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最終更新日:2003/Apr/1

平成15年3月県議会一般質問

4.悪徳商法・悪徳金融の対策について

次に、悪徳商法・悪徳金融への対策について、生活環境部長ならびに警察本部長にお伺いいたします。

長期にわたる景気低迷、雇用環境の悪化などにより、多重債務に陥る事例が多くなっております。個人の自己破産も近年うなぎ登りで増加している現状があります。

こうした中、お年寄りや若者、多重債務者などをねらった新手の悪徳商法や金融事犯が多発しています。

私も、ご相談を受ける機会が多くあり、その被害の多さ、巧妙さに驚きを禁じ得ません。

特にお年寄りには、訪問販売や催眠商法での被害が多いようです。高級寝具や健康器具、屋根や家の修理・塗装などの事例によく遭遇します。若者は、いわゆるワン切りなどの携帯電話を使った不正請求やキャッチセールス、メル友セールスなど、高校生や中学生までが被害者になっている事例があります。

こうした、悪徳商法の対策の最前線となって、大きな成果を上げているのが「消費生活センター」です。

県の消費生活センターへの相談件数は、毎年増加しています。平成9年度7,789件であったものが、平成13年度には12,131件と4年間でほぼ倍増しています。

こうした状況の中、県は相談員を2名増員する。データベースネットワークスシステムを導入する、市町村消費生活センターの設置に対し補助制度を創設するなどの対策をとってきました。

私は、今もっとも必要な政策は、消費者に最も身近な市町村の消費生活センターを充実させることであると思います。少なくても県内の全ての市に消費生活センターが設置できるよう、県の支援拡大が必要です。

そらに、県の消費生活センターは、その機能を専門的、先進的な事例に特化させ、市町村センターとのデータ集約機能を拡充させることが大切だと考えます。さらに、悪質な業者の実名を思い切って公表するなど、先手を打った対策を打つべきであると提案いたします。

県内の悪徳商法の現状とその対策、特に消費生活センターの充実策について、生活環境部長のご所見をお伺いいたします。

悪徳商法・悪徳金融の対策について、お答えいたします。

悪徳商法の現状と対策及び消費生活センターの充実策についてでございます。

消費生活センターに寄せられる相談件数は、近年増加を続けており、最近は、サラ金等による多重債務に関する相談、ツーショットダイヤルなどの電話情報提供サービスに関する相談、中でも、ヤミ金融や利用料の不当請求など悪質な事例が多くなっております。

これらの相談に対しましては、消費者が自らトラブルの解決を行う方法を助言するなど消費者支援を行うほか、被害の未然防止のため、相談の多い事例を中心に、パンフレットの作成配布や講座の開催、新聞やラジオなどでの情報提供、などを行っているところでございます。

今後は、これらに加え、県消費生活センターのホームページを充実するとともに、国、県、市町村を結ぶ全国消費生活情報ネットワークシステムを活用して、迅速な情報提供を行い、被害の拡大防止のため積極的に注意喚起を図ってまいります。

また、消費者トラブルによる被害を最小限に抑えるためには、早期相談、早期対応が重要でありますので、身近なところで相談ができるよう、市町村の体制の整備が必要であります。

現在、9市において消費生活センターが設置され、24市町村において相談窓口が開設されておりますが、今後も、市町村に対し、消費生活センター設置のための補助制度や、相談員の研修の充実などの支援を行うことにより、消費生活センターの設置を促進するとともに、センターの設置が困難な場合においても相談窓口の開設を積極的に働きかけ、市町村の相談体制の充実を図ってまいります。

続いて警察本部長に、悪徳金融業者への対応についてお伺いいたします。

まずマスコミ等でも大きく取り上げられております090金融について、質問いたします。この090金融とは、電柱へのポスターや新聞折込チラシ、電詰勧誘などで、借り手を募り、一週間で2割、実質年率に換算すると1000%を越える法外な金利を取るものであります。連絡先が090で始まる携帯電話である場合が多いために、090金融と呼ばれています。

最近は、多重債務者に一方的に現金を振り込み、「金を貸したのだから、利子を払え」と恐喝する「押し貸し」という手口も横行していると聞き及んでいます。

こうした090金融は、ポスターを貼るグループ、実際に金を貸し出すグループ、金を回収するグループ、債務者のデータを第三者に提供し不当な利益を上げるグループなどといったように、組織化、巧妙化していると言われています。そして、その頂点には暴力団組織が君臨しているとも言われています。

こうした090金融の本県内の現状と具体的な取締について警察本部長にお伺いいたします。

次に、県民の相談窓口の充実についてお伺いいたします。

現在、悪徳金融についての相談は、県警本部ならびに各警察署の生活安全課で受付けられております。しかし、土日や特に夜間の相談体制が不備であります。また、各地域の警察署では、担当者の不足もあり、被害者がすぐに相談を受けることができません。体制の不備な状況を逆手にとって、夜間や休日に恐喝まがいの取り立てが多く行われているのも現状です。

悪徳金融事犯の相談窓口等の充実について、警察本部長のご所見をお伺いいたします。

また、090金融業者については、十分な証拠が得られないケースが多くあると思われます。こうした事例では、警察官の責務に照らして「業者への警告や指導」を積極的に行うべきだと考えます。あわせて警察本部長のお考えをお聞かせください。

最近の金融事犯を見ますと、多重債務者や自己破産者、主婦等に対し高金利貸付等する、携帯電話を利用したいわゆる090金融、更には、「押し貸し」と呼ばれる新たな手口が出現し、これらの貸付金の回収に当たっては暴力団が介在したり、勤務先や兄弟宅に押しかける等、悪質な行為が見られるところであります。

このような中、金融事犯相談受理件数も年々増加し、平成14年中は生活環境課内に設置して有ります悪質商法110番の受理件数は、329件で前年に比べ142件増加しております。

検挙状況につきましては、平成14年中は、無登録貸金業違反及び高金利違反で15件11名を検挙しており、本年はより一層の取締りを強化するため、「悪質金融業者撲滅作戦推進本部」を設置し、現在までに7件8名を検挙し、うち4件は暴力団幹部が経営するものでありました。

また、いわゆる090金融につきましては、昨年中は10件7名、本年は5件5名を検挙しているところであります。

次に悪質金融事犯の相談窓口の充実及び対応についででありますが、県民から寄せられる各種相談につきましては、県下27警察署の生活安全課に警察安全相談係を設置して、専任の相談員を配置し、また、相談件数の多い10警察署には、警察官OBの嘱託相談員を各一名配置して、適切な相談受理に努めているところであります。

休日や夜間における相談業務につきましては、当直長の責任におきまして受理することを基本としており、相談者等に危害が及ぶおそれがある急を要する場合等は、直ちに110番通報をしていただくことにより対応することとしております。

違法な高金利貸付や無登録貸金業といった犯罪は、取立現場で直ちに認定できないことが多いところですが、取立に際して恐喝、暴行、住居侵入等の犯罪が行われたり、また、これらの犯行が行われるおそれがある場合は、法と証拠に基づき捜査、警告等の措置を積極的に執ってまいりたいと考えております。

県警察としましては、昨年来より電柱等に張り紙をして090金融を勧誘している業者に対し、その電話番号に直接電話して厳重な警告をしているところであり、今後とも関係機関との緊密な連携を図り、違法、業者に対する徹底的な取締りを推進してまいる所存であります。


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