◇5月に引き続き気温が高かった6月

　上旬は、移動性高気圧におおわれて晴れる日が多くなりました。しかし、13日に低気圧が本州南岸を東へ進んだ後、本州付近を寒冷渦が頻繁に通過するようになるとともに本州の南に前線が停滞し、曇りや雨の日が続くようになりました。この結果、月の日照時間は125.0時間（平年比110％）と、ほぼ平年並みになりました。また、前線の東側では活動が弱く、大雨となることがなかったことから、月の降水量は151.0mm（平年比91％）と平年並みになりました。上層の気温は、5月ほどには平年より高くなりませんでした。しかし、上旬は晴れる日が多かったことと、中旬以降は日本海を進んだ低気圧に向かって周期的に暖気が入ったことから、気温は平年を上回る日が多くなりました。このため、月の平均気温は20.7℃と平年より1.5℃高くなり、5月に引き続いて月平均気温が平年より1℃以上高くなりました。

6月の気象観測値 観測要素 観測値 平年値 月平均気温（℃） 20.7 19.2 月降水量（mm） 151.0 165.1 月日照時間（時間） 125.0 113.3

旬平均気温(℃) 順位 観測値 平年値 上旬 19.8 18.3 中旬 20.9 19.3 下旬 21.3 20.1

旬日照時間(時間) 順位 観測値 平年値 上旬 64.1 48.5 中旬 45.5 36.3 下旬 15.4 28.5

　●6月の日立市役所における日平均気温の推移とつくばにおける500hPaと850hPa気温の推移

　●6月の日立市役所における日最高気温と日照時間の推移

　今年の6月は、偏西風が中国大陸から日本海で南北に蛇行することが多く、寒気が入りにくくなるとともに関東地方では天気がぐずつきやすくなりました。また、最初に述べたように低気圧が日本海へ進んで南から暖気が入ることがあり、2011年と2014年に並ぶ気温の高い6月となりました。18日には日本の東の低気圧に向かって吹き込んだ西風の影響で最高気温30.4℃を記録し、2011年以来の6月の真夏日初日となりました。反対に、天気がぐずついた影響で、日照時間は平年並みに少なくなりました。近年の6月は日照時間が平年を上回る年が続いており、今年は2009年6月に記録した108.9時間以来の少ない日照時間でした。

　●過去6年間の6月の気象観測値の比較

観測要素	2011年	2012年	2013年	2014年	2015年	2016年	平年値
月平均気温（℃）	20.6	18.2	19.3	20.5	20.2	20.7	19.2
最高気温（℃）	33.5	28.5	27.4	28.5	29.4	30.4	-
最低気温（℃）	10.1	10.8	10.4	16.4	12.2	10.4	-
降水量（mm）	154.0	164.0	112.0	254.0	109.0	151.0	165.1
降水量1mm以上の日数	11	8	11	17	10	11	12.3
日照時間（時間）	132.4	166.9	132.0	157.4	134.9	125.0	113.3

◇6月の日立市内の気温と降水量

　6月の日立市内の気温の観測結果を比較すると、平均気温は引き続き日立市役所が最も高くなっています。次いで、最も北に位置する十王交流センターが市役所とほぼ同じ気温でした。一方、山間部にある本山と西部支所及び標高の高い諏訪広場は気温の低い方になっています。なお、市内7地点の平均気温は19.3℃で、水戸の月平均気温21.4℃よりも2.1℃低くなりました。また、水戸と日立市役所の気温差は5月とほぼ同じでした。

　一方、月の降水量の市内平均は162.1mmで、5月の平均降水量97.5mmよりも70％程多くなりました。観測地点の間の差は5月より大きくなり、最も降水量の多かった十王交流センターの213.0mmに対して、最も少なかった南部支所は118.5mmと1.8倍の差でした。また、市内7地点の平均降水量162.1mmに対して、水戸の月降水量は103.5mmと36％少なくなりました。

