T (T:tesla)
テスラ(SI単位系による磁束密度の単位で、1T=10000gauss)。
[←先頭へ]T1 (T1:T1)
T1緩和(縦緩和)時間
[←先頭へ]T1 value, T2 value (T1ち、T2ち:T1 value, T2 value)
強い磁場の中にある水素のスピンは、z軸方向に向けて、ある一定の周波数で歳差運動を行っており、このスピンにx軸方向にラジオ波をかけることによりスピンは90°y軸方向に倒れる。その後スピンのベクトルがz軸方向に戻っていくことをT1緩和、y軸方向に戻っていくことをT2緩和といい、それぞれの時定数をT1値、T2値とよぶ。
[←先頭へ]T1 weighted image: T1WI (T1きょうちょうがぞう:T1 weighted image: T1WI)
スピンエコー法ではTR、TEが信号強度と関係しており、TRが組織のT1値よりも短ければ、各組織のT1の違いが画像に反映される。さらにTEがT2値よりも非常に短ければ、各組織のT2の影響が少ない画像が得られる。このようにTR・TEともに短い条件では、各組織のT1の差が強くでる画像が得られ、これをT1強調画像とよぶ。
[←先頭へ]T1 weighting fast field echo (T1-FFE:T1 weighting fast field echo)
[←先頭へ]
T1-FFE (T1-FFE:T1 weighting fast field echo)
(Philips)
[←先頭へ]T1強調画像 (T1きょうちょうがぞう:T1 weighted image: T1WI)
スピンエコー法ではTR、TEが信号強度と関係しており、TRが組織のT1値よりも短ければ、各組織のT1の違いが画像に反映される。さらにTEがT2値よりも非常に短ければ、各組織のT2の影響が少ない画像が得られる。このようにTR・TEともに短い条件では、各組織のT1の差が強くでる画像が得られ、これをT1強調画像とよぶ。
[←先頭へ]T1値、T2値 (T1ち、T2ち:T1 value, T2 value)
強い磁場の中にある水素のスピンは、z軸方向に向けて、ある一定の周波数で歳差運動を行っており、このスピンにx軸方向にラジオ波をかけることによりスピンは90°y軸方向に倒れる。その後スピンのベクトルがz軸方向に戻っていくことをT1緩和、y軸方向に戻っていくことをT2緩和といい、それぞれの時定数をT1値、T2値とよぶ。
[←先頭へ]T2 (T2:T2)
T2緩和(横緩和)時間
[←先頭へ]T2 plus (T2 plus)
FRFSEの類似機能。(Toshiba)
[←先頭へ]T2 star (T2スター:T2 star)
GREの場合の見かけ上のT2(FID信号の減衰を表す磁気緩和定数)。スペクトルの吸収線の幅はT2*に反比例する。T2*は原子核位置での磁場の不均一性に依存する。物質を構成している周囲の原子または電子が作る不均一磁場によって決まる本質的な要素と、測定装置、特に外部磁場(磁石)の不均一性など測定条件に依存する要素がある。スピンエコー法の場合は、180°パルスを用いることによって、時間的に変化しない磁場不均一性に起因する信号減衰を回復することができ、TEに依存する減衰は定数T2で示される。
[←先頭へ]T2 weighted image: T2WI (T2きょうちょうがぞう:T2 weighted image: T2WI)
スピンエコー法において、TRをすべての組織のスピンが元に戻るほど長く設定すれば、各組織のT1の違いは画像に反映されない。逆にTEを長く設定すると、各組織のT2の違いが画像に反映されるようになる。したがってTR・TEともに長い条件では、各組織のT2の差が強くでる画像が得られ、これをT2強調画像(T2WI)とよぶ。
[←先頭へ]T2 weighting fast field echo (T2-FFE:T2 weighting fast field echo)
(Philips)
→PSIF
[←先頭へ]T2* (T2スター:T2 star)
GREの場合の見かけ上のT2(FID信号の減衰を表す磁気緩和定数)。スペクトルの吸収線の幅はT2*に反比例する。T2*は原子核位置での磁場の不均一性に依存する。物質を構成している周囲の原子または電子が作る不均一磁場によって決まる本質的な要素と、測定装置、特に外部磁場(磁石)の不均一性など測定条件に依存する要素がある。スピンエコー法の場合は、180°パルスを用いることによって、時間的に変化しない磁場不均一性に起因する信号減衰を回復することができ、TEに依存する減衰は定数T2で示される。
[←先頭へ]T2-FFE (T2-FFE:T2 weighting fast field echo)
(Philisp)
→PSIF
[←先頭へ]T2強調画像 (T2きょうちょうがぞう:T2 weighted image: T2WI)
スピンエコー法において、TRをすべての組織のスピンが元に戻るほど長く設定すれば、各組織のT1の違いは画像に反映されない。逆にTEを長く設定すると、各組織のT2の違いが画像に反映されるようになる。したがってTR・TEともに長い条件では、各組織のT2の差が強くでる画像が得られ、これをT2強調画像(T2WI)とよぶ。
[←先頭へ]TACT-FLAIR (TACT-FLAIR:tailored contrast FLAIR)
スライス励起順序が互いに逆方向の2つのNS−FLAIRによりデータ収集し、同一のスライスについて加算処理して画像を作成する方法。CSFのフローによるアーチファクトを効果的に抑制できる。原理的に2回のスキャンが必要になるが、ハーフエンコード法(ハーフフーリエイメージング:HFI)を組み合わせて時間短縮することが可能である。(Shimadzu)
[←先頭へ]tagging (タッギング:tagging)
空間的な位置に従ってRFパルスなどを用いて磁気的に信号付けを行ったあと、画像化を行い、流れや動きの様子を観測する方法。RFパルスを用いてスピンを飽和させ、線状の位置標識を行うサチュレーションタッギングや、縞状や格子状のパターンを作り出すSPAMMなどがある。CSF・血液や心壁の動きなどが画像化されている。これらは位置の標識を行うものであるが、化学物質に電子スピンを持った有機ラジカルを結合させて、電子スピン共鳴によるトレーサーとして用いる技術もあり、磁気標識法(spin labeling)とよばれる。
[←先頭へ]tailored contrast FLAIR (TACT−FLAIR:tailored contrast FLAIR)
スライス励起順序が互いに逆方向の2つのNS−FLAIRによりデータ収集し、同一のスライスについて加算処理して画像を作成する方法。CSFのフローによるアーチファクトを効果的に抑制できる。原理的に2回のスキャンが必要になるが、ハーフエンコード法(ハーフフーリエイメージング:HFI)を組み合わせて時間短縮することが可能である。
[←先頭へ]TE (TE:echo time)
エコー時間。励起パルスの中心からエコーのピークまでの時間。1/T2*=1/T2+gΔBo (ΔBoは磁界の不均一、γはジャイロ磁気係数)
[←先頭へ]temporal resolusion (テンポラルレゾリューション:temporal resolusion)
カーディアックなどの解析に使用できる最少時間。
[←先頭へ]tesla (T:tesla)
テスラ(SI単位系による磁束密度の単位で、1T=10000gauss)。
[←先頭へ]Tesla:T (テスラ:Tesla:T)
磁束密度の単位(MKS−SI)で、Wb/m2である。CGS単位系のG(gauss)とは、1T=10000Gの関係があり、静磁場や傾斜磁場強度を表すのに使われる。クロアチア生まれの電気工学者Nicola Tesla(1857-1943)に因んでいる。
[←先頭へ]TFE (TFE:turbo field echo)
高速FE(GRE)法。(Philips)
[←先頭へ]TGSE (TGSE:turbo gradient spin echo)
スピンエコー法で発生させたエコー信号の前後にグラジエントエコーを発生させ、画像データとして使用する方法。RARE法に比べて単位時間当たりのRFパルスの数が少なく、またグラジェントエコーの情報が画像に反映されることからRARE法固有の問題点(強すぎるMTS効果、磁化率の違いに鈍感)が改善され、従来のスピンエコー法の画質により近いものが得られる。(Siemens)
[←先頭へ]thermal relaxation (ねつかんわ:thermal relaxation)
[←先頭へ]
three dimensions (3D:three dimensions)
3次元。
[←先頭へ]threshold (しきいち:threshold)
画像処理に使用するピクセル信号の強度を設定するための値。
[←先頭へ]threshold (スレッショルド:threshold)
画像処理時に設定するしきい値。特定の信号強度範囲を取り出したり、カットするときに設定する数値。
[←先頭へ]THRIFT (THRIFT:throughput heightened rapid increase flip T2)
大きなフリップ角を用いたSE法。(Picker)
[←先頭へ]through-put (スループット:through-put)
実際のスキャン時間と患者のセッティング時間を加味した検査効率。
[←先頭へ]throughplane (こうさめん:throughplane)
イメージング面と垂直なフローエンコーディング方向。
[←先頭へ]throughput heightened rapid increase flip T2 (THRIFT:throughput heightened rapid increase flip T2)
大きなフリップ角を用いたSE法。
[←先頭へ]TI (TI:inversion time)
反転時間。IR法で180°パルスから90°パルスまでの時間。
[←先頭へ]tilted optimized non-saturated excitation, ramped RF (TONE:tilted optimized non-saturated excitation, ramped RF)
3次元のTOF−MRAの際、RFパルスによる飽和を防ぎMRAを高画質化する目的で、RFパルスの形を工夫する技術。血流が撮像領域を通過する際に生じる信号低下を補正するRFパルスを使用し、末梢血流そのものの描出能を向上する。MRAの血流信号は撮像領域に流れ込んでくるRFパルスを受けていない血液の信号強度に依存し、また流入後RFパルスを受けることによって信号が減衰する。したがって、3次元スラブ内の血流の上流側でRFパルスの強さ(フリップ角)を小さくし、飽和による血流信号の低下を防いでやれば、より均一性の高い血管像が得られる。
[←先頭へ]time of flight (SE:time of flight)
流速を持つ核スピンは静止系とは異なる信号強度を持つ。この現象を利用したMRAの一手法。
[←先頭へ]time resolved MRA (time resolved MRA)
短時間撮影を繰り返し、得られた画像から動脈相のphaseを選択する、造影剤注入前のマスク像でサブトラクションしてMIP処理するMRAのこと。短時間撮影なため空間分解能が低い、撮影が動脈相のタイミングと完全には合わない、などの欠点がある。
[←先頭へ]time-of-flight angiography:TOF angiography (タイム・オブ・フライトアンギオグラフィー:time-of-flight angiography:TOF angiography)
主に流入効果(インフロー効果)に基づいて流動スピンと静止スピンを識別し、血管画像を作成する方法。2D−TOF法と3D−TOF法の2種類がある。スライス内に流れ込む血液はRFパルスを受けないため、静止組織よりも高信号になる(白く見える)。
[←先頭へ]time-of-flight method: TOF (タイム・オブ・フライト:time-of-flight method: TOF)
非飽和の撮像面内流入血流(撮像に用いるRFパルスにより飽和されていない血液)が撮像面内において高信号であることを利用して血管像を得る方法。
[←先頭へ]TOF (TOF:time of flight)
流速を持つ核スピンは静止系とは異なる信号強度を持つ。この現象を利用したMRAの一手法。
[←先頭へ]toggle (トグル:toggle)
選択ボタンで1回押すとオン、再度押すとオフとなるような機能。
[←先頭へ]TONE (TONE:tilted optimized non-saturated excitation, ramped RF)
3次元のTOF−MRAの際、RFパルスによる飽和を防ぎMRAを高画質化する目的で、RFパルスの形を工夫する技術。血流が撮像領域を通過する際に生じる信号低下を補正するRFパルスを使用し、末梢血流そのものの描出能を向上する。MRAの血流信号は撮像領域に流れ込んでくるRFパルスを受けていない血液の信号強度に依存し、また流入後RFパルスを受けることによって信号が減衰する。したがって、3次元スラブ内の血流の上流側でRFパルスの強さ(フリップ角)を小さくし、飽和による血流信号の低下を防いでやれば、より均一性の高い血管像が得られる。
[←先頭へ]TPR (TPR:transceiver processing and storage)
収集したローデータの処理全体を監視するサブシステム。
[←先頭へ]TR (TR:repetition time)
繰り返し時間。励起パルスから次の励起パルスまでの時間。
[←先頭へ]transceiver processing and storage (TPR:transceiver processing and storage)
収集したローデータの処理全体を監視するサブシステム。
[←先頭へ]transfer (トランスファ:transfer)
ネットワーク上で、画像データをある場所から他の場所に転送させること。
[←先頭へ]transfer queue (トランスファキュー:transfer queue)
ネットワーク上で、保存の保留もしくは読み出し要求のこと。
[←先頭へ]transmit (トランスミット:transmit)
ネットワーク上で、画像データを1つのディスクから他のディスクに転送すること。
[←先頭へ]transverse magnetization (Mxy:transverse magnetization)
横磁化を表示する記号。
[←先頭へ]transverse magnetization:Mxy (よこじか:transverse magnetization:Mxy)
巨視的磁化ベクトルMの、静磁場Boに直交するx−y平面上への投影成分。横磁化がラーモア周波数で歳差すると、検知可能なMR信号が発生する。この信号は、RFパルスをオフにするとT2*の値に従って減衰する。
[←先頭へ]transverse relaxation(time) (よこかんわ(じかん):transverse relaxation(time))
RFパルスにより励起した核スピンは、各々が置かれている磁場の強度が完全に均一であれば、歳差運動のラーモア周波数も一致し、位相がずれることはない。しかし、実際には外部静磁場が均一であったとしても、各核スピンの置かれた微視的な局所磁場の違いのために、位相に次第にばらつきが生じ、巨視的磁化ベクトルのx−y平面上への投影成分は指数関数的に減少する。この過程を横緩和、スピン−スピン緩和、T2緩和といい、その時定数が横緩和時間・T2である。
[←先頭へ]trigger (トリガ:trigger)
MRの心拍ゲーティングで、データ収集を行うために心臓が発する信号。
[←先頭へ]trigger delay (トリガちえん:trigger delay)
心拍ゲーティングで、トリガパルスが発生してから実際の撮影が開始するまでの時間。
[←先頭へ]trigger window (トリガウィンドウ:trigger window)
心拍ゲーティングで、データを収集できるR−R間隔のこと。
[←先頭へ]true FISP (true fast imaging with steady precession)
定常状態(SSFP)にて画像を収集するシングルショット型の高速GRE撮影法。T2強調画像の代用として用いられ、水成分やcystなど、T2値が長いものや脂肪が高信号となる。CHESS法などの脂肪抑制を用いる事により、細かい血管も高信号に描出可能。心血管や腹部血管、胆嚢や胆管に適するが、TEやflip角の変更が原理上困難なため、厚いスライスの撮影ではコントラストが低下する。(Siemens)
→SSFP、 FISP、 CHESS、 true RARE、 FIESTA
[←先頭へ]true RARE (true rapid acquisition with relaxation enhancement)
trueFISPと同義。
[←先頭へ]true SSFP (true SSFP:true steadu state free procession)
true FISPを参照。(Toshiba)
[←先頭へ]truncation artifact (トランケーションアーチファクト:truncation artifact)
フーリエ変換は数式上、無限領域の積分を含むが、実際のデータは有限の点で表現しなければならないためデータ打ち切り(truncation)による誤差が生ずる。画像の中で高信号と低信号の領域が隣接しているとき、有限のマトリックス数(たとえば256)のフーリエ変換ではこの段差を表現できないため、リング状の縞模様が観測されることがある(Gibbs artifact)。サンプリングレート(あるいはマトリックスサイズ)によって縞の周期が変わるのが特徴であり、k−spaceフィルターなどによって低減させることが可能である。また、スライス励起をするためのRFパルスは、矩形の周波数特性を持たなければならないが、有限の時間内でRFパルスを発生させるためにデータ打ち切りを行うため、スライスプロファイルが劣化する原因となる。
[←先頭へ]TSE (TSE:turbo spin echo)
高速SE法。
[←先頭へ]TSGC (TSGC:twin shielded gradient coil)
シールド型グラジエントコイルの一種。
[←先頭へ]tuning (チューニング:tuning)
MR信号を効率よく受信するために、同調回路を用いて共鳴周波数と同じ周波数に同調させる操作のこと。共鳴周波数は被写体の性状によって微妙に変化するので、tuningは撮影のたびに行われる。
[←先頭へ]turbo factor (ターボファクター:turbo factor)
[←先頭へ]
turbo fast low-angle shot (turbo FLASH:turbo fast low-angle shot)
プリパレーションパルスを印加して、1回の励起パルスで撮像する高速FLASH法。(Philips)
[←先頭へ]turbo FE (turbo FE:turbo field echo)
高速FFE(GRE)法。(Philips)
[←先頭へ]turbo field echo (TFE:turbo field echo)
高速FE(GRE)法。
[←先頭へ]turbo FLAIR (ターボFLAIR:turbo FLAIR)
[←先頭へ]
turbo FLASH (turbo FLASH:turbo fast low-angle shot)
プリパレーションパルスを印加して、1回の励起パルスで撮像する高速FLASH法。(Philips)
→reduced acquisition matrix FAST
[←先頭へ]turbo gradient spin echo (TGSE:turbo gradient spin echo)
スピンエコー法で発生させたエコー信号の前後にグラジエントエコーを発生させ、画像データとして使用する方法。RARE法に比べて単位時間当たりのRFパルスの数が少なく、またグラジェントエコーの情報が画像に反映されることからRARE法固有の問題点(強すぎるMTS効果、磁化率の違いに鈍感)が改善され、従来のスピンエコー法の画質により近いものが得られる。
[←先頭へ]turbo SE (turbo SE:turbo spin echo)
高速SE法。
[←先頭へ]turbo spin echo (turbo SE:turbo spin echo)
高速SE法。(Philips, Siemens)
[←先頭へ]turbo spin echo (TSE:turbo spin echo)
高速SE法。
[←先頭へ]turbulence (らんどう(かくらん):turbulence)
フローにおいて、不規則に変動する流速部分。スピンの位相ずれや信号消失の原因となる。
[←先頭へ]Twin Gradient (twin gradient)
通常の全身用グラディエントコイル(Wholo-Body)と、短い長さの超強力グラディエントコイル(Zoom)の両方を搭載したMRシステム。コイルの切り替えで、広範囲撮像から高度な機能検査まであらゆるMR検査が1台の装置で可能となる画期的なシステム。従来はスルーレートを高くすると、傾斜磁場コイルの長さに比例して磁場強度変化率(dB/dt)が高くなり、安全基準値を超える恐れがあった。これを解決するために、機能検査や超高速撮影を行う場合は短いほうの超強力グラディエントコイルに切り替え、高いスルーレートでも、磁場強度変化率を安全基準値内に抑えることが可能となった。(GE)
[←先頭へ]twin shielded gradient coil (TSGC:twin shielded gradient coil)
シールド型グラジエントコイルの一種。
[←先頭へ]two dimensions (2D:two dimensions)
2次元。
[←先頭へ]U |
UFTSE (UFTSE:ultra fast turbo spin echo)
TSE法のエコー間隔を数ミリ秒に短縮させる超高速撮影法。(Philips)
[←先頭へ]ultra fast turbo spin echo (UFTSE:ultra fast turbo spin echo)
TSE法のエコー間隔を数ミリ秒に短縮させる超高速撮影法。TSEにおける180°パルスの照射を数十%カットして、ETLを極端に大きくする。(Philips)
[←先頭へ]umbilicus (アンビリカス:umbilicus)
へそ(解剖学的ランドマーク)
[←先頭へ]undo (アンドゥ:undo)
直前に実行した処理を取り消して、その処理を実行する前の状態に戻すこと。
[←先頭へ]UNIX (ユニックス:UNIX)
Bell研究所で開発されたタイムシェアリングシステム用オペレーティングシステム。ワークステーションなどに広く用いられる。
[←先頭へ]USTSE (USTSE:ultra shot turbo spin echo)
[←先頭へ]
utilities (ユーティリティ:utilities)
メインプログラムの実行に役立つ補助的ソフトウェア。
[←先頭へ]V |
Vari NAQ (Vari NAQ:Vari NAQ)
NAQ(NEX)を1以上0.1単位で小刻みに設定する機能。(Toshiba)
[←先頭へ]variable band width:VBW (バリアブルバンドはば:variable band width:VBW)
システムの受信帯域を狭めてS/N比を改善する機能。SE・IRシーケンスでロングエコーを設定したときにS/N比が改善される。
[←先頭へ]variable FSE (バリアブルFSE:variable FSE)
デュアルコントラストファストSE法。(GE)
[←先頭へ]vascular MR imaging (ヴァスキュラMRイメージング:vascular MR imaging)
[←先頭へ]
vascular occlusive disease (けっかんへいそくしょう:vascular occlusive disease)
アテローム性動脈硬化症などの疾患により、血管の内腔が狭くなること。
