2001年7月の観測記録

◇去年に引き続き、晴れて暑かった7月　

　今年の7月は、昨年に引き続き梅雨前線の活動が弱く、太平洋高気圧におおわれて、晴れて暑い日が続きました。このため、7月の日照時間は279.0時間と1978年に次いで多く、平年の値（136.2時間）の約2倍の日照がありました。その一方で月降水量は41.0mmと、平年の値（142.4mm）の約30%しかありませんでした。

　晴れる日が続いたため、気温も高くなりました。日平均気温の月平均は25.9℃、日最高気温の月平均は30.6℃と、いずれもこれまでで最も高くなりました。7月の真夏日（日最高気温30℃以上の日）の日数も19日と、これまでで最も多かった去年の7月より2日も多くなり、これまでの最多を記録しました。真夏日の日数は、1999年から3年連続で、最多日数を更新しました。

7月の気象観測値
観測要素観測値平年値

月平均気温（℃） 25.9 22.9

月降水量（mm） 41.0 142.4

月日照時間（時間） 279.0 136.2

旬平均気温(℃)
旬観測値平年値

上旬 25.0 21.4

中旬 26.6 22.5

下旬 26.1 24.6

旬日照時間(時間)
旬観測値平年値

上旬 104.0 37.1

中旬 88.5 37.8

下旬 86.5 61.3

　●7月の日立市役所における日平均気温の推移とつくばにおける500hPaと850hPa気温の推移

　●7月の日立市役所における日最高気温と日照時間の推移

●7月の日照時間と降水量（1953年～2001年の統計）

7月の日照時間(時間）
【多い順】
順位年日照時間

1 1978 304.7

2 2001 279.0

3 2000 211.7

4 1955 210.4

5 1981 209.8

7月の降水量(mm）
【少ない順】
順位年降水量

1 1973 15.8

2 1978 21.0

3 1981 40.0

4 2001 41.0

5 1960 49.1

●7月の気温の平均（順位は気温の高い方からで、1953年～2001年の統計）

月平均気温(℃）
順位年平均気温

1 2001 25.9

2 1955 25.6

3 1978 25.4

4 2000 25.2

5 1961 25.1

平年
－
22.9

日最高平均(℃）
順位年最高平均

1 2001 30.6

2 2000 30.0

3 1955 29.1

4 1999 28.6

5 1978 28.6

平年
－
27.3

日最低平均(℃）
順位年最低平均

1 1978 22.5

2 1967 22.1

3 1994 22.0

4 1955 22.0

5 2001 21.8

平年
－
20.8

●7月の最高気温と真夏日の記録
　（順位は気温の高い方及び日数の多い方からで、1953年～2001年の統計）

7月の日最高気温(℃）
順位年日日最高気温

1 1997 5 38.5

2 2001 12 36.2

3 1987 24 36.1

4 2001 23 35.5

5 1991 26 35.5

7月の真夏日の日数
順位年日数

1 2001 19

2 2000 17

3 1955 13

4 1999 12

5 1996 11

◇フェーン現象による気温の上昇と月末の低温にみる気圧配置の違い

　日最高気温の記録を見ると、12日に36.2℃を記録しました（7月の日最高気温としては、日立市役所観測記録順位第2位）。この他に、1日に35.2℃、23日に35.5℃と、35℃を超えた日が3日ありました。特に、1日はこの時期としては珍しく、北西の風によるフェーン現象により、気温が上がりました。また、12日は日本海に停滞する前に向かう南西の風に伴うフェーン現象による気温上昇でした。

　1日の気象の変化を見ると、朝方に低気圧が東北地方を通過した後、低気圧から南西に伸びる寒冷前線が昼頃関東地方を通過しました。これに伴い、朝方からの東よりの風が12時過ぎから西よりの風に急に変わるとともに、平均風速も5m/sを超えて、一時強く吹きました。このため、気温が35℃近くまで上がるとともに、湿度も40％近くまで下がりました。【市役所における7月1日の10分間データ：テキストファイル11KB（下のグラフの元データ）】

　この現象は一時的で、17時過ぎには風向が北東に変わるとともに、気温が下がり湿度も下がってきました。翌日2日も、あまり気温は上がりませんでしたが、3日からは太平洋高気圧におおわれる日が多くなり、日平均気温が25℃、日最高気温が30℃を超える日が多くなりました。その後、一時的に気温の下がる日がありましたが、25日まで平年より気温の高い日が続きました。

　25日から26日にかけて、台風第6号が関東地方の南海上を北上するのに伴って太平洋高気圧は勢力を弱め、かわって北から冷たい高気圧が北海道付近へ南下してきました。このため、26日から28日にかけての関東地方では冷たい北東の風が入り、気温が上がりませんでした。日立市役所では、26日から29日にかけて最高気温が30℃未満となりました。特に、28日は1日中下層雲におおわれ、最高気温は24.7℃までしか上がりませんでした。

　●7月1日の日立市役所における気温、湿度及び風向の推移