　●6月の日立市内と水戸の気温、降水量の観測結果

6月の気温（℃）の記録 観測地点 平均 気温 最高気温 最低気温 気温 日時 気温 日時 日立市役所 20.7 30.4 18 11:15 10.4 03 04:44 十王交流センター 20.5 30.6 18 11:04 9.6 03 04:49 北部消防署 19.2 29.3 18 10:55 9.1 03 04:38 本山（中学校跡） 17.7 28.5 18 12:34 5.8 03 04:07 西部支所 18.8 30.2 18 13:25 5.2 03 04:33 諏訪広場 18.4 28.7 18 11:50 7.1 03 04:03 南部支所 20.1 28.8 18 11:22 10.0 03 05:04 上記7地点の平均 19.3 - - - - 日立会瀬 20.7 29.8 18 11:08 9.9 03 04:00 水戸（金町） 21.4 32.1 18 13:04 10.6 03 04:55

6月の降水量（mm）の記録 観測地点 月降水量 日最大降水量 1時間最大降水量 降水量 日 降水量 日時 日立市役所 151.0 54.5 13 11.0 28 06:11 十王交流センター 213.0 59.5 13 18.0 09 21:10 北部消防署 153.5 51.5 13 10.5 20 04:14 本山（中学校跡） 195.5 80.5 13 18.0 09 20:49 西部支所 164.0 52.5 13 19.0 09 22:53 諏訪広場 139.0 54.5 13 8.0 13 11:34 南部支所 118.5 48.5 13 11.5 28 05:47 上記7地点の平均 162.1 - - - - 日立会瀬 152.0 53.5 13 9.0 28 06:03 水戸（金町） 103.5 41.0 13 8.0 28 05:19

　※日立会瀬と水戸（金町）は気象庁の観測地点。

◇真夏日初日（18日）

　17日の朝、低気圧が関東地方の東を通過して東海上へ進みました。低気圧に伴って南から暖かい空気が流れ込んだため、17日の関東地方では内陸部を中心に気温が上がり、真夏並みの暑さとなりました。各地の最高気温は、群馬県館林で32.6℃、埼玉県鳩山で32.4℃などでした。一方、茨城県北部の沿岸部では東寄りの風が入ったことから気温は上がらず、日立市役所における最高気温は24.4℃でした。

　18日になると、上層の気圧の尾根が本州上へ進んできたことと、低気圧が日本の東へ離れて午前中は西から北西の風が吹いたことから、フェーン現象気味となった関東地方では17日よりも気温が上がりました。各地の最高気温は、埼玉県鳩山で35.2℃、群馬県館林で35.1℃など、全国で今年初めてとなる猛暑日となりました。茨城県内でも、笠間と古河で最高気温32.8℃を記録するなど、15観測所のうち日立会瀬と北茨城、高萩を除く12地点で最高気温が30℃以上となりました。

　日立市役所における18日の気温の推移をみると、5時過ぎから急速に気温が上がり始めて11時15分には日最高気温30.4℃を記録し、今年初めての真夏日（最高気温30℃以上の日）となりました。なお、真夏日初日の記録としては平年（6月29日）よりも11日早く、昨年（7月12日）よりも24日早くなっています。また、1953年の観測開始以来9番目に早い記録でした。

　最高気温を記録した後、風向が南南東へ変わるとともに気温は3℃近く下がりました。その後、夕方にかけて気温は27℃前後で推移しました。一方、水戸やつくばでは12時過ぎにかけて気温が上がり続けましたが、水戸では15時前から、つくばでも17時前から気温が下がり出しました。

　日立市内の気温を見ると、西風の影響を受けた十王交流センターと山間部にある西部支所で最高気温が30℃を超えました。また、すべての地点で今年の最高気温となりました。最も気温が高かったのは十王交流センターの30.6℃で、内陸部の西部支所、本山よりも沿岸部の方が気温が高くなりました。なお、十王交流センター、北部消防署、諏訪広場では、日立市役所と同様に最高気温を記録した後、気温が3℃近く下がりました。

　●真夏日初日の記録（日立市役所）

　※順位は月日の早い方からで、1953年から2016年の統計。

　●6月18日の気温（℃）と平年値の比較

　日立市内の沿岸部では、10時55分（北部消防署）から11時50分（諏訪広場）の間に最高気温を観測している。一方、西部支所や水戸、つくばでは13時過ぎから15時前に最高気温を観測した。

　●2016年6月18日の気温と風向の推移（10分値）

　●2016年6月18日の日立市内の気温の推移（10分値）

　●参考：2016年6月18日11時と13時のアメダスによる気温と風の分布

　●参考：2016年6月18日09時の地上天気図と850hPa面高層天気図

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作成日 2016/07/11
名前 日立市天気相談所