[←先頭へ]VBW (VBW:variable bandwidth)
[←先頭へ]
vector (ベクトル:vector)
大きさと方向を表す数学上の数量。
[←先頭へ]velocity (りゅうそく:velocity)
単位時間当たりの移動量をcm/secで表したもので、大きさと方向を持つベクトル量。流速エンコーディング(velocity encoding:VENC)PC−MRAで折り返しアーチファクト(エイリアジング)を発生させずにエンコードできる最大流速を指定するために入力する値。
→VENC、 VENC
[←先頭へ]velocity encoding (VENC:velocity encoding)
PC−MRAで設定する流速(cm/sec)。
[←先頭へ]velocity imaging in cine mode (VINNIE:velocity imaging in cine mode)
2DFTによる流速測定技術。
[←先頭へ]VENC (VENC:velocity encoding)
PC−MRAで設定する流速(cm/sec)。
[←先頭へ]VIBE (volumetric interpolated breath-hold sampling)
部分フーリエサンプリングを用いたグラジェントエコー系の3Dシーケンス。息止め下の短時間で高分解の3D画像を得ることが可能。血管内腔の評価や血管壁の観察に有用とされる。(Siemens)
[←先頭へ]viewport (ビューポート:viewport)
シングルディスプレイ(SID)またはマルチディスプレイ(MID)において、1枚の画像に割り当てられた表示枠のこと。
[←先頭へ]VINNIE (VINNIE:velocity imaging in cine mode)
2DFTによる流速測定技術。
[←先頭へ]viscosity (どうねんど:viscosity)
流動する流れにおいて、血液分子の摩擦による血流の抵抗のこと。
[←先頭へ]Visual Prep (Visual Prep)
リアルタイムMR透視(サブトラクション)画像。造影MRA、ダイナミック撮影などで造影剤の到達を知るために用いる。iDriveと類似。(Toshiba)
[←先頭へ]volume imaging (ボリュームイメージング:volume imaging)
3Dイメージングとよぶことも多い。スライスごとではなく、ボリューム全体から信号を収集する撮影法で、薄いスライスの再構成が可能で、一般的にSN比も向上する。
[←先頭へ]volume rendered MIP (VR-MIP:volume rendered MIP)
MRA画像に視覚的な奥行きを与える画像処理法。重なり合った血管の区別が容易になる。
[←先頭へ]volume scan (ボリュームさつえい:volume scan)
[←先頭へ]
vortex flow (かりゅう:vortex flow)
局所的にゆっくり渦を巻いたり、流れが停滞している血液。狭窄箇所の遠位(抹消)部で血流が急激に減衰したために起こることが多い。
[←先頭へ]voxel (ボクセル:voxel)
[←先頭へ]
VP (Visual Prep)
リアルタイムMR透視(サブトラクション)画像。造影MRA、ダイナミック撮影などで造影剤の到達を知るために用いる。iDriveと類似。(Toshiba)
[←先頭へ]VR-MIP (VR-MIP:volume rendered MIP)
MRA画像に視覚的な奥行きを与える画像処理法。重なり合った血管の区別が容易になる。
[←先頭へ]W |
W/L (W/L:window and level)
ウィンドウ幅およびウィンドウレベル。
[←先頭へ]walking presaturation (いどうプリサチュレーション:walking presaturation)
2D−TOFMRAで、スライスの移動に応じてプリサチュレーションパルスを移動させる方法。動静脈の分離描出に効果がある。
[←先頭へ]water image (みずがぞう:water image)
[←先頭へ]
water/fat saparated image (みずしぼうぶんりがぞう:water/fat saparated image)
人体内のプロトンの多くは−OH基あるいは−CH2−基の形で存在する。前者は水を構成し、後者は脂肪を構成する。両者は化学シフト現象によって、共鳴周波数に約3.5ppmのずれがある。この差を利用してプロトンから発するMR信号を、水と脂肪を別々に画像化したものが水・脂肪分離画像である。その具体的方法としてDixon法が知られている。また、この分離画像を得るためには、静磁場に両者の化学シフト量以下の高い均一性が要求される。
[←先頭へ]WATS (water selective excitation technique)
水選択励起のこと。PASTAを参照。
[←先頭へ]weighted-phase images (きょうちょういそうがぞう:weighted-phase images)
血流データを示す画像。指向性血流画像は、単一軸に沿った流れを示し、スピードフロー画像は、すべての流れを一枚の画像で表したものである。
[←先頭へ]window (ウィンドウ:window)
グレーの階調が割り当てられたピクセル値の範囲。幅の狭いウィンドウは、密度の似かよった部位を高い分解能とコントラストで表示する。対象部位のピクセル値を判定するのにも役立つ。
[←先頭へ]window and level (W/L:window and level)
ウィンドウ幅およびウィンドウレベル。
[←先頭へ]work-station (ワークステーション:work-station)
多機能性、統括性、操作性に優れたコンピュータシステム。最近はパソコンとの境界が曖昧になってきている。
[←先頭へ]WPAST (WPAST:wrapped phase artifacts suppression technique)
折り返しアーチファクト補正。(Toshiba)
[←先頭へ]wrap-around artifact (ラップアラウンドアーチファクト:wrap-around artifact)
エイリアジングを参照。
[←先頭へ]wrapped phase artifacts suppression technique (WPAST:wrapped phase artifacts suppression technique)
折り返しアーチファクト補正。(Toshiba)
[←先頭へ]X |
X-WINDOW (X-WINDOW:X-WINDOW)
MITで開発されたUNIX上で動くウィンドウシステム。
[←先頭へ]XY (XY:xyphoid)
胸骨の最下部(剣状突起)。解剖学的ランドマークのひとつ。
[←先頭へ]xyphoid (XY:xyphoid)
胸骨の最下部(剣状突起)。解剖学的ランドマークのひとつ。
[←先頭へ]Y |
yoke shield (ヨークシールド:yoke shield)
[←先頭へ]
Z |
zeugmatography (ズーグマトグラフィー:zeugmatography)
MRIにおける画像構成法のひとつで、xyz3方向の位置情報をすべて周波数エンコーディングにより得る方法。本来、信号を与える水素原子のない部分でも計算上スピン密度分布をもつために、画像にアーチファクトを生じやすく、最近ではフーリエ変換法による画像再構成が主流となっている。
[←先頭へ]あ |
アーカイバルストッレッジ (アーカイバルストッレッジ:archival storage)
光磁気ディスクなどの記憶媒体に、長期的に情報を記録し保存すること。その記録領域。
[←先頭へ]アーカイブ (アーカイブ:archive)
一時的なオンライン記憶媒体(ハードディスクなど)から、オフラインの長期的保存媒体(光磁気ディスク、テープドライブなど)に画像データを移す操作のこと。保存媒体に移された画像データの保存ロケーションを指すこともある。
[←先頭へ]アーチファクト (アーチファクト:artifact)
画像診断上では本来存在しないものが、人工的に画像上に描出されたものをいう。原因としては体動によるもの、血液・脳脊髄液の脈動(フロー)によるもの、強磁性体によるもの、化学シフト(ケミカルシフト)によるものなど様々なものがあり、幾何学的な歪み、信号強度の不均一、疑似信号による画質低下を引き起こす。
[←先頭へ]アイソクロマット (アイソクロマット:isochromats)
任意の時点で位相と周波数が同じになるスピン。同重体ともいう。
[←先頭へ]アイソセンタ (アイソセンタ:isocenter)
3軸の傾斜磁場が交差する位置。
[←先頭へ]アイソメトリックコントラクション (アイソメトリックコントラクション:isometric contraction)
心臓が収縮の準備をするが、体積は変わらない状態のR波直後の時間。
[←先頭へ]アイデンティファイ (アイデンティファイ:identify)
オペレータコンソール上の操作で、数値や指定するレベル値を点滅させるもの。選択したピクセル値を白色に変えて、特定濃度の部分をハイライトする。
[←先頭へ]アキシャル面 (アキシャルめん:axial plane)
人体を上部(頭)と下部(足)に分割する面のこと。
[←先頭へ]アクイジションタイム (アクイジションタイム:aquisition time)
スキャン時間。
[←先頭へ]アクティブシールド (アクティブシールド:active shield)
磁気シールドの一方式。主マグネットのすぐ外側に逆極性のキャンセルコイルを同心状に配置し、直列に結線している。単位重量あたりの磁気シールド効果に優れ、静磁場の均一性を高く保持することができる。
[←先頭へ]アクティブシム (アクティブシム:active shimming)
MR装置に特別なコイルを設け、最大限に静磁場の均一性が得られるように、それらを作動させ調整することによってなされるシミングのこと。
[←先頭へ]アノテーション (アノテーション:annotation)
画面上に表示される注訳のこと。システムが自動的に表示する画像のデータ収集方法、作成者、作成対象、使用パラメータなど。オペレータが追加したテキストやグラフィック、マーキングもアノテーションによって表示することができる。
[←先頭へ]アベレージング (アベレージング:averaging)
SN比改善技法の1種。
[←先頭へ]アベレージング (アベレージング:averaging)
[←先頭へ]
アライメントライト (アライメントライト:alignment light)
ガントリーの開口部に設置されている、患者の位置決め用ライトのこと。
[←先頭へ]アルゴリズム (アルゴリズム:algorithm)
問題を解決するときの演算方法およびその流れ。
[←先頭へ]アレイプロセッサ (アレイプロセッサ:array processor)
高速演算装置。
[←先頭へ]アンドゥ (アンドゥ:undo)
直前に実行した処理を取り消して、その処理を実行する前の状態に戻すこと。
→アンドゥ
[←先頭へ]アンビリカス (アンビリカス:umbilicus)
へそ(解剖学的ランドマーク)
[←先頭へ]イーサネット (イーサネット:ethernet)
バス構造(並列接続型)のLAN。伝送レートは10Mbps、ノード間の最長距離は2.5km、最大1024局までのノードを接続できる。
[←先頭へ]イーサネットアドレス (イーサネットアドレス:ethernet address)
イーサネット接続されているワークステーションに固有のアドレス番号。
[←先頭へ]イグザム (イグザム:examination)
患者の検査あたりに割り当てられた番号で、対応するすべてのシリーズとスキャン画像を含む一回分の検査のこと。
→イグザム
[←先頭へ]イジェクト (イジェクト:eject)
磁気ディスクなどを装置から取り出すこと。
[←先頭へ]イメージエリア (イメージエリア:image area)
画像を表示するのに使うスクリーン領域。
[←先頭へ]イメージスクロール (イメージスクロール:image scroll)
1枚の画像データ中の一部または全部を移動させる表示機能。
[←先頭へ]イメージマット (イメージマット:image mat)
画像上の不要な情報を消去する表示機能のひとつ。
[←先頭へ]インターコム (インターコム:intercom)
MR検査中に患者とオペレータが交信できるインターホン。
[←先頭へ]インターシーケンスディケイ (インターシーケンスディケイ:intersequence decay)
心拍サイクルの各画像の時間間隔。
[←先頭へ]インターネットアドレス (インターネットアドレス:internet address)
コンピュータネットワークにおいて、特定の1ステーションを区別し、相互通信を可能にする12ビットの番号。IP(internet protocol)アドレスともいう。
→IPアドレス、 IPアドレス
[←先頭へ]インターパルスタイム (インターパルスタイム:interpulse time)
パルスシーケンス印加時の連続するRFパルス間の時間。IR法特にで重要なのは、反転時間(TI)と繰り返し時間(TR)である。スピンエコー法において、最初の90°パルスから次の180°パルスを照射するまでの時間は、ほぼエコータイム(TE)の半分になる。
[←先頭へ]インターバルタイム (インターバルタイム:interval time)
心拍サイクルの各画像の間の時間。
[←先頭へ]インターリービング (インターリービング:interleaving)
最初のデータ収集中に1枚おきのスライスからデータを収集し、次に残りを収集するスキャン方式。クロストークアーチファクトを最小限に抑えるが、スキャン時間が2倍になる。マルチショットEPIでは、この方法によってk−スペースを充填させる(ESP(実効エコー間隔)を短縮する)。
[←先頭へ]インディペンデントコンソール (インディペンデントコンソール:independent console:IC)
スキャンを除くすべての機能が実行できる独立型コンソール。通常は、オペレータコンソールから少し離れた場所に設置される。
→インディペンデントコンソール、 IC、 IC
[←先頭へ]インテリジェントPAS (インテリジェントPAS:intelligent PAS)
(Toshiba)
→PAS
[←先頭へ]インバージョンタイム (インバージョンタイム:inversion time:IT)
[←先頭へ]
インバージョンリカバリ (インバージョンリカバリ:inversion recovery:IR)
[←先頭へ]
インフローMRA (インフローMRA:inflow MRA)
インフロー効果を利用したMRA(TOF−MRA)。
[←先頭へ]インフロー効果 (インフローこうか:inflow effect)
[←先頭へ]
インホモジェニティ (インホモジェニティ:inhomogeneity)
静磁場の不均一性。
[←先頭へ]ヴァスキュラMRイメージング (ヴァスキュラMRイメージング:vascular MR imaging)
[←先頭へ]
ウィリス輪 (ウィリスりん:circle of Willis)
脳底部の動脈が吻合して形成する輪(5角形に近い)。
[←先頭へ]ウィンドウ (ウィンドウ:window)
グレーの階調が割り当てられたピクセル値の範囲。幅の狭いウィンドウは、密度の似かよった部位を高い分解能とコントラストで表示する。対象部位のピクセル値を判定するのにも役立つ。
[←先頭へ]ウルトラショットTSE (ウルトラショットTSE:ultra shot TSE)
TSEにおける180°パルスの照射を数十%カットして、ETLを極端に大きくする方法。秒単位の高速撮影が可能である。
[←先頭へ]エイリアジング (エイリアジング:aliasing)
通常の撮影で、FOVが撮像部位より小さいときに発生するアーチファクト現象。FOV外にある部位は、画像内に折り返される(折り返し現象)。ラップアラウンドアーチファクト、領域外アーチファクトともよばれる。対策としては、FOVを大きくする、NPWの利用などがある。
→折り返し、 wrap-around artifact、 aliasing
[←先頭へ]エコー (エコー:echo)
90°パルスにより励起されたスピンが緩和していく過程で、T2緩和時間と同等かそれ以下の時間内に、180°パルスの印加や、静磁場の磁場勾配の反転によりFIDが消失した後に再び現れるMR信号のこと。前者の場合をスピンエコー、後者の場合をグラジェントエコー(フィールドエコー)とよぶ。
→エコー
[←先頭へ]エコースペース (エコースペース:echo space:ESP)
FSE法における、1つのTR内の連結したエコーの間隔。ESPはETL(エコートレインレングス)に逆比例する。ESPを長く設定すれば、より長い実効TEの設定が可能になるが、画質の点からは主としてマイナス要因として働くので、多くの場合、設定可能な最短のESPを使用するのが望ましい。
[←先頭へ]エコートレインレングス (エコートレインレングス:echo train length:ETL)
FSE法で、1つのTR内に180°パルスを繰り返し印加して得られるエコー数のこと。FSE法のスキャン時間は、従来のSE法の1/ETLに短縮される。またETLと撮影可能なスライス枚数は相反関係にある。
[←先頭へ]エコープラナーイメージング (エコープラナーイメージング:echo planar imaging:EPI)
超高速MRIのひとつ。90°パルスのあとx−y平面内の磁化は横緩和により減衰するが、消滅しないうちに位相エンコードのステップにより連続的なグラジエントエコーを発生させ、画像再構成に必要なすべてのデータを集めてしまう方法。位相エンコードをデータ収集の間も連続的に行う方法と、各データ収集の間に行うフリップ法がある。FID信号を用いる方法(FID−EPI、GRE−EPI)では、90°パルスの後エコー信号を収集し、スピンエコーを用いる方法(SE−EPI)では90°−180°パルスの後に生ずるスピンエコー信号を収集する。いずれの場合も信号の継続時間はT2*であり、画像データをT2*の間に収集することが必要で、傾斜磁場の反転を高速に行うための強い傾斜磁場システムが必要となる。1回の励起パルスのみで画像を構成するシングルショット(ワンショット)EPIに対し、マルチショットEPIは、何回かのRFパルスによるエコートレインのデータを合わせて1枚の画像を作ることにより、高い空間分解能を保つことができる。1回の90°パルスの後いくつかの180°パルスを印加し、マルチエコーを発生させ、その間に傾斜磁場エコー を発生させて全画像データを集める方法をハイブリッドEPIとよぶ。これはシングルショットのGRASE法(TGSE法)である。EPI法の応用としては、3次元スキャンをEPIによって超高速に行うことや、分子の動きをfreezeできることを用いた拡散の測定(拡散強調画像)などがある。
[←先頭へ]エコーリフェージング (エコーリフェージング:echo rephasing)
180°パルスを印可するか傾斜磁場の切り替えによって、スピンの位相コヒーレンス(位相間における一定の関係)を回復すること。
[←先頭へ]エコー時間 (エコーじかん:echo time: TE)
90°パルスからスピンエコー信号もしくはグラジェントエコー信号が生じるまでの時間。原理的には、90°パルスから180°パルスもしくは磁場勾配の反転時間の2倍に等しい。
[←先頭へ]エディカレント (エディカレント:eddy current)
[←先頭へ]
エマージェンシーコールボタン (エマージェンシーコールボタン:emergency call button)
MR検査中に患者が気分が悪くなったときなどに、オペレータにブザーやアラームでその旨を通知するためのボタン。あらかじめ検査開始前に患者にスイッチを持たせておく必要がある。
[←先頭へ]エルミートシンメトリー (エルミートシンメトリー:Hermite symmetry)
位相共役対称。k空間の1側のデータ値は鏡面対象(点対称)の位置のデータ値から計算できる、という理論。ハーフフーリエイメージング(HFI)で用いられる。
[←先頭へ]エルンスト角 (エルンストかく:Ernst's angle)
[←先頭へ]
エンコード (エンコード:encoding)
静磁場に線形の傾斜磁場を印加すると、核スピンの周波数は傾斜磁場の印加方向に規則的にずれてくる。また、角速度が異なってくるために、傾斜磁場の印加時間に依存して位相がずれていく。したがって、ある選択励起した平面において、直交する2方向に傾斜磁場を印加すれば位置に応じて周波数と位相が規定し得る。この傾斜磁場を用いて位置情報を与えることを、MRIにおいて一般にエンコードするといい、それぞれ周波数エンコード・位相エンコードとよばれている。
[←先頭へ]エンコードチェンジ (エンコードチェンジ:encode change)
[←先頭へ]
オートウィンドウレベル (オートウィンドウレベル:auto window and level)
ウィンドウ幅とレベルの値を自動的に設定して表示させる機能。
[←先頭へ]オートチューニング (オートチューニング:auto tuning)
システムが送信するRFパワーと、患者の各スキャン面が受信するパワーの調整を自動的に実行する機能。患者の体重などRFコイルへの負荷に応じたRFパワーを自動的に計測し、スキャン条件を自動的に決定する。
[←先頭へ]オートプリスキャン (オートプリスキャン:auto prescan)
[←先頭へ]
オーバーサンプリング (オーバーサンプリング:over sampling)
[←先頭へ]
オフセット (オフセット:offset)
本来の中心位置からある方向に移動して画像を表示すること。
[←先頭へ]オフセンタFOV (オフセンタFOV:off-center FOV)
1.磁場中心にない被験者の部位の画像をFOVの中心に移動させる機能。 2.FOVがマグネットセンタに来ない状態。
[←先頭へ]オブリークイメージング (オブリークイメージング:oblique imaging)
傾斜、回転させた断面を収集する方法。ロカライザ画像から傾斜(チルト)または回転したスキャン面の撮影が可能。
[←先頭へ]オフレゾナンス効果 (オフレゾナンスこうか:off-resonance effect)
磁化率の違いやケミカルシフトにより、画像にボケが発生する現象。
[←先頭へ]オペレータコンソール (オペレータコンソール:operator console)
スキャンの実行や画像表示の際に使用するコンソール。
→オペレータコンソール、 OC、 OC
[←先頭へ]α(=flip angle) (アルファ:flip angle)
[←先頭へ]
位相 (いそう:phase)
周期的運動においてサイクル中の特定の位置を表す量。単位は回転の角度(ラジアンなど)。MRIにおいて、画像化される断層面内の各ボクセルは周波数に関する情報と位相に関する情報を持っている。90°パルスの後、静磁場に垂直な平面の磁化ベクトルは、はじめ同じ方向を向いて(つまり位相をそろえた状態で)ラーモア歳差運動をしている。しかし、各プロトンの受ける局所的な磁場強度が異なるために、それぞれの歳差運動の角速度も異なり、次第にそれぞれの核スピンの間の位相にずれが生じてくる。さらに血流や脳脊髄液のように傾斜磁場中を核スピンが動くことによっても位相がずれる。これを利用して位相ずれの大きさから流速を求めることができる。また、位相の変化や位相差を定量化して画像化(位相画像)することもできる。
→いそう
[←先頭へ]位相エンコード (いそうエンコード:phase encoding:PE)
エコー信号の読み出し(read-out)に先だって、空間の特定の方向への傾斜磁場を作用させることによって、その方向への位置情報に対応する位相信号を与えること。静磁場と直交するx−y平面において、y軸に沿って磁場勾配Gyをτy時間だけ印加したあとでは、各核スピンの位相φyはy軸方向のそれぞれの位置yに応じてγ・Gy・y・τyだけ変化する(γ:磁気回転比)。励起の度にGyをある増分で変化させ、エンコード量の異なる信号を得る。これをフーリエ変換させることにより、最終的には各位相変化を通してそれぞれの核スピンのy軸上の位置情報を得ることができる。
→いそうえんこーど、 PE、 PE
