要介護認定「1次コンピュータ判定」の仕組みなどうなっているか?

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要介護判定の一次判定はコンピュータで行われますが、その判定の基準はどのようになっているのでしょうか。ソフトは公開されるのでしょうか。

多数の入所高齢者の身体的な特徴と介護に要する時間を統計的に分析し、樹形図モデルを作成。これにより、介護に要する時間を算出するシステムが作られました。最終的に要介護認定に使われるソフトは公開される予定です。

  1. 要介護認定は、介護サービスの必要度(どれ位、介護のサービスを行う必要があるか)を判断するものです。従って、その方の病気の重さと要介護度の高さとが必ずしも一致しない場合があります。

     
    <例>痴呆の進行に伴って、問題行動がおこることがあります。例えば、アルツハイマー型痴呆の方で、身体の状況が比較的良好であった場合、徘徊をはじめとする問題行動のために介護に要する手間が非常に多くかかることがあります。
    しかし、身体的な問題が発生して寝たきりである方に痴呆の症状が加わった場合、病状としては進行していますが、徘徊等の問題行動は発生しないため、介護の総量としては大きく増えないことが考えられます。

  2. 介護サービスの必要度(どれ位、介護サービスを行う必要があるか)の判定は、客観的で公平な判定を行うため、コンビュータによる一次判定と、それを原案として保健医療福祉の学識経験者が行う二次判定の二段階で行います。

      コンビュータによる一次判定
      (足切りではありません)
      −−→
      介護認定審査会での二次判定
      (保健医療福祉の学識経験者
      5名程度で構成)


  3. コンピュータによる一次判定は、その方の訪問調査の結果を基に、約3,400人に対する「1分間タイムスタディ・データ」から推計します。

     要介護度判定は「どれ位、介護サービスを行う必要があるか」を判断するものですから、これを正確に行うために特別養護老人ホーム、老人保健施設等の施設に入所・入院されている3,400人のお年寄りについて、48時間にわたり、どのような介護サービス(お世話)がどれ位の時間にわたって行われたかを調査しました。
     この結果を「1分間タイムスタディ・データ」と呼んでいます。
     このデータを基礎に、それぞれのお年寄りの訪問調査の結果を入力すれば、その方に対して行われると思われる介護に要する時間(要介護認定等基準時間)を推計できるようにしたものが、一次判定で用いられるコンビュータシステムです。

  4. 一次判定のコンビュータシステムは、訪問調査の項目等ごとに選択肢を設け、調査結果に従い、それぞれのお年寄りを分類してゆき、「1分間タイムスタディ・データ」の中からその心身の状況が最も近いお年寄りのデータを探しだして、そのデータから要介護認定等基準時間を推計するシステムです。
     この方法は樹形モデルと呼ばれるものです。

     樹形モデルの簡単なイメージ

      樹形モデル

    中間評価項目の利用:
     中間評価項目とは、訪問調査に用いられている調査項目のうち心身の状況に関する73項目について、平成10年度モデル事業で調査対象となった約16万人のデータを用いて、同様の傾向を持つ調査項目ごとに、「第1群(麻痺・拘縮に関連する項目)」、「第2群(移動等に関連する項目)」等の7つのグループにまとめたものです。
     このとき個別の調査項目の傾向と73項目全体の傾向との関係の深さに応じて、個別の調査項目の選択肢に対して統計的に得点を付し、7つの中間評価項目ごとにそれぞれのお年寄りの合計得点を算定します。
     この中間評価項目得点も、個々の調査項目とともに樹形モデルの分岐項目として、一次判定に用います。これによって、安定した一次判定結果が得られることとなりました。

  5. 要介護度の一判定はどれくらいの介護サービスが必要かを示す、指標である要介護認定等基準時間の長さによって示されます。
    要介護認定等基準時間は次の5つの分野ごとに計算されます。その基準は次の通りです。

    直接生活介助身体に直接触れて行う入浴、排せつ、食事等の介護等
    間接生活介助衣服等の洗濯、日用品の整理等の日常生活上の世話等
    問題行動関連介助徘徊、不潔行動等の行為に対する探索、後始末等の対応
    機能訓練関連行為 えん下訓練の実施、歩行訓練の補助等の身体機能の訓練
    及びその補助
    医療関連行為呼吸管理、じょくそう処置の実施等の診療の補助等

    要支援 5分野を合計した要介護認定等基準時間が30分未満であって
     ・要介護認定基準等時間が25分以上または
     ・間接生活介助、機能訓練関連行為の2分野の要介護認定等基準
      時間の合計が10分以上
    要介護15分野を合計した要介護認定等基準時間が30分以上50分未満
    要介護25分野を合計した要介護認定等基準時間が50分以上70分未満
    要介護35分野を合計した要介護認定等基準時間が70分以上90分未満
    要介護45分野を合計した要介護認定等基準時間が90分以上110分未満
    要介護55分野を合計した要介護認定等基準時間が110分以上


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