Copyright Yoshihiro IDE (e-mail:y_ide@jsdi.or.jp) 最終更新日:1997/DEC/17
井手よしひろ県会議員をはじめとする、茨城県議会公明・新進クラブ(代表:鈴木孝治県議)は、12月15日、橋本昌茨城県知事に、「平成10年度の県予算編成に関する要望書」を提出した。 この要望書は、7大項目607項目に及び、具体的な県政への要望をまとめたものとなっている。 今回の要望書の特長としては、第1項目に行財政改革の推進の大項目を設置して、県の直近の重要課題に具体的な提案を行っている。 さらに、県議会議長宛に「議会の効率的運営と更なる情報公開の推進」を提案して、議員報酬や政務調査費の据え置きや議会情報公開条例の制定に向けて委員会設置などを提案している。 |
1.行財政改革の推進
基本的考え方
l県債発行(投資的経費のための県債発行を除く)や基金からの繰入に依存せず、単年度の収支が均衡する財政構造を目指すこと。
l投資的経費(公共事業費)はバブル崩壊後の景気対策実施前の水準以下に抑制すること。
l少子高齢社会に対応する民生費、衛生費、教育費などは、固定的経費、事務的経費を除き、現状の事業費を後退させないこと。
l今後の財政収支見通しの策定に当たっては、平成9年度の名目経済成長率を現実的な数値として1%前後と想定して試算に当たること。
1-1. 地方財源の充実確保
(1)地方税財源の確保を国に働きかけること。
*国と地方との税源配分の逆転現象の解消を図ること。
*法定外普通税の課税自主権を確保すること。
*法定外目的税の創設を目指すこと。
(2)県税未済額の縮減に全力を挙げること。
(3)病院会計、福祉分野での事業会計、競輪事業会計、企業会計などに企業経営的手法を導入し、一般財源からの繰り出しを圧縮すること(一般財源への繰出しを拡大すること)。
(4)遊休県有施設、県有地の有効活用を図り、不要不急のものは積極的に処分を行うこと。
1-2. 組織機構のスリム化、効率化
(1)福祉部と衛生部の統合を断行し、統一的で効率的な福祉、医療行政の展開を図ること。
(2)児童相談所、婦人相談所、精神薄弱者相談所、身体障害者相談所などの相談機能を統合し、総合的な相談所を整備すること。
(3)産業技術専門学院(公共職業訓練所)については、社会情勢の変化を勘案し、再編整備を断行すること。
(4)農林水産部に農地局を編入し、組織のスリム化と効率化を図ること。
(5)農業改良普及センターと土地改良事務所の連携を強化すること。
(6)生涯教育、文化事業は知事部局への移行も含め、一体的な政策展開を図ること。
(7)県の出資法人の合理化と、その情報開示を徹底すること。
1-3. 事務的経費の徹底的な削減
(1)一般事務経費の大幅な削減を図ること。そのために、事務経費、食糧費、出張経費などを逐次公開し、削減効果を明確に開示すること。
(2)事務経常経費を大幅に削減すること。
*決裁体制を見直し効率的なシステムを構築すること。
*不要な書類、申請書、押印などの大幅削減を図ること。
*OA化を進め、庁内イントラネットの導入、DTPによる印刷経費の削減、データーの共有化・電子データ化の推進を図ること。
*省エネを徹底し、資源のリサイクル活用を徹底すること。
1-4. 事務事業・補助金の抜本的見直し
(1)事業費の削減規模は、総枠で15%以上を確保すること。
(2)事務事業の見直しの基本としては、福祉(民生)費、医療(衛生)費、教育費については、事務経費、人件費を除く予算枠の削減は行わないこと。
(3)公共事業費の削減を思い切って断行すること。特に、県単公共事業費の20%以上の削減を図り、国補事業についても15%以上の削減を行うこと。
(4)公共事業の単価縮減に取り組むこと。具体的には、平成11年度末まで3割縮減を目指し、縮減計画を立案すること。
(5)事務事業の効率的な執行を図るため、費用対効果が明確に評価できるシステムを構築すること。その評価手法によって、事業の結果を広く県民に公開すること。
(6)公共事業の効果評価制度を導入し、限られた予算を有効に活用するシステムを構築すること。
(7)「時のアセス」の考え方を導入し、現在進行中の公共事業にあっても抜本的見直しを行うこと。
(8)補助金の交付に当たっては、概ね5年間を目処に再評価を行うサンセット方式を導入すること。
(9)補助金の支給に当たっては、交付先を事業内容毎に競争入札的な手法で決定し、特定団体への硬直した補助金交付体制を見直すこと。
(10)各種記念行事、式典等の簡素化と虚礼廃止を検討すること。
※行事、式典での記念品(絵はがき、テレホンカードなどを含む)の作成、配布は極力取りやめる。
※公共工事等での完成時の業者への金一封等の虚礼は原則廃止する。
1-5. 大規模建設事業の見直し
(1)社会的、経済的情勢変化を勘案した事業の抜本的見直しを図ること。
(2)県庁舎建設費は、総事業費の徹底的な見直しを図り、概算事業費854億円を800億円以下の削減すること。
(3)サッカーワールドカップ関連事業、インターハイ関連事業など実施時期が明確な事業は遅滞なく進めること。
(4)防災関係(防災情報ネットワーク整備事業)、医療関係(地域がんセンター整備)、福祉関連(桜の郷整備計画の一部、県立福祉施設の更新事業)、教育関連(高等養護学校整備計画、生涯学習センター整備計画)などを優先して事業着手すること。(ただし、事業完成時期は若干の延期はやむおえない)
(5)県庁跡地利用計画を早急に具体化すること。
(6)その他の大規模建設計画は、実施予算執行を2001年以降とすること。
1-6.人件費、公債費の抑制
(1)人件費についても中期的な削減目標を設定すること。平成10年度は、総枠3%削減を図ること。
(2)交通費、出張旅費、食料費など各種経費についても20%以上の大幅削減を図ること。
(3)職員退職金の退職時上載せ支給を再検討すること。
(4)地方事務官の報奨金支給を再検討すること。
(5)幹部職員に関する給与引き上げを当分の間凍結すること。
(6)県債の償還方法の変更による負担の平準化をはかること。
(7)県債の借り換えによる県債利子の圧縮を図ること。