[←先頭へ]位相エンコード磁場勾配 (いそうエンコードじばこうばい:phase encoding gradient)
位相エンコーディングを行うためにかけられる磁場勾配。MRのスライス面で、周波数エンコーディング方向に対し垂直にかけられる。マトリックスはこの磁場勾配のステップ数に一致し、繰り返し時間、データ収集回数とともに撮影時間を規定する因子である。
→いそうえんこーどじばこうばい
[←先頭へ]位相コヒーレンス (いそうコヒーレンス:phase coherence)
同一もしくは近似した周波数を持つ2つの信号の位相が揃っていること。ボクセル内のスピンが位相コヒーレンスを失うと、実質的な横磁化が減少するため、MR信号が弱くなる。
→いそうコヒーレンス
[←先頭へ]位相コントラストイメージング (いそうコントラストイメージング:phase contrast imaging)
MRで各ピクセルの位相のずれを画像として表示するもの。傾斜磁場中をスピンが動くと、速度と方向に応じて位相の変異が生じる。この位相差を測定し、動きのある部分のみを画像化することができる。
→いそうコントラストイメージング
[←先頭へ]位相コントラスト法 (いそうコントラストほう:phase contrast method:PC)
MRアンギオグラフィにおける撮影手技のひとつで、2DFT法、3DFT法の2種がある。頻用される3DFT法の利点としては、遅い血流の描出が良好で血流および撮像面の向きに影響を受けず、血流の流速ならびに方向に関する情報を定量的に得られることであるが、撮像時間が長く、高度の磁場均一性が必要である。
→いそうコントラストほう
[←先頭へ]位相シフト (いそうシフト:phase shift)
核スピンの位置情報を得るためには、スライス選択勾配磁場や読み出し勾配磁場が印加される。そのために静止系の核スピンの場合はその位置に応じて位相がずれてくる。さらに、この勾配磁場が印加されている際に、血流や脳脊髄液のように核スピンが移動すると、その位置での勾配磁場の強度に応じて核スピンの角速度は変化していき、位相はますますずれることとなる。これが位相シフトである。そのシフト量は勾配磁場の強度とその印加時間、核スピンの位置、速度、加速度さらに高次の成分などの関数として求められる。
→いそうシフト
[←先頭へ]位相角 (いそうかく:phase angle)
周期サイクルの固定した基準点に対するスピンの位置。
→いそうかく
[←先頭へ]位相共役対象 (いそうきょうやくたいしょう:phase conjugate symmetry)
→いそうきょうやくたいしょう
[←先頭へ]位相差分 (いそうさぶん:phase differencial)
PC−MRAでのフロー再構成法の1つで、スラブをディフェーズさせる傾斜磁場と位相補正を制御する。位相差分再構成では、ディフェーズ用傾斜磁場がオフ、位相補正がオンになる。
→いそうさぶん
[←先頭へ]位相補償勾配磁場 (いそうほしょうこうばいじば:phase refocusing gradient magnetic field)
スライス選択勾配磁場や読み出し勾配磁場のために生じる位相シフトを補償するために信号読みだし前に付加的に印加される勾配磁場。しかし、生体においては大血管での乱流のように、核スピンが加速度以上の高次の成分を有する場合があり、理想的な補償は難しい。
→いそうほしょうこうばいじば
[←先頭へ]異核種カップリング (いかくしゅカップリング:heteronuclear coupling)
プロトンとのスピン交換による緩和。13C、19Fなどにみられる。
→いかくしゅカップリング
[←先頭へ]移動プリサチュレーション (いどうプリサチュレーション:walking presaturation)
2D−TOFMRAで、スライスの移動に応じてプリサチュレーションパルスを移動させる方法。動静脈の分離描出に効果がある。
→いどうプリサチュレーション
[←先頭へ]渦電流 (うずでんりゅう:eddy current)
MR装置は、位置情報や信号収集のために用いられる傾斜磁場のスイッチング時に、傾斜磁場コイルの外側に位置する主磁石などの金属部分のいたるところに複雑な誘起電流を生ずる。これらの電流はそれぞれ独自の磁場を形成し、異なる速度で消失していく。渦電流が形成するこれらの磁場の影響で、傾斜磁場パルスは立ち上がり・立ち下がり部分でタイムラグを生じ、設計通りの傾斜磁場が印加されないことになり、画像の歪みなどの悪影響をもたらす。対策としては、渦電流の影響を相殺するようにあらかじめ傾斜磁場コイルから外側の磁束の漏出を防止するためのシールド型傾斜磁場コイル(SGC)の採用がある。
→うずでんりゅう
[←先頭へ]永久磁石 (えいきゅうじしゃく:permanent magnet)
残留磁気と保持力の大きな磁性材料。着磁されるとほぼ永久的に磁束を発生する。MR装置の主マグネットとしては、フェライトやNb-Fe-Bなどを材料とした永久磁石が使用される。特徴としては、洩れ磁場が少ないので設置面積を小さくできる、磁場維持のための電力・冷却が不要(維持費が安い)、磁場強度に技術的な限界がある(現状では0.4T)、磁場の均一性・安定性の点で超電導磁石にやや劣る。
→えいきゅうじしゃく
[←先頭へ]永久電流 (えいきゅうでんりゅう:permanent current)
超電導状態で、Nb-Ti合金などが材料のコイルに、ほぼ永久的に流れ続ける電流のこと。
→えいきゅうでんりゅう
[←先頭へ]液体ヘリウム (えきたいヘリウム:liquid helium)
沸点が4.2kの液化したヘリウム。
→えきたいへりうむ
[←先頭へ]液体窒素 (えきたいちっそ:liquid nitrogen)
沸点が77Kの液化した窒素。超電導磁石の超電導状態を保持するために超電導コイルは液体ヘリウムの中に浸されているが、高価なヘリウムの蒸散を抑制するために、液体窒素を満たした容器で液体ヘリウム容器を包み込んでいる。
→えきたいちっそ
[←先頭へ]折り返し (おりかえし:aliasing/ wrap around)
[←先頭へ]
か |
(かいてんじば)
[←先頭へ]
(がいぶじば)
[←先頭へ]
(きょうめいしゅうはすう)
[←先頭へ]
ガウス (ガウス:gauss)
磁場強度の測定に使われる旧単位で、現在はテスラ(T)が用いられる(1T=10000G)。地球の磁場はほぼ0.3G。
→ガウス
[←先頭へ]ギブズアーチファクト (ギブズアーチファクト:Gibbs artifact)
§トランケーションアーチファクト
[←先頭へ]キュー (キュー:queue)
イギリス英語で「待ち行列」のこと。アーカイブやバッチフイルム化で使用されるときは、処理されるのを待っている、一連の選択された画像のリストを指す。
→キュー
[←先頭へ]クエンチング (クエンチング:quenching)
超電導磁石において、液体ヘリウムの基準量以下への低下やクライオスタットの真空度の低下など、何らかの理由により、コイルの一部で超電導状態の臨界点を超えて常電導状態へと移行して抵抗が生じると、発熱し、常電導状態が全体に広がる。この時、急激な熱の発生により液体ヘリウムが爆発的に気化蒸散する。この現象をクエンチングという。
[←先頭へ]クライオスタット (クライオスタット:cryostat)
一般には、恒温保持用の容器のこと。MRIにおいては超電導磁石の超電導状態を維持するために、コイルを液体ヘリウム温度に保つための容器。超電導コイルを収納した液体ヘリウム容器、それを取り囲む液体窒素容器、複数の熱輻射シールド板などが真空容器の中に収められている。気化蒸散するヘリウムを再利用しない開放型のものと、ヘリウムの消費を抑制するための液体ヘリウム再冷凍システムを備えたものとがある。
[←先頭へ]グラジェントリコールドエコー (グラジェントリコールドエコー:gradient-recalled echo:GRECHO)
[←先頭へ]
グラジエントエコー(法) (グラジエントエコー:gradient echo)
スピンの磁化を観測するための一方法。スピンエコー法における180°パルスに変えて、磁場勾配を反転(傾斜磁場反転)させることによりエコー信号を発生させる。TR、TEの短縮が可能となり、高速スキャンや3Dボリュームスキャンに応用されている。しかし、180°パルスを用いないので外部静磁場の不均一性の影響を受けやすく、スピンエコー法よりも画質が劣化する。エコー信号収集後に残存横磁化成分を強制的に消滅させるためにスポイラーパルスを付加するタイプ(FLASH、SPGRなど)と完全なSSEP状態を意図したタイプ(FISP、GRASSなど)に分けることができる。TR、TE、フリップ角の調整で画像のコントラストを変化させる。
→GRE、 GRE、 フィールドエコー(法)
[←先頭へ]グラジエントモーメント (グラジエントモーメント:gradient moment)
MRアンギオでは、定速スピンの位相に対するグラジエントの効果を第1モーメント、加速スピンに対する効果を第2モーメント、ジャーク(加速変化)を呈するスピンに対する効果を第3モーメントと呼ぶ。
[←先頭へ]グラジエントモーメントナリング (グラジエントモーメントナリング:gradient moment nulling:GMN)
流速、加速、その他の運動によって生じる位相ずれを修正するためにグラジエントを印加すること。第1水準グラジエントナリングは、フローコンプと同じ。
[←先頭へ]グラジエントリフォーカスエコー (グラジエントリフォーカスエコー:gradient-refocused echo)
グラジエントエコー法において、スピンの位相をディフェーズ、リフェーズするために用いられるグラジエントパルスのこと。RFパルスの代わりに使用されるエコー。
[←先頭へ]クラシック (クラシック:classic)
スピンエコーのスキャンにおいて、筋肉と脂肪の信号間に、より大きなコントラストをつけるために使用される機能。
[←先頭へ]クレードル (クレードル:cradle)
患者をマグネット内に運ぶ、患者移動テーブルの一部。
[←先頭へ]グレイスケール (グレイスケール:gray scale)
白黒階調のこと。
[←先頭へ]クロスR−Rイメージング (クロスR−Rイメージング:cross R-R imaging)
複数のR−R間隔でデータの収集を行う心拍ゲーティング法。スライス厚を最大限に得ることができる。
[←先頭へ]クロストークアーチファクト (クロストークアーチファクト:cross-talk artifact)
MRIにおいて、隣り合うスライス間で起こる干渉のこと。クロストークは、RFパルスが時間的制限のため本質的に完全矩形波ではなく、スライスも矩形とならないために生ずる。そのためスライス間隔が狭いときは、ひとつのスライスを励起するためのRFパルスによって、隣のスライスのプロトンも励起されるので、その辺縁が重なることになる。実際のMRIではスライス間隔を十分に取ることによって、SNRを増加させ、クロストークによるアーチファクトを軽減できる。
[←先頭へ]クロスリファレンス (クロスリファレンス:cross reference)
ロカライザ画像上で複数の交差する画像を設定する機能。
[←先頭へ]クワドラチャコイル (クワドラチャコイル:quadrature detection coil)
§QDコイル
[←先頭へ]ゲーティング (ゲーティング:gating)
心電図や光電気パルスセンサを使い、画像データの収集をトリガして、動きによるアーチファクトを最小限にする技法。データ収集を生体の動きと同期させる。
[←先頭へ]ケミカルシフト (ケミカルシフト:chemical shift)
[←先頭へ]
ケミカルシフトアーチファクト (ケミカルシフトアーチファクト:chemical shift artifact)
[←先頭へ]
ケミカルシフトイメージング (ケミカルシフトイメージング:chemical shift imaging)
[←先頭へ]
ゴースト(アーチファクト) (ゴースト(アーチファクト):ghost (artifact))
動脈血やCSFの拍動、心拍動、呼吸運動などの周期的な動きによって、位相エンコード方向に多数現れるアーチファクト(モーションアーチファクトの1種)。
[←先頭へ]コイル (コイル:coil)
MRIで使用される装置で、プロトンを励起させるために必要なRFパルスを送信したり、組織から発生した信号を受信するために用いる。
→コイル
[←先頭へ]コラップス (コラップス:collapsed)
マキシマムピクセルプロジェクション(MPP)ともよばれる最大輝度プロジェクションイメージ(MIP)で、TOFプロジェクションイメージまたはPCイメージから生成する。
[←先頭へ]コロナル (コロナル:coronal)
身体を前部(正面)と後部(背面)に分割する、長軸方向に沿った面。
→コロナル
[←先頭へ]コントラスト (コントラスト:contrast)
フィルム化された画像の暗い部分の濃度を増減して、明るい部分の濃度と対比させるカメラ機能。
[←先頭へ]コントラストエージェント (コントラストエージェント:contrast agent)
造影剤。
[←先頭へ]コントラスト増強法 (コントラストぞうきょうほう:contrast enhancement: CE)
CTやMRIにおいて造影剤を投与することにより、病変部と正常部とのコントラストを明瞭にする方法。
[←先頭へ]コントラスト分解能 (コントラストぶんかいのう:contrast resolusion)
関心ある解剖学的部位と周囲組織間を濃淡で表示区別する能力。
[←先頭へ]渦電流 (かでんりゅう:eddy current)
患者や冷却器の金属ジャケットなど、導体における磁界の変化によって誘発される電流。除去または補正しないと画質劣化の原因になる(「うずでんりゅう」と読むほうが一般的)。
→かでんりゅう
[←先頭へ]渦流 (かりゅう:vortex flow)
局所的にゆっくり渦を巻いたり、流れが停滞している血液。狭窄箇所の遠位(抹消)部で血流が急激に減衰したために起こることが多い。
→かりゅう
[←先頭へ]化学シフト (かがくシフト:chemical shift)
磁気共鳴現象において、ある原子が化学結合している場合、相手原子との共有電子による遮蔽効果のために共鳴周波数の値はわずかに低い値にずれている。これを化学シフトといい、その大きさを周波数で表す。また、シフト量を静磁場強度に対する本来のラーモア周波数で割って100万分の1(ppm)で表すこともある。水の中の水素原子と脂肪族分子の中の炭素に結合した水素原子では3〜5ppmのシフトがある。
→かがくシフト
[←先頭へ]化学シフトアーチファクト (かがくシフトアーチファクト:chemical shift artifact)
化学シフトによる周波数成分の違いが、周波数エンコード方向の位置の変化として現れたものを、化学シフトアーチファクトとよぶ。自由水を大量に含む組織と脂肪組織の境界面に帯状の信号欠損もしくは高信号域として認められる。これは静磁場強度に比例、周波数エンコード方向の傾斜磁場強度に反比例して顕著となる。位相軸と周波数軸を入れ替える、あるいは周波数エンコードの磁場勾配を逆方向にすることによって、アーチファクトの発生する方向を変えて重なり障害を防ぐことができる。
→かがくシフトアーチファクト
[←先頭へ]化学シフトイメージング (かがくシフトイメージング:chemical shift image)
→かがくシフトイメージング
[←先頭へ]化学シフト画像 (かがくシフトがぞう:chemical shift image)
ある物質中の特定元素のNMRスペクトル強度分布から、化学シフト量に応じた画素値を与えることにより得られる画像。これにより、水・脂肪分離画像を得ることも可能である。
→かがくシフトがぞう
[←先頭へ]仮想画像 (かぞうがぞう:imaginary image)
→かそうがぞう、 真の画像
[←先頭へ]加速変化 (かそくへんか:jerk)
→かそくへんか
[←先頭へ]可変バンド幅 (かへんバンドはば:variable bandwidth)
→かへんばんどはば
[←先頭へ]画素 (がそ:pixel)
→がそ
[←先頭へ]画像再構成 (がぞうさいこうせい:image reconstrustion)
MRやCTのローデータを2次元画像に変換すること。
→がぞうさいこうせい
[←先頭へ]解剖学的基準点 (かいぼうがくてききじゅんてん:anatomic reference)
患者のスキャン位置を設定するときに、参考点として使用する外耳孔などの基準点。
→かいぼうがくてききじゅんてん
[←先頭へ]回転基準フレーム (かいてんきじゅんフレーム:rotating frame of reference)
核の歳差(ラーモア)周波数でBo軸の周りを回転する基準フレーム。
→かいてんきじゅんフレーム
[←先頭へ]回転座標系 (かいてんざひょうけい:rotating frame)
ある基本となる座標軸に対し、原点と回転軸を共通にして回転している座標系。静磁場Boの方向を向く座標軸の周りに磁化ベクトルのラーモア周波数と同一の周波数で回転する座標系を用いると、磁化ベクトルの緩和現象を単純化して説明できる。
→かいてんざひょうけい
[←先頭へ]回転磁気比 (かいてんじきひ:magnetogyric ratio)
→かいてんじきひ
[←先頭へ]回転磁場 (かいてんじば)
→かいてんじば
[←先頭へ]外部磁場 (がいぶじば)
→がいぶじば
[←先頭へ]外部聴神経管(外耳孔) (がいぶちょうしんけいかん(がいじこう):external acoustic[auditory] meatus)
ランドマークのひとつ。CTにおいて外耳孔はロカライズ画像上で容易に確認できるが、MRではサジタルロカライズ画面上に外耳孔は存在しないので、間接的に橋(pons)下端を基準点とすることが多い。
→がいぶちょうしんけいかん
[←先頭へ]拡散 (かくさん:diffusion/perfusion)
分子同士のランダムな熱運動(ブラウン運動)により物質が溶媒中に広がっていく過程を分子拡散(diffusion)といい、一方 perfusionは毛細血管内血流を意味する。両者は物理現象としては全く異なるものであるが、どちらも分子の微視的運動であり、生体内においては末梢領域の微小動態として同一視できる。
→diffusion weighted imaging、 DWI
[←先頭へ]拡散(強調)画像 (かくさん(きょうちょう)がぞう:diffusion (weighted) image)
通常用いられるSE法のパルス系列では拡散による信号の減衰は無視できるが、大きな傾斜磁場が長時間にわたって印加されると、その間の各磁化ベクトルの移動によって生じる位相のずれが無視できなくなり、拡散が活発な領域ほど低信号として現れる。こうして得られた画像を拡散強調画像とよぶことがある。また、SE法のパルス系列において、傾斜磁場の強さや印加時間を変えることによりディフェージングの効果を付けて得られた複数の画像から、見かけ上の拡散係数を求めて画像化することができ、これを拡散(係数)画像とよぶ。
→かくさんきょうちょうがぞう、 DWI、 diffusion weighted imaging、 DWI
[←先頭へ]拡散テンソル画像 (かくさんてんそるがぞう:diffusion tensor imaging )
motion probing gradient(MPG)の方向を変えた複数のDWIをもとに,テンソル解析を用いてMPGの方向に依存しない,すなわち測定系の座標系に依存しない指標に変換しそのうち拡散の異方性(diffusion anisotrophy)を表わしたもの。脳梗塞・脱髄性および萎縮性疾患・脳腫瘍などに応用した報告がみられる。
拡散係数 (かくさんけいすう:diffusion coefficient)
拡散(diffusion)の大きさを表す値。Dを拡散係数、xを拡散によって分子がt時間内に移動する平均距離とすると、X=root D・t となる。生体内においてはperfusionを考慮する必要があり、この場合には見かけの拡散係数は増大する。
→かくさんけいすう
[←先頭へ]拡張ダイナミックレンジ (かくちょうダイナミックレンジ:extended DR[dynamic range]:EDR)
通常の16ビットデータの代わりに32ビットデータを使ってS/N比を改善させる方法。通常撮影の2倍のメモリーを必要とするため、枚数が制限されることがある。
→かくちょうだいなみっくれんじ
[←先頭へ]核オーバーハウザー効果 (かくオーバーハウザーこうか:nuclear overhausser effect:NOE)
MRSの観測の際、測定目標以外の他の原子核の共鳴条件を満たすRF周波数を印加して、信号増強をはかったり、選択的に共鳴を起こさせる方法のひとつ。原子核スピンが他の原子核スピンと互いに影響しあっているとき、一方の原子核スピンに共鳴を起こさせるとそのスピン系は飽和し、その系のスピンの分布(+/−の数の割合)が変化し、これが他の原子核のスピン系のスピン分布に影響を与え、その磁気共鳴信号を強くしたり弱くしたりすることができる。31Pと1Hが結合しているとき、1Hの周波数のRFを照射しながら31Pを観測すると信号が増強する。
→かくオーバーハウザーこうか
[←先頭へ]核スピン (かくスピン:nuclear spin)
多くの原子核はある軸を中心として回転している。この自転運動のことをスピンとよび、軸の方向と大きさを持つベクトルとして表すことができる。
→かくすぴん
[←先頭へ]核磁気共鳴画像 (かくじききょうめいがぞう:nuclear marnetic resonance (imaging):NMR)
昔はMRIのことをNMR−CTと称していたが、nuclearの「核」というイメージを避けるため、MRIとよばれるようになった。
→かくじききょうめいがぞう
[←先頭へ]角周波数 (かくしゅうはすう:angular frequency:ω)
振動または回転運動の周波数。ω=2πf(f:周波数)。
→かくしゅうはすう
[←先頭へ]緩和、緩和時間 (かんわ、かんわじかん:relaxation,relaxation time)
核スピンがRFパルスのエネルギーを吸収して励起された後に、そのエネルギーをラーモア周波数と同一周波数の電磁波として放出しながら、元の平衡(定常)状態に戻っていく過程を緩和という。そして、この緩和過程の時定数を緩和時間(核の63%がもとの状態に戻る時間)とよび、その逆数を緩和速度という。その過程には縦緩和と横緩和がある。このふたつの現象は同時に起きているが、互いに全く独立した現象である。
→かんわ
[←先頭へ]緩和速度、緩和率 (かんわそくど、かんわりつ:relaxation velocity,relaxation rate)
緩和時間の逆数。
[←先頭へ]緩和度 (かんわど:relaxivity)
MRI用コントラスト増強剤が水溶液・組織のT1・T2を短縮する効果を評価する指標が緩和度である。緩和度Rは次式で示される。 1/T=1/To+R*C (Tは観測される緩和時間、Toは物質固有の緩和時間、Cはコントラスト増強剤の濃度)。水溶液あるいは組織におけるコントラスト増強剤の濃度1mol/lあたりに促進される緩和速度で定義される。
→かんわど
[←先頭へ]眼窩耳孔線 (がんかじこうせん:OM line)
解剖学的基準線のひとつ。脳ルーチン撮影で通常利用される。
→がんかじこうせん
[←先頭へ]輝度 (きど:brightness)
露光操作で設定された光の量を定義するカメラのコントロール機能。輝度を大きくすると撮像された画像密度は減る。
→きど
[←先頭へ]巨視的磁化ベクトル (きょしてきじかべくとる:macroscopic magnetization vector)
微視的な各核スピンにより発生する磁気モーメントベクトルの、ある空間内での総和(ベクトル的加算)。実際のMRIにおいては単位ボクセル内の巨視的磁化ベクトルにより生ずる信号を観測の対象としている。
[←先頭へ]巨視的磁気モーメント (きょしてきじきモーメント:macroscopic magnetic moment)
巨視的磁化ベクトルの大きさ。
→きょしてきじきもーめんと
[←先頭へ]虚像(仮想画像) (きょぞう(かそうがぞう):imaginary images)
レシーバまたはデモジュレータ(復調期)の基準信号より90°位相をずらしたフーリエ成分から生成される画像。
