発光ダイオード(LED)とは、電流が流れると一定の光を発する半導体。電球と違って、電力を高い効率で光に変換するので、あまり熱を発しないという特性があります。耐用年数も長いのが特徴です。赤色の発光ダイオードが約40年前に開発され、青色を作ることは困難とされてきましたが、1993年に日本で開発され、信号機への応用も可能になりました。今、このLEDを使った信号機が話題となっています。2003年8月18付の読売新聞の編集手帳にもLED信号が取り上げられました。
(2003/8/18読売新聞・編 集 手 帳) 茨城県では、平成14年度の補正予算に計上され、本年度から本格的な整備が始まりました。本年度中に590灯が整備されます。それでも、県内普及率はわずか1%でしかありません。 経産省が平成16年度より導入へ補助金 経済産業省は平成16年度予算にLED式の信号機の普及を促進するため、地方自治体に導入費用を助成する方針を固めたと報道されています。自治体が負担する設置費用の2分の1を補助するため、来年度の概算要求に自治体の省エネ事業への助成として28億円を盛り込むというものです。 2002年56月の公表された警察庁の試算によると、LED式信号の1灯あたりの消費電力は15ワット程度であり、電球式の70ワットよりも55ワットも少ない。そのため、全国の信号機が消費する年間総電力量は、車両用の場合、LED式は電球式より4億9000万キロ・ワット少ない1億3000万キロ・ワット、歩行者用では3億500万キロ・ワット減の1億100万キロ・ワットに抑えられることがわかりました。 LED信号導入で原油21万キロリットル削減 これを環境省のCO2排出係数で計算すると、車両用で17万5000トン、歩行者用で10万9000トン、合計で二酸化炭素(CO2)排出量を年間28万4000トン削減出来るといわれています。これは、7500万本分の樹木を植林したのと同じCO2削減効果となります。また、原油計算だと、年間21万キロ・リットルの節約になるといわれています。 さらに、寿命も7〜10年と長いことから、毎年交換が必要な電球式よりも維持費や管理費が、格段に安く済みます。 また発色が鮮明で、電球式のように日差しが当たって発光しているように見間違える可能性(「疑似点灯」現象)も少ない。ドライバーや歩行者にとっても安全性が高まるという利点もあります。 ディメリットは導入コストの高さ しかし、1台の設置価格が電球式に比べ3割ほど高いなどのデメリットもあります。1基あたりで約14万円と電球式(8万300万円)の1.7倍かかります。 こうしたLED信号のメリットを考慮した上で、既に東京都では、都内の約1万5000か所のすべての交差点の車両用信号機を、2002年度より10年間で全てLED化する計画を進めています。 茨城県においては、1)既存の信号を含めてのLED化を計画的に進めること、2)新規や更新の信号は全てLED信号を採用することなどを、井手よしひろ県議が県警本部に提案しています。
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