2006年の観測日誌(前月の観測記録から)

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  観測の記録
1月  12月に引き続き、上旬は北極からの寒気が入りやすく、寒い日が続きました。しかし、中旬から上層の大気の流れが変わり、南からの暖気も入るようになって気温の変動が大きくなりました。14日は本州南岸を進んだ低気圧に向かって暖気が入り、日最高気温が15.4℃まで上がりました。次の週の21日には関東地方の南岸を進む低気圧に向かって冷たい空気が流れ込み、雪が降って日最高気温は2.7℃までしか上がりませんでした。
2月

 上旬は寒気が入りやすく、寒い日が続きました。しかし、中旬に入ると大気の流れが変わり、南から暖かい空気が入るようになりました。このため、月平均気温は5.1℃と平年より07℃高くなり、昨年の11月中旬から続いていた気温の低い状態は解消しました。なお、下層へ強い寒気の入った4日の朝には最低気温-5.5℃を記録し、1994年2月13日に記録した-5.6℃以来の低い気温になりました。

3月  移動性高気圧におおわれ、晴れて気温が上がる日が多くなりました。このため、月平均気温は7.7℃と平年より0.9℃高くなりました。月の後半は、本州付近を低気圧がたびたび通り、東海上で発達したため、強い西風の吹く日が多くありました。特に、17日は発達した低気圧が関東地方を東へ進んだため、日最大平均風速15.0m/s、瞬間最大風速で29.7m/sの西北西の強い風を観測しました。
4月  動きの遅い寒冷低気圧が相次いで本州付近を通過し、曇りや雨の日が多くなりました。また、南西の風の吹く日が少なく、あまり気温が上がらなかっため、月平均気温は11.3℃と平年より0.7℃低くなりました。しかし、本州付近での低気圧の発達が弱かったことから、天気の悪い日が多かったにもかかわらず、降水量は82.0mmと平年の60%しかありませんでした。
5月  上旬の終わりから中旬にかけて、前線が本州南岸から日本の南海上に停滞することが多く、曇りや雨の日が続きました。このため、月の日照時間は平年の75%しかありませんでした。また、寒気を伴った上層の低気圧の影響で、一時的に強い雨の降るときがありました。特に、28日は南からの湿った空気の影響で、山の東斜面で降水量が多くなり、日立市役所では9時から10時までの1時間に、39.5mmの雨が降りました。
6月  上旬から中旬にかけて、寒気を伴った上層の低気圧が本州付近を通過することが多く、一時的に強い雨の降る日や、降水量の多くなる日がありました。このため、市役所における6月の降水量は265.5mmと、平年の1.5倍になりました。特に、16日は南東からの風と地形の影響も加わって、市の中部から北部にかけての沿岸部で、総降水量が120mmから230mmに達しました。
7月  本州付近に梅雨前線が停滞し、西から湿った空気が入りやすい気圧配置が続いたため、曇りや雨の日が多くなりました。このため、月日照時間は72.7時間と、平年の53%しかありませんでした。一方、月降水量は345.0mmと平年の2倍(平年比242%)を超え、昨年に引き続き雨の多い7月になりました(7月の降水量としては、日立市役所観測記録順位第1位)。
8月  月の初めを除いて、太平洋高気圧におおわれ、晴れて気温の高い日が続きました。特に、月の半ばから下旬にかけては、日本の南を西へ進ん台風第10号に伴なって南から入り込んだ暖かい空気におおわれたため、夜も気温が下がりませんでした。18日と19日には、日最低気温が25℃以上の熱帯夜になりました。
9月  中旬前半に、本州南岸に前線が停滞して曇りや雨の日が続いた以外は、高気圧におおわれて晴れる日が多くなりました。上旬は気温の高い日が多くなりましたが、10日に寒冷前線が通過した後、冷たい空気を持った移動性高気圧が進んできて、気温が下がりました。13日、14日と連続して日平均気温が20℃を下回り、平年よりも約2週間早く日平均気温が20℃以下となりました。
10月  強い寒気の南下がなく、暖かい日が多くなりました。月平均気温は17.9℃と平年より1.3℃高くなりました。特に、最低気温があまり下がらず、10℃未満になることがありませんでした。また、寒気を伴った上層の気圧の谷が本州上を通過した6日と24日には、北東の強い風が吹き荒れました。6日の場合は、地上低気圧も発達したため、高潮が発生し、久慈町で床上浸水の被害がありました。
11月  上旬は、低気圧が日本の北を通ることが多く、南風が入り、高気圧におおわれて晴れて暖かい日が多くなりました。中旬以降は、低気圧が本州付近を通ることが多くなり、気温も平年並みまで下がって、季節が一歩進みました。低気圧の通過後に一時的に寒気の南下することはありましたが、昨年のように強い寒気が入る続けることはなく、月平均気温は13.0℃と平年より1.2℃高くなりました。
12月  上旬は晴れる日が続きましたが、中旬以降は日本の西に上層の気圧の谷が位置することが多く、低気圧が頻繁に本州付近を通り、日本列島の南に前線が停滞することも多くありました。このため、曇りや雨の日が多くなり、月平均気温は8.4℃と平年より1.2℃高くなりました。また、26日から27日かけて、発達した低気圧が本州南岸を進み、大雨が降りました。月降水量は156.5mmと平年の5倍になり、12月の降水量としては1968年の207.5mmに次いで多い記録になりました。

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更新日 08/10/23
名前 日立市天気相談所