[←先頭へ]共鳴 (きょうめい:resonance)
原子核の共鳴周波数と同じ周波数を与えることにより起こるエネルギー変化。MRでは、共鳴周波数と同じRFパルスを加えることにより核を共鳴させる。このRFパルスを印可することにより、核は低エネルギー状態から高エネルギー状態へ変化する。
[←先頭へ]共鳴周波数 (きょうめいしゅうはすう)
→きょうめいしゅうはすう
[←先頭へ]強磁性 (きょうじせい:ferromagnetism)
強磁性体は磁場と同じ方向に強く磁化され、磁場を取り除いても磁化は残る。これを残留磁化という。このため、強磁性体は磁石として利用される。広義の強磁性を、鉄・ニッケル・コバルト(いずれも金属状態の時)のようなフェロ磁性とフェライトなどのフェリ磁性と区別することがある。
→きょうじせい
[←先頭へ]強調位相画像 (きょうちょういそうがぞう:weighted-phase images)
血流データを示す画像。指向性血流画像は、単一軸に沿った流れを示し、スピードフロー画像は、すべての流れを一枚の画像で表したものである。
→きょうちょういそうがぞう
[←先頭へ]均一性 (きんいつせい:homogeneity)
→きんいつせい
[←先頭へ]緊急システム停止ボタン (きんきゅうシステムていしボタン:emergency stop button)
検査室内の全システムの電源を切断するボタン。磁場や酸素モニタの電源は切断されない。
→きんきゅうしすてむていしぼたん
[←先頭へ]緊急静磁場消磁ボタン (きんきゅうせいじばしょうじボタン:run down button)
超電導マグネットをクエンチさせて、強制的に静磁場を消滅させるボタン。緊急時(例えば患者が酸素ボンベとマグネットに挟まれた場合など)に緊急的に使用されるが、再び超電導状態に復旧するには多くの時間(2週間程度)と費用がかかる。
→きんきゅうせいじばしょうじぼたん
[←先頭へ]矩形視野計測 (くけいしやけいそく:rectangular FOV)
→くけいしやけいそく
[←先頭へ]空間フィルタ (くうかんフィルタ:spatial filter)
空間周波数の高域を強調するフィルタ(画像が鮮明になる)。
→くうかんふぃるた
[←先頭へ]空間分解能 (くうかんぶんかいのう:spatial resolution)
コントラスト差が十分にある対象をスキャンあるいは撮影した際、どれだけ小さいものまで描出できるかを示す能力のこと。隣接している2つの点を個別かつ明瞭に識別できるときの2点間の距離で表す。この値が小さいとき「空間分解能が高い」という。
[←先頭へ]偶数エコーリフェージング (ぐうすうエコーリフェージング:even echo rephasing)
多重エコーのSE法(マルチエコーシーケンス)において、定速で移動する核スピンの偶数番目(2,4,6など)のエコー信号は、傾斜磁場によるディフェーズの影響を受けることなく、信号強度が低下しない。これを偶数エコーリフェージングという。
[←先頭へ]繰り返し時間 (くりかえしじかん:repetition pulse:TR)
パルス系列において、ひとつのRFパルスの組み合わせが繰り返される基本周期(時間間隔)のこと。スピンエコー法においては、90°パルスと次の90°パルスまでの時間。
→くりかえしじかん
[←先頭へ]傾斜磁場 (けいしゃじば:gradient magnetic field)
MRIにおいてMR信号の画像化のためには、均一の静磁場に対して、ある方向に関して小さく(線形に)変化する磁場を重ね合わせて磁場強度に勾配をかけて、MR信号に位置の情報を付加している。このとき用いる磁場を(線形)傾斜磁場という。この強さによりスライス厚・FOVの大きさなどが決定される。実際は、パルス状に傾斜磁場が印加され、その波形の精度や励起される渦電流が画質に影響する。スライスの選択・位相エンコード・信号の読み出しに用いる傾斜磁場をそれぞれ、スライス選択磁場勾配・位相エンコード磁場勾配・読み出し磁場勾配とよぶことがある。単位は、単位長さあたりの磁場強度の変化量(mT/m)である。
[←先頭へ]傾斜磁場エコー (けいしゃじばエコー:gradient echo)
[←先頭へ]
傾斜磁場コイル (けいしゃじばコイル:gradient magnetic field coil)
傾斜磁場を発生するためのコイル。主磁石の内側にx・y・zの3方向に対応する3対のコイルを配置し、パルス状の線形傾斜磁場を作っている。
→けいしゃじばコイル
[←先頭へ]結合水 (けつごうすい:bound water)
→けつごうすい
[←先頭へ]血管閉塞症 (けっかんへいそくしょう:vascular occlusive disease)
アテローム性動脈硬化症などの疾患により、血管の内腔が狭くなること。
→けっかんへいそくしょう
[←先頭へ]血流エンコード磁場勾配 (けつりゅうエンコードじばこうばい:flow encode gradient)
位相コントラストMRAを行う際に、静止した組織のスピンを0にして血流の信号のみを得るために使用する磁場勾配のこと。一回の撮影で上下・左右・前後のうち一方向の血流成分が描出される。
[←先頭へ]交差緩和 (こうさかんわ:cross relaxation)
ある分子中のプロトンが化学的交換(chemical change)なしで、そのスピンを他の分子中のプロトンに移行する双極子−双極子相互作用の特殊な形。
→こうさかんわ
[←先頭へ]交差面 (こうさめん:throughplane)
イメージング面と垂直なフローエンコーディング方向。
→こうさめん
[←先頭へ]勾配(磁場)エコー (こうばい(じば)エコー:gradient echo)
§グラジエントエコー
[←先頭へ]勾配磁場 (こうばいじば:gradient magnetic field)
→磁場勾配
[←先頭へ]高周波磁場 (こうしゅうはじば:RF magnetic field)
[←先頭へ]
高周波遮蔽 (こうしゅうはしゃへい:RF shield)
[←先頭へ]
高信号域 (こうしんごういき:high intensity area)
MRI上で他よりも白く見える部分。高信号域では通常、T2時間が長いか、またはT1時間が短い。T2時間が長いものとしては自由水があり、T1時間の短いものとしては脂肪や、ある時期の出血などがある。
[←先頭へ]高速SE法 (こうそくえすいーほう:fast spin echo)
[←先頭へ]
高速フーリエ変換法 (こうそくフーリエへんかんほう:fast Fourier transformation:FFT)
離散的フーリエ変換を算出できるアルゴリズムの1つで、計算順序を変えて高速に演算できるようにしたもの。標本数がNのとき、直接計算した場合には加算や乗算の回数がNの2次式で表されるが、高速フーリエ変換ではNlog2N(底が2)に比例した回数ですむ。
→FFT
[←先頭へ]切り替え可能型コイル (きりかえかのうがたこいる:switchable coil)
フェーズドアレイコイルに表面的に類似したコイル。本物に比べると機能は劣るが、かなり安価である。
[←先頭へ]さ |
サーバー (サーバー:server)
ネットワークを通じて他のコンピュータから要求を受け、処理するコンピュータ。
→サーバー
[←先頭へ]サーフェスコイル (サーフェスコイル:surface coil)
撮影したい部位の表面上、近くに置いて使うRFコイル。S/N比の高い画像が得られる。
[←先頭へ]サジタル面 (サジタルめん:sagittal plane)
身体を左右に分割するスキャン面。
[←先頭へ]サセプタビリティ (サセプタビリティ:susceptibility)
物質が磁化される能力、または磁界に歪みを与える能力のこと。磁気感度の高いものとしては、反磁性、常磁性、強磁性の物質がある。
[←先頭へ]サチュレーション (サチュレーション:saturation)
組織のT1より短い時間内で高周波(RF)パルスを繰り返し印加し、正味磁気と静磁場が不完全に整列する状態を作ること。
[←先頭へ]サチュレーションタッギング (サチュレーションタッギング:saturation tagging)
[←先頭へ]
サチュレーションパルス (サチュレーションパルス:saturation pulse)
スライスごとに印加するRFパルスで、通常はその後にディフェージンググラジエントを印加して、スピンを飽和させて信号を抑制する。スライス方向の流動血液やスライス面の脂肪からの信号を抑制するのに使用される。
[←先頭へ]シーケンシャルIR (シーケンシャルIR:sequential IR)
180°−90°−180°のRFパルスをスライスごとに照射する方法。一般のIR法においては、はじめに全体積領域を一度に180°パルスで反転させ、その後それぞれの面に90°パルスを加えて信号を取り出している。
[←先頭へ]シールドグラジェントコイル (シールドグラジェントコイル:shielded gradient coil:SGC)
§シールド型傾斜磁場コイル
[←先頭へ]シールド型傾斜磁場コイル (シールドがたけいしゃじばコイル:shielded gradient coil:SGC)
傾斜磁場のスイッチングのたびに誘起される渦電流の発生を抑制する目的で、傾斜磁場コイルと主マグネットの間に設けられるキャンセル用コイル。傾斜磁場コイルに流した電流と逆方向に電流を流し、クライオスタット側への漏洩電流を打ち消す。ノイズの低下、分解能の向上、画像歪みの抑制などの効果がある。
[←先頭へ]シェアードエコー (シェアードエコー:shared echo)
一回のスキャンで2種類のコントラストの画像を得るために、同じエコー信号のデータを共有する撮像方法。
[←先頭へ]シェル (シェル:shell)
ユーザーが入力したコマンドを1行ずつ解釈して実行するプログラム。
→シェル
[←先頭へ]しきい値 (しきいち:threshold)
画像処理に使用するピクセル信号の強度を設定するための値。
[←先頭へ]シストール (シストール:systole)
心電図のR波とT波間の周期。
[←先頭へ]シネMRI (シネMRI:cine MRI)
MRIにおいて、同期(心拍同期など)内で関心部位を経時的・連続的に撮像し、その経時的変化を動画上で表示すること。心疾患や動脈瘤などの血管病変の血行動態を把握するのに非常に有効である。最近ではパルスシーケンスを直接ゲーティングせずに、心臓周期の異なる時期で複数の画像を収集する方法(レトロスペクティブゲーティング)が可能である。
[←先頭へ]シネスキャン (シネスキャン:cine scan)
[←先頭へ]
シネプラス (シネプラス:cine plus)
シネモードで動画のように画像を出力するソフト。心臓などの部位を動的に表示する時に使う。レトロスペクティブゲーティング技術と傾斜磁場エコーパルスシーケンスを使用する。
[←先頭へ]シミング (シミング:shimming)
MR装置の主マグネットにより発生する静磁場の空間的な不均一を補正し、均一度を向上させるための調整操作をシミングという。一般には、シムコイルに流す電流値操作により補正適時場を変化させて、静磁場均一度を調整する。
→シミング
[←先頭へ]シムコイル (シムコイル:shim coil)
静磁場の空間的な不均一を改善するために補正磁場を発生させる調整用コイル。このコイルに流す電流値の調整によりシミングを行う。通常、主磁石本体に独立した10〜20数個の多チャンネルシムコイルが配置されている。たいていのMRSの測定ではデータの採取に先立ち、さらに注意深いシミングがなされ、この処理は手動または自動で行われ、完了するのに3〜10分程度を要する。シムコイルには常電導コイルと超電導コイルあるいは両者が用いられる。
[←先頭へ]ジャーク (ジャーク:jerk)
加速変化。時間とともに加速流が変化すること。Δ加速流/Δ時間で表す。MRAにおける位相ずれの原因になる。
→ジャーク
[←先頭へ]シャットダウン (シャットダウン:shutdown)
ソフトウェアを正規の手順で停止させ、ファイルを閉じてオフラインで保存すること。
[←先頭へ]ショートTI−IR法(STIR法) (ショートTI−IR(STIR):short TI-IR method: STIR)
反転回復(IR)法は、スピンエコー(SE)法の前に180°パルスをかけてスピンエコーをz軸方向に反転させるもので、T1強調画像を得るためにTI(反転時間)を生体のT1値の範囲内に設定するが、TI−IR法ではTIを生体の多くのT1値より短く設定することによりT1およびT2の長い組織の信号強度を増加をさせ、多くの病変を高輝度に描出することができる。
[←先頭へ]ショット(数) (ショット:(number of)shots)
マルチショットEPIで設定する値。スキャン時間はTR×shot数×NEXであるため、shot数が少ないほどスキャン時間が短くなる(ETLが長くなる)。このときのETLは総フェーズエンコーディング数/shot数で表され、shot数が増えると実効エコー間隔(ESP)は短くなる。
[←先頭へ]シリーズバインディング (シリーズバインディング:series binding)
同一シリーズ内の画像のみではなく、同一スタディ内の全画像をページングする表示機能。
[←先頭へ]シングルショットEPI (シングルショットEPI:single shot echo planer imaging)
1回の励起パルスで画像構成に必要なすべてのデータを収集する超高速スキャン法。マルチショットタイプEPIよりSN比で劣るが、数10ミリ秒単位の撮影が可能である。
[←先頭へ]ズーグマトグラフィー (ズーグマトグラフィー:zeugmatography)
MRIにおける画像構成法のひとつで、xyz3方向の位置情報をすべて周波数エンコーディングにより得る方法。本来、信号を与える水素原子のない部分でも計算上スピン密度分布をもつために、画像にアーチファクトを生じやすく、最近ではフーリエ変換法による画像再構成が主流となっている。
[←先頭へ]スイート (スイート:suite)
ネットワーク用語でLAN(local area network)とも呼ばれるサブネットワーク。1つ以上のワークステーション(ICまたはOC付きICを指す)が同一ケーブル上で結ばれている。
→スイート
[←先頭へ]スイート番号 (スイートばんごう:suite number)
複数のコンソールを使用しているときに、各コンソールを識別する番号。ネットワーク上で画像データを送信するときに、送信元と送信先を識別するのに必要である。
[←先頭へ]スカラーカップリング (スカラーカップリング:scalar coupling)
[←先頭へ]
スキャン (スキャン:scan)
画像データを収集すること。
→スキャン
[←先頭へ]スキャンFOV (スキャンFOV:scan FOV)
有効視野。スキャンによるデータ収集領域のこと。
[←先頭へ]スキャンタイム (スキャンタイム:scan time)
データ収集時間。
[←先頭へ]スキャンデータ (スキャンデータ:scan data)
再構成前のローデータなどのデジタル信号のこと。
[←先頭へ]スクエアピクセル (スクエアピクセル:square pixel)
位相方向を基準にFOVの周波数マトリックスと位相マトリックスの比率を設定する機能。
[←先頭へ]スクリーンセーブ (スクリーンセーブ:screen save)
処理中の画像を保存する機能。WW、WLやコメントなどの画像情報もそのまま保存でき、後に読み出し可能である。
[←先頭へ]スターナルノッチ (スターナルノッチ:sternal notch:SN)
鎖骨、胸骨の結合によるくぼみ(胸骨上端)。解剖学的ランドマークのひとつ。
[←先頭へ]ステータスメッセージ (ステータスメッセージ:status)
今後の操作に影響を与えたり、何らかの措置を必要とされるような状況を警告をするメッセージで、システムが現在おかれている立場を示すメッセージ(状態表示)。
[←先頭へ]ストア (ストア:store)
イメージデータをシステムディスク(ハードディスク)から光磁気ディスク、磁気テープにコピーすること。保存したデータをもう一度呼び出すことは、リストア(restore)という。
→ストア
[←先頭へ]スパイラルスキャン (スパイラルスキャン:spiral scan)
k空間にエコー信号を収集するときの軌跡が螺旋状である方法。k空間の中心部から外側に向かってデータを充填するため、低周波成分が高密度でサンプリングされ、データ積算効果によるモーションアーチファクトが目立ちにくいが、オフレゾナンス効果によって画像のボケが顕著になりやすいという欠点がある。
[←先頭へ]スピン (スピン:spin)
量子力学において、素粒子の自転する性質をスピン磁気モーメントまたは単にスピンとよぶ。MRIにおいては特に原子核の核スピンが重要であり、これが磁気共鳴現象の基礎となっている。電子の動きを原子核の周りの回転運動とするモデルを考えると、磁気量子数は原子の周りを回っている原子自身の自転(スピン)というモデルで考えられるため、スピンと名付けられている。原子核のスピンは原子のそれよりも約1/1000小さい。磁気モーメントの大きさと向きを考慮したモデルを考えるとき、これを磁気ベクトルとよぶ。
→スピン
[←先頭へ]スピン−スピン緩和 (スピン−スピンかんわ:spin-spin relaxation)
[←先頭へ]
スピンエコー(法) (スピンエコー:spin echo:SE)
スピンの磁化を観測するための一方法。現在最も一般的に用いられるパルス系列で、90°パルス−180°パルスの組み合わせを一定間隔(TR)で連続的に印加する。均一静磁場中の核スピンに対して、まず90°パルスを印加し、巨視的磁化ベクトルをx−y平面上に倒す。90°パルス印加直後から、核スピンが定常状態に戻る緩和の過程で、巨視的磁化ベクトルはT2*の時定数で消失するFID信号を放出するが、この途中で、90°パルス印加からτ(TE/2)時間後に180°パルスを印加すると、各核スピンの角速度がキャンセルされ、τ時間後に、T2の時定数で求められる信号強度に該当するエコー信号が観測される。これがスピンエコーである。ShortTR・TEでT1強調画像を、LongTR・TEでT2強調画像を得ることができる。スピン−格子緩和(spin-lattice relaxation)ともいう
→SE
[←先頭へ]スピン密度 (スピンみつど:spin density)
単位体積中の磁気共鳴を起こさせる対象各種の核スピンの数。MRIにおいてはプロトン密度に等しい。
[←先頭へ]スピン密度像 (スピンみつどぞう:spin density image)
[←先頭へ]
スペーシング (スペーシング:(inter scan) spacing)
[←先頭へ]
スペクトラルエディティング (スペクトラルエディティング:spectral editing)
スペクトロスコピーの測定において、特定のピークが持つ位相情報をコントロールすることで必要とするピーク情報のみを抽出する方法。例えば、プロトンスペクトロスコピーでは測定シーケンスの時間パラメータを制御し、脂肪信号と同じ位置に現れる乳酸の位相を変えることができる。スピンエコー法ではエコー時間135msecと270msecの2つのデータを収集し、互いに引き算して乳酸の信号のみを得ることができる。
[←先頭へ]スペクトロスコピー (スペクトロスコピー:spectroscopy)
分子内での結合位置の違いにより原子核の共鳴周波数は、その原子核本来の共鳴周波数から少しだけずれるという化学シフトを観測し、その大きさと信号強度から生体中の分子の種類や成分を調べることができる。これがNMRスペクトロスコピーである。
[←先頭へ]スペクトロスコピックイメージ (スペクトロスコピックイメージ:spectroscopic image)
[←先頭へ]
スポイラーグラジェントエコー (スポイラーグラジェントエコー:spoiler gradient echo)
2Dまたは3DモードでT1強調画像を収集するときに使用されるグラジェントエコーパルスシーケンス。
[←先頭へ]スポイラーパルス (スポイラーパルス:spoiler pulse)
スピンの位相をずらし、残留信号を低減または除去するために印加する傾斜磁場パルス。
[←先頭へ]スポイルドGRASS (スポイルドGRASS:spoiled GRASS:SPGR)
2Dまたは3DモードでT1強調画像を収集するときに使用されるグラジェントエコーパルスシーケンス。スポイラーパルスを用いて残存横磁化成分を消失させる。
[←先頭へ]スライスインターバル (スライスインターバル:slice interval)
一般的には、スライス厚とスライスギャップの合計をインターバルと称するが、まれにスライスギャップのみを指すこともある。
[←先頭へ]スライスエンコーディング (スライスエンコーディング:slice encoding)
3D撮影ではスライス方向にもエンコードが行われ、実行するスライスエンコーディングの回数により、1つのスラブ内に任意のスライス数を設定できる。この場合のスキャン時間は次のように設定される。 3Dscantime=TR×位相エンコーディング数×スライスエンコーディング数×NEX3Dで収集した画像は、スライス間のギャップがなくてもクロストークアーチファクトが発生せず、薄い隣接スライスを収集できる。
[←先頭へ]スライスギャップ (スライスギャップ:slice gap)
隣り合うスライスの間隔。
[←先頭へ]スライス厚 (スライスあつ:slice thickness)
CTやMRIなど二次元断層像を得る画像診断法における断層像の厚さ。通常の画像では5〜10mm程度が一般的である。スライス厚を薄くすることによりスライス方向の空間分解能は向上するが、S/N比が下がるので一般的に画質は劣化する。
[←先頭へ]スライス選択 (スライスせんたく:slice selective)
スライス選択傾斜磁場に沿ったスキャン方向。通常はスキャンレンジの方向に対応する。
[←先頭へ]スライス選択傾斜磁場 (スライスせんたくけいしゃじば:slice selective gradient magnetic field)
断層面の垂直方向に線形勾配磁場を加えて静磁場に重畳すると、共鳴周波数は磁場勾配方向に変化する。この系にある周波数帯域のラジオ波を照射すると、共鳴周波数が一致した厚みの領域のみ(すなわちスライス)が励起される。
[←先頭へ]スラブ (スラブ:slab:FOVz)
3D撮影におけるスライス方向傾斜磁場領域の長さ(厚さ)。§3Dイメージング
→スラブ
[←先頭へ]スリューレート (スリューレート:slew rate)
傾斜磁場強度をそれに要する立ち上がり時間で割った値(T/m/sec)。傾斜磁場システムの性能を示すひとつの量である。この値が高く、かつ最大傾斜磁場強度も大きい場合には、単位時間当たりの磁場変動(dB/dT)が大きくなり、SARの増大や末梢神経への刺激によって、患者の安全性が損なわれる可能性がある。
[←先頭へ]スループット (スループット:through-put)
実際のスキャン時間と患者のセッティング時間を加味した検査効率。
[←先頭へ]スレッショルド (スレッショルド:threshold)
画像処理時に設定するしきい値。特定の信号強度範囲を取り出したり、カットするときに設定する数値。
[←先頭へ]セーブ (セーブ:save)
画像データを外部記憶装置に保存すること。ストアと同じ。
→セーブ
[←先頭へ]セグメントk−space法 (セグメントk−spaceほう:segment k-space method)
画像のデータ収集の際、k空間でのデータをいくつかの領域に分割(セグメント化)し、セグメントごとに順次データを取り込んでいく方法。実際には、画像を作成するために必要なデータをいくつかのシリーズ(TRや心周期)に分割して収集する。FastSE、segmented Turbo−FLASHや Multishot EPIなどがこの分類に入る。この技術により息止め可能な時間内で心位相の時間分解能の高い画像を撮像し、冠動脈の描出が可能となっている。この方法により心臓のシネ撮像も可能である。
[←先頭へ]セルフシールド (セルフシールド:self shield)
