★★ 日常のメンテナンス ★★

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●日常のメンテナンスは、新艇の状態を維持する事と艇全体の寿命を伸ばす事にもつながるので手抜きの無いように行いたいものです。
●乗艇時のセーフティ・セーリングには、日頃のメンテナンスも影響して来ます。

・長期保管をする場合は、塩抜き等は当然ながら、付着物等は洗い流し、金属部分は防錆油等を塗布して腐食から守り、雨水や埃、又は、太陽の紫外線が当たらないようにオーニングを掛けておきましょう。

・以下に、普段乗っている艇のメンテナンス方法例をあげておきます。

 ★ハル(艇体)について★

・現在のセーリング艇の殆どは強化プラスチック(F・R・P)で作られているので腐食はありませんが、傷によるガラス繊維の露出は劣化(ガラス繊維は紫外線に弱い)や水の浸透につながるので、応急的にポリエステル・パテやエポキシ・パテ等で埋め、凹凸を無くし最後は艇体色にあったウレタンペイントなどで仕上げます。
・ハルには各種の艤装部品が取り付けられていますが、金属部品の中で動く部品は丁寧に水道水で洗い流しましょう。又、コクピットの中に付いているフットベルト等は紫外線に弱いので変色後劣化してボロボロになるので長期保存する場合は紫外線が直接あたらないようにしましょう。
・保管や運搬の際の注意点について、水上で使用する船は水の上に船体が浮かんだ状態の時、バウからスターンにかけ水面より沈んでいる艇体へ海水等により、セーリング重量分の重さの浮力を受けて浮かんでいます。(下図;参照)

艇体が浮いている状態_イメージ


 一般に船は上図のように濡れ面積(沈んでいる部分の艇体)で重量を支えるのが無理もなく船にとって自然の状態です。しかし、メンテナンスの時やディンギーのように浮かべて置けない場合は船台等を使って前後2ヶ所に重量を分散して船台に置くのが普通なので、重量が掛かる部分は極力面積を多く取るようにしましょう。少なくとも重量の掛かる部分の凹みや変形が無いかをチェックしましょう。
 移動の際も同様な事が言えます。


 ★マスト関係について★

・殆どが金属部品で出来ているので出来るだけ水道水等で洗い流すようにしましょう。
・ステンレスとアルミが直接接触している箇所は、塩分等で電飾を起こしアルミは腐食しやすいので塩抜きは当然ながら出来たらコーキング剤を使って塩分などが進入できないようにする工夫も必要な場合もあります。
・ステーやハリヤードについて、一般に使用されているステンレスワイヤーは、細いワイヤーを撚り合わせてあるのでその内の1本でも切れているワイヤーが見つかった場合は隣り合った数本のワイヤーも切れているか切れかかっているので交換して置いた方が無難です。サイド・ステーやフォア・ステー等の硬いワイヤーはキンク(折る)すると強度が落ちてしまいますので、解装(艤装を外す)して置く場合はまとめて縛るかコイルしておきます。

 ★セイル(帆)について★

・以前は白いダクロン・セイルが一般的でしたが、最近はフイルム状のマイラー・セイルや高分子繊維のカーボンやケブラー・セイルがレース艇中心に多くなっています。
・一般的な白いセイルは、化学繊維(ダクロン)を織り込んで作られているので、強風にも強く、又、畳んでも強度に影響が無く、扱いやすいセイルといえます。この様なセイルにも金属部品が使われており、窓もあるので、水で流した後乾燥した上で、畳んで保管する場合、折る位置は時々変える、窓の部分は寒い時期に割れ易いので折らないように注意する必要があります。
・マイラー・セイルやカーボン、ケブラー・セイルは金属に似た性質があり、折ったり、傷を付けたりすると強度が落ちて切れやすい性質があるので、筒のようなものに巻いて保管します。なお、金属部品については上記のダクロン・セイルと同様なことがいえます。

 ★その他、艤装品について★
・強度の掛かる箇所には、殆どの場合、金属(ステンレス、アルミニウム、レース艇中心のチタン)やプラスチックのベアリングが使われています。上記に記述したように異種金属による電飾やベアリングを保持している部分はアルミ・ダイキャスト部品が多いので腐食により動きが悪くなる事があります。普段使っている場合でも出来たら時々は防錆剤を塗布したいものです。
・プラスチック部品間においても、塩分の蓄積により摺動部は動きが悪くなることがあります。
・セーリング・ディンギーには最近あまり見掛けなくなり、殆どがセーリング・クルーザー専用になっているウインチは、一般機械用に使用している潤滑油の一種のグリースを使った場合、塩分と反応して粘性が無くなり本来の性能が無くなるので、使っている場合でも重くなり、摩耗が激しくなるので定期的に分解して塗布したいものです。
シート端末がほつれて来た場合、そのまま使っていると次々に解けて行ってしまうので、乾いている時にガスライター等で焼いて端止めをしておきましょう。

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