第2部
十一 政治の信頼回復へシステム改革を推進します
政治不信の回復に不断の努力が積み重ねられている最中に、中尾元建設相の収賄事件や秘書給与詐欺事件で議員を辞職し、民主党を離党した山本譲司元衆議院議員の事件などが相次いで起き、遺憾ながら政治不信が一層高まっている状況です。政治に対する信頼を回復するための第一歩は国民の信託に応えて、厳しい倫理感、責任感を持って行動する政治家への改革です。あっせん利得処罰法の制定はまさにその要請に応えるものです。公明党は、政界の先陣を切って政治改革に取り組みます。
1 選挙制度の改革と政治の信頼回復
(1)新たな中選挙区制度の導入と定数の削減
国民の多様なニーズの反映、現行制度の問題点の是正をはかるため、現行の小選挙区300、比例代表180の小選挙区比例代表並立制を抜本的に改めて、原則定数3、選挙区150の新たな「中選挙区制度」(個人名を記入)の導入をめざします。制度改革と併せて概ね30程度の定数の削減をめざします。
(2)18歳選挙権の実現
議会制民主主義の活性化をはかるためには、青年の政治参加の機会を拡大することが肝要です。そのため、わが国の選挙権の付与年齢を18歳以上にします。先進諸国においても、大多数の国で18歳選挙権が定着しています。わが国においても青年層の幅広い意見を国、地方の政治に反映させるため、早期の実現をはかります。
(3)在宅難病患者等の投票制度の改善
難病患者等で、投票する意思があっても投票所に行くことができず、かつ、投票所に行くことができても投票用紙に候補者名や政党名を自署できない人は、現在、選挙権の行使はできないようになっています。投票所以外の場所での代理投票が認められるなどの改善策を講じるため、公職選挙法の改正を進めます。
2 永住外国人への地方選挙権付与
外国人への地方選挙権の付与は特に欧州を中心に広がっており、デンマークやスウェーデン、ノルウェーなど今では世界24カ国で実施されています。わが国で永住権を持つ外国人は約62万人ですが、そのなかには、日韓併合や植民地支配に端を発し、日本で生活しておられる在日韓国・朝鮮人や中国・台湾出身の人など、特別な歴史的背景のある人もいます。
私たちは、その人たちが望むならば、限りなく日本国民に近い扱いがなされるべきであると考えます。そうした立場から、公明党は永住外国人の地方選挙権の法制化を推進します。その内容は、満20歳以上で同一市町村に3カ月以上居住する永住外国人が地方選挙権の取得を希望する場合、市町村が作成する永住外国人の選挙人名簿に登録を申請すれば、地方議会の議員選挙や首長選挙で投票する権利、すなわち選挙権を得ることができるとするものです。
|