磁気シールドの一方式。ヨーク材とよばれる軟鉄などの磁性材をマグネット本体の外周に装着するヨーク型磁気シールドや、コイル全体を鉄で覆った直付型磁気シールドがある。撮影室の構造を簡素化でき、小さなスペースへのMRI装置の導入が可能となった。他にも装置周辺での作業が比較的安全である、などの利点があるが、装置の総重量が重くなり、床の一部に荷重が集中するといった問題点もある。
[←先頭へ]センターフリケンシー調整 (センターフリケンシーちょうせい:center frequency adjustment)
送受信周波数と撮影するプロトンの減衰周波数とを一致させること。
[←先頭へ]ソース (ソース:source)
ネットワーク上での、データ発信元。
→ソース
[←先頭へ]ソフトウェア (ソフトウェア:software)
ハードウェアと対比した用語で、ディスクに格納されたコンピュータ言語によるプログラム。
[←先頭へ]ソレノイド型コイル (ソレノイドがたコイル:solenoid type coil)
受信用のRFコイルは静磁場の方向に対して直角に置かなければならないため、縦磁場装置(永久磁石型、一部の超電導型)では、このタイプのコイルを使用する。水平磁場装置で使用されるサドル型コイルに比べ、SN比がroot・2倍である。
[←先頭へ]再構成 (さいこうせい:reconstruction)
スキャン生データを表示画像にするまでの過程。
[←先頭へ]最小TE (さいしょうTE:minimum TE)
所定の指定における最小許容TE。フローの位相ずれとT2の影響を抑えるために使用する。
[←先頭へ]最適フリップ角 (さいてきフリップかく:Ernst's angle)
グラジエントエコー法において、MR信号を最大にするためのフリップ角のことをエルンスト角とよぶ。これは組織のT1値と繰り返し時間TRに依存し、 αmax=cos−1[exp(−TR/T1)] で与えられる。ただし、実際の撮影に当たっては組織間及び病変部のT1値に差があるために、画像のコントラストも考慮しながらフリップ角を設定する必要がある。
→さいてきフリップかく
[←先頭へ]雑音 (ざつおん:noise)
信号成分に混入する信号妨害情報を雑音(ノイズ)という。検知装置でキャッチした妨害信号、またはサンプル誤差によって画像に生じる斑点状のもの。雑音があると、ピクセル値の近い部分がぼやけることがある。
[←先頭へ]酸素モニタ (さんそモニタ:oxygen monitor)
MR検査室内の酸素濃度を監視する装置。ヘリウムガスの流出で、空気中の酸素量が安全値(18%以下)を下回ると警報が鳴るようにあらかじめセットされている。
[←先頭へ]四肢コイル (ししコイル:extremity coil)
四肢の画像に用いる送受信コイル。
→ししコイル
[←先頭へ]脂肪画像 (しぼうがぞう:fat image)
[←先頭へ]
視野 (しや:field of view:FOV)
撮影するスライスの大きさ(幅または高さを通常cmで表したもの)で、収集マトリックスとピクセルサイズの積の関数。
[←先頭へ]磁化 (じか:magnetization)
ある物質に磁場を作用することによって磁石の性質が現れること。大きさは単位体積あたりのモーメントにより表される。
[←先頭へ]磁化移動画像 (じかいどうがぞう:magnetization transfer imaging)
§MT
[←先頭へ]磁化率 (じかりつ:magnetic susceptibility)
ある物質が磁化される程度を表す物質固有の物理定数。物質は磁場の中で磁化され、それ自身が一時的に磁石の性質を持ち、周辺に磁場を作る。この磁化されやすさを磁化率という。
[←先頭へ]磁化率アーチファクト (じかりつアーチファクト:magnetic susceptibility artifact)
磁化率は物質により異なるため、極端に磁化率の異なる組織が隣接する部位(脳底部の含気構造と脳実質など)では、磁場に傾きを生じ、核スピンの回転位相が大きく変化し信号が低下する。これを磁化率アーチファクトという。特にGRE法においては、SE法のような180°パルスによる補正がなく、アーチファクトが顕著になる。
[←先頭へ]磁化率勾配 (じかりつこうばい:magnetic susceptibility gradient)
生体組織には、しばしば磁化率の異なる物質が含まれており、これらの物質は解剖学的に並列している。例えば空気や骨、脳脊髄液の磁化率は大きく異なる。また例えば、脳と蝶形骨洞あるいは脳脊髄液と椎体の間のような境界面ではχの値(すなわちB)が急激に変化する。これらの局所的な磁化率の変化を磁化率勾配とよび、これらはMRI撮影においてアーチファクトや信号低下の原因となる。
[←先頭へ]磁界 (じかい:magnetic field)
[←先頭へ]
磁気シールド (じきシールド:magnetic shield)
一般にMR装置は静磁場強度が高いほどS/N比が向上する。しかし高磁場であればあるほど問題も生じてくる。第一に、マグネット本体からの洩れ磁場が周辺環境に与える影響である。磁気に影響されやすい医療用機器・装置や心臓ペースメーカー装着者を漏れ磁場から保護する必要がある。第二に、撮影室周辺の磁性体からの撮影用静磁場への影響である。高画質を得るためにMR装置の静磁場には高い均一性が要求されるが、撮影室周辺に可動性の強磁性体による重量物(例えば自動車やエレベーターなど)があると静磁場を歪める原因となる。これらの影響の対策として、次のような磁気シールドがある。1.撮影室全体を鉄プレートなどで囲うルームシールド、2.マグネット本体周囲をヨークとよばれる鉄材で覆うセルフシールド、3.撮影室の中に鳥かご状の磁性材構造物を設け、その中に装置本体を配置するケージシールド、4.主マグネットのすぐ外側に主マグネットの磁場を相殺するようにコイルを配したアクティブシールド、5.セルフシールドとアクティブシールドの両者を組み合わせたハイブリッドシールド。
→じきしーるど
[←先頭へ]磁気ベクトル (じきベクトル:magnetic vector)
[←先頭へ]
磁気モーメント (じきモーメント:magnetic moment)
磁石としての強さを示す量。電荷を持った素粒子が回転運動すると、そのスピン軸と同一方向の磁気モーメントが発生する。これはN極とS極をもつ一個の棒磁石と同等であり、分離することができない磁気双極子を形成する。電子・陽子・中性子はいずれも磁気双極子である。強さmと−mの磁極が距離lm離れている磁気双極子の磁気モーメントは、大きさがmlで負極から正極に向かうベクトル(μ)で表される。磁気モーメントの単位はWb・mである。単位体積あたりの磁気モーメントのベクトル和が磁化(単位はWb/m2:磁束密度と同じ)である。原子核の場合は、核磁気モーメントといい、この強さは原子核の種類によって固有の値を持ち、プロトンが最も強い値を示す。
→じきモーメント
[←先頭へ]磁気回転比 (じきかいてんひ:gyromagnetic ratio)
粒子の持つ磁気モーメントの大きさの角運動量の大きさに対する比。ラーモア方程式ω=γ・B のγを磁気回転比とよび、核種固有の定数である。プロトンの磁気回転比はγ=42.5759MHz/T である。
[←先頭へ]磁気共鳴 (じききょうめい:magnetic resonance:MR)
ある強度の均一静磁場中の核スピンは、ラーモア方程式で求められる周波数(ラーモア周波数)で歳差運動を行っている。この核スピンの持つ磁気モーメントにラーモア周波数と同じ周波数の高周波磁場(RFパルス)を印加すると共鳴的にエネルギーを吸収する。さらに高周波磁場が切られると励起状態の核スピンは印加された高周波磁場と同一周波数の電磁波を出してエネルギーを放出する。この一連の過程を核磁気共鳴(NMR)といい、このときのラーモア周波数のことを共鳴周波数とよぶ。対象が電子を持つスピンの場合は電子スピン共鳴(ESR)とよぶ。
[←先頭へ]磁気共鳴撮影 (じききょうめいさつえい:magnetic resonance imaging:MRI)
磁気共鳴現象を用いた画像構成法。体内水素(プロトン)の分布を画像化する方法が主流である。画像の明るさは、通常その部位のスピン密度と緩和時間に関連して定まるが、血流のような動きにも影響される。
[←先頭へ]磁気共鳴信号 (じききょうめいしんごう:magnetic resonance signal)
スピンが横磁化から減衰する際に発生する(高周波領域の)電磁気信号。スピンが横磁化から縦磁化へ移動する際に、コイル内に電圧を生じる。この電圧が、受信機によって増幅される。
→じききょうめいしんごう
[←先頭へ]磁気双極子 (じきそうきょくし:magnetic dipole)
量子力学において、電荷を持った素粒子のスピンにより発生する微視的な棒磁石としての性質。個々の分子、原子、原子以下の大きさの物質(イオン、陽子、電子)からの局所的磁場を模型化するための物理学的概念。
[←先頭へ]磁気双極子モーメント (じきそうきょくしモーメント:magnetic dipole moment:μ)
磁気双極子を起点とする、磁場のベクトル量のこと。
[←先頭へ]磁気標識法 (じきひょうしきほう:spin labeling)
[←先頭へ]
磁場 (じば:magnetic field)
磁場が存在する領域。磁場(H、磁界ともいう)は、単位磁極にどのくらいの力が働くかという量で表される。単位はN/WbあるいはA/m。
[←先頭へ]磁場グラジエント (じばグラジエント:magnetic field gradient)
異なる空間的ロケーションで静磁場の強さを変化させる装置。スライスの選択と、撮像するプロトンの空間的ロケーションを判定するのに使用する。また、流速エンコーディング、フローコンプに使用するほか、グラジエントエコー収集でRFパルスの代わりに使用して、スピンの位相合わせを行う。
[←先頭へ]磁場シールド (じばしーるど:magnetic shield)
[←先頭へ]
磁場の緊急事態 (じばのきんきゅうじたい:magnetic field emergency)
酸素ボンベのような鉄製物質で、誰かが磁場に引き込まれるような緊急事態。早急に磁場を消磁(クエンチ)する必要がある。
[←先頭へ]磁場強度 (じばきょうど:field strengths)
[←先頭へ]
磁場均一度 (じばきんいつど:magnetic field homogeneity)
[←先頭へ]
磁場均一度調整 (じばきんいつどちょうせい:shimming)
[←先頭へ]
磁場勾配 (じばこうばい:gradient magnetic field)
→じばこうばい、 勾配磁場
[←先頭へ]磁性造影剤 (じせいぞうえいざい:magnetic contrast agents)
[←先頭へ]
磁性体アーチファクト (じせいたいアーチファクト:ferromagnetic artifact)
磁性体物質は局所的に静磁場強度を乱し、周辺プロトンはRF波に対して磁気共鳴を起こさなくなる。このために強い信号欠損域が生じ、辺縁には周波数エンコード方向に線状の高信号域を伴うことが多い。このアーチファクトの強さ及び範囲は、磁性体の大きさよりは磁性の強さに影響される。義歯、金冠、ヘアピン、脳室シャント、各種クリップ、整形外科用インプラント、血管塞栓用コイル、特殊なものとして手術器具の刃こぼれや骨用カッターの細粉などの体内磁性体がこのアーチファクトの発生源となる。
[←先頭へ]磁束密度 (じそくみつど:magnetic flux density:B)
磁束密度(B、磁気誘導ともいう)は、磁極から出て単位面積を通過する磁束を表し、その単位はWb/m2である。磁場を電圧とすると磁束密度は電流に相当する。両者は B=μ0(1+χ)H つまり B=μ0(H+M) の関係にある。ここでMは磁化、μ0 は真空の透磁率である。同じ磁場(電圧)をかけても、実際には物質によって磁化のされかた(電気抵抗)が異なるため、磁束密度(電流)も異なると考えることができる。MRIでは静磁場の強さを、空気中の磁束密度で表すことが多い。
[←先頭へ]自己シールド (じこシールド:self shield)
[←先頭へ]
自動ウィンドウレベル (じどうウィンドウレベル:auto window and level)
あるパルスおよびエコー数を用いて撮影した1枚の画像上で設定したウィンドウ幅とレベルの値を、同じ条件で他の画像にも自動的に設定して表示させる機能。
[←先頭へ]自動削除 (じどうさくじょ:auto remove)
画像がPAN(primary archive node)に転送されたりアーカイブされたことをシステムが確認したあと、画像データを自動的に削除するソフトウェア機能。
[←先頭へ]自動送信 (じどうそうしん:auto broadcast)
インディペンデントコンソール(IC)のメモリに画像を自動的にロードし、次いでシステムディスクに保存し、本体システムで再構成されたものと同様に表示する機能。
[←先頭へ]自動表示 (じどうひょうじ:auto display)
再構成終了と同時にシステムに自動的に画像を表示させるよう指示する機能。
[←先頭へ]自動保存 (じどうほぞん:auto store)
画像データを自動的に保存できるアーカイブ機能。
[←先頭へ]自由歳差運動 (じゆうさいさうんどう:free precession:FP)
[←先頭へ]
自由水 (じどうほぞん:free water)
生体組織中の水は、まず高分子の影響を受けていない自由水と、高分子の影響を受けている水和水(結合水)に分類される。さらに、水和水は高分子と結合している結合水と、それ以外の構造水に分けることができる。これらの中で、生体組織の緩和時間に大きく影響するのは自由水である(純粋の緩和時間が他の有機物に比べてかなり長いためと考えられている)。緩和の速度は、溶液中において対象原子核を持つ分子の運動状態に強く影響される。自由水の場合は活発に分子運動しており、緩和の速度は緩やかであるが、結合水は周囲の高分子の影響で運動が制限され、緩和は促進される。生体内において、水分子は上述の状態を極めて高い頻度で交換しあっており、観測される組織の緩和時間は自由水と結合水の存在比に強く依存している。
[←先頭へ]自由誘導減衰 (じゆうゆうどうげんすい:free induction decay:FID)
外部静磁場方向(z方向)を向いている磁化ベクトルを90°パルスによりx−y平面上へ倒したあと、この磁化ベクトルのx−y平面上への投影成分(横磁化)が受信コイルに誘起するMR信号を測定すると、急速に減衰していく。これが自由運動減衰である。このような急激な減衰は外部静磁場の不均一、各核スピンの微視的な磁場環境の違いにより各核スピンの位相がずれるために起こると考えられている。この減衰の時定数はT2*とよばれ、スピンエコー法によるT2と区別される。
→FID
[←先頭へ]実効TE (じっこうTE:effective TE)
FSE法において、最も画像コントラストに寄与するエコーに相当するTE。画像コントラストは一般に、k空間の原点近く(低周波数成分)のエコーデータによって支配される。
[←先頭へ]実効TR (じっこうTR:effective TR)
MR心拍ゲーティングにおける繰り返し時間の平均値。特定のスライスロケーションでの連続励起数に対応するR−R間隔の数として測定される(例:RR、2xRR、3xRR)。患者の心拍数は制御できないので、真のTRをコントロールすることはできないが、システムに各心拍でトリガしないように設定し、実効TRを制御することはできる。
[←先頭へ]実効値 (じっこうち:effective value)
一般的あるいは平均的な値(実効TR、実効TEなど)。
[←先頭へ]遮蔽効果 (しゃへいこうか:shelter effect)
分子中の原子は、一般に他の原子と価電子を共有して結合している。これがある静磁場B0中に置かれると原子核の周りを回る価電子の起動はB0に直交することとなり、原子核の周囲にはB0 と反対方向の微小磁場が誘導される。したがって、この原子核が実際に感じる磁場強度B0よりも若干小さくなる。これが価電子による遮蔽効果である。この効果の大きさは、価電子による共有結合の強さで決まる性質がある。
[←先頭へ]受信用コイル (じゅしんようこいる:receiver coil, antenna)
微弱なNMR信号を効率よく受信するためのコイルで、高周波送信用コイルを共有してもよいが、撮像部位によって専用の受信コイルをも備えている。いずれの場合もコイルの軸方向は静磁場と直交していなければならない。このため、静磁場方向と患者の体軸方向が直交する場合には感度のよいソレノイド型コイルを使えるが、両者が一致する場合には鞍型コイルを使用する(感度は落ちる)。また、感度をよくするための工夫として、表面コイル、クワドラチャ(quadrature:QD)検波(90°位相のずれた信号を加算して信号雑音比を上げる)や、フェーズドアレイコイル(phasedarray coil)などがある。
[←先頭へ]受動型シミング (じゅどうがたしみんぐ:passive shimming)
[←先頭へ]
収集 (しゅうしゅう:acquisition)
1回のデータ収集パス。指定したパラメータによっては、1回の収集で完了するスキャンもあれば、数回かかる場合もある。
[←先頭へ]収集マトリックス (しゅうしゅうまとりっくす:acquisition matrix)
2DFT撮像で、周波数−位相エンコーディングの方向における収集データポイントの数(例:256×192)。
[←先頭へ]周波数エンコード (しゅうはすうエンコード:frequency encoding)
2次元MR画像はスライス面内の核スピンのMR信号で構成されるが、各核スピンの位置や信号強度の情報は、エコー信号が生じる時点で、スライス面内の一軸(X軸とする)に沿って磁場勾配Gxを印加しながら信号データを取得することで得られる(信号の読み出し)。Gxを印加すると、これに平行なスピンはその位置に応じたラーモア周波数を有し、撮像視野の一辺がLであれば撮像視野内の核スピンはγ・Gx・Lの周波数帯域内に存在することになる。これらの周波数成分を含むMR信号をフーリエ変換すれば、x軸方向の位置に応じた信号情報を得られる。これが周波数エンコーディングである。通常は画像の長軸に対応する。
[←先頭へ]周波数座標軸 (しゅうはすうざひょうじく:frequency coordinate axis)
周波数方向に傾斜磁場をかけたときのスキャン方向。
[←先頭へ]常磁性 (じょうじせい:paramagnetic)
正の磁化率を持った物質(反磁性(diamagnetic)の反対)。常磁性の物質は、外部の磁界と方向が一致するため、その物質を含む組織の緩和時間に影響を与える。例えば、水に常磁性物質を加えると緩和時間が短くなる。
[←先頭へ]常磁性体 (じょうじせいたい:resistive magnetic substance)
磁場の中に置かれた場合、磁場と同方向に磁化されるが、磁場を取り除くと磁化が消失する物質。スピン量子数が0でない核種(1H、31Pなど)や不対電子対をもつ遷移金属イオン(Cr3+,Mn2+,Fe2+,Fe3+,Gd3+など)が常磁性体に含まれる。遷移金属イオンは磁性造影剤として用いられる。常磁性体の中で特に強く磁化されるものを超常磁性体(superparamagnetic substance)とよぶ。常磁性や反磁性は可逆的な性質で、磁場を取り去ると磁性は失われる。
[←先頭へ]常電導磁石 (じょうでんどうじしゃく:resistive magnet)
常温下で、電線を何重にも輪状に巻いたコイルに電流を流すことで磁場を発生させる磁石。常電導磁石では、電線の抵抗が0でないため、電流が流れているときにだけ磁場が生じ、電流を切ると磁場は消滅する。大量の熱を発生するため冷却装置が必要である。常電導磁石を利用するメリットは現在ではほとんどないため、超電導磁石や永久磁石が主流になっている。
[←先頭へ]信号−雑音比 (しんごうざつおんひ:signal to noise ratio:S/N ratio:SNR)
真の信号量とそれに重なっているノイズ量との比(SN比、S/N)。真の信号強度を、患者のプロトンから発する信号強度を患者のノイズや、電子機器に内在する電子的ノイズの大きさで割ったもの。SNRを改善するには、サーフェイスコイルの使用、きめの粗いマトリックス(大きいボクセル)の選択、励起回数(NEX、NAQ)を増やす、などがある。
[←先頭へ]信号強度 (しんごうきょうど:signal intensity)
MRIの信号強度は、X線CTにおけるCT値とは異なり、同一被写体であっても測定の条件のよって変わり得るので、画像上のピクセル値は、対象ボクセルからの信号強度値を元にした相対的な値でしかない。この信号強度値に影響を与える因子としては、生体組織に由来するもの、パルス系列の選択およびそのパラメータ、そして装置の調整状態に基づくものなどを挙げることができる。生体組織のプロトン密度・T1値・T2値、流れに関する情報、拡散係数などが生体組織固有の因子であり、パルス系列の種類とTE・フリップ角・FOV・スライス厚などがコントロール可能なスキャンパラメータである。さらに、静磁場強度およびその均一度、RFパルス送信の精度、コイルの感度、受信系の増幅度、チューニングの状態などが装置に依存するものである。
[←先頭へ]心MRI (しんMRI:cardiac magnetic resonance imaging)
MRを利用して心臓の任意の断面の画像や血流情報を得る検査。形態診断、心筋の性状診断、心機能診断のためには主にスピンエコー法が用いられ、血流信号を得るためにはグラジェントエコー法が利用される。代謝の面では13Cや31PによるMRSへの応用も研究されている。
[←先頭へ]心臓拡張期 (しんぞうかくちょうき:diastole)
心臓周期での、T波の終わりからR波の始まりまでの周期。心室拡充(ventricular filling)ともよばれる。
[←先頭へ]心電図同期MRI (しんでんずどうきMRI:ECG-gated MRI)
心電図と同期させて、R波の頂点から一定時間後に信号を収集する方法。通常、スピンエコー法により、拡張終期あるいは収縮終期の画像を作成する。心房細動や期外収縮が多発する例では画質が劣化し、信号強度やT2値の誤差も大きくなる。グラジェントエコー法を用いて心臓壁および血流のシネ画像を得ることもできる。
[←先頭へ]心拍位相画像 (しんぱくいそうがぞう:cardiac phase images)
1つの心拍サイクル内の異なった時間、または異なった位相での表示画像。
[←先頭へ]心拍数 (しんぱくすう:beats per minutes:BPM)
心電図で示される心臓の平均心拍数。
[←先頭へ]真の画像 (しんのがぞう:real image)
基準信号と位相が合っているフーリエ成分から作成される画像。画像を生成する真の成分とは、基準信号の位相と合っている磁気成分を指す。
→仮想画像
[←先頭へ]図式設定 (ずしきせってい:graphic prescription)
ロカライザイメージ上でカーソルを用いてスライス位置を描く方法。
[←先頭へ]水和水 (すいわすい:bound water)
[←先頭へ]
数値入力方式 (すうちにゅうりょくほうしき:explicit prescripsion)
オペレータにより数値入力された画像の設定。
[←先頭へ]生体的収集コントローラ (せいたいしゅうしゅうコントローラ:physiological acquisition controller:PAC)
システムが収集データをトリガするためにベローズ、ECGリード、フォトパルスセンサからのトリガ情報を収集してシステムに送信する装置。
[←先頭へ]静磁場 (せいじば:static magnetic field:Bo)
強度や方向が時間的に変化しない磁場のこと。MR装置においては、主磁石がこの静磁場を作り出している。磁気共鳴現象の対象原子核に対して人為的に与えられる外部磁場なので、外部磁場とよばれることもある。MRI装置の静磁場は永久磁石型で0.1〜0.3T、超電導磁石型で0.5〜1.5T程度である。一般的に静磁場強度が高いほどMR信号は強くなる。
[←先頭へ]静磁場安定性 (せいじばあんていせい:stability of static magnetic field)
静磁場強度の時間的な変動の程度。単位時間当たりの変動率(ppm/h)で表す。超電導磁石が最も安定で、0.1ppm/h以下を示す。永久磁石は磁性材の温度依存性により、常電導磁石は電流値の変動により静磁場安定性の点ではやや劣る。
[←先頭へ]静磁場強度 (せいじばきょうど:strength of static magnetic field)
静磁場の強さ。単位はTesla(T)、1T=10000gauss。臨床用MR装置の静磁場強度範囲では、信号のS/N比は静磁場強度の3/2乗に比例するといわれ、画質を決定する重要な要素である。
[←先頭へ]静磁場均一性 (せいじばきんいつせい:homogeneity of static magnetic field)
静磁場強度の空間的な均一の程度。一般には、一定容積内(直径20cm球体など)の静磁場強度の最大値と最小値の差、もしくは標準偏差値を基準磁場強度で割ってppm単位で表す(ppm on 20cm DSV:半径20cmの球体内)。均一度が低いと共鳴周波数に幅ができ、分解能が低下したり、画像に歪みを生じる原因となる。特に、GRE法の場合は撮像領域内の広い範囲にわたって高い均一性が求められる。主マグネットのタイプ別に静磁場均一性をみると、超電導磁石が最も優れており数ppm以下、永久磁石と常電導磁石は数10ppm程度である。
[←先頭へ]静磁場用磁石 (せいじばようじしゃく:main field magnet)
電磁石(超電導、常電導)あるいは永久磁石が用いられる。常電導磁石では通常4個の大きな空芯コイルを球状に配する構造となっているが、使用電力の大半が熱になってしまうため、コイルの内腔に水を流して冷却する。常電動磁石は最大0.2T程度の静磁場を得ることができる。超電導磁石では数Tまでの高均一磁場が得られるため、明瞭な画像が得られ、MRSやMTC、拡散画像などでも有利である。電力消費は通電時のみでよいが、超電導状態を維持するために、常に液体ヘリウムによる冷却が欠かせない。永久磁石は最大0.3T程度の静磁場を供給する。電力も液体ヘリウムも必要としないので経済的である。超電導磁石や常電導磁石を利用したMRI装置のほとんどは、静磁場方向(一般に、BoあるいはZ方向とされる)が患者の長軸方向と一致する。これに対し、永久磁石や一部の常電導磁石を利用したMRI装置(また最近発売され始めたオープン型の超電導装置)では静磁場方向は患者の長軸と直交する。
[←先頭へ]線形磁場勾配 (せんけいじばこうばい:linear gradient magnetic field)
[←先頭へ]
選択照射 (せんたくしょうしゃ:selective irradiation)
[←先頭へ]
選択飽和法 (せんたくほうわほう:selective saturation)
化学シフト画像を得るための一手法。
[←先頭へ]選択励起 (せんたくれいき:selective excitation)
均一静磁場内においた被写体に対して、z軸方向に線形傾斜磁場をかけた状態で周波数にある特定の幅を持たせたRFパルス(選択励起パルス)を印加すると、z軸方向で対応する位置にあるスライス面内の核スピンのみを選択的に励起することができる。励起されるスライスの厚さは傾斜磁場強度とRFパルスの周波数の幅により決まり、実際には周波数領域に関してフーリエ逆変換により求められるsinc関数で振幅変調した特殊な形状をしたRF波が印加される。この方法は、MRIにおけるスライス設定の方法として、現在一般的に用いられている方法である。これに対して、傾斜磁場を用いずに、静磁場強度に応じた単一周波数のRF波を印加すると、均一静磁場中の被写体全体の核スピンが励起される(非選択励起)。
[←先頭へ]選択励起パルス (せんたくれいきパルス:selective excitation pulse)
ある一定の周波数で歳差運動をしているプロトンに対して、それらのみを選択的に励起させるためのラジオ波のことで、磁場の強さと核種によりその周波数が決定される(ラーモア周波数)。
[←先頭へ]選択励起分散法 (せんたくれいきぶんさんほう:selective excitation and dispersion)
化学シフト画像を得るための一手法。
[←先頭へ]選択励起法 (せんたくれいきほう:selective excitation)
化学シフト画像を得るための一手法。
[←先頭へ]双極子−双極子相互作用 (そうきょくし−そうきょくしそうごさよう:dipole-dipole interaction)
2つのプロトン、またはプロトン−電子間の磁気相互作用。関連する2個のスピンの距離、角度、相対的な運動に依存し、組織中のT1、T2緩和において重要なメカニズムを構成する。
[←先頭へ]双極子間相互作用 (そうきょくしかんそうごさよう:dipole-dipole interaction)
[←先頭へ]
層流 (そうりゅう:laminar flow)
最大流速のフローが組織の中央に流れ、最低流速のフローが組織の壁沿いに流れるような層状の流れのこと。血流の理想的な形とされている。
[←先頭へ]相関 (そうかん:correlation)
二つの独立した事象が起こる確率がどのように関係しあってるのかを示す概念。二つのスピンがあったとき、ひとつのスピンが反転したことによって他方のスピンがすぐ影響されるとすれば、二つのスピンの相関が強いという。また、ひとつのスピンの状態がたとえば上向きであったとき、時間的に後の状態が元の状態と強く関係している(影響が強く残っている)ときにも、二つの状態は相関が強いという(時間相関または自己相関)。磁気緩和はスピンの状態がどのように継続し、伝わっていくのかの速さを示すものであり、この相関を用いて説明される。
[←先頭へ]送信先 (そうしんさき:destination)
画像データを転送する際の送り先、宛先。
[←先頭へ]造影MRI (ぞうえいMRI:contrast-enhanced MRI)
高コントラスト分解能を有するMRIに造影剤を使用することにより、腫瘍や炎症巣などの病変部検出においてMRIの診断能はさらに高まる。現在、臨床で使用されているMRI用造影剤は経静脈性に投与するGd−DTPAであるが、他に臨床応用の段階に入りつつあるものにFe3+の超磁性体酸化物がある。
[←先頭へ]造影剤 (ぞうえいざい:contrast agent)
組織の緩和時間を短縮させて、画像コントラストを増強するために投与する薬剤。現在利用されているMRI造影剤には、マグネビスト(シェーリング)、オムニスキャン(第一製薬)、などがあり、通常はT1短縮効果を目的とする。
[←先頭へ]剪断レート (せんだんレート:shear rate)
組織壁に垂直な流速グラジェントのこと。
→せんだんレート
[←先頭へ]剪断応力 (せんだんおうりょく:shear stress)
血液の分子間または分子と組織壁との間に発生する摩擦力。
→せんだんおうりょく
[←先頭へ]た |
(テーション。)
[←先頭へ]
ターボFLAIR (ターボFLAIR:turbo FLAIR)
[←先頭へ]
ターボSE (ターボSE:turbo spin echo:TSE)
[←先頭へ]
ターボファクター (ターボファクター:turbo factor)
[←先頭へ]
ダイナミックレンジコンプレッション (ダイナミックレンジコンプレッション:dynamic-range compression)
投影ディフェージンググラジェントを印加して静止組織の信号を抑制する、PC撮影の画質改善方法。
[←先頭へ]タイム・オブ・フライトアンギオグラフィー (タイム・オブ・フライトアンギオグラフィー:time-of-flight angiography:TOF angiography)
主に流入効果(インフロー効果)に基づいて流動スピンと静止スピンを識別し、血管画像を作成する方法。2D−TOF法と3D−TOF法の2種類がある。スライス内に流れ込む血液はRFパルスを受けないため、静止組織よりも高信号になる(白く見える)。
[←先頭へ]タイム・オブ・フライト法 (タイム・オブ・フライト:time-of-flight method: TOF)
非飽和の撮像面内流入血流(撮像に用いるRFパルスにより飽和されていない血液)が撮像面内において高信号であることを利用して血管像を得る方法。
→タイム・オブ・フライト、 流入効果
[←先頭へ]タッギング (タッギング:tagging)
空間的な位置に従ってRFパルスなどを用いて磁気的に信号付けを行ったあと、画像化を行い、流れや動きの様子を観測する方法。RFパルスを用いてスピンを飽和させ、線状の位置標識を行うサチュレーションタッギングや、縞状や格子状のパターンを作り出すSPAMMなどがある。CSF・血液や心壁の動きなどが画像化されている。これらは位置の標識を行うものであるが、化学物質に電子スピンを持った有機ラジカルを結合させて、電子スピン共鳴によるトレーサーとして用いる技術もあり、磁気標識法(spin labeling)とよばれる。
[←先頭へ]チューニング (チューニング:tuning)
MR信号を効率よく受信するために、同調回路を用いて共鳴周波数と同じ周波数に同調させる操作のこと。共鳴周波数は被写体の性状によって微妙に変化するので、tuningは撮影のたびに行われる。
[←先頭へ]テーション。 (テーション。)
[←先頭へ]
データポイント (データポイント:data point)
エコーを収集する心臓周期のポイント。シネ収集では、TRごとにデータポイントを収集する。
[←先頭へ]ディスク (ディスク:disk)
画像データ、ソフトウェアを格納する磁気記録装置。一般には単に「ディスク」というときは、フロッピーディスク、ハードディスクを指すが、MR装置では通常システムディスク(ハードディスク)を意味する。
→ディスク
[←先頭へ]ディスクドライブ (ディスクドライブ:diskdrive)
ディスクを読み書きする装置。
[←先頭へ]ディスタンスファクター (ディスタンスファクター:distance factor)
[←先頭へ]
ディフェージング (ディフェージング:dephasing)
核スピンのx−y平面上への投影成分の向き、すなわち位相が次第にバラバラになること。
[←先頭へ]ディレイドエンハンス (ディレイドエンハンス:delated enhancement)
造影剤が十分注入され、一定時間が経過した後に撮影されるCTまたはMRIのこと。
[←先頭へ]テスラ (テスラ:Tesla:T)
磁束密度の単位(MKS−SI)で、Wb/m2である。CGS単位系のG(gauss)とは、1T=10000Gの関係があり、静磁場や傾斜磁場強度を表すのに使われる。クロアチア生まれの電気工学者Nicola Tesla(1857-1943)に因んでいる。
→テスラ
[←先頭へ]デッドタイム (デッドタイム:dead time)
エコー収集終了後から次の励起までの時間。
[←先頭へ]デフォルト値 (デフォルトち:default value)
コンピュータまたはオペレータによりあらかじめ設定された初期設定値のこと。
[←先頭へ]デュアルコントラストFSE (デュアルコントラストFSE:dual contrast FSE)
FSE法でエコートレインを前半のエコー群と後半のエコー群の2つに分け、T2強調画像とプロトン密度像を同時に得る方法。
[←先頭へ]デュアルスライス(イメージング) (デュアルスライス(イメージング):dual slice (imaging))
励起パルスを変化させることにより、同一の撮影時間で2倍のスライスを得る方法。
[←先頭へ]テンポラルレゾリューション (テンポラルレゾリューション:temporal resolusion)
カーディアックなどの解析に使用できる最少時間。
[←先頭へ]トグル (トグル:toggle)
選択ボタンで1回押すとオン、再度押すとオフとなるような機能。
→トグル
[←先頭へ]トランケーションアーチファクト (トランケーションアーチファクト:truncation artifact)
フーリエ変換は数式上、無限領域の積分を含むが、実際のデータは有限の点で表現しなければならないためデータ打ち切り(truncation)による誤差が生ずる。画像の中で高信号と低信号の領域が隣接しているとき、有限のマトリックス数(たとえば256)のフーリエ変換ではこの段差を表現できないため、リング状の縞模様が観測されることがある(Gibbs artifact)。サンプリングレート(あるいはマトリックスサイズ)によって縞の周期が変わるのが特徴であり、k−spaceフィルターなどによって低減させることが可能である。また、スライス励起をするためのRFパルスは、矩形の周波数特性を持たなければならないが、有限の時間内でRFパルスを発生させるためにデータ打ち切りを行うため、スライスプロファイルが劣化する原因となる。
→トランケーションアーチファクト、 Gibbs artifact
[←先頭へ]トランスファ (トランスファ:transfer)
ネットワーク上で、画像データをある場所から他の場所に転送させること。
[←先頭へ]トランスファキュー (トランスファキュー:transfer queue)
ネットワーク上で、保存の保留もしくは読み出し要求のこと。
[←先頭へ]トランスミット (トランスミット:transmit)
ネットワーク上で、画像データを1つのディスクから他のディスクに転送すること。
[←先頭へ]トリガ (トリガ:trigger)
MRの心拍ゲーティングで、データ収集を行うために心臓が発する信号。
→トリガ
[←先頭へ]トリガウィンドウ (トリガウィンドウ:trigger window)
心拍ゲーティングで、データを収集できるR−R間隔のこと。
[←先頭へ]トリガ遅延 (トリガちえん:trigger delay)
心拍ゲーティングで、トリガパルスが発生してから実際の撮影が開始するまでの時間。
[←先頭へ]縦緩和(時間) (たてかんわ(じかん):longitudinal relaxation (time))
RFパルスの照射により励起した核スピンは、吸収したエネルギーを周囲の分子(格子)に熱振動のエネルギーとして放出する。これを縦緩和、スピン−格子緩和、熱緩和、T1緩和という。この緩和は指数関数的に元の定常状態に戻り、その時定数が縦緩和時間(T1値)である。
[←先頭へ]縦磁化 (たてじか:longitudinal magnetization)
巨視的磁化ベクトルMの、静磁場Boに対して平行方向であるz軸への投影成分。
[←先頭へ]帯域幅 (たいいきはば:bandwidth)
チューニングされたMRシステムが受信する周波数の範囲。
[←先頭へ]遅延時間 (ちえんじかん:delay time)
1.心拍ゲーティングで、トリガパルスが発生してから実際の撮影が始まるまでの時間。
[←先頭へ]中心周波数調整 (ちゅうしんしゅうはすうちょうせい:center frequency adjustment)
→CF
[←先頭へ]超常磁性体 (ちょうじょうじせいたい:superparamagnetic substance)
[←先頭へ]
超電導材料 (ちょうでんどうそざい:superconducting material)
超電導材料は、1911年に水銀を液体ヘリウムを用いて4Kに冷却して発見された。その後、臨界温度9Kのニオブチタン(NbTi)合金、臨界温度18Kのニオブ3スズ(Nb3Sn)などが超電導物質として発見された。現在、超電導材料としては特性、加工性の点からニオブチタン合金が一般的に利用されている。最近では、液体ヘリウムによる冷却を必要としない超電導材料を用いた装置も発売されるようになった。
[←先頭へ]超電導磁石 (ちょうでんどうじしゃく:superconducting magnet)
超電導現象により、超電導材料コイルに流れる永久電流により作られる磁場を用いた磁石。現在のMR装置用磁石の主流であり、特徴は次の通りである。1.安定した高磁場の発生が可能。2.磁場の均一度が極めて高い。3.磁場強度の安定性が良く、経時的な変動はごくわずかである。4.超電導状態維持のための液体ヘリウムや液体窒素の補充、または再利用のための冷凍設備の設置など、ランニングコストが大きい。
[←先頭へ]直角位相コイル (ちょっかくいそうコイル:QD[quadrature detection] coil)
[←先頭へ]
低信号域 (ていしんごういき:low signal area)
MRIにおいて、周囲よりも信号強度の低い領域(あるいは病変)をさす。画像がT1強調であるかT2強調であるかによって、低信号域に見える部分の意味が異なる。一般的には、前者ではT1の長いものが、後者ではT2の短いものが低信号域として認められる。
[←先頭へ]定常自由歳差運動 (ていじょうじゆうさいさうんどう:stedy state free precession: SSFP)
180°パルスを用いないグラジエントエコー法によれば、エコー時間を短くすることができ、さらにTRを非常に短くしても、SE法のような極端な信号強度の減衰が起こらない。この時、最初の90°パルスあるいはフリップ角α°のRFパルスにより倒された核スピンのx−y平面上の位相がT2* を時定数としてバラけていく途中で、−α°RFパルスを印加して逆方向に戻してやるという操作を繰り返せば、磁場の不均一性に影響されないスピンの定常状態を作り出すことができる。これを定常自由歳差運動(SSFP)という。FISPやGRASSは、このSSFPを利用した画像化のためのパルス系列である。また、FLASHやSPGRは−α°RFパルスの前に、横磁化成分を強制的に消失させるためのスポイラーパルスを印加するパルス系列である。FISPやGRASSは、T1とT2*の影響を含むのに対して、FLASHやSPGRはT1のみに依存する。
[←先頭へ]定常状態 (ていじょうじょうたい:steady state)
[←先頭へ]
定常波 (ていじょうは:plug flow)
全ての成分が同じ流速で動いている流れのこと。
[←先頭へ]電波シールド (でんぱシールド:radio wave shield)
MRIで用いられる共鳴周波数(静磁場強度に応じて数MHz〜数十MHz)は、商用放送や各種無線通信が使用する周波数帯域と重なっている。生体から発する微弱なMR信号に対して、これら外部からのノイズをできる限り遮断する必要があり、また高出力のRFパルスの外部への漏出も防止しなくてはならない。このために、撮影室全体あるいは患者とRFコイルの外周を銅またはアルミニウムの網や箔で完全に囲い、電気的に遮蔽する必要がある。これが電波シールドである。 §磁気シールド
[←先頭へ]動静脈奇形 (どうじょうみゃくきけい:arteriovenous malformation:AVM)
膨張した動脈と静脈が絡み合って生じる動静脈の形成異常。通常、動静脈の短絡路(shunt)を伴う。一般的に血管壁は脆弱なため、クモ膜下出血などの原因となる。
[←先頭へ]動粘度 (どうねんど:viscosity)
流動する流れにおいて、血液分子の摩擦による血流の抵抗のこと。
[←先頭へ]同期イメージ (どうきイメージ:gated image)
時相の指標となる外部信号に連動させて画像データの収集を行い、それをもとに作成した特定の時相ごとの画像。心電図同期法や呼吸同期法などがよく用いられる。
[←先頭へ]同報通信 (どうほうつうしん:broadcast)
ネットワーク上で、オペレータコンソールから同じスイート内の複数ワークステーションに同時に画像データを転送すること。
[←先頭へ]立ち上がり時間 (たちあがりじかん:rise time)
傾斜磁場が最大強度に達するまでの時間。この時間が短いほど高性能である。例えばEPIのような超高速撮影では非常に短い立ち上がり時間が要求される。
[←先頭へ]な |
ナビゲーターエコー (ナビゲーターエコー:navigator echo)
画像作成に使用するエコー信号と同様に、位相エンコードを行っていないエコー信号(ナビゲーターエコー)をもうひとつ収集し、対象の動きによって生じた位相シフトを読みとり、画像用エコー信号の位相を補正する方法。腹部での呼吸によるアーチファクトや拡散強調画像での拍動の影響を取り除くために用いられることがある。
[←先頭へ]ネクス (ネクス:number of exitations:NEX)
1回の収集で印加する励起パルスの数。
→ネクス
[←先頭へ]ネットワーク (ネットワーク:network)
広義には、データなどを転送する通信網のことで、画像診断装置においては2つ以上のワークステーションにより構成されるイメージスイートの集合体を指す。ケーブルやモデムによりその場、または遠隔地を結ぶ。
[←先頭へ]ノーフェーズラップ (ノーフェーズラップ:no phase wrap:NPW)
位相方向の折り返しアーチファクト(アレイジング)を最小限に抑える機能。位相エンコードステップ数を2倍にするため、撮影時間も2倍になる欠点がある。
[←先頭へ]ノイズ (ノイズ:noise)
信号成分に混入する雑音(信号妨害情報)のこと。
→ノイズ
[←先頭へ]熱緩和 (ねつかんわ:thermal relaxation)
[←先頭へ]
濃度分解能 (のうどぶんかいのう:contrast resolution)
MRIではスピン密度、T1緩和時間、T2緩和時間の3つのNMR指数の組織間差を画像化する。この組織濃度差の解像度を濃度分解能という。濃度分解能はNMR測定条件であるパルス系列種、パルス間隔、パルス繰り返し時間により決定されるが、コンピュータシュミレーションによって最良の測定条件を設定することも可能である。
[←先頭へ]能動型シミング (のうどうがたしみんぐ:active shimming)
[←先頭へ]
脳機能画像 (のうきのうがぞう:functional image,f-MRI)
外部からの刺激やタスクによって脳の特定部位が賦活される様子を画像化しようとする試み。脳の賦活領域において、血液中の酸素濃度の変化が局所磁場の乱れを生じ、信号強度の大きさの違いに反映されることからBOLD(blood oxygenation level dependent)コントラスト法ともよばれる。これは脳の賦活による血液量の増加と脱酸素(デオキシ化)とのアンバランスによって起こると説明されている。脳血流量の増加による血管の信号の増強との明確な区別を行い、賦活領域を特定することが課題となっている。
→BOLDコントラスト法、 BOLDコントラスト法、 functional MRI
[←先頭へ]は |
パーシャルエコーイメージング (パーシャルエコーイメージング:partial echo imaging)
[←先頭へ]
パーシャルサチュレーション法 (パーシャルサチュレーション法:partial saturation method)
MRIで頻用されるスピンエコー法では、撮像時間が長いという欠点があるが、TRをあまり短くすると信号強度が落ち画像が劣化する。そこで、用いている高周波パルスを短くして、ある角度(α)だけスピンを倒す(partial flip angle)と、TRを短くしてもスピンの回復は速く強い信号が得られる。この方法に傾斜磁場を反転させることによりエコーを得る方法(グラジエントエコー)を併用し、高速撮像を行うことができる。TR、TE,αを変えることによりT1及びT2強調画像を得ることができる。
→パーシャルサチュレーション
[←先頭へ]パーシャルフーリエイメージング (パーシャルフーリエイメージング:partial Fourier imaging)
[←先頭へ]
パーシャルフリップアングルパルス (パーシャルフリップアングルパルス:partial flip angle pulse)
パーシャルフリップ角という言葉は、縦磁化を90°ではなく端数の角度(10°とか45°とか)に倒すRFパルスを使用する場合に用いる。パーシャルフリップ角は飽和効果による信号損失を最小にするために、GRE法では広く用いられている。
[←先頭へ]パーシャルフリップアングル法 (パーシャルフリップアングル法:partial flip angle method)
→パーシャルフリップアングル
[←先頭へ]パーティション (パーティション:partition)
[←先頭へ]
ハードウェア (ハードウェア:hardware)
MRシステムを構成する機械部分のことで、ソフトウェアに対比した用語。
[←先頭へ]バードケージ型コイル (バードケージがたコイル:birdcage coil)
「鳥かご」型のコイル。ヘッドコイル、ボディコイルはたいていこの形である。
[←先頭へ]ハーフフーリエイメージング (ハーフフーリエイメージング:half Fourier imaging:HFI)
[←先頭へ]
パーマネントマグネット (パーマネントマグネット:permanent magnet)
[←先頭へ]
ハイパーAAS (ハイパーAAS:hyper auto active shimming)
人体挿入時の静磁場の乱れを自動補正する機能。アクティブシムの1種。
[←先頭へ]ハイブリッドEPI (ハイブリッドEPI:hybrid shield EPI)
[←先頭へ]
ハイブリッドシールド (ハイブリッドシールド:hybrid shield)
磁気シールドの一方式。セルフシールドとアクティブシールドを併用したもので、小型で軽量、高いシールド効果を有する。
[←先頭へ]バイポーラフローエンコーディンググラジェント (バイポーラフローエンコーディンググラジェント:bipolar flow-encoding gradient)
同じ形をした極性の異なる2つのグラジェントパルスのこと。PCアンギオで、フロー流速を位相の変化としてエンコードするのに使用される。
[←先頭へ]はしご型コイル (はしごがたコイル:ladder coil)
フェーズドアレイコイルに表面的に類似したコイル。本物に比べると機能は劣るが、かなり安価に制作できる。
[←先頭へ]バックアップ (バックアップ:backup)
データの破損、消滅など不測の事態に備えて、コピーを作成すること。
[←先頭へ]バックグラウンドROI (バックグラウンドROI:background ROI)
フロー解析において、フローROI中の位相の不一致を調整するのに使用する、フローを含まない領域のこと。通常は、観察するフロー領域の近くに設定されたフローを含まない領域を指し、対応するフロー領域よりも約2−5倍大きい。
[←先頭へ]パッシブシム (パッシブシム:passive simmming)
磁石設置時に、シート状金属片を(一般には)MR装置の外側面のいくつかの部位に貼り付けることでなされるシミングの一方式。渦電流の影響を考慮する必要がない反面、調整が難しい。
[←先頭へ]バッチフィルム化 (バッチフィルム化:batch filming)
複数の画像を並べ、自動フィルム化する機能のこと。
→バッチフィルム
[←先頭へ]パラメータ (パラメータ:parameters)
スキャンに必要な設定値のこと。MRではCTなど他の画像診断装置と比較して、パラメータの種類が格段に多いため、装置や撮影部位に応じてパラメータを細かく設定する必要がある。
[←先頭へ]バリアブルFSE (バリアブルFSE:variable FSE)
T2強調画像とプロトン密度強調画像を同時に収集するファストSE法。(GE)
[←先頭へ]バリアブルバンド幅 (バリアブルバンドはば:variable band width:VBW)
システムの受信帯域を狭めてS/N比を改善する機能。SE・IRシーケンスでロングエコーを設定したときにS/N比が改善される。
[←先頭へ]パルスシーケンス (パルスシーケンス:pulse sequence)
[←先頭へ]
パルス系列 (パルスけいれつ:pulse sequence)
MR信号の観測、画像化のためにはRF波や傾斜磁場パルスを組み合わせて用いなければならない。得られる信号は、各パルスのon/offのタイミングや振幅を、時間的にどのように組み合わせるかにより異なってくる。この各パルスに関する一連のタイムチャートのことをパルス系列という。
[←先頭へ]パルス長・パルス幅 (パルスちょう・パルスはば:pulse length, pulse width)
パルスの持続時間(msec)。
[←先頭へ]パン/ズーム (パン/ズーム:pan/zoom)
画像上の任意の表示視野を拡大する機能。
[←先頭へ]バンド幅 (バンドはば:band width)
(受信)バンド幅とは、1ピクセル当たりにかかる周波数の範囲のことで、バンド幅(周波数帯域)=周波数マトリックス/サンプリングタイムで計算される。画像化において、位置情報は読みとり傾斜磁場勾配によって、エコー信号の共鳴周波数の違いとして認識されることから、収集されるエコー信号は広い周波数帯域の成分をもつことになる。このときの周波数帯域がバンド幅とよばれる。ホワイトノイズが全周波数帯域に均等に存在するとき、狭いバンド幅で信号を収集すれば画像のS/Nはよくなるが、スライス数が制限され、ケミカルアーチファクトやモーションアーチファクトが顕著になる。バンド幅の上限は使用する傾斜磁場システムの最大出力に依存する。
[←先頭へ]ピーク比吸収率 (ピークひきゅうしゅうりつ:peak specific absorption rate: peak SAR)
重量1gあたりの局所的な人体組織についての比吸収率のこと。単位は比吸収率と同じW/kg。比吸収率が全身に対する影響の安全基準を規定しているのに対して、ピーク比吸収は局所的な組織に対する影響が考慮されている。FDA(アメリカ食品医薬品局)とNRPB(英国放射線防護委員会)の勧告によるピーク比吸収率の安全基準値は、前者が2W/kg、後者が4W/kgである。
[←先頭へ]ピーク流速 (ピークりゅうそく:peak velocity)
組織の内腔中における最大流速で、層流においてはVmax=2×平均流速で表される。
[←先頭へ]ピクセル (ピクセル:pixel)
画像マトリックスを構成している2次元の要素で、表示されたスキャン面のボクセル(体積要素)を2次元的に投影したもの。
→ピクセル
[←先頭へ]ビューポート (ビューポート:viewport)
シングルディスプレイ(SID)またはマルチディスプレイ(MID)において、1枚の画像に割り当てられた表示枠のこと。
[←先頭へ]ブート (ブート:boot)
コンピュータを起動するときに用いる最初の手続きで、システム初期設定に必要最小限のプログラム(IPL:initial program loader)を磁気ディスクから読み込むこと。
→ブート
[←先頭へ]フーリエ変換法 (フーリエへんかんほう:Fourier transformaton: FT)
MR信号を、多数の異なった周波数、位相、振幅の正弦曲線に分解する数学的手法。
→FT、 FT
[←先頭へ]ファーストオーダグラジェントモーメントナリング (ファーストオーダグラジェントモーメントナリング:first-order gradient moment nulling)
[←先頭へ]
ファストSE法 (ファストSE:fast spin echo:FSE)
最初の90°パルスの後に180°パルスを繰り返し印加してエコーをたくさん作り、それぞれのエコーで独立した位相エンコードを行う方法。ETL(エコートレイン長)の設定によりスキャン時間が従来のSE法の1/ETLに短縮され、強度のT2強調画像や高分解画像が短時間で得られる。ファストスピンエコー法のスキャン時間は次のように算出される。 スキャン時間=TR×位相エンコード数×NEX/ETL
→FSE、 FSE、 turbo spin echo、 FAME
[←先頭へ]ファット/ウォーターサプレッション (ファット/ウォーターサプレッション:fat/water suppression)
指定周波数の飽和パルスを印加して、脂肪・水いずれかの信号を抑制する方法。
[←先頭へ]ファラデーの電磁誘導 (ファラデーのでんじゆうどう:electromagnetic induction)
電気回路(コイル)を含む部分の磁場が変化すると、回路には磁場の変化を打ち消す方向に起電力が発生する。これを電磁誘導という。磁束をφ、誘導起電力をEとするとE=−dφ/dtで表される。NMR信号は、共鳴する原子核磁気モーメントによって受信コイルに誘導された起電力である。
[←先頭へ]ファンクショナルMRI (ファンクショナルMRI:functional MRI:fMRI)
[←先頭へ]
ファントム (ファントム:phantom)
テスト撮像や実験で人体の代わりに使用する物体。MRではプラスチック容器に水を封入した水ファントムがよく使われる。
[←先頭へ]フィールドエコー(法) (フィールドエコー:field echo:FE)
(Toshiba,Philips)
[←先頭へ]フェーズコントラストアンギオグラフィ (フェーズコントラストアンギオグラフィ:phase contrast angiography:PC angiography)
流速誘発位相シフトによって、流れている血液と静止組織を識別する2Dまたは3Dの撮影技法。PC−MRAは、バイポーラフローエンコーディンググラジェントの極性を反転させて、複数回収集したデータを互いに差し引いて画像を作成する。
[←先頭へ]フェーズドアレイコイル (フェーズドアレイコイル:phased-array coil)
フェーズドアレイコイルはいくつかの独立した小さな表面コイルからなり、おのおのの表面コイルは別の受信機に接続されている。各コイルは個別にプリアンプ、受信機、メモリー基盤を有している。このシステムでは、ひとつのコイルを単独で使用した場合のSNRに匹敵し、撮像時間を延長することなく大きい撮像野(例えば全脊椎)を得ることができるが、非常に高価である。
[←先頭へ]フェライト (フェライト:ferrite)
MOFe2O3あるいはMO6Fe2O3 の組成をもつ。Mは2価の金属原子で、亜鉛(Zn)ならZnOFe2O3となり、亜鉛フェライトとよばれる。Mが第一鉄の場合(FeOFe2O3)が磁鉄鉱(magnetite)である。これらフェライトは、2種類の原子核磁気モーメントが反対方向を向き、その大きさに差があるために自発磁化を有し、フェリ磁性体とよばれる。永久磁石の材料としても重要である。フェライトを細かく粒子化するとフェリ磁性を失い、大きな正の磁化率をもった常磁性体(超常磁性体)となる。このようなフェライト粒子はMRIの造影剤として利用されている。
[←先頭へ]プライマリアーカイブノード (プライマリアーカイブノード:primary archive node)
ネットワーク上で、意図的にデータ記憶装置として定義されている1台のワークス
→プライマリアーカイブノード、 PAN、 PAN
[←先頭へ]プライマリアーカイブ装置 (プライマリアーカイブそうち:primary archive device:PAD)
収集データが最初に(自動的に)記憶されるアーカイブ装置のこと。
[←先頭へ]フラクショナルNEX (フラクショナルNEX:fractional NEX)
スキャン時間の短縮目的で、位相エンコードの約半分、またはちょうど4分の3だけを使用してスキャンする機能。位相エンコードステップ数をN倍にしたとき、S/Nはroot・N倍になるため、ある程度の画質を保つためには4分の3の設定が望ましい(87%のS/N)。
→フラクショナルNEX、 half Fourier imaging、 HFI、 パーシャルフーリエイメージング、 部分フーリエイメージング、 部分積算
[←先頭へ]フラクショナルエコー (フラクショナルエコー:fractional echo)
読み出しグラジェントGxの印加時間を短くし、エコー時間を短縮する方法。リフェーズしたデータの一部しか読み出されないので、SN比は低下するが、磁化率の違いやフローによるアーチファクトが低減し、T1が強調され、シングルエコースキャンのスライス数が多くなる。
[←先頭へ]プラズマタッチディスプレイ (プラズマタッチディスプレイ:plasma touch display)
画面上のパネルキーを、直接指で触れて操作できるディスプレイ。
[←先頭へ]プリサチュレーション (プリサチュレーション:presaturation)
通常のパルス系列の前に選択的に90°パルスを印加し、その部分の信号を抑制する方法。スライス面内に流入してくる血流や、スライス面内での動きによるアーチファクトの軽減などに用いられる。
[←先頭へ]プリサチュレーションパルス (プリサチュレーションパルス:presaturation pulse)
[←先頭へ]
プリスキャン (プリスキャン:prescan)
MR装置は本格的に画像の撮像を始まる前に、撮像が正しく行われるようにいくつかの設定の較正を行わなければならない。この較正のことをプリスキャン(prescan)とよぶ。MR装置はこの間に4つの作業を実行する。1.コイルのチューニング2.中心周波数の設定3.送信電力減衰器の調整4.受信感度の調整。
[←先頭へ]フリップアングル、フリップ角 (フリップアングル、フリップ:flip angle)
均一静磁場中の核磁化ベクトルがRFパルスの印加によって静磁場の方向(z軸のプラス方向)から倒れた角度。RFパルスの振幅および印加時間に比例して変化する。高速撮像法においては、90°以下の励起パルスが使用される。
[←先頭へ]プリパレーション時間 (プリパレーションじかん:preparation time)
→プリパレーション
[←先頭へ]フレキシブルコイル (フレキシブルコイル:flexible coil)
患者の検査部位、体型に応じて変形可能なサーフェイスコイル。
[←先頭へ]フロー (フロー:flow)
流体が単位時間当たりに移動する容積(cm3/sec)。
→フロー
[←先頭へ]フローROI (フローROI:flow ROI)
フロー画像のフロー部分を囲んだ領域。
[←先頭へ]フローイメージセット (フローイメージセット:flow image set)
PC撮影で作成される画像のタイプ。フロー画像には、マグニチュードを強調した位相画像と、そうでない位相画像がある。マグニチュードを強調する場合は、ノイズを抑制する重積マグニチュードマスクをかけた位相画像になる。また、流速エンコーディングに位相補正とスケーリング(サイズ調整)を適用することもできる。
[←先頭へ]フローエンコーディング (フローエンコーディング:flow encoding)
血流のような組織内の動きを測定、または表示するMR技法。
[←先頭へ]フローコンペンセーション (フローコンペンセーション:flow compensation)
フローアーチファクトを最小限に抑える画質改善方法で、リフォーカスグラジェントパルスを使って位相のコヒーレントを回復する。ファーストオーダグラジェントモーメントナリング(first-order gradient moment nulling)ともよばれる。
[←先頭へ]フローセパレーション (フローセパレーション:flow separation)
フローの流れの中心が組織の壁から分離し、外壁近くに低速または逆向きの流れを生じること。境界層剥離ともいう。
[←先頭へ]フローパターン (フローパターン:flow patterns)
脈管系における血液の流れ方。MRAでは層流、逆流、反転、らせん、低速、剥離などのパターンが観察される。
[←先頭へ]フローボイド (フローボイド:flow void)
たとえばスピンエコー法の場合、90°パルスと180°パルスを経験したスピンのみがエコー信号の生成に寄与することができる。しかし、流体では90°パルスを経験した後にスライス外に出て180°パルスを経験できないスピンや、180°パルス印加後にスライス外に出てしまい信号収集に寄与しないスピンが存在するため、流体の信号強度が低下する。
[←先頭へ]フローリレートエンハンス (フローリレートエンハンス:flow-related enhancement)
TRが、液体の縦緩和が十分起こるには短い場合、前回の90°パルスの後に流入した流体のスピンの縦磁化が、前回の90°パルスを受けたスライス内に残存している流体の縦磁化より有意に大きく、スライス内の流体全体の縦磁化としては、スライス内の静体の縦磁化より大きくなる。したがってスライス内の流体から得られる信号は、静体のそれより強くなる。
[←先頭へ]フロー解析 (フローかいせき:flow analysis)
シネPCと2DPCを対象としたフロー再構成の1つで、スラブをディフェーズさせる傾斜磁場および位相補正を制御する。フロー解析では、ディフェーズ用傾斜磁場と位相補正の両方がオフになる。
[←先頭へ]プロジェクションリコンストラクションイメージング (プロジェクションリコンストラクションイメージング:projection-reconstruction imaging)
斜めの角度でスライスと平行に光線を当てて得た複数の投影プロフィールから、画像を作成する技法。
[←先頭へ]プロトコル (プロトコル:protocol)
ユーザーが独自に設定したパラメータプログラム。
[←先頭へ]プロトンデカップリング (プロトンデカップリング:proton decoupling)
MRSの吸収線の幅を狭くし、共鳴信号を見やすく簡単にするための技術のひとつ。NMRの吸収線は、周囲の水素原子が作る磁場(双極子相互作用による磁場)によって分裂したり吸収線の幅が広くなっているため、スペクトルピークとして観測しにくいことがある。このとき、RFパルスを加えて水素原子の磁化を飽和させてやればこの結合を防ぐことができ、単純で解析しやすいスペクトルが得られる。この方法をプロトンデカップリングとよび、13Pや13C原子のMRSに用いられている。
[←先頭へ]プロトン密度像 (プロトンみつどぞう:proton density image:PDI)
撮像時にTRを長くしてTEを短くとると、T1・T2いずれの影響も少ない画像を得ることができる。この画像のコントラストは、主としてプロトンの量(密度)を反映している。スピン密度像(spin density image)とよぶこともある。
[←先頭へ]ペースメーカー (ペースメーカー:pacemaker)
電極を経静脈的に右心室へ挿入し、ミリボルトミリ秒単位で1分間70前後の頻度で、心臓を刺激する装置。埋め込み式と体外装着式のタイプがあり、不整脈患者の心拍の「歩調取り」に用いられる。ペースメーカーは精密な数多くの電子部品で構成されており、磁気的にも敏感であるため、装着者のMR検査と管理区域内への立ち入りは禁忌である。
[←先頭へ]ベクトル (ベクトル:vector)
大きさと方向を表す数学上の数量。
→ベクトル
[←先頭へ]ヘリウム (ヘリウム:helium:He)
原子番号2の希ガス元素。ほとんどの超電導装置は、マグネットを極低温に保持するための冷却用寒剤として液体ヘリウムを使用する。
→ヘリウム
[←先頭へ]ペリフェーラルゲーティング (ペリフェーラルゲーティング:peripheral gating:PG)
中枢神経系の撮影に有用なMRゲーティング法。CSFフローによるアーチファクトを最小限に抑えることができる。通常は指先にパルスセンサを装着して血液の脈動をゲーティングする。
[←先頭へ]ヘルプスイッチ (ヘルプスイッチ:help switch)
スキャン中に、患者が気分が悪くなったり、助けを必要とするときに使うスイッチ。あらかじめ患者にスイッチを持たせておく必要があり、スイッチを押すとコントロールルームのアラームやブザーが鳴るため、オペレータに異変を知らせることができる。
[←先頭へ]ヘルムホルツ型コイル (ヘルムホルツがたコイル:Helmholtz type coil)
対向する2個の表面コイルによって構成されるMRI用受信コイル。一般の表面コイルと異なり、コイルからの距離が少ない均一な画像を得ることができる。関節などの撮像に用いられる。
[←先頭へ]ベローズ (ベローズ:bellows)
患者に装着して呼吸信号をとらえる装置。レスピレトリーコンペンセーションを選択したスキャンで用いる。
→ベローズ
[←先頭へ]ボーラストラッキング (ボーラストラッキング:bolus tracking)
MRIでの血流測定法のひとつで、TOF法を用いて行う。
[←先頭へ]ボクセル (ボクセル:voxel)
→ボクセル
[←先頭へ]ボクセル内スピン位相分散 (ボクセルないスピンいそうぶんさん:intravoxel spin-phase dispersion)
フロー流速に大きなばらつきがあったり、加速などの高位運動が存在する場合、もしくは磁場の均一性に小さな変動がある場合に、位相コヒーレントが失われ、信号強度が損失すること。
[←先頭へ]ボケ (ボケ:blurring)
ランダムな動きで現れる、モーションアーチファクト。びまん性の画像ノイズを位相エンコード方向に発生させる。
→ボケ
[←先頭へ]ボリュームイメージング (ボリュームイメージング:volume imaging)
3Dイメージングとよぶことも多い。スライスごとではなく、ボリューム全体から信号を収集する撮影法で、薄いスライスの再構成が可能で、一般的にSN比も向上する。
[←先頭へ]ボリューム撮影 (ボリュームさつえい:volume scan)
[←先頭へ]
ポンプ (ポンプ:phase offset multiplanar:POMP)
スキャン時間を延長させずに、指定したTRで収集可能なスライス数の3倍までの画像を収集する機能。
→ポンプ
[←先頭へ]反磁性 (はんじせい:diamagnetism)
磁場にさらされると磁場と反対方向に(きわめて弱く)磁化される性質を反磁性、そのような物質を反磁性体とよぶ。加えた磁界の強さを弱める性質を持ち、反磁性物質が誘発する磁力の極性は、周辺組織の極性と逆になる。反磁性はそもそもすべての物質に備わった性質で、常磁性や強磁性などのような強い磁性がない物質(紙、木、銀、銅など)はすべて反磁性を示す。反磁性体はMRIに特に影響を与えない。
[←先頭へ]反転回復法 (はんてんかいふくほう:inversion recovery: IR)
MRIにおけるパルス系列のひとつ。90°パルスの印加の前に、まず180°パルスを印加することにより、z軸方向の縦磁化成分を反転させておく。縦緩和により縦磁化が回復してくる過程で90°パルスを印加して、FID信号もしくはスピンエコー法によるエコー信号を測定する。反転状態からの回復の速度は、T1にのみ依存するので、T1強調度の強い画像を得ることができ、180°パルスから90°パルスまでの時間(反転時間)の調節によりT1強調度を変えることができる。
[←先頭へ]反転時間 (はんてんじかん:inversion time)
反転回復法(IR法)のパルス系列において、はじめの180°パルスから、次に印加される90°パルスまでの時間間隔。
[←先頭へ]反転表示 (はんてんひょうじ:inverse video)
表示画像の白と黒を反転させること。いわゆるネガポジ反転。MRAやSASで使われる。
[←先頭へ]比吸収率 (ひきゅうしゅうりつ:specific absorption rate: SAR)
生体組織に対して、単位質量・単位時間当たりに与えられる電磁エネルギーのこと。単位は、W/kgまたはJ/sec/kg。MRIにおいてはRFパルスの印加より、人体1kgが1secあたりに吸収する熱量(W/kg)。FDAとNRPBの勧告によるSARの安全基準値は、現在のところ両者ともに0.4W/kgである。
[←先頭へ]非対称エコー (ひたいしょうエコー:asymmetric echo)
TEにおけるピーク値がサンプリングウィンドウの中央にこないエコーのことで、小数エコーまたは部分エコーともよばれる。
[←先頭へ]表示マトリックス (ひょうじマトリックス:display matrix)
表示画像のピクセル数をXY軸方向の数で表したもの(例:256×256)。
[←先頭へ]表面コイル (ひょうめんコイル:surface coil)
微弱なエコー信号を効率よく検出するために用いられ、被験者の体表に接して使用する受信専用のコイル。信号発生源から近いため減衰の少ない信号を得ることができるが、視野の直径と深さが制限され、いずれもおよそコイルの直径の範囲となる。眼球・顎関節・肩関節・膝関節・腰椎など限られた範囲をより明瞭に描出するための専用コイルが作られている。さらに、特殊な表面コイルに体腔内コイルがある。これは、直腸などに挿入して利用するものである。表面コイルを用いて撮影すれば、高S/N比の良好なMR画像の撮影が得られるが、撮像領域には制限がある。
[←先頭へ]負のフロー (ふのフロー:negative flow)
フロー領域における血管の負の平均流量だけを加算したもの(ml/min)。
[←先頭へ]部分エコーイメージング (ぶぶんエコーイメージング:partial echo imaging)
[←先頭へ]
部分フーリエイメージング (ぶぶんフーリエイメージング:partial Fourier imaging)
[←先頭へ]
部分積算 (ぶぶんせきさん:fractional NEX)
[←先頭へ]
部分飽和法 (ぶぶんほうわほう:partial saturation method)
[←先頭へ]
複数画像表示 (ふくすうがぞうひょうじ:multiple image display:MID)
通常は1枚の画像に割り当てられる空間に、2枚以上の画像を表示・操作・解析・フィルミングできる表示機能。
[←先頭へ]複素差分 (ふくそさぶん:complex difference)
PC−MRAを対象にしたフロー再構成の1つで、スラブをディフェーズさせる傾斜磁場および位相補正を制御する。複合差分再構成では、ディフェーズ用傾斜磁場がオフ、位相補正がオンになる。
[←先頭へ]分解能 (ぶんかいのう:resolution)
異なる物理的変化を識別する能力のこと。画像診断では空間分解能とコントラスト分解能(濃度分解能)が問題となる。前者は異なる2点をそれぞれ別のものとして識別する能力であり、後者は質量の差などを画像の濃度差として識別する能力である。
[←先頭へ]平均化 (へいきんか:avaraging)
同一帯域のMR信号出力を、合計して収集された信号の数で割る、SN比改善技法。
[←先頭へ]平均比吸収 (へいきんひきゅうしゅう:average specific absorption rate:average SAR)
[←先頭へ]
平均流速 (へいきんりゅうそく:average velocity)
フロー解析の測定値。流量Q(cm3/sec)を血管の断面積A(cm2)で割ったもので、V=Q/A(cm/sec)。1/2Vmax(1/2×Vの最大値)を層流という。
[←先頭へ]平均流量 (へいきんりゅうりょう:average flow)
フロー解析の測定値。特定の心臓位相または周期において、所定のフロー領域を1分間に通過したフローの体積を、その領域を構成するボクセル体積の和(ml/min)で表したもの。
[←先頭へ]平衡磁化 (へいこうじか:equilibrium magnetization)
物体を静磁場に置いてから励起パルスを印加するまでの間に存在する磁気の状態。
[←先頭へ]補正コイル (ほせいこいる:shim coil)
[←先頭へ]
飽和 (ほうわ:saturarion)
静磁場の方向(z軸のプラス方向)と、その反対方向(z軸のマイナス方向)を向く核スピンの数が同数存在して、磁化が完全に消失した状態。静磁場中の核スピンに強いRF波を印加し続けると、静磁場方向を向いた低いエネルギーレベルの核スピンは次々に励起され、これは静磁場方向とその反対方向の核スピンの数が等しくなるまで進行し、それ以降は見かけ上エネルギーの吸収は起こらなくなる。この状態が飽和である。通常のMRIにおいて90°パルスを印加した場合は、巨視的磁化ベクトルのz軸方向の成分(縦磁化)は0であるが、x−y平面上の成分(横磁化)は存在するので飽和とは異なる。
[←先頭へ]飽和プロトン (ほうわプロトン:saturated protons)
RFパルスによって励起されたため、後続の励起に対して横磁化を発生しないプロトン。例えば、1つのスライス内(飽和パルス)で励起された流動プロトンは、次のスライスに達するまでは完全には緩和しない。これらのプロトンからは、RFパルスをもう1度印加しても有意な信号は発生しない。
[←先頭へ]飽和回復法 (ほうわかいふくほう:saturation recoverey)
SRを参照。
→SR
[←先頭へ]ま |
マガジン (マガジン:magazine)
フィルム撮影において、一時的に現像前のフィルムをストックしておくケース。
→マガジン
[←先頭へ]マキシマムインテンシティプロジェクション (マキシマムインテンシティプロジェクション:maximum intensity projection:MIP)
一定量の画像データ(3Dボリューム、複数の2Dスライス)から、複数のプロジェクションイメージを生成する方法。画像データは、選択された角度に沿って処理され、最大の信号強度を持つピクセルが2次元画像に投影される。
[←先頭へ]マキシマムピクセルプロジェクション (マキシマムピクセルプロジェクション:maximum pixel projection:MPP)
[←先頭へ]
マグニチュードイメージ (マグニチュードイメージ:magnitude image)
[←先頭へ]
マグニチュードリコンストラクション (マグニチュードリコンストラクション:magnitude reconstrustion)
位相と関係なく、ボクセル内における磁気の実際の規模を示すモジュラス画像を生成する再構成法。
[←先頭へ]マグネタイゼーショントランスファ (マグネタイゼーショントランスファ:magnetization transfer:MT)
灰白質や骨格筋のようなT2が短い組織を抑制してコントラストを改善する、3D−TOFで用いられる撮影技法。高分子と水の相互作用を利用している。
[←先頭へ]マグネティックサセプタビリティ (マグネティックサセプタビリティ:magnetic susceptibility)
磁化率。物質が磁化される能力、または磁界に歪みを与える能力。反磁性、常磁性、強磁性の物質は磁気感度が高い。
[←先頭へ]マグネビスト (マグネビスト:Magnevist)
MRI用造影剤の一種で、シェーリング社の商品名。化学名はガドペンテト酸ジメグルミン >(Gd−DTPA)
[←先頭へ]マトリックス (マトリックス:matrix)
2DFTにおいて周波数−位相エンコーディング方向の収集データポイントの数。256×256のように表示する。一般的にFOVサイズが同じであれば、マトリックスが大きい方ほど空間分解能が向上するが、撮影時間は長くなる。
[←先頭へ]マルチショットEPI (マルチショットEPI:multi shots echo planer imaging)
複数回の励起パルスで画像データ収集を行うタイプのエコープラナー法。
[←先頭へ]マルチスライス (マルチスライス:multi-slice)
ある断面のMR信号を観測した後、繰り返しの待ち時間(TR)の間に別の断面を選択してMR信号を観測して、同一スキャン中に複数枚の断面像を得る方法のこと。一般にTRが長く、TEが短いほど多くのスライスを得ることができる。
[←先頭へ]マルチスライス・マルチフェーズイメージング (マルチスライス・マルチフェーズイメージング:multi-slice and multi-phase imaging:MSMP)
カーディアックゲーティングで、複数の心臓のロケーションと複数の異なる心拍位相を各ロケーションごとに撮影する機能。
[←先頭へ]ミスレジストレーション (ミスレジストレーション:misregistration)
記録ミス。収集された信号の空間的ロケーションを間違ってマッピングしたために生じるアーチファクトで、組織の動きやエイリアジングによって起こる。
[←先頭へ]ミッドアクシス (ミッドアクシス:mid-axis)
体を真二つ(前後・左右・上下)に分ける架空の軸のこと。
[←先頭へ]ミニマムTE (ミニマムTE:minimun TE)
所定の指定における最小TEで、フローの位相ずれとT2の影響を抑えるために使用される。
[←先頭へ]ムーバブルテーブル (ムーバブルテーブル:movable table)
単独で移動可能なテーブル。患者のセッティングを検査室外で行える。
[←先頭へ]ムービーループ (ムービーループ:movie loop daisplay)
連続した画像をページングして、動きをシミュレートしたり奥行きを感じさせる表示機能。
[←先頭へ]メタルアーチファクト (メタルアーチファクト:metal artifact)
患者が装着している強磁性体(ヘアピン、義歯など)によるアーチファクト。
[←先頭へ]モーションアーチファクト (モーションアーチファクト:motion artifact)
患者の体動が原因である、最も一般的なアーチファクト。
[←先頭へ]モーフォグラフィックフィルタ (モーフォグラフィックフィルタ:morphographic filter)
画像の見せかけ上のSN比を改善するフィルタ。形態の境界を保持したままその他の部分を選択的にスムージング処理し、画像ノイズを除去する。
[←先頭へ]モジュラスイメージ (モジュラスイメージ:modulus image)
各ボクセルにおける磁気の実際の規模を示す画像で、真の画像および虚像(仮想画像)から作成される。
[←先頭へ]水・脂肪分離画像 (みずしぼうぶんりがぞう:water/fat saparated image)
人体内のプロトンの多くは−OH基あるいは−CH2−基の形で存在する。前者は水を構成し、後者は脂肪を構成する。両者は化学シフト現象によって、共鳴周波数に約3.5ppmのずれがある。この差を利用してプロトンから発するMR信号を、水と脂肪を別々に画像化したものが水・脂肪分離画像である。その具体的方法としてDixon法が知られている。また、この分離画像を得るためには、静磁場に両者の化学シフト量以下の高い均一性が要求される。
→DIXON法、 DIXON法
[←先頭へ]水画像 (みずがぞう:water image)
[←先頭へ]
待ち時間 (まちじかん:dead time)
[←先頭へ]
魔法瓶 (まほうびん:cryostat)
[←先頭へ]
や |
ユーティリティ (ユーティリティ:utilities)
メインプログラムの実行に役立つ補助的ソフトウェア。
[←先頭へ]ヨークシールド (ヨークシールド:yoke shield)
[←先頭へ]
横緩和(時間) (よこかんわ(じかん):transverse relaxation(time))
RFパルスにより励起した核スピンは、各々が置かれている磁場の強度が完全に均一であれば、歳差運動のラーモア周波数も一致し、位相がずれることはない。しかし、実際には外部静磁場が均一であったとしても、各核スピンの置かれた微視的な局所磁場の違いのために、位相に次第にばらつきが生じ、巨視的磁化ベクトルのx−y平面上への投影成分は指数関数的に減少する。この過程を横緩和、スピン−スピン緩和、T2緩和といい、その時定数が横緩和時間・T2である。
→よこかんわ
[←先頭へ]横磁化 (よこじか:transverse magnetization:Mxy)
巨視的磁化ベクトルMの、静磁場Boに直交するx−y平面上への投影成分。横磁化がラーモア周波数で歳差すると、検知可能なMR信号が発生する。この信号は、RFパルスをオフにするとT2*の値に従って減衰する。
→よこじか
[←先頭へ]読み込み (よみこみ:retrieve)
光磁気ディスクまたは磁気テープからシステムディスクにデータを移し直す機能。
[←先頭へ]読み出し傾斜磁場 (よみだしけいしゃじば:readout gradient)
[←先頭へ]
有効視野 (ゆうこうしや:field of view:FOV)
撮像するスライスの大きさ(幅または高さを通常cmで表したもの)で、収集マトリックスとピクセルサイズの積の関数になる。
→FOV、 FOV
[←先頭へ]ら |
ラーモア周波数 (ラーモアしゅうはすう:Larmor frequency)
物質の共鳴周波数。一定磁場強度の外部静磁場中に置かれた核スピンは、歳差運動とよばれる回転運動をしている。その歳差運動の周波数ωは、静磁場強度Boと原子核自身の持つ物理定数である磁気回転比γの積として定義され、ラーモア周波数とよばれる。例えばプロトンの共鳴周波数は、静磁場が1.5Tのとき次式で表される。 fo=42.58(MHz/T)×1.5T=63.9(MHz) wo=2πfo=4.0×106 (rad/sec) MRシステムでは、この等式を使ってプロトンの空間的ロケーションを判定する。高精度に制御された傾斜磁場によって磁場の強さを変化させると、撮像されるプロトンのラーモア周波数も変化する。
[←先頭へ]ラーモア方程式 (ラーモアほうていしき:Larmor eduation)
静磁場強度Boの環境下にある核スピンの歳差運動の周波数ω と静磁場強度Boの関係を表す式。ω=γ・Bo(γ:磁気回転比)
[←先頭へ]ラインプロット (ラインプロット:line plot)
引いた線を平行四辺形に変換し、この中のピクセルの濃度を計算する機能。平行四辺形の中にあるピクセルの列を一直線と見なして、その濃度を示す機能。
[←先頭へ]ラジオパルス (ラジオパルス:radiofrequency pulse:RF pulse)
ラジオ波コイルからのパルスのことで、ラーモア周波数が正しく制御された場合、パルスの振幅と持続時間によって、特定の角度だけ巨視的磁気ベクトルを急激なRFエネルギーによって回転させる。MRIでは90°パルス、180°パルス、任意のフリップ角をいろいろな組み合わせで数百回励起し、画像データを作成する。
[←先頭へ]ラジオ周波数 (ラジオしゅうはすう:radiofrequency:RF)
核を励起し共鳴させるために使用される電磁波。
[←先頭へ]ラジオ波 (ラジオは:radiofrequency wave: RF wave)
周波数が300MHz以下の電磁波。MRIのラーモア周波数もラジオ波である。温熱治療などにも用いられる。
[←先頭へ]ラップアラウンドアーチファクト (ラップアラウンドアーチファクト:wrap-around artifact)
[←先頭へ]
ラミナルフロー (ラミナルフロー:laminar flow)
→層流
[←先頭へ]ランダウン (ランダウン:rundown)
[←先頭へ]
ランドマーク (ランドマーク:landmark)
スキャンの位置決めの際に用いる患者の部位。
[←先頭へ]ランプパルス (ランプパルス:ramped RF)
3Dスキャンのスラブ内において、血流の流入部と流出部のフリップ角を変化させることにより、流出部の血流描出能を改善させる機能。公称フリップ角を20°とした2:1のランプパルスは、パルス印加口スライスのフリップ角が約13°、出口スライスのフリップ角が約27°になる。
→ランプパルス、 ISCE、 inclined slab for contrast enhancement、 ISCE、 SORS-STC、 TONE
[←先頭へ]リードアウトグラジェント (リードアウトグラジェント:readout gradient)
MR信号を収集するときに印加するグラジェントパルス。周波数エンコーディングに使用。
[←先頭へ]リード線 (リードせん:lead wire)
患者の電極と心拍ゲーティング送信ボックスとを接続する配線。胴体につけられた2カ所の電圧を計測するためのECG導線。
[←先頭へ]リオーダリング (リオーダリング:reordering)
位相エンコード傾斜磁場(Gy)の順序を入れ替える技術。ターボFLASHに用いて、T1の短い組織のコントラストを本来の白から黒にするなど目的の組織の信号強度を変えたり、データを少しずつ小分けに収集して、都合の良いようにk空間を埋め(セグメントk−space法)、心電図同期下の撮像を可能にする。
[←先頭へ]リコンストラクション (リコンストラクション:reconstruction)
ローデータ(スキャン生データ)から画像を再構成すること。略してリコンとよぶことが多い。
[←先頭へ]リコンストラクションタイム (リコンストラクションタイム:reconstruction time)
画像再構成完了までにかかる時間。近年のハード性能の急速な進歩に伴い、リコンタイムは桁違いに早くなった(以前は1枚の再構成に1分以上かかることが普通だった)。
[←先頭へ]リストア (リストア:restore)
光磁気ディスクまたは磁気テープから、システムディスクにデータを移し直す機能。
→リストア
[←先頭へ]リファレンスイメージ (リファレンスイメージ:reference image)
現在操作している画像のスタディ内で有効なシリーズの中に含まれる画像。
[←先頭へ]リフェージング (リフェージング:rephasing)
MRIでは、エコー信号採取時(TE)にプロトンの位相が0でなければ信号の低下を招く。信号採取時に、バラバラになっていた核スピンのx−y平面上の投影成分の向き、すなわち位相を再びそろえること、またはそのような状態にするための処理操作をリフェージングという。一般にスピンエコー法では、エコー信号採取時に使用する読み出し傾斜磁場(Gx)自体が位相のずれを招くために、90°パルスと180°パルスの間にあらかじめGxをかけて、位相をずらして補正している。さらに動体に対してのリフェージングは、補正磁場を増加することによって行う。
[←先頭へ]リフェージンググラジェント (リフェージンググラジェント:rephasing gradient)
印加された特定の励起パルスと反対の方向に印加して、グラジェント誘発位相シフトを矯正するグラジェント。
[←先頭へ]リフォーカシング (リフォーカシング:refocusing)
グラジェントパルスまたはRFパルスによって位相コヒーレンス(位相間における一定の間隔)を回復すること。
[←先頭へ]リフォーマット、リフォーメーション (リフォーマット、リフォーメーション:reformat,reformation)
既存の画像データを使って、新しい画像を作成する機能。例えば複数のアキシャル画像からサジタル画像として再構成すること。3DボリュームデータからリフォーマットすることをMPR(multi planar reconstruction)とよぶ。
[←先頭へ]リマトッリクス (リマトッリクス:rematrix)
斜めの角度でスライスと平行に光線を当てて得た複数の投影プロフィールから、画像を作成する方法。
[←先頭へ]リムーブ (リムーブ:remove)
データを消去すること。
→リムーブ
[←先頭へ]ルームシールド (ルームシールド:room shield)
磁気シールドの一方式。軟鉄などの磁性体プレートを撮影室の天井・壁・床の6面全部(場合によっては一部)に張り付ける。撮影室外への磁場漏洩がない、磁性材の荷重が一点に集中しないなどの特徴がある。しかし、重い磁性体のために建屋の補強が必要となったり、撮影室内での作業に注意を要するなどの欠点もある。
[←先頭へ]レイノルズ数 (レイノルズすう:Reynolds number: Re)
組織の乱流を予測するのに使用する数値で、フロー密度、流速、管組織の直径を動粘度で割った値。Re=ρdV/η(ρ:液体の密度、η:液体の粘調度、d:血管径、V:血流速度)。レイノルズ数が2000以下のときは層流、2500を超えると乱流を伴う血液を示す。
→Re、 Re
[←先頭へ]レクタンギュラFOV (レクタンギュラFOV:rectangular FOV)
通常のスキャン時間で2倍の分解能を達成する機能。被写体が視野よりも小さいとき、自動的に位相エンコード数を減らし、撮影時間を短縮する。
[←先頭へ]レクタンギュラピクセル (レクタンギュラピクセル:rectangular pixel)
通常のスキャン時間で2倍の分解能を達成する機能。
[←先頭へ]レシーブ (レシーブ:receive)
ネットワーク上で他のワークステーションからのデータを受信すること。
→レシーブ
[←先頭へ]レスピレトリコンペンセーション (レスピレトリコンペンセーション:respiratory compensation)
呼吸体動補正機能。患者の胸部にベローズを装着して、呼吸による体動で発生するゴーストを最小限に抑えることができる。
[←先頭へ]レゾリューション (レゾリューション:resolution)
[←先頭へ]
レトロスペクティブゲーティング (レトロスペクティブゲーティング:retrospective gating)
[←先頭へ]
レベル (レベル:level)
グレイスケール中央部の数値。白黒強度に関連する実際の数値はレベルコントロールによって決定される。
→レベル
[←先頭へ]レポートピクセル (レポートピクセル:report pixel)
任意のピクセル領域(通常は10×10)の濃度をチャートで表示する機能。
[←先頭へ]ローカルエリアネットワーク (ローカルエリアネットワーク:local area network:LAN)
リンクされた複数のコンピュータのネットワークを構成するための接続形式。
[←先頭へ]ローデータ (ローデータ:raw data)
画像再構成をする前のスキャン生データ。
[←先頭へ]ロイ (ロイ:region of interest:ROI)
関心領域。そもそもは画像上で診断上重要な領域、という意味だが、指定した領域の平均信号強度(CTの場合はCT値)の意味で使われることもある。
→ロイ
[←先頭へ]ロカライザ (ロカライザ:localizer)
これからスキャンしたいスライスを設定する際に必要な画像。例えば通常の脳スキャンでは、正中線上のサジタル画像がよく使われる。
[←先頭へ]ロケーション (ロケーション:location)
[←先頭へ]
乱動(攪乱) (らんどう(かくらん):turbulence)
フローにおいて、不規則に変動する流速部分。スピンの位相ずれや信号消失の原因となる。
[←先頭へ]流速 (りゅうそく:velocity)
単位時間当たりの移動量をcm/secで表したもので、大きさと方向を持つベクトル量。流速エンコーディング(velocity encoding:VENC)PC−MRAで折り返しアーチファクト(エイリアジング)を発生させずにエンコードできる最大流速を指定するために入力する値。
[←先頭へ]流入効果 (りゅうにゅうこうか:flow-related enhancement)
インフロー効果。
→インフロー効果、 タイム・オブ・フライト法、 タイム・オブ・フライトアンギオグラフィー
[←先頭へ]領域外アーチファクト (りょういきがいアーチファクト:aliasing/ wrap around)
2D画像において、励起断面のスピンの位置情報を得るために、互いに直交する軸に沿って位相エンコーディングと周波数エンコーディングが行われる。位相エンコーディングにおいては、核スピンの位相角度±180°を撮像領域の一軸に割り当てるのだが、±180°を越える位相角度を持つ撮像領域外の核スピンの位置情報は、その位相角度から360°引いた位相角度に相当する撮像領域内の位置として観測されてしまう。こうして位相エンコード方向の撮像領域外の像が領域内に折り返したようなアーチファクト(いわゆる折り返し)が生じる。周波数エンコード方向にも同様なことが起こるが、これはA/D変換以前のローパスフィルターで撮像領域外の信号を減弱できるので、一般には目立たない。
→りょういきがいアーチファクト
[←先頭へ]隣接 (りんせつ:contiguous:CS)
すき間なしに隣りどうし接触していること。
[←先頭へ]冷却用寒剤 (れいきゃくようかんざい:cryogen)
超電導マグネットの冷却に必要な物質。ほとんどの場合ヘリウム、時として窒素が用いられる。一般に冷却用寒剤は、平常ではガス状であるものが極低温下で液体であるものをいう。
[←先頭へ]励起 (れいき:excitation)
均一静磁場中の核スピンに対して、ラーモア方程式で定義される周波数と同一周波数のRF波が照射されると、核スピンはそのエネルギーを吸収し、エネルギーレベルの高い状態へと遷移する。これが磁気共鳴現象における励起であり、その状態を励起状態という。つづいて外部から均一静磁場中の核スピンに対して、ラーモア方程式で定義される周波数と同一周波数のRF波が照射されると、核スピンはそのエネルギーを吸収し、エネルギーレベルの高い状態へと遷移する。これが磁気共鳴現象における励起であり、その状態を励起状態という。つづいて外部からのRF波の印加終了後は緩和の過程を経て、元のエネルギーレベルの低い状態(定常状態)へと戻ってゆく。
[←先頭へ]励起回数 (れいきかいすう:number of excitations:NEX)
MRスキャンで、1回の収集で印加する励起パルスの数。
[←先頭へ]励起磁場 (れいきじば)
→れいきじば
[←先頭へ]わ |
ワークステーション (ワークステーション:work-station)
多機能性、統括性、操作性に優れたコンピュータシステム。最近はパソコンとの境界が曖昧になってきている。
[←先頭へ]ワンショットEPI (ワンショットEPI:one shot EPI)
[←先